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[海外注目企業の継続支援編] 2015年11月17日号
           ≫≫≫Author:脇本和洋
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「海外注目企業の継続支援編」を執筆している脇本和洋です。
 
スポルツでは、国内外の様々な健康ビジネス事例研究、専門家へのヒアリングから、顧客の健康行動の継続支援技術を探査・抽出・整理して「継続ドライバ」と命名、2007年から自主研究、現場への活用を行っています。
 
先週、あるクライアントと「継続ドライバ」を使ったアイデアだしを行いました。この時のアイデアだしでも、今号で紹介する10の継続ドライバの一つである「ヘルスナレッジ(継続を支援する健康知識)」をうまく使うことがアイデアの軸になりました。
 
今回のテーマ「ヘルスナレッジ」は、継続ドライバの中でも活用機会が多くあるので、9月号に続いて特集します。
 
紹介する事例は、「NHS choices」という英国の国民医療サービス事業が運営する健康づくりを支援するサイトです。
 
・参考>継続ドライバとは
 
 
 
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【1】特集:海外注目企業の継続支援編
---NHS choiceが提供する実践的「ヘルスナレッジ」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「コミュニティ消費」を把握しろ!
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 新サービス・新店舗情報、海外 デバイス動向など19本
 
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【1】特集:海外注目企業の継続支援編
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【テーマ:NHS choiceが提供する実践的「ヘルスナレッジ」】
 
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NHS choiceとは
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「NHS choice」は、国営でありながら毎月4,000万人が利用する健康ポータルサイトサービスです。
サイトの主な構成は、HealthA-Z(様々な疾患ごとの基礎知識)、Live Well(具体的な健康行動を集めたもの)、Care and support(介護の知恵)、Health news(健康ニュース)などです。
 
今回は、Live Well(具体的な健康行動を集めたもの)より、3つのコーナーを紹介します。
 
・参考>NHS choice
 
 
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コーナー1:NHS weight loss plan(12週間ウエイトロスプラン)
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12週間に渡るダイエットのプログラム。1日の摂取カロリーの目標はあるが(男性1,900キロカロリー、女性1,500キロカロリー)、食べる内容は、食物繊維と高たんぱく質を推奨し、細かいメニュー提示はありません。また、運動では走ることを推奨しています。
 
●NHS weight loss planの特長
 
最大の特長は、行動が続かないことを前提に「様々な障害に対する対処法」を用意している点です。
 
例えば、
第4週では、エモーショナルイーティング(ストレス解消のために過食してしまうこと)が起きることを想定し、過食という行動に対する「代替行動(tricks)」を紹介。具体的には、音楽を聞く、歌を歌う、映画を見る、散歩をする、風呂に入るなどを紹介しています。
 
第9週では、ランニングが続かない時の「言い訳」ごとに、対処法を提示。具体的には、時間がない、疲れている、やる気がなくなった、仕事が忙しい、天気が悪いなどに対する対処法を提示。「疲れている」では、「夕方で疲れた時に軽いランニングをすることで、逆に疲れが抜け、さらに元気が増す」と紹介しています。
 
・参考>NHS weight loss planの内容
 
 
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コーナー2:Top diets review for 2015(ダイエット法のレビュー)
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様々なダイエット法を比較できるよう、いい点・悪い点を記載し、自分に合ったものを選択できるよう支援するコーナー。British Dietetic Association (英国ダイエット協会)が出所となります。
 
英国で代表的な「5:2 diet」、「Dukan diet」、「Cambridge diet」「WeightWatchers diet」など12のダイエット法ごとに、Pros(いい点)、Cons(悪い点)を紹介。
 
例えば、WeightWatchers diet(ウェイトウォッチャーズダイエット)では、Pros(いい点)として、特定の食品を購入しなくてよいこと、ポイント内なら何を食べてもよいことなど、Cons(悪い点)として、ポイント換算の手間などを紹介しています。
 
・参考>
 
 
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コーナー3:change 4 life(家族で健康の基本を見直す)
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食事、運動、アルコールという3つの切り口で、実践的なコツを紹介するコーナー。
 
例えば、食事では「シュガースワップ」という砂糖をいかに代替していくかのアイデアを提示しています。運動では、子供が家の中や外で遊びながら、いつの間にか体を動かせる100の遊びを集めたスマホアプリケーション「fun-generator」があります。
 
・参考>シュガースワップ
・参考>fun-generator
 
 
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「ヘルスナレッジ」で注目したい3つの切り口
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同サイトは、ポータルサイトにありがちな一般的な知識提供だけでなく、実践的なコツを提示することで、継続を支援しています。
今回紹介したコーナーから「ヘルスナレッジ」注目の切り口を3つ紹介します。
 
