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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2016年3月8日号
          ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
CESに行った方など驚かれるのですが、米国では「フィットネス」に関連したデバイスが日本では想像つかないくらいたくさん発表されています。
以前は、活動量を測る、心拍を測るなど、日常の活動から運動(特に持久系)までと、幅広い活用をターゲットにしたものが多かったのですが、ここのところ発表されるものは、特定の競技、目的に特化したものが増えてきているようです。
 
今回は「フィットネス用モバイルデバイスの現状」を紹介したいと思います。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---フィットネス用モバイルデバイスの現状
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「Trade up」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 法人向けウェルネスサービス、海外 モバイルアプリ市場レポートなど10本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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【テーマ:フィットネス用モバイルデバイスの現状】
 
特定の競技、目的に特化した「フィットネス用モバイルデバイス」が増えてきているようです。どのようなものがあるか、いくつか例を見ていきましょう。
 
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1.SWIMBOT(水泳用)
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「SWIMBOT」は、水泳の際、スイムキャップの後側に入れて使うデバイス。装着した状態で泳ぐとストロークの状態がチェックされ、適切な動きをしないと骨伝導スピーカからビープ音で指摘される。そのため、泳ぎながらスイミングフォームをリアルタイムに矯正できる。
 
 
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2.Ball Up(ゴルフ用)
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「Ball Up」は、内蔵する加速度計や磁力計で取得したデータを、専用のピッチフォークに無線送信できるゴルフボール。このピッチフォークはBluetooth対応ゲートウェイとして機能し、データをスマートフォンのアプリへ中継してくれる。見失ったボールの発見にも役立つ。
 
 
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3.InsideCoach(サッカー用)
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「InsideCoach」は、ボール内部にさまざまなセンサーが搭載されており、ボールに関するアクション(どれくらい強くボールが蹴られたか、スピン数はどれくらいか、蹴られた後の距離や曲線、パスやタッチした回数など)を検出して記録する。スマホからはリアルタイムで練習の指示なども受けることができる。
 
 
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4.Varia Vision(サイクリング用)
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Garminが発表した「Varia Vision」は、アイウェアにより情報が直接視野に入ってくる。速度や走行距離などのデータに加え、ナビ情報や電話着信の通知などを簡単に確認することができるようになる。後方レーダーと併用すれば、後ろから自動車が近づいているかどうかも確認できるようになる。
 
 
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5.FITGuard(アメリカンフットボール用)
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Force Impact Technologieが発表した、スマート・マウスガード「FITGuard」は、脳震盪を検知・予防することを狙っている。コーチにその衝撃がいかに危険かを一目で知らせるようデバイスのLEDが点灯し、選手がしばらく休む必要があるのかまたは医者に診てもらうべきかの判断が可能になる。
 
 
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◇フィットネスデバイスの今後のアプローチ方向性
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海外でフィットネストラッカーは順調に伸びています。NPD Groupの調査によると、2014年の売上高6億9200万ドルが、2015年には14億6000万ドルへと倍増したと報告しています。
2015年もFitbitが市場の79%を占める状況で、競合が次々と撤退(方向性の変更も含め)することからも、同様のアプローチで後発がその市場を覆すのはなかなか難しい状況です。
 
確かにウォーキング、ランニングの市場規模は大きいですが、それ意外のスポーツにも需要はあります。例えばウォーキングやランニングは、始めるのにあまりお金をかける必要がありませんが、ゴルフ、サイクリング、スキーなど、始めるために投資が必要なスポーツもあります。そのようなスポーツ、特に初期段階で必然性を感じてもらえれば、導入がされやすくなります。
 
モバイルヘルスを活用することで、市場性、規模も広がっています。自社の技術でできることにとらわれず、ユーザー視点に立って「絶対欲しいもの」は何か?を検討するとよいでしょう。
 
 
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今月16日に、シード・プランニングにて
「モバイルヘルスの国内外の注目企業と成功のプロセス」を
開催します。
 
モバイルヘルスの歴史を振り返り、成功要因は何だったのか?海外で