2006.05.24
元気学校
校條 諭 氏
アンチエイジングで大切なのはMyアンチエイジング・スタイルを見つけること。そして、それを舞台で表現することです。
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今回は、株式会社元気学校の校條諭(めんじょうさとし)さんです。現在、米国アンチエイジング医学会公認イベントとして日本で初めて開催されている、「第1回アンチエイジング国際シンポジウム&エキスポ東京(AISET)のお話やアンチエイジングの今後などについてお伺いしました。
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校條 諭[ めんじょう さとし ]
野村総研、ぴあ総研を通じて、情報社会や消費者のメディア利用行動の研究に従事。1995年にインターネットへの取り組みを開始。1997年未来編集株式会社を設立、コミュニティサービス「アットクラブ」を開発・提供。2005年株式会社元気学校を設立。「才人応援企業」として、中間的人材、小集団リーダーに注目、創造的な社会づくりへの寄与をめざす。2006年6月開催のアンチエイジング・エキスポのネットサイト(インターネットAISET)を担当。 |
-アンチエイジングを切り口にユニークな活動を行う校條さん。まずは経営する元気学校とアンチエイジングにフォーカスした背景を聞きました。
校條さん
元気学校は日本社会を元気にしていくことをテーマに、そのキーとなる人を「才人」として、才人応援企業としての取り組みを行っています。今は、その一つとして、「アンチエイジング」にフォーカスしています。
その背景としては、3年ほど前から、健康ビジネスについて取り組んでいるのですが、その活動のなかで、病気を意識せず、もしくは何かしらの病気であったとしても、ポジティブに元気に生きていくためにできることはないかと考えた時、「アンチエイジング」に興味を持ちました。
健康というのはいつの時代にも意識されてきた普遍的な言葉ですが、アンチエイジングは、現在起こっているムーブメントの一つであり、今後どんどん定着していく分野と考えているからです。
-アンチエイジングとは、様々なイメージをもたれている言葉であると思いますが、校條さんが考えるアンチエイジングとは、どのようなものなのでしょう?
校條さん
私が取り組むアンチエイジングは、「元気ハツラツ ライフスタイル」「いきいき美生活」ともいえます。
両方とも同じような意味の言葉ではありますが、主として、前者を中高年の方向けの長寿を意識した前向きでポジティブなイメージ、後者を若い方向けの、内面も外面も美しく、見映えだけはない生き生きとしたイメージで使っています。
そして、ひとつの意味を一方的に押しつけるのではなく、意味が固まっていないアンチエイジングという抽象的な言葉を投げかけ、その波紋を一人一人が受け止める、受け止め方を考えてその人なりの意味づけをしていくことが大切だと思っています。
-では、アンチエイジングにおける具体的な取り組みについて、教えてください。
校條さん
「医食体笑」(いしょくたいしょう)を軸にした取り組みを行っています。これは、ライフスタイルを分けたもので、アンチエイジングの領域を表しています。中でも、これがあってこそ、楽しく生きていけるような「舞台」を作るお手伝いをしています。
舞台に出ることで、そこで行った表現が評価され、またそれが次の表現へとつながる。舞台では、劇が上演されていて、そこには、演出家と役者、それに観客がいることで成り立つのです。
6月に開催されるアンチエイジング国際シンポジウム&エキスポ東京2006(AISET)の関連企画として、インターネットAISETというサイトをオープンしていて、アンチエイジング・スタイル展と呼ぶ取り組み事例集を掲載しています。そこで取り上げている個人の方々は、みなさんブログを開設していてアンチエイジングを話題にしたり、自分の取り組みを紹介しています。
その方々に、アンチエイジングの取り組みをやめずに続けられる理由を聞くと、コメントやトラックバックによって、ほめられる、評価される、そしてその評価してくれた他の人のブログを読むことで励みにしている方が多いようでした。お互いが交互に「舞台」に立ち、観客と役者になっているといえるのでしょう。
インターネットの世界では、個人が簡単に発信する、すなわち演じる機会を持てる時代になっています。今まではマスメディアが発信力を独占していたのが、個人がメディアの発信者になることができる時代になりつつあります。個人メディアのひとつひとつは小さくとも、膨大な数の個人メディアが相互につながりながら発信すると、マスメディアにとっても無視できません。
