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[モバイルヘルス&アプリ動向編] 2016年2月9日号
          ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
皆さんは製品・サービス発表後、プレスリリースをうまく活用していますか?新製品や新サービスは、リリースまでは発表することがありますが、その後は
 
「100万DL達成!」「50万人が利用!」
 
など、数値的に大きな動きがあったときくらいしか、発表することはないと思ってしまうことはないでしょうか?しかし、ほとんどが順調にヒットし続ける方が難しいでしょう。
 
今回は、プレスリリースのためのヒントと活用方法を紹介したいと思います。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---プレスリリースを軸にビジネスを強化する
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「新事業開発3タイプ」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 体幹トレーニングアプリ、海外 認知症関連情報など7本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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【テーマ:プレスリリースを軸にビジネスを強化する】
 
 
現在、ヘルスケアアプリランキングの上位にいるものの多くが、実は2009年前後にリリースされています。すでに6年ほど経つことになりますが、その間に、アプリのリニューアルはもちろんですが、それ以外にもいくつか情報を配信することで注目を高めています。
 
先日mobihealthnewsでユニークな特集がありましたので、そちらの記事を元に紹介したいと思います。
 
参考)
Unexpected insights, correlations and stats from health tracking companies
 
この記事では、ユーザーデータから独自に解析した結果を元に、新たな構想を検討していることが紹介されています。いくつか例を見ていきましょう。
 
 
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1.Runkeeper(ランニングアプリ)
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RunkeeperのAndroidコミュニティでは、午後5-6時にランニングに出かける人が多く、iOSユーザーよりも、午後5時から真夜中の間にランニングを行う人が16%多いようだ。このコミュニティでは、さらに4%多くの人がアプリで目標を定め、iOSユーザーと比べると、66%が主な運動内容としてウォーキングを行っている。
 
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2.Lose It!(ダイエットアプリ)
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Pizza:Lose It!でピザのログを記録したユーザーの65%が男性で、女性は35%である。その1/3は、年齢が25-35歳だ。注文したピザの種類で最も多いのは、ペペロンチーノだった。次にチーズが続いている。35%の人が昼食にピザを食べ、54%が夕食に食べている。
 
食事vs運動:Lose It!は昨年9月、週4-5回運動に専念する人は、あまり運動をしない人より、平均1回の運動で432カロリーを消費し、163カロリー多く食べ、1週間で減る体重がわずかに1ポンドを下回ることを発見した。一方、週2回しか運動をしない人は、よく運動する人より、1回の運動で244カロリーを消費し、163カロリー多く食べ、1週間で減る体重がわずかに1ポンドを上回っている。このデータから、体に悪い食事を運動で解消することはできず、健康には栄養と良好な健康状態の両方が大切だということを示していると示唆している。
 
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3.Eatery(食事SNSアプリ)
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朝食を食べるユーザーは、1日を通して12.3%健康的な食事を摂っていた。サンフランシスコのユーザーは、全米平均より3.4倍多くのカシューナッツと4.4倍多くの芽キャベツを食べている。ニューヨーク市のユーザーは、全米平均より3.2倍多くのルッコラを食べ、6.7倍多くコーヒーを飲んでいる。
また、12.4%の人が、自分で思っていたよりも不健康な食生活をしているとの評価を下した。72%の食事がそれを食べる人によって他よりも健康的であると査定されている。
 
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4.Glow(妊活アプリ)
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出生率:カナダの妊娠率は、Glowの全世界ユーザーの平均より21%高い。続いてオーストラリアも高く14%だ。一方、ラテンアメリカは、妊娠率が平均よりも12%低い。
 
幸福の絶頂:Glowのデータによると、女性のサイクルで、幸せのピークは生理の15日から16日後だという。
 
避妊:Glowは、膣外射精が3番目に好まれている避妊の形であることを発見した。Glowのユーザーの約18%が主な避妊方法として膣外射精をすると言っている。最も好まれているのは、コンドームで32%、次がピルで27%だった。膣外射精の他には、Glowのユーザーの5%が避妊リングを使用していると報告、また、別の5%が主な避妊方法として禁欲を挙げた。
 
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◇ユーザーデータを活用してアイデアを膨らます
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いずれも数千万ユーザーが利用するアプリの統計情報です(Eateryを運営するMassive Healthのみ2012年にJawboneに買収され終了)。まさにサービス提供したからこそ、わかってきたデータではないでしょうか!?
 
