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[モバイルヘルス&アプリ動向編] 2015年7月14日号
            ≫≫≫Author:渡辺武友
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HealthBizWatchでモバイルヘルスを担当しています渡辺武友です。
毎月第二週目で「モバイルヘルス&アプリ動向」編をお届けします。
 
今回は2013年から運営するHealth App Labの情報をベースにヘルスケアアプリについてまとめました。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---後発でヘルスケアアプリを展開するためのポイントを見極める
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「健康サービスの取扱説明書!?」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内調査レポート、新サービス、海外アプリ動向など11本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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【テーマ:後発でヘルスケアアプリを展開するためのポイントを見極める】
 
 
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1.ヘルスケアアプリのランキング傾向
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2012年4月から3年間、iTunes、Google Playのヘルスケアアプリのチャート動向を毎週チェックしてきました。
俯瞰して見ていくといくつかの傾向が見えてきましたので、今回そのポイントを紹介し、今後どのようなヘルスケアアプリを検討すべきか、見ていきたいと思います。
 
◇カテゴリー細分化
ヘルスケアカテゴリーの中でもいくつかのカテゴリーに分けることができる。
「ダイエット」「運動」「睡眠・リラクゼーション」「女性のからだ」「美容」「視力」など。現在Health App Labの中ではメディカルカテゴリーも含めて79に分類している。
 
 
 
◇ランキングの傾向
iTunes、Google Playの無料、有料チャートの上位を、細分化カテゴリーで見ていくと、有料、無料ともに「運動」「睡眠・リラクゼーション」が、無料だけでは「ダイエット」「女性のからだ」が、年間通して上位に多く見られる。
以前のチャート動向として、有料チャートはあまり変動せず、無料チャートは季節ごとに変動する傾向があったが、ここ1年は、どちらも年間通して順位がゆるやかに変動していくようになった。
 
◇ランキング上位の特長
ランキングは毎日更新されているが、例えばミュージックランキングのように流行り廃りで常に上位が入れ替わるようなことはなく、数年間上位にいるアプリが多い。
上位にいるアプリの傾向をまとめると、1つは「ブランド化できているアプリが上位で定着する」。もう1つは「差別化できていないが広告戦略で上位に居続ける」ものに分かれる。
「ブランド化できているアプリが上位で定着する」もののポイントは、
 
・アプリ初期から導入している先行逃げ切りタイプ
・後発ながら他にない特長を明確化できたタイプ
・コミュニケーションを強化し評価を伸ばしているタイプ
 
の3つが挙げられる。
 
 
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2.アプリビジネスモデル
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数年前のアプリ自体が珍しかった時代は、ヘルスケアカテゴリーでも買い切りの有料アプリで、ランキング上位に入れば月数百万円の収益を上げていたと言われますが、現在は数十万円程度と言われています。(iTunes、Google Playでは収益に差がある)
現在は以下のモデルが主流になってきています。
 
◇月額課金モデル
単にデータがストックできるレベルではなく、定期的なアドバイスを得られる定額サービス。
 
◇広告モデル
単純なバナー広告に留まらず、アプリを1つのメディアと捉えてスポンサーを募るモデル。
 
◇本業への付加価値モデル
ヘルスケアサービスとして本業は施設サービスなどを提供し、日々の管理にアプリを使ってもらうモデル。
 
 
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3.今後のヘルスケアアプリを活用したビジネスのポイント
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すでにヘルスケア、メディカルカテゴリーのアプリは世界で10万種以上になりました。その中で近いタイプのアプリを比べると、まったく同じ機能のアプリが数十種類も見受けられることがあり、飽和状態とも言えます。
 
◇今後ヘルスケアアプリを開発する際のチェックポイント
 
・ランキング上位のアプリを中心に、何が強みになっているのか?
・近いタイプのアプリを細分化カテゴリーから比較して、差別化するポイントはどこなのか?
・何で収益を上げているのか?
・継続する仕掛けは何か?
 
これらを整理して企画していくのが望ましいでしょう。
特にヘルスケアアプリの場合、アプリ単体ではなく、他の商品やサービスと組合せ、継続的に使いたくなる価値作りが重要になってきます。
 
さて、貴社の既存アプリ、現在企画中のアプリは他アプリとの違いが明確で、後発でも勝ち残っていけるものか、改めてチェックしてください!
 