●代替行動の提示
コーナー1のエモーショナルイーティング対応、コーナー3のシュガースワップで「代替行動の提示」を紹介しました。同サイトでは、代替行動を「tricks行動」と呼んでいます。tricks行動は、目的を満たすための他の行動といった意味があり、負担が少なく継続しやすくなります。
 
●言い訳に対応する行動の提示
コーナー1の第9週のランニングが続かない時の「言い訳」で紹介しました。健康行動の言い訳は、時間的、身体的、心理的、物理的、金銭的といった切り口で考えるとわかりやすいです。事前に言い訳を想定してコンテンツを準備すれば継続率が高まります。
 
●行動比較の提示
コーナー2のダイエット法レビューで紹介しました。健康行動には多くの場合、比較行動があり、それとの比較で決めていくことになります。他の行動との比較を提示し、納得して選択することで継続率が高まります。
 
 
今回は、「ヘルスナレッジ」を使った継続支援をテーマに3つの切り口でお届けしました。企画の際には、是非これらのポイントを使ってみてください。
 
 
 
 
下記は、継続支援に関するスポルツからのお知らせです。
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【継続率向上のためのスポルツのサポートサービス】
 
■継続ドライバのオープンセミナー(12月10日開催)
継続ドライバ全体を紹介するオープンセミナーを定期開催しています。事例を使って一つ一つの継続ドライバを紹介します。
 
■健康食品、ウェブ、施設サービスの利用継続率を伸ばすための「継続支援企画」
継続ドライバを活用いただき、貴社施策の費用対効果を高めるというものです。社内セミナー、ベンチマーク調査、共同企画という3つのメニューでサポートしています。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「コミュニティ消費」を把握しろ!
 
あなたのサービスを使用している顧客同士が、どこで、何にお金を使っていますか?
それはあなたの提供するコミュニティから生まれた派生的な消費です。そこにビジネスチャンスが潜んでいますよ!
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ!<19クリップ>
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[1]ポート、日本初!直接遠隔診療プラットフォーム「PORTメディカル」スタート
インターネットを通じて医師の診療行為を受けられる遠隔診療プラットフォームサービス。ITを通じて医師からの診断・処方・医薬品の配送までを実現する。
 
[2]サンスター、糖尿病管理手帳WITH NOTE 2016を抽選で1,000名様にプレゼント
糖尿病とのつきあい方を支援するサイト「糖尿病とうまくつきあう」の会員の意見を元に制作した糖尿病管理手帳。日々の血糖値、血圧、体重、歩数、食事などを記録してその変化を見ながら自身の血糖コントロールに役立てるためのツール。(2015/11/04)
 
[3]理化学研究所、新たな代謝バイオマーカー探索法を開発ーわずかな代謝バランスの変動を検知する新手法ー
クラスター支援MCR-ALS法は、情報量にかかわらず信頼性のあるコンポーネントを選び出すことができる。したがって、情報量の少ないわずかな変化しか持たない病気の発症シグナルから代謝バイオマーカーを見けることが可能になる。(2015/11/04)
 
[4]富士ゼロックス総合教育研究所、MR向け営業スキル強化3プログラム提供開始【PDF】
ヘルスケア業界向け営業スキル強化トレーニングとして「先生の信頼を勝ち取る面談」「重点施設への戦略シナリオ立案」「意思決定を勝ち取るプレゼンテーション」の3つのプログラムを提供する。(2015/11/04)
 
[5]エン・ジャパン、「仕事のストレス」に関する調査を実施
「仕事上でストレスをどの程度感じますか?」の問いには「かなり強く感じる」「強く感じる」と回答した人が全体では67%、雇用形態別では正規が81%、非正規が64%。(2015/11/04)
 
 
[6]ジェイアイエヌ、「JINS MEME Flagship Store 原宿」オープン【PDF】
JINS MEMEの持つ世界観を様々なデザインやサービスで体現する次世代型コンセプトストア。JINS MEMEのアプリケーションを実際に使って「自分を見る」感覚を体験できる、など。(2015/11/05)
 
[7]ティップネス、オリジナルの高齢者向け転倒・認知症予防教室の2016年1月期が全国144ヵ所で開講決定【PDF】
転倒・認知症予防の運動プログラムを取り入れた、高齢者向け“いきいきわくわく健康体操教室”は、大阪市立大学との共同研究で効果を実証しており、その研究結果はアメリカの医学専門誌にも掲載された。(2015/11/05)
 