企業にとってもマスメディアを通じてでなく消費者に向かって直接発信できるようになってきています。こうして、マスメディア、企業、個人それぞれが持つメディアが対等に向き合う時代になってきています。
ちょうどインタビュー当日の新聞記事にあった「エアギター」の話となりました。フィンランドで毎年、世界選手権が開かれるほどの「エアギター」(あたかもそこにギターがあるかのように、ギターを弾くパフォーマンスを行う競技)ですが、「一人、部屋でやっているうちは ヘヤギターで、人前でやれるようになったら真のエアギタリスト」とのこと。アンチエイジングの分野でも、舞台にでてこそ、元気ハツラツになる、『「ヘヤギター」ではなく「エアギター」』が大切というお話となりました。
-先ほど、話にありましたアンチエイジング エキスポについて、詳しく教えてください。
校條さん
今年、米国アンチエイジング医学会(A4M)の公式イベントであるAISET(アンチエイジング国際シンポジウム&エキスポ東京2006)が6月16日〜18日に開催されます。
これはこれまで世界の30近い都市で行われていて、日本では今年、初めて開かれるのですが、専門家向けのシンポジウムだけでなく、世界的にも初めての取り組みとして、企業や一般個人向けの「エキスポ」が開催されます。専門家、クリニック、企業などが、個人や一般消費者に対してプレゼン(講座)や展示、を行う形式です。
元気学校は、この開催主旨に賛同し、AISET事務局から委託を受けて、インターネット上でのエキスポ「インターネットAISET」を担当しています。
-インターネットAISETではどのようなことが行われているのでしょう?
校條さん
インターネットAISETでは、専門家から一般の人までが取り組んでいる、様々なアンチエイジングのライフスタイルを提示していこうとしています。大きく「アンチエイジング・スタイル展」と「アンチエイジング・サロン」に分かれています。
アンチエイジング・スタイル展は、2つの事例集から成り立っています。1つ目は、「企業」や「専門機関」などが取り組んでいる商品、サービス、ライフスタイルをキーとした事例集です。大企業から小さなクリニックまで、自慢の取り組み事例を集めています。2つ目は、「アンチエイジングの実践をブログに書いている人たち」に呼びかけて集まった、個人のライフスタイル事例集です。
企業や個人が、それぞれの考えるアンチエイジング スタイルを発表しており、アンチエイジング スタイルのデータベース的なものです。
アンチエイジング・サロンでは、ポッドキャスティング(「ipod」と放送するという意味の「broadcasting」の造語。携帯型音楽プレーヤーにダウンロードして聴く事ができる配信番組のこと、またその仕組み)を用いたアンチエイジング・ラジオ(インタビュー)のほか、ブログを活用して6人のパーソナリティ(ライター)がアンチエイジングに関する様々なニュース、スタイルについて語っています。
こちらでは、アンチエイジングに関するニュース、事例などを、どう読むか、どう注目するのかを発信しています。
異なる専門分野が集まって、活性化され、一つのダイナミックなものを作っていく。それがアンチエイジングでは大切なものと思いますし、そのために、異なる場にいる企業や個人のメッセージとか情報を集め、編集し提示する、インターネットAISETはそのための取り組みでもあります。
-なるほど。そのような専門家や個人のアンチエイジングへの取り組みを見ていく中から、アンチエイジングのマーケット全体としては、どのようなことを感じられているのでしょう?
校條さん
アンチエイジングは、人々の身体の関心の持ち方が変化したことによって生まれたと考えています。
以前までは、人々の身体への関心は、スポーツ選手などを別にすれば、働いた後の休息、休憩として疲労回復を行う、病気にならないためのケアでした。
しかし、それが今、日常的なケアとして、日ごろの身体作りや体みがき、調子のいい体をどう作るかということが、目的となり、それ自体を楽しんでいます。それはスポーツなどで体を鍛えて、筋肉モリモリの体にするといった修行的な考え方ではなく、自分の体に関心を持ち、楽しく体づくりを行うといった一大潮流となっていると思います。
その取り組みにあたっては「プロセス&スタイル」という言葉を特に意識しています。
-「プロセス&スタイル」とは?
