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[ヘルスコーチングの視線編] 2015年9月29日号
          ≫≫≫Author:里見将史
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「ヘルスコーチングの視線」を担当する里見将史です。
 
前回は「ヘルスコーチング」の基本的なアプローチをお伝えしました。
ヘルスコーチングとは、「健康的な行動変容を支援するコーチ」であるということは、感じていただけましたか?
 
さて、今回はヘルスコーチングのコミュニティの中で活用についてお届けしたいと思います。
ヘルスコーチングの活用のヒントにしてみてください。
 
 
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
---ヘルスコーチング × コミュニティ
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「学習の4段階」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 新製品情報、海外 デバイス動向など10本
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
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【テーマ:ヘルスコーチング × コミュニティ】
 
 
前回は、ヘルスコーチングの基本的なアプローチについてお届けしました。
ヘルスコーチングはコミュニケーション技法なので、1対1でしか提供できないのかというと、全くそんなことはありません。複数人を対象としたグループやコミュニティといった形式でも十分提供が可能なのです。
 
今回は、「ヘルスコーチング × コミュニティ」に関して、これまでの経験をもとにご紹介します。
 
 
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1.コミュニティスタイルのヘルスコーチング
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コミュニティスタイルのヘルスコーチングでは、対象者の人数の考え方のバリエーションはありますが、基本的なスタイルとして10人以下のメンバーに対して1人のヘルスコーチといった構成がベターだと、これまで経験した中から分かってきています。
 
そのため、1対1のヘルスコーチングよりも、ヘルスコーチとメンバーとのコミュニケーションの密度は薄くなります。
しかし、コミュニティスタイルであるからこその価値が存在します。
 
 
1-1 ピア&トゥギャザー
 
コミュニティ内では、メンバー同士が同じテーマに取り組む同志という一体感が生まれていき、またメンバー同士がお互いを励ます存在として機能していくため、モチベーションを維持しやすくなります。
 
 
1-2 ラーニングコミュニティ
ヘルスコーチとメンバーとの1対1のコミュニケーションの量は少なくなりますが、コミュニティ内では、様々なコミュニケーションや情報交換のやり取りが発生するため、それらの会話一つ一つがメンバーにとって「学び」につながります。
 
コミュニティスタイルのヘルスコーチングの特長のひとつが「学びの場」でもあるという点を我々が経験していていつも感じるポイントです。
 
 
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2.コミュニティスタイルだからこその「気づき」と「学び」
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ヘルスコーチングの会話の中心は対象者です。
そのため、コミュニティスタイルのヘルスコーチングでも、会話の中心はもちろんメンバーなのですが、コミュニティでは直接的なコミュニケーションとはまた別のところにも価値が存在しています。
 
 
2-1 メンバー ←→ ヘルスコーチ 
 
メンバーとヘルスコーチの直接的なコミュニケーションでは、会話をしているメンバーにはいろいろな「気づき」や「学び」があることはもちろんですが、メンバーとヘルスコーチの会話を見ている他のメンバーにとっても、「気づき」や「学び」「発見」の機会にもなっています。
 
情報の共有はもちろんですが、別の取り組みや考え方、工夫など、他のメンバーとの「違い」を発見し認識することも大きな「気づき」につながるものなのです。
 
 
2-2 メンバー ←→ メンバー
 
コミュニティでは、メンバー同士のコミュニケーションが活性化するようにヘルスコーチが働きかけます。メンバー同士が様々な情報を交換し合うので、会話に参加しているメンバーにとって「気づき」や「学び」がたくさんあるのはもちろん、コミュニケーションに参加していない他のメンバーにとっても、メンバー間の会話を通して「気づき」や「学び」を得ることができます。
 
コミュニティスタイルでは、参加しているメンバー全員がコミュニケーションに積極的かというとそんなことはありません。
参加者一人一人のコミュニティとの距離感は個々に違っていて当然で、それぞれの立場や参加スタイルでもコミュンティ内から「気づき」や「学び」が得られるのがコミュニティスタイルのヘルスコーチングなのです。
 
 
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3.コミュニティスタイルのヘルスコーチングは設計がポイント
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コミュニティスタイルのヘルスコーチングでは、コミュニケーションをどのように促進していくのかが重要なポイントになります。
 
コミュニケーションの中に「ヘルスコーチング」のアプローチや要素を組み込むことはもちろん、メンバー同士の「共有」「共感」を促進していくためには、場当たり的なコミュニティ運用では成立しません。
やはり、しっかりとした設計がポイントになってきます。
 
 
3-1 コミュニティの設計
 
コミュニティスタイルのヘルスコーチングを行う際、まずポイントになるのが、コミュニティの参加人数になります。あまり大きなグループやコミュニティでは、メンバー同士のつながり、連携が見えづらくなってくるため、これまでの経験から1グループ10人以下が最適だと感じています。
 
また、次にポイントになってくるのがメンバーの構成です。
同じテーマだったり、ライフスタイルだったりといった「共感」が得やすいコミュニティを形成することが重要になってきます。
 
この「共感」を得やすいコミュニティの形成が、コミュニケーションの活性化のポイントにも関係してきていると分析しています。
 
 
3-2 コミュニケーションの促進
 
ヘルスコーチングでの会話の中心は対象者であると、これまでも繰り返し説明してきておりますが、コミュニティスタイルでのヘルスコーチングでも同様で、いかにメンバーが発言しやすくするか、また、メンバー自らが率先して発言をするようにヘルスコーチは会話をファシリテートする必要があります。
 
