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[健康サービス・デザイン編] 2015年8月4日号
          ≫≫≫Author:大川耕平
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HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
毎月第一週目ヘルスビズウォッチの「健康サービス・デザイン」編を担当しています。
 
7月30日には第二回WellnessPostのヘルスケアイノベーションセミナーのパネラーとして登壇してきました。
こういったヘルスケア領域のイベントが増えて注目されるのはうれしい限りです。
 
健康サービス事業の成長には「顧客との学習関係」プロセスを理解する必要があります。
特に初期プロセスが重要で今号の特集テーマでもあります。
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---健康サービスデザインにおける初期プロセス
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「チェンジ・エージェント」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内ハッカソン情報、海外フィットネスウェアラブルなど7本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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【テーマ:健康サービスデザインにおける初期プロセス】
 
 
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1.顧客目線で初期プロセスを見直すことでパフォーマンスは変化
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全ての健康サービス(オンオフ限らず)で最も重要な工程が初期プロセスです。個人的には提供プロセス100の中で50のウェイトを与えてもいいのではと常日頃感じています。その可能性をこの特集で少しでも感じ取っていただければ嬉しいです。
 
◆あらゆるサービスの初期設定品質が継続率を決めている
 
フィットネスクラブの会員継続率、健康改善プログラムサービスや健康食品継続利用にとって、「最初の顧客接点から商品サービス利用手続き場面や初回利用までの初期プロセス品質」が大きく影響していることが分かってきています。
 
フィットネスクラブは施設サービス利用が自分の目標達成のためにいかに機能し楽しいかを初期に共有できるかがキーです。実は多くの施設利用者は目的が曖昧で、そのままで利用するとどこかで無理がでて退会してしまいます。
 
健康食品は成果のためのアクションが商品継続利用であることはもちろんのこと、このサービスでどんな好ましいことが自分に起きるかを徹底的にイメージできるような情報サポートをします。
 
健康改善プログラムは初期段階で小さいチャレンジ行動(small action)で成功を体験させ意欲を引き出す工夫をします。
 
サービスの初期設定には丁寧さ・手間・気配りが必要です。ここを無視して継続率向上は難しいです。初期プロセスを全てシステムで対応する場合、その品質が再現できているか要注意です。
 
 
◆顧客目線でのプロセスデザインで初期設定品質をアップ可能です
 
顧客行動として
・なぜその商品サービスをセレクトするのか?
・セレクトしたことがいかに正しいか?
 
を理解できるストーリーとして組み込むことでほとんどのサービス初期設定品質はアップします。
 
 
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2.初期プロセスが進化することのメリット
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◆顧客との相互学習関係へ
 
初期プロセスに丁寧に寄り添い顧客の行動意識を高くする交流を通して、サービス提供側も顧客の経験行動の変化から多くの学びを得ることができるはずです。つまり提供側のノウハウ向上チャンスでもあるのです。
 
◆LTVアプローチの発見へ
 
初期設定品質アップに取り組むことで、そのノウハウ・モジュールを繰り返すことが、その後の顧客リレーションに活用できることに気づくはずです。そして、これこそが顧客の生涯価値に寄り添う基本なのです。
 
「プレゼンテーションは顧客フォローのためにある」というPJ・マイヤーという米国の成功哲学研究家・事業家の言っていたことと同根です。
 
継続リレーションに成功しているサービスモデルは初期プロゼンテーション要素を何回も繰り返しコミュニケーションエッセンスに組み込んでいるということなのです。
 
 
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3.デザイン思考の常体化へ
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◆経験重視の課題解決活動へ
 
顧客との交流経験から学び、サービス品質を高めていくアプローチをデザイン思考と言います。この顧客との共創活動こそが健康サービスの次世代型品質をつくっていくメソッドです。
 
デザイン思考のプロセスは
Empathy 共感
Define問題定義
Ideateアイデア発想
Prototypeプロトタイプ化
Teatテスト&フィードバック
体験的につくりながら学んで質を磨いていくというアプローチです。
 
今、日本の健康サービス構築・推進に最も必要なアプローチのひとつだと我々は考えています。
 
◆継続進化体制へ(マネタイズ強化含む)
 
顧客との持続性ある関係性をどうつくっていくか?
デザインしていくか?
どこまで続けていけるか?
 
