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[健康サービス・デザイン編] 2015年10月6日号
          ≫≫≫Author:大川耕平
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HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
過ごしやすい秋の日々をどうお過ごしですか?
 
ヘルスケアビジネス領域は様々な蠢きが少しずつカタチになりながら、やがて流れができ、大きくなっていくプロセスを辿り始めていると感じています。
 
そしてヘルスケアビジネスが本格的に成長していくためには、今回テーマの「アライアンス」が鍵を握ります!
 
 
<お知らせ>
レジャー&サービス産業展2015
健康・ヘルスケア新業態フォーラム2015
にてオープンセミナーを担当しますので都合がよろしければぜひ!!
 
10月22日(木)、23日(金)
 
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---健康サービスにおけるアライアンス
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「スキルシェア」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 新サービス・新商品、海外アプリ動向など8本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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【テーマ:健康サービスにおけるアライアンス】
 
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1.なぜ?アライアンス
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健康サービス事業にとって顧客の健康行動プロセスにおける全ての健康消費活動に対して1企業で対応することは不可能と言われています。そこで必要となるのがアライアンスです。
 
alliance(アライアンス)とは:
企業同士のイコールパートナーとしての提携。戦略同盟。業務提携。顧客価値提供を目的共有した協力体制で自社の強みを相互に活かして相乗効果を生み、かつ事業展開のスピード加速を目指します。
 
◆ビジネスモデルの変化
B2CからBwithCへ
モノの機能を中心とした交換価値の時代から使用価値への転換が起こっています。いいモノであることはあたりまえで、それを使いながら使用者にとっての価値を提案し支援していくスタイルが主流になっていくというものです。
 
サプリメントの機能効能は継続利用によってのみ発揮されます。つまり、使用継続まで含めたサポートがビジネスモデルとして必須になっていくという意味です。顧客にとっての使い勝手にその商品継続の決定要因があるため顧客の気持ちや都合を把握することが必須です。
 
作ったものを売るというアプローチではなく、求められるものとその使い方を提案していくために顧客と一緒に作るというスタイルが本流になっていきます。
 
◆顧客時間の中にポジショニングという発想
顧客(健康消費者)にとっての生活時間は自分の中ではひとつで流れてきます。午前6時の自分と昼12時の自分は同じです。気分の違いはあるでしょうし、空腹感も違うかもしれませんが同じ自分です。つまり、疲れたと思う自分と、お腹が空いたと感じる自分は同じです。区切って考えないし行動していません。
自分時間の中に様々な思考と行動を反復的にあるいは非連続的に続けます。その中に様々な健康行動も含まれます。
 
例えば、活動量計を購入した健康消費者がダイエットを目指すとします。プロダクトメーカーは最高品質のプロダクト機能を提供し、そのログデータを管理できるウェブサイト、スマホでも管理できるアプリを提供しています。そしてプロダクト以外無料のサービスだとします。
活動量計を使用しながら健康消費者が行う様々な健康消費ニーズに対してどう応えていくかが次世代型の健康サービスの重要課題なのです。
 
活動量計を使う健康消費者へ価値提案できるタッチポイントは活動量計メーカーが当初想定していたものより数多く存在しており、それを自社だけでアプローチ・対応することは不可能です。
顧客接点を持つすべての企業にアライアンスによるプラスアルファな価値創造提案ビジネスの可能性があるということになります。
 
 
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2.アライアンスの基本姿勢
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今後の健康サービス事業にとって極めて重要なポイントとなるアライアンスですが、同事業領域においてはなかなか成功例を見つけることが難しい現状です。その大きな理由に健康サービス事業に対しての参入企業スタンスの不確かさがあると思われます。
 
昨今、健康ビジネス全体でアライアンスというワードをよく聞くようになりました。これは時代の流れだと思います。
資金や時間をかけず資源活用を活性化したいと経営は考えます。
アライアンスにその活路を見出したいのですが、、。
 
◆ダメなパターン
本来は顧客満足を目指して貢献しあうという行動がアライアンスには重要です。しかし、多くのうまくいかないケースは
 
・UCHIMUKI(内向き)
→アライアンス模索で自社都合のみを優先する
・IZON(依存)
→自社提供範囲以外に興味を持たず依存する
・KOKYAKUJOUHOU(顧客情報)
→相手の顧客情報だけ欲しがる
 
この3つの中ひとつでも合致するのであれば、まずアライアンス成果は難しいです。
 
◆いけるパターン
活性化していくケースは相手を優先するぶれないスタンスが必要です。
 
・お互い単独もしくは競合他社より価値ある共同ソリューションをつくることができるという意識の共有
・相手の成功に貢献することを優先する姿勢(同時にパートナーのリスク低減にもフォーカス)
・摩擦を恐れず、相互に相手のニーズを徹底的にヒアリングしている
 
