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[健康サービス・デザイン編] 2015年11月4日号
           ≫≫≫Author:大川耕平
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HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
これからマラソンレースのシーズンに突入ですね。
わたしもランナーの端くれなのですが、年末レースに向けての練習中に5年前にやった肉離れと同じ部位を痛めました。
中途半端な状態で様子見ランをしたらまた痛めました、、。
なかなかうまくいきません(笑)
 
さて、
今回テーマの「コミュニティ」は「ヘルスコーチングの視線」でも専門的にお伝えしていますが、健康サービス事業の成長の枠組みとしてフォーカスしてみました。
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---健康サービス・デザインとしてのコミュニティ
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「病気の母は食事」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 各種調査結果、海外 デバイス動向など10本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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【テーマ:健康サービス・デザインとしてのコミュニティ】
 
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1.なぜ?コミュニティ
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community(コミュニティ)とは共同体のことです。
利害を共にする人たちの集まりと言ってもいいでしょう。ビジネスの持続性をどうつくっていくか?顧客との関係性をどう描いていくか?という事業継続の基本フレームとしてもコミュニティを自社ビジネスにどう取り込むかは最も重要な戦略事項になります。
 
◆with Cモデルとしてのコミュニティ
顧客との対話を確保することの重要性はマーケティング有史以来語られていたと思います。アンケートであったり、インタビューであったりの形式的な対話によって顧客の行動意識を知る作業は消費者相手の事業にとっては必須でした。
 
かつての顧客との対話は「顧客へ提供するものをどう思うか?」というto Cの発想だったと思います。しかし、これから健康サービスが志向すべきコミュニティの発想は、顧客との共創つまりwith Cの発想です。
 
◆コミュニティのバリエーションとベネフィット
コミュニティには様々なバリエーションが存在します。
場のバリエーションとしては、情報空間(ネットコミュニティ)もしくは現実空間(リアルコミュニティ)です。
 
また、コミュニティ形成力として
・強制力:ルールとしての参加取り決めがある
・必然性:プロセスの流れでの募り
・自発性:参加者からの呼びかけ
・価値観:考え方の共有によるつながり
・体験共有:同じ体験をすることによるつながり
 
この5つの形成力によって参加者はコミュニティ活動への貢献する喜び、その喜びを共有するシェア感覚を体験し、リピートしていくことがベネフィットとなります。
 
 
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2.コミュニティデザインの基本姿勢
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自社商品サービスのユーザーや見込み客やステイクホルダーを対象とした関係性をコミュニティ構築していく目的は顧客価値提供の持続性の中に自社ビジネス(マネタイズ)を織り込んでいくことです。
 
◆ダメなパターン
自社とコミュニティの関係を明確にせず、社内でも意識統一がされていない場合、せっかくの参加者メッセージを見落としたり、都合のよい部分だけのつなぎ情報による施策不発現象などをよく見かけます。
これらはコミュニティから得ることのできる価値の過小評価が原因です。
 
◆いけるパターン
マーケティング活動の一環としてコミュニティにおける情報活動による成果がビジネスフローの中に位置付けられている場合、コミュニティは企業活動にとって協力者になります。
つまりコミュニティから新たな価値創造が具体化し、そのプロセスがコミュニティ参加者を中心にフィードバックされ共有できているということです。
 
 
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3.日本における今後のコミュニティデザイン
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ビジネスとは顧客とのコミュニティづくりと言っても過言ではないでしょう。まして運営しながら進化していく健康サービス事業にとっては心臓部とも言えます。
 
◆ベースとなるのが顧客経験
自社が提供する商品・サービスの使用価値を顧客がどう感じているのかに寄り添うことが基本です。自然体な顧客経験を知ることです。顧客が語る経験にこそビジネスの本質が表現されるのだと思うのです。
 
◆コミュニティ進化の方向性
コミュニティ活動は進化していくアクションです。しかし、始めなければ何も得ることはできません。できることからスタートすることをお勧めします。
 
運用方法としては大きく3段階あります。
 
・管理主導型:こちらから用意した情報・素材を自由にアクセスしてもらいコミュニティの出入りも管理する
・現場主導型:参加者からリーダーを募り自主的な活動を促す。参加者は管理する・自由参加型:全くの自由な参加と発言と自主的な活動
 