校條さん
まずプロセスですが、体への関心の持ち方の段階を考えると、「治療」という、結果こそが最大の関心事である段階から「予防」へと関心の重点がプロセスに移り、さらに前向きに体づくりへの関心が高まるに至って、プロセスの重要性が非常に大きくなってきています。身体への関心が受け身的であったときから、だんだんと能動的、前向きになっていると言えましょう。スポーツマンでなくても、体づくりのプロセス自体を楽しむということです。
スタイルについては、アンチエイジングは多様性が基本となっていますので、ベースにある多様なものから、いかに自分なりの、myアンチエイジング・スタイルを見つけて、続けていくのか、という意味です。
どうシンプルに自分なりのスタイルを見つけていくのか、アメリカではそれがサービス業としてなりたっており、いきなり医者にかかるのではなく、アドバイザーやコンサルタントが活躍しています。
日本では、アンチエイジングの世界そのものがわかりにくいため、また、横断的な視点を持ったアドバイザーがろくにいないために、それを補完するためのライフスタイルジャーナリズムが重要な位置を占めていくと考えています。
-「ライフスタイルジャーナリズム」とは、どのようなものなのでしょう?
校條さん
「通販生活」で行っているような商品を核にしたライフスタイル・ジャーナリズムの例がわかりやすいかもしれません。商品そのものを実際に使われている場面に持っていくと、それがライフスタイルとなります。その場面を通販カタログと兼ねた雑誌という形で紹介しているのが通販生活で行われているライフスタイル・ジャーナリズムです。
個人がブログなどを通じて、ある生活シーンを商品と共に表現する、それがまさにライフスタイルジャーナリズムです。
食べ物ですと、「おいしい」という評価はとてもわかりやすいものでありますが、アンチエイジングでそれにあたる評価である「効く」というのは、軸がみえにくいものです。
それを売る側である供給者だけで担うのは、大変難しいことです。ですので、ブログにおけるライフスタイル・ジャーナリズムを始めとする個人ジャーナリズムを利用することが重要となります。
このような流れから、アンチエイジングの企業では、それを観察する立場で眺める、またそれらをネットワーキングしたり、演出したりする、そしてよりよいジャーナリズムを作ってあげることが大切になっていくのだと思います。そして、私たちは、それを目指しています。
-なるほど。では、その具体的な今後について、お伺いできますか?
校條さん
インターネットAISETですが、AISET終了後も、AISET事務局となっているAARI株式会社に協力して共同で続けていくつもりです。
そして、今後は、アンチエイジング・ポータルサイトというコンセプトでサイトの展開を考えています。キーワードとしては、「情学才商」です。
「情」の基本は、インターネットAISETのスタイル展となります。ライフスタイルジャーナリズムや、また現在、元気学校で行っている取り組みの一つであるアンチエイジング・ツアーを紹介するツアージャーナリズムも行っていきます。
また、「学」は、インターネットを利用して、アンチエイジングを楽しく学べたり、実際のセミナーを行ったり、といったことを考えています。
「才」と「商」については、才人応援企業として、現在、様々なところに存在している、アンチエイジングに関する才のある方々をいかにサポートするかについて、もっと才を活かせる方法や、実際に才を活かせる場の提供ができたら、と思っています。そういう才人が「商」(販売)を活性化していきます。
詳しくは、今後のインターネットAISETを楽しみにご覧ください。
-わかりました。では、最後に校條さんご自身のアンチエイジングについてお聞かせください。
校條さん
毎日笑って、ポジティブに楽観的に過ごしていることでしょうか。基本的に「笑い」が中心ですね。
色々な人に会うのが楽しいので、特にアンチエイジング・ラジオのインタビュアは天職だと思っています。
その人に関心を持って、本人の気がつかなかったことを聞きだせる。新しい人との出会いはもちろん、既に知っていた方との会話でも、ネットで流れるラジオのインタビューとなると、相手の意識が単なる一対一の会話とは違った構えになるので、日ごろ聞けないことが聞けるのです。おそらく、そこには即興劇の面白さと似たようなものがあるのかもしれません。
-本日は、お忙しいところ、ありがとうございました。
[ 取材日:2006年4月26日 ]
[ インタビュアー:脇本和洋 ] |
■取材を終えて
取材を通じて感じたキーワードとして「健康業界のファイナンシャルプランナー」があります。
●健康業界のファイナンシャルプランナー
1)商品を比較する
2)顧客向けに簡易なカスタマイズをする
3)顧客のライフステージに合わせ長い期間で商品・サービスを提案する
といった機能を生活者に届けるというコンセプトです。
特に3)は健康ビジネスで欠けていた視点のような気がします。
健康を「一生」で考えて提案していく。そうした提案方法にも可能性があるのではないでしょうか。
今回のビジネスキーワード
myアンチエイジングスタイル、舞台、ライフスタイルジャーナリズム、医食体笑、才人