この方向性課題の「解」を全て顧客との交流の中から発見して実験して育てて磨いいていくことで、プロセスでマネタイズポイントを豊富に発見できるはずです。
 
たとえば
活動量計(ライフログデバイス)のプログラムサービスの会員コミュニティから
 
・運動量キープのための生活技術ノウハウ
・活力キープのための食事術
・トレーニング理論・ノウハウ指導
・イベント企画
・良質サプリメント選択支援
・食事指導
・コンセプトアパレル企画販売キャンペーン
・社会貢献イベントへの参加
 
などなど様々なアドオンサービスやスポット企画、新たなテーマコミュニティの提案が可能です。
 
 
あなたの健康サービスの初期プロセスをチェックしてみませんか?
 
●Health Biz 問題解決session
このサービスは大川が貴社プロジェクトに参加して共創型で問題解決をサポートしていくスタイルでフレキシブルな対応・設計が可能です!!
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「チェンジ・エージェント」
 
健康サービスの多くはお客様の求めるアウトカムに向けたお客様自身の行動変容に寄り添うことになります。
そう考えるとお客にとってのチェンジ・エージェントとしていかに機能するか?がサービス提供者のミッションになります。
 
あなたのサービスではどうなっていますか?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ!
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[1]東京大学、匂いで摂食や警戒のモチベーションが生じる神経メカニズムー大脳のモチベーション領域を発見ー【PDF】
大脳の嗅結節と呼ばれる部位に食べ物の匂いで「食べたい」モチベーションを引き起こす神経回路と、危険な匂いにより「避けたい」(警戒・忌避)モチベーションを引き起こす神経回路が別々に分かれて存在することを発見。(2015/07/22)
 
[2]経済産業省、地域でのヘルスケアビジネス創出に向けた取組を加速化しますーヘルスケア・アクセラレーターの育成・派遣を本格化ー
REVICと連携してヘルスケアビジネスの事業化を支援する人材(アクセラレーター)を集積し、ヘルスケアビジネスに取組む事業者に派遣することなどを目的としてヘルスケア・アクセラレーター・ビレッジを立ち上げ共同運営していく、など。(2015/07/27)
 
[3]カルチュア・コンビニエンス・クラブ、ふるさとスマホ株式会社 設立のお知らせ
スマートフォンを利用して、高齢者サポート・健康増進など、ふるさと(地域)活性を実現することを目的に「ふるさとスマホ株式会社(略称ふるすま)」を設立。(2015/07/28)
 
[4]ヘルスケアアプリハッカソン運営委員会、ヘルスケアアプリハッカソンー未来のヘルスケアはサプリよりアプリー
開催日は8月29日(土)、30日(日)。ヘルスケア×ライフログをテーマにしたアプリサービスを2日間で作成する。参加者はいくつかのチームに分かれチームごとにチャレンジする形式。2日目にチームで作成したアプリを5分間でプレゼンテーション。審査の上、優秀なアプリを企画・製作したチームを表彰する。
 
[5]新社会システム総合研究所、もうシニアでは響かない!「50+(フィフティプラス)世代の消費行動とビジネスチャンス」を開催
開催日は10月7日(水)。現在の生活者は「50歳を超えたらもう年をとらない」という位の気持ちを持っている。人口構造の急激な変化で日本は今までの若者・ヤングファミリーを中心とする社会から大きく変わろうとしている。その変化を捉えビジネスやコンテンツを花開かせるためにどうしたらいいのか、そのツボを紹介。
 
[6]Appleのエンジニアらが開発したフィットネス・ウェアラブル『Moov Now』
人工知能を活用し、ユーザーの“ゴールを達成するために監督する”一歩進んだフィットネス・ウェアラブル。「Moov Now」がアルゴリズムと連動し、モニターしたデータを元にリアルタイムで現在の状況とゴールまでにやらなければいけないことを指示する。(2015/07/24)
 
[7]調査:消費者の41%は、遠隔医療のことを知らない
Survey Sampling Internationalが1,200人の消費者を対象に調査。消費者の41%が遠隔医療の存在を聞いたことがないということが判明した。ミレニアル世代で遠隔医療について知らないと回答した割合は30%と低く、45歳から64歳の年齢層では46%にのぼる。(2015/07/24)
 
 
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