[8]モスダイニング、「玄米食堂あえん エキュート大宮店」オープン【PDF】
四季の旬菜料理が楽しめる「あえん」の新業態をエキナカに初出店。こだわりの玄米定食が楽しめる食堂タイプのレストラン。エキナカの特性に合わせ「あえん」で初めて朝食メニューを導入。(2015/11/05)
 
[9]レッスンパス、フィットネスレッスンの定額サービス「Lespas」京都・神戸にも提供エリアを拡大
「Lespas」は、いつでも、どこでも、加盟スタジオのレッスンを利用できる新たな定額サービス。ヨガ、ピラティス、ダンスエクササイズから話題の最新フィットネスまで500種類以上のレッスンの受講が可能。(2015/11/05)
 
[10]ソニー、新規事業創出プログラムから「みんチャレ」アプリをリリース
新たなビジネスコンセプトのスピーディーな事業化を促すソニーの新規事業創出プログラム発の新プロジェクトとして、三日坊主防止アプリケーションをGoogle Play・AppStoreで提供開始。「糖質制限ダイエット」「英語学習」など、同じ習慣を目指す5人がチームを組み、全員での達成にチャレンジする。(2015/11/06)
 
 
[11]日本経済団体連合会、「健康経営」への取り組み状況(事例集・アンケート調査結果)
健康経営に取り組んでいると回答した企業206社に、その目的を質問したところ「業務効率化・労働生産性の向上」(169社・82.0%)「経営上のリスク管理」(153社・74.3%)「従業員満足度の向上」(116社・56.3%)が上位。(2015/11/09)
 
[12]シード・プランニング、地域支援セミナー 地域支援事業の実践例と展開ー地域包括ケアシステム構築に向けてー
開催日は、11月30日(月)。本セミナーでは、これから開始する行政・自治体関係者や多様な関係主体の方等を対象に各地域の先進事例をもとに事業推進にあたっての課題や工夫等を共有することで今後の事業推進に資することを目的に開催。
 
[13]厚生労働省、データヘルス・予防サービス見本市2015
開催日は、12月15日(火)。効果的・効率的な健康増進・予防施策を実現するための”出会い”を満載したイベント。健康増進・予防に資するサービス提供事業者等による展示、主催者セミナーなど。
 
[14]肺機能を“医療機関並みの正確さ”で計測するポケットサイズツール『Wing』
「Wing」は、スマートセンサーと専用アプリを連動させて肺機能を追跡し、ぜんそく症状を管理するツール。オートでデータを随時追跡し、分析結果をユーザーに知らせしたり、肺機能が良くない状態にあることをいち早くキャッチする。(2015/11/04)
 
[15]Garmin、フィットネストラッカー『Vivosmart HR』を発表
「Vivosmart HR」は、心拍センサを内蔵したスマートフィットネストラッカー。装着者の歩数、移動距離、燃焼カロリー、登った階数、身体活動強度、夜の睡眠を記録する。2015年の新機能は、装着者の心拍数を1日中計測し続ける光学式の内蔵心拍センサ。(2015/11/05)
 
 
[16]Walgreens、Rite Aid獲得は新たなデジタルヘルスパートナーをもたらす
Walgreens Boots Allianceは、Rite Aid社を1株当たり9ドル、総額94億ドルで買収することを発表。この合併は米国ドラッグストア分野での重要な合併を意味し、Walgreensの最も近い競争相手CVS/ファーマシーの30%と比較した場合、両社を合わせたマーケットシェアは46.5%になる。(2015/11/06)
 
[17]『mHealth Watch』注目ニュース:AdhereTech、20%服用遵守率を向上するスマートピルボトルを発表
スマートピルボトル企業AdhereTechが製薬会社やプロバイダーの顧客用にピルボトルの第二世代バージョンの出荷を開始。新バージョンには、より丈夫に、使いやすく、そして米国外の会社との取引を拡大するためにユーザーのフィードバックに基づいた数多くの変更が組み込まれている。(2015/11/09)
 
[18]太陽にヒントを得たスマートランプ『Ario』で体内時計を正常化
「Ario」は自然界に輝く太陽と同じタイプの光を人工灯で実現しようとするもの。朝には明るいブルーの光を、そして夕方には温かみのある優しい光を発光する。「健康」に気を使ったスマートライトというのは新しい。(2015/11/10)
 
[19]雇用機会均等委員会、雇用者によるウェルネスプログラムのデータ収集を拡大
Kaiser Health Newsは、雇用機会均等委員会が雇用者によるウェルネスプログラムを通じて収集されたデータの種類を拡大する提案規則を発表し、電子保存されたデータの保護方法に関するフィードバックを求めていると報じた。(2015/11/10)
 
 
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