そのためには、あらかじめ事前にファシリテートする会話、テーマ等は設計しておき、コミュニティの流れの状況に合わせて微調整することが求められます。
また、コミュニティスタイルでのヘルスコーチングでは、1人のコーチが複数のコミュニティを同時に対応できることも求められます。
 
そのためには、事前にコミュニケーションの設計をしっかりと行っておくことは、同時に複数のコミュニティを展開することはもちろんですが、コミュニティの活性化にとっても非常に重要になってきます。
 
コミュニティスタイルでのヘルスコーチングでも、コミュニケーションの設計の基本的なアプローチは1対1のヘルスコーチングと共通であり、そこにプラスしてコミュニケーションの促進という視点が必要な要素なのです。
 
今回はヘルスコーチング × コミュニティのアプローチを解説しました。
コミュニティスタイルのヘルスコーチングでは、コミュニティならではの「気づき」や「学び」「共感」などが存在し、One to Oneとはまた違った価値が提供可能なのです。
 
 
次回は、コミュニティスタイルのヘルスコーチングの展開事例をご紹介する予定です。ご期待ください。
 
 
 
【『ヘルスコーチング』プライベートセミナー】
 
プライベートセミナーは、お客様のご要望に合わせ、場所、日時、参加人数を決めていただき開催する個別セミナーです。
 
プライベートセミナーではヘルスコーチングに関してプロジェクトメンバー全員での共有し、質疑応答では貴社の展開を踏まえたディスカッションも可能です。是非ご活用ください。
 
『ヘルスコーチング』プライベートセミナーの内容は以下にてご確認ください。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「学習の4段階」
 
サービス技術の成長プロセスもこれと同じです。
 
1 無意識無能状態
2 意識的無能状態
3 意識的有能状態
4 無意識有能状態
 
貴社サービスはどの段階にあるでしょうか?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ!
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[1]厚生労働省、日本人の長寿を支える「健康な食事」の普及について
検討会報告書を踏まえ、今般「『健康な食事』の普及について」及び「生活習慣病予防その他の健康増進を目的として提供する食事の目安の普及について」の通知を自治体及び関係団体宛てに発出した。(2015/09/09)
 
[2]日本総研、オピニオン:ロコモ予防・対策 ビジネス化の鍵は「しない・できない理由」の紐解きにあり
ロコモ予防・対策ビジネスでは、「予防・対策を十分にしていない」消費者に対して、お金を払ってでも利用・購入したいと思える「付加価値」を提供することが極めて重要である。(2015/09/14)
 
[3]アドバンテッジ リスク マネジメント、「ストレスチェック義務化」に対応し各地域のメンタル専門医と提携【PDF】
「ストレスチェック制度」義務化に対応したメンタルヘルスケア対策プログラム「アドバンテッジタフネス」で提供する「医師面接」機能を強化するため、全国45都道府県70拠点のメンタル専門医療機関・医師と提携。(2015/09/15)
 
[4]日立ハイテクノロジーズ、研究・開発向け携帯型脳活動計測装置を発売
前額部の血流量変化をリアルタイムに計測し、スマホやタブレットでの脳活動データ活用によるトレーニングアプリケーションの開発を可能にした、携帯型脳活動計測装置「HOT-1000」を発売。(2015/09/17)
 
[5]オムロンヘルスケア、「オムロン パーソナル保湿機 HSH-101」新発売
スチームが睡眠中の顔周りを保湿することでのど・鼻の乾燥を潤し、心地よい眠りをサポートするとともに、肌・髪の潤いを保つ保湿機。新たな機能として保湿が必要なタイミングを教えてくれる「保湿ナビ」機能を搭載。(2015/09/17)
 
[6]デジタルヘルス事例:「予測医療」の時代が来る(日経デジタルヘルス)
2015年9月8日に東京都内で開かれた「静岡がん会議 サテライトフォーラム」には、静岡がんセンター総長の山口健氏が登壇。「がんゲノム医療の臨床応用と研究開発」と題し、プロジェクトHOPEの進捗を語った。(2015/09/17)
 
[7]Runtastic、アナログ時計型デバイス『Runtastic Moment』発表
一見すると普通の時計とほとんど変わらないように見える「Runtastic Moment」だが、歩数、距離、運動した分数、消費カロリー、睡眠サイクル、目標を追跡する機能も持っている。(2015/09/10)
 
[8]ホワイトノイズで寝付きを良くする『SNOOZ』
『SNOOZ』は、“ザー”といった音で眠りの妨げになる音を隠し寝付きやすくしてくれる。音は内蔵ファンを実際に回して発生させるので、環境音CDやスマートフォンのアプリなどと違って自然でリアルな音になるという。(2015/09/11)
 
[9]Philips、コネクテッドヘルスデバイスパッケージを発表
IFAコンシューマーエレクトロニクスショーで新しいパーソナルヘルスケアデバイスを発表。機器に加え、機器を包括するヘルスプログラム、アプリベースのカスタマイズプログラム、クラウドでの安全なデータ分析もある、とのこと。(2015/09/15)
 
[10]Jawbone『UP2』、細くおしゃれな外観に 『UP3』『UP4』とともに自動睡眠追跡機能を追加
「UP」シリーズで初となる重要なアップデートを発表。このアップデートによりUP2、UP3、UP4に自動睡眠追跡機能が追加され、UP3とUP4には「Passive Heart Rate」という新しい心拍数追跡機能が搭載される。(2015/09/16)
 
 
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