 
【ヘルスケアアプリの分析】
企画したアプリが差別化できているのか?これから企画するならどの方向性か?このような疑問を3,000種以上のアプリを見てきた、健康、医療情報の専門家で構成するHealth App Lab研究員がサポートします。
 
ご相談はこちら
 
 
【ヘルスケアアプリ・プレイヤーから学ぶ】
ヘルスケアアプリでどう収益化するのか?世界的にも課題になっています。7月22日に開催するモバイルヘルス勉強会では、海外の動向から、国内でヘルスケアアプリを展開する「あすけん」「Karada Manager」の現状、新たな試みを、各運営者に紹介していただきます。
 
モバイルヘルス勉強会「モバイルヘルス サービス視点における国内外の動向」
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「健康サービスの取扱説明書!?」
 
貴方の健康サービスは、顧客に対してその利用方法を適切に説明できているだろうか?
北欧の家具メーカーIKEAの取扱説明書は絵を中心に文字は無く、直感的に組み立てていけるようになっていて、グローバル展開のプロセスで進化してきたものと思われる。でも、これは購入者が完成品を見ていることがそれを可能にさせているし、そして顧客がどの工程で困るかを知り説明が進化している。
このIKEAと同じ工程を貴方の健康サービスの取扱説明書は踏んでいるでしょうか?
 
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【3】今週の注目デジクリップ!
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[1]小学館、男前を目指す男性のための身だしなみ強化書「Men'sBeauty」を創刊
身だしなみに対する意識を啓蒙するために誕生した日本初のキュレーションWEBマガジン。コンテンツの柱となるのは「スキンケア」「ヘアケア」「ヘルスケア」。(2015/07/01)
 
[2]デジタルヘルス事例:拡大期に入った「ゆびさきから健康チェック」(日経デジタルヘルス)
生命科学インスティテュートグループの健康ライフコンパスが提供する「じぶんからだクラブ」。対応店舗は2015年6月中に全国で1000店舗を超える見通しで、7月には1300店舗に達するという。(2015/07/01)
 
[3]電通総研、「シニア×働く」調査を実施
50代後半に就労経験のある60-69歳の2,600名の男女を対象に仕事や働くことへの意識や満足度を調査。定年退職後も仕事を継続する人が多数派に。定年退職経験者のうち男性の約72%、女性の約55%が仕事を継続、など。(2015/07/02)
 
[4]ゴールドウイン、スポーツを楽しむサラリーマン・OLのスポーツに関する調査「日常のスポーツ意識・行動編」【PDF】
サラリーマンやOLが前回調査より引き続き“健康志向が強く”“頻繁に”スポーツを行っている。また“一人で”行う傾向が強まっている。スポーツに取り組む目的は70.6%が「健康のため」と非常に高い健康志向が読み取れる。(2015/07/02)
 
[5]みずほ情報総研など、「ICTを活用した医療産業の海外展開推進」に関する政策提言を発表
本提言は、2014年12月に発足した「医療産業の海外展開促進に関する検討会」において医療機器メーカーや関係団体などとともに計4回にわたり協議した結果をまとめたもの。(2015/07/06)
 
[6]QLife、病院・お薬探しキーワード6月ランキング
病院探しキーワードでは「大腸 内視鏡」が検索数トップに。「痔」「人間ドック」と続いた。ほか「子宮筋腫」や「自律神経失調症」、湿度が高くなる梅雨の時期から患者数が増加する「水虫」の検索が増加した。(2015/07/07)
 
[7]健康・医療戦略推進本部、第10回健康・医療戦略参与会合を開催
議事は「医療分野研究開発推進計画の実行状況と今後の取組み方針2015について」など。(2015/07/07)
 
[8]インフォグラフィックス:モバイルヘルスに大きな期待
製造コストを減らし成果物を向上させる新技術に支えられ、モバイルヘルス産業は目下持続的成長を謳歌している。さらに消費者も提供者も同様に、mHealthツールとプラットフォームに価値があるかどうかを見極め始めている。(2015/07/02)
 
[9]Walgreens、リワードプログラムにJohnson & Johnsonの『7 Minute Workout』アプリを追加
Johnson & Johnsonは、同社が提供する「7 Minute Workout」アプリをWalgreens Balance Rewardsの「healthy choices program」と統合するため、Walgreensと共同プロジェクトを進めることになった。(2015/07/03)
 
[10]毎日のランニングを寄付金に変えるアプリ『Charity Miles』
GPSをトラッキングして距離を測る基本機能がついたアウトドアのランニング&ウォーキングのほか、ジムの運動でもランニング&ウォーキングをしてもチャリティー団体に寄付できる。(2015/07/06)
 
[11]Apple Watchに対抗する医療サービス『Nebraska Medicine』
この健康管理システムは、ネブラスカ医療センター、ベルビュー医療センター、ネブラスカ大学医学部の医師たちがEHRサービスを行なうEpic社と共同で開発するアプリで、患者だけでなく医師をターゲットにしたものでもある。(2015/07/07)
 
 
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