コミュニケーション品質が続けば続けるほど磨かれていくスタンスを相互にとっていることがアライアンス成功の最大ポイントです。
 
 
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3.日本における今後のアライアンスデザイン
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日本国内での健康サービス事業アライアンス文化はまさにこれからです。
 
◆ベースとなるのがコミュニティ
相互に相手優先を心構えとし行動することがアライアンス活性化の要諦です。これって「コミュニティ」という共有するテーマに対しての参加メンバーが積極的に貢献することを喜びとするフレームと同根だと思いませんか?
 
活性化して成長していくアライアンスには必然的にコミュニティが生まれ、さらなる価値創造に向けた可能性への出会い基盤になっていきます。
また、コミュニティの中から新しいアライアンスパートナーが見つかっていくパターンが今後の健康サービス事業のコアになっていくと私は予測しています。
 
◆アライアンスの成熟化と進化
アライアンスの成功も机上に答えはない、経験からしかノウハウは生まれませんし、その成果もそうです。100%の完成形もしくは正解がある世界ではないのが健康サービス事業のアライアンスです。
 
そしてそのアライアンス技術を磨き、貢献スタンスをぶれずに継続していくプレイヤーが健康サービス事業でスケールしていくはずです。小さい失敗を積み重ねて修正してチューニングしてノウハウ化していく方法しかありません。
 
私は2016年から国内の健康サービス事業アライアンスが活性化していく元年になると予測しています。
 
 
アライアンスに関してディスカッションご希望があればお声かけください!
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「スキルシェア」
 
サービス現場のメンバー同士で、お互いが身につけたスキル(技能・知識)を共有する空気感や習慣があるか無いか!?
これは現場の強さのひとつのバロメーターになります。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ!
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[1]日本薬剤師会、「健康サポート薬局のあり方」について【PDF】
厚生労働省より公表された「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検
討会」の報告書について、日本薬剤師会では見解を公表した。(2015/09/24)
 
[2]NECソリューションイノベータ、「メンタルヘルスケアサービス」の最新版の提供を12月より開始
最新版では、5月に厚労省が公開した「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」をもとに、高ストレス者の選定やストレスチェック結果後に表示する情報の詳細設定等、企業の方針に合わせた運用が可能。(2015/09/28)
 
[3]マツモトキヨシホールディングス、「暮らしのヘルスケアショップ matsukiyo LAB 新松戸駅前店」リニューアルオープン【PDF】
美と健康の分野に特化した商品・サービスを展開する次世代ヘルスケア店舗。薬剤師、管理栄養士、ビューティースぺシャリストの専門スタッフが美と健康をトータルサポートする。(2015/09/29)
 
[4]森永製菓、血圧が高めな方の健康な血圧をサポートする「カカオフラバノールスティック」新発売
血圧が高めな方の健康な血圧をサポートするカカオフラバノールが1杯あたり30mg入った甘さひかえめのほろにがビターココア。ココア初の機能性表示食品。(2015/09/29)
 
[5]バイエル薬品、「静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)啓発イベント」を開催【PDF】
開催日は10月13日(火)。2014年に制定された世界血栓症デーの設立グローバルパートナーとして、エコノミークラス症候群として知られる「静脈血栓塞栓症」の理解・認知を広める目的で疾患啓発イベント「血栓症予防ラボ」を開催。(2015/09/29)
 
[6]IBMのWatson Health立ち上げがもたらす様々な提携、発表と懐疑論
ヘルスケアに的を絞ったIBMの新しい事業「Watson Health」が、マサチューセッツ州ケンブリッジに本部を開設したのは、新事業開始について同じような発表や提携が相次いだ昨年の4月だった。(2015/09/24)
 
[7]Qualcomm Life、医療に関わるすべてがインターネットにつながる
サンディエゴを拠点とするQualcommの医療分野のスピンオフ会社は、Capsule Technologie社を買収。同社は、病院やクリニック、他の医療現場に置いた装置からデータを収集することに注力している。(2015/09/24)
 
[8]『mHealth Watch』注目ニュース:Samsung、S Healthを自社のスマートフォン以外にも拡大
Samsungは、最新の「S Health」アプリの更新でGalaxy S3をはじめとした同社すべてのスマートフォンのサポートを追加。また、Android OS 4.4以降を搭載したSamsung製以外のスマートフォンへの対応を拡大した。(2015/09/29)
 
 
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