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[モバイルヘルス&アプリ動向編] 2015年10月13日号
           ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
今週は「モバイルヘルス&アプリ動向」編をお届けします。
 
今年もモバイルヘルスに関する話題が欠かせない年となりました。デバイスもアプリも溢れかえっているとの印象もありますが、我々の視点では、まだまだアプローチできていない、チャンスとなる領域があると思っています!
 
今回もヒントとなるテーマを用意しましたので、ご一読ください。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---Fitbit、Jawbone、Samsungのヘルスケアビジネス動向
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「翻訳」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 新商品・市場調査、海外 Apple女性向けアプリなど8本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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【テーマ:Fitbit、Jawbone、Samsungのヘルスケアビジネス動向】
 
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1.モバイルヘルス先行企業が模索する取組
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モバイルヘルスのブームから、すでに3年以上が経ちました。先行してムーブメントを築いた企業は、現在どのような活動をしているのか?モバイルヘルスのムーブメントの一角といえるFitbit、Jawbone、さらにケータイ端末メーカーとしてモバイルヘルスに参入したSamsungの動向から、試行錯誤の結果、現在何に注力しているのか見ていきましょう。
 
 
◇Fitbitの動向
フィットネストラッカーとして最も成功したと言われるのがFitbitです。
昨年は市場の7割を占めるほどの勢いでした。最近の調査(Forrester Researchによる米国市場)では36%と落ちてきていますが、依然トップシェアをキープしています。
Fitbitが現在力を入れているのがBtoB展開です。Fitbitの企業ウェルネス部門が正式にHIPAA準拠プラットフォームとなり、新規顧客としてTarget社を獲得したことを発表しました(Targetはアメリカだけで33万5千人の従業員にFitbit zipを配布している)。
企業ウェルネスの顧客向け新プログラムとして、様々な都市に点在する従業員グループを互いに競争させる「Workplace Race」をスタートしました。
Fitbitは、医療保険や自家保険(の雇用主)と提携し、新プログラムにより企業の健康予防(ウェルネスプログラム)の活性化を狙っています。
 
<参考>
 
 
◇Jawboneの動向
フィットネストラッカーとしての市場シェア10%をキープするJawbone。
表立ってはBtoC展開で、彼らの強みであるデザイン性の充実、データを活用したサービサーとの連携を強化しています。
気になるのが2013年に買収したBodyMediaの活用です。当初は買収後もBodyMediaとして製品を発売する予定でCESでも「Core2」を発表していましたが、発売されず今に至ります。BodyMediaは、87の特許を取得し、エビデンスも豊富にあるといわれています。
現在BodyMediaを活用した実証実験としては、保険会社のCignaが糖尿病の疑いのある肥満者600人を対象に、6ヶ月間に渡り健康プログラムを提示し、そこでデバイスを装着した人が86%も運動に意欲的であったことを発表しました。
JawboneからBodyMediaの今後に関して伝えられてはいませんが、生活習慣病などの医療分野での活用が期待されます。
 
<参考>
 
 
◇Samsungの動向
Samsungがヘルスケアへの取組みを開始したのは、Galaxy S3が発表された2012年です。一部の国でテスト的にスタートしましたが、Galaxy S4の発表の際、大々的に「S Health」をはじめることを発表しました。
当初は自社製のフィットネストラッカーなどを発売する計画でしたが、Galaxy専用のアプリとして、取得したデータをサービサーにつなぐデータ連携サービスからスタートし、翌年に「Gear Fit」を発表しました。
しかし、想定したほど利用が伸びなかったためか、一時は「S Health」が終了するとの噂もありましたが、Cignaと提携し、デジタルコーチングプログラムをスタートし、医療分野へのアプローチが始まりました。
この取組みが効果的と判断され、再度BtoC展開の強化として、自社以外のスマートフォンにも「S Health」の提供が決まりました。
 
<参考>
 
 
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2.3社の動向からの学び
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3社の取組みを見てきました。各社今に至るまで試行錯誤があったことがお分かりいただけたと思います。
各社の動向で誤解してほしくないのは、
 