提供側からの介入のしかたとして注目なのは
 
「ラーニングコミュニティ」
あるテーマを設定して設定期間中に参加者達と一緒に学ぶコミュニティ
 
「コーチングコミュニティ」
参加者の設定した目標に対してのコーチングサポートのあるコミュニティ
 
この2つです。
 
有期性を持たせることによってストーリー(工程)デザインがしやすく、管理もしやすいスタイルなので特にお勧めです。
 
コミュニティ技術(community tech)は経験からしか生まれないものだと思うのです。管理型からスタートして参加者の中からリーダーを探し、育成できるようになると、コミュニティにおける様々な価値発見は加速し始めます。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「病気の母は食事」
 
毎日の食事で我々は命をつなぎ、カラダをつくり維持し、活動しています。このあまりにも基本的なことを再認識する習慣を持ちたいですね!!
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ!
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[1]矢野経済研究所、セルフケア健康機器市場に関する調査結果 2015【PDF】
2014年のセルフケア健康機器市場は前年比3.2%増の2,295億4,000万円と推計。「スマホアプリ連動」「ロコモ予防」「ストレスチェック」等と関連させた製品展開が進む。(2015/10/21)
 
[2]エン・ジャパン、2015年12月から義務化される「ストレスチェック」実態調査
ストレスチェック義務化の準備を進めている企業は49%。もっとも多くの企業がストレスチェック義務化における懸念点として挙げたのは「ストレスチェックを行なう体制、相談窓口の構築(64%)」。(2015/10/22)
 
[3]ウィット、会員数60万人を超える食事記録アプリ「あすけん」が栄養データAPIの提供を開始【PDF】
ユーザー摂取栄養素データを取得できるAPIの提供を受けたウィットのパートナー企業は、データの共有の許可を得た「あすけん」ユーザーの1日の合計摂取カロリーや39種類の摂取栄養素などの統計データを取得することができる。(2015/10/26)
 
[4]博報堂、新大人研レポート No.19 シニアから新大人へ、新型50・60代に。その3【PDF】
おカネをかけたいコト・モノから「新しい大人のライフスタイル」の中身を探ってみると「貯蓄・資産運用 39.0%」でおカネを増やし「病気・老化の予防 35.4%」「病気や老化への対処 35.4%」「現在の健康や若さの維持・向上 31.9%」など健康管理やアンチエイジングに力を入れ、生活の安定を図っているのがわかった。(2015/10/27)
 
[5]新社会システム総合研究所、2016年-2025年「今後10年、医療・健康分野のICTトレンドと事業機会」
開催日は11月19日(木)。本セミナーでは、2016年-2025年に起こりうる医療・健康分野における変化を読み解く枠組みを提示する。
 
[6]日本計画研究所、厚生労働省2016年へ向けて「データ活用型保険事業(データヘルス)の最新動向、今後の更なる推進への具体施策について」
開催日は12月2日(水)。詳しい講義概要・項目は11月上旬公開予定。
 
[7]“いびき”をさりげなく防ぐスマートデバイス『Nora』
http://mhealthwatch.jp/global/news20151021
Noraは、ベッドサイドに置いて使う小さな音センサ、枕の下に入れておくインフレータ、インフレータを膨らませるポンプで構成さ。センサがいびきの音を検知するとポンプが空気でインフレータを膨らませて枕を少しだけ動かす。これによって頭の位置が変わっていびきを止める仕組み。(2015/10/21)
 
[8]mHealthSummit:『Engagement Engine』への入力にウェアラブルデバイスのデータを利用
Engagement Engineは、Robert Wood Johnson foundationの補助を受け、Partners HealthCareの研究者グループにより開発された。(2015/10/21)
 
[9]調査:米国の成人半数が医師との連携を望む
Deloitteのデータによると、テクノロジーが医師とその患者の関わり方にも変化をもたらしている。回答者の半数近くが医師に自身についての決定を任せるよりも医師と連携することの方が好ましい、と回答している。(2015/10/22)
 
[10]Fitbit、『corporate challenges』を追加し、過去4ヵ月で約20企業や団体と契約
OSとWindowsで2015年第4四半期に利用可能になる予定の新しい「corporate challenges」機能は、Fitbitのプログラムマネジメントダッシュボード内でカスタムアクティビティのチャレンジを設計・作成し、実行するためのツールを組織に提供する。(2015/10/26)
 
 
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