それぞれデータから新たなサービスが検討できると思います。例えば、Runkeeperでは、Androidユーザー向けにナイトランイベントを仕掛けてみる。Eateryでは、コーヒーをたくさん飲む人向けの体に優しい豆選び、焙煎方法の紹介から商品紹介に繫げる、などです。
 
このような新たなアプローチを、すべて自社で行う必要はありません。ユーザーの統計データを元に、スポンサーやパートナー候補にアプローチしていけばよいのです。
 
この考え方を実践している国内ヘルスケア企業もいます。
流れとして
 
・定期的にユーザーアンケートから傾向を探る
・プレスリリースとして発表
・その情報を元にスポンサー企業へ提案
 
すでに多くのユーザーが、皆さんの製品やサービスを利用しています。まずは月に1回のプレスリリースを目標にして、すでにあるデータの分析を行い、さらにどのような情報があるとよいかを検討するとよいでしょう。
 
次に、ユーザーとのコミュニケーション環境を見直し、ユーザーと共創できる場を作り上げていけるのが望ましいです。
 
まさにコミュニティデザイン&ドライブです!
 
定期的なプレスリリース・スケジュールを決めることが、ビジネスの活性化に繋がります。ぜひ実践してみてください。
 
 
 
<お知らせ>
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今月18日に開催する「モバイルヘルス勉強会」のテーマは
 
“モバイルにおけるサービス視点”
 
ヘルスケアにおいて製品でもアプリでも、サービス視点は最も重要視すべきことでしょう。今回は、ウェブサービスのアドバイザーをしているVisso社の小室氏、カラダのデータを一括管理するスマートフォン向けアプリ『CARADA』をリリースしたエムティーアイ社の秋田氏、川端氏に登場いただきます。
後半は演者を交え、フリーディスカッションを行います。最新動向の情報交換の場としても、ご活用ください。
 
モバイルヘルス勉強会 2015年2月18日開催予定
「モバイルヘルス成功のプロセス&エムティーアイのヘルスケアサービス」
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「新事業開発3タイプ」
 
(1)全くゼロからの発想で開発構築していく
(2)真似する!ー1 同業種をキャッチアップするー2 異業種から学ぶ
健康ビジネスでは今後異業種から学ぶが有望です!!
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <7クリップ>
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[1]ジェイアイエヌ、体幹トレーニングアプリ「JINS MEME TAIKAN」提供開始
世界初の成果が見える体幹トレーニングアプリケーション。従来見えづらかった体幹トレーニングの成果を客観的に評価し「点数」として表示する。「JINS MEME RUN」と連携することでランニングフォームの弱点を改善することも可能。(2016/01/28)
 
[2]JA全農とルネサンス、「おにぎりダイエットプログラム」を共同開発【PDF】
米食の代表的なメニューである“おにぎり”と身体を動かすトレーニングを組合わせた健康的で無理なく行えるダイエットプログラム。全国のルネサンス店舗で「おにぎりダイエット」の1か月集中プログラムを体感できるキャンペーンを実施。(2016/02/01)
 
[3]アディダスジャパン、2020年に向け女性のスポーツ市場に注力【PDF】
2016年は、アディダス史上初となる女性のためだけに開発したランニングシューズ「PureBOOST X」をはじめとする注力商品の発売、女性限定のマルチスポーツコミュニティの発足、女性向け新業態の店舗展開などを予定。(2016/02/01)
 
[4]富士経済、2015年 機能志向食品市場「健康食品とシリーズサプリメント」の最新動向
2015年の機能志向食品市場は、スポーツ人口増加を背景にプロテイン商品やアミノ酸スポーツサプリメントの需要が伸びている他、ブームとなったスムージータイプの食事代替ダイエット、ロコモ対応訴求が需要開拓に繋がったアミノ酸等が好調。(2016/02/01)
 
[5]Akili Interactive Labs、認知症に関するビデオゲームで3,050万ドルを調達
マサチューセッツ州ボストンを本拠とするAkili Interactive Labsが提供しているビデオゲームのプロジェクトは「Evo」といい、UCSFによるリサーチをベースとしている。このゲームは認知症を治療するように設計されている。(2016/01/27)
 
[6]Cedars-Sinai医療センター、癌患者のアクティブ調査でFitbitをテスト
Cedars-Sinai医療センターは、癌専門医が患者に行なう化学療法の有効性を評価する際「Fitbit Charge HR」が役に立つかどうかを確認する小規模調査に着手している。(2016/01/28)
 
[7]『mHealth Watch』注目ニュース:花粉症や喘息の原因をキャッチするセンサー「AlerSense」
手のひらサイズの「AlerSense」は、空気中に含まれるアレルギーや喘息の原因物質に反応するセンサー内蔵のガジェット。危険因子の存在をいち早くキャッチして症状を最小化するのに役立つ。具体的には、花粉やカビ、有害な化学物質、動物の毛などの微粒子分子を検出する。(2016/02/01)
 
 
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