「BtoCが伸びないから、市場をBtoB(や医療)へシフトした」
 
ということではなく、
 
「BtoC市場で培ってきたブランド力を活かして、BtoCでの成功・失敗から得た知見から新たなサービスを作り、次なる市場で効果検証をしている」
 
と言えるのではないでしょうか。
 
BtoBでアプローチする場合でも、実際に利用するのはコンシューマーです。ユーザーが使いたいと思ってもらうためにも、BtoC市場でブランド力を高める必要があります。
また、デバイスの機能追加や単純なデータ連携だけでは、すぐ他社に真似されてしまいます。ヘルスケアに重要なユーザーの目的である課題の解決となるソリューションを、他社とは違う切り口で作り上げることが求められます。
そのためにも現ユーザーの声を聞き、何を伸ばし、改善すべきことは何かを見極める作業をやり切ってみることが大切だと考えます。
 
 
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3.モバイルヘルス検討の新たなアプローチ
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スポルツとIT法務の専門性が高いGVA法律事務所とが連携し「法律を踏まえることで、医療に抵触せず独自性のあるモバイルヘルス企画」を行うためのポイントをまとめました。
 
11月20日のモバイルヘルス勉強会にて紹介しますので、ご興味を持たれた方はご参加ください。
 
■モバイルヘルス勉強会「法律を踏まえた独自性あるモバイルヘルス企画」
11月20日(金)開催
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「翻訳」
 
お客様は我々が提供するサービス全ての詳細を理解しているわけではない。
時として疑問に対して解説することが求められる。ここで重要なのは相手の理解できるように翻訳するスタンスです。知っていることを言うのではなく、あくまでも相手の理解にフォーカスしたい。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ!
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[1]タキイ種苗と坂ノ途中、機能性成分を含む「ファイトリッチ」に注目した野菜BOXを限定発売【PDF】
野菜BOX内容は、「弁天丸」ホウレンソウ、「紅法師」赤ミズナ、「京くれない」ニンジンというファイトリッチ品種を中心に「三太郎」ダイコンや「スワン」カブ等彩り豊かな7-8品目。11月と12月にそれぞれ180箱限定で販売。(2015/09/30)
 
[2]矢野経済研究所、2015年版 セルフケア健康機器の市場実態と将来展望
セルフケア健康機器を「健康管理機器」「フィットネス機器」「健康回復機器」「健康治療機器」市場に分類し、それぞれの製品アイテム毎(家庭用)に市場概況、市場規模推移、企業別シェアを調査分析。(2015/09/30)
 
[3]ヤマハ発動機、ブランドスローガンの浸透と心と体のリフレッシュを図る始業前ストレッチ「Revストレッチ」の開始について
Revストレッチは、ブランドスローガン「Revs your Heart」をテーマに、全体にストーリーを持たせ、音楽、および回転をモチーフにした動作などを取り入れた同社独自のストレッチ。(2015/10/05)
 
[4]森永製菓、森永GOLD CLASSから「ダークチョコレート<ガナッシュ仕立て>」新発売
森永GOLD CLASSは、シニア層をメインターゲットにした大人のためのブランド。カカオ分70%のダークチョコレートで生クリームで仕立てたコクのある贅沢なガナッシュクリームを包み込んだ口どけにこだわったチョコレート。(2015/10/05)
 
[5]体重も測れる!スマホ連動の世界最小スマート計量器『Weighitz』
幅60mm、高さ10mmのコンパクトボディに30キロまで測定する機能が付いている。例えば体重計として使いたい場合は「Weighitz」を2つか3つ用意し、上に板を乗せてその上に立てば自動的に「Weighitz」が測定合計を計算し体重が測れる。(2015/10/01)
 
[6]FitbitはHIPAA準拠となり、大規模なチャレンジ機能を発表
Fitbit社の企業ウェルネス部門が正式にHIPAA準拠プラットフォームとなり、新規顧客としてTarget社を獲得したことを発表。同社は米国内の従業員335,000人にFitbit製品を配布している。(2015/10/02)
 
[7]最も妊娠しやすい時期を分析するブレスレット『Ava』
妊活のためのアプリやガジェットはすでに展開されているが、「Ava」の特徴は体温だけをベースにしていないこと。「Ava」には10ものセンサーが内蔵されていて腕時計のように手首につけて寝ると一晩に300万ポイントでデータが収集される。(2015/10/05)
 
[8]『mHealth Watch』注目ニュース:Appleが発表した女性向け健康管理アプリ『Airstrip』
胎児モニタリング用アプリ「Airstrip」は、自宅にいながらNSTに必要な情報を取得してApple Watchにデータを蓄積できるという。さらに重要なことに、Airstripは集めた情報をApple Watchから医者に送ることも可能にする。(2015/10/06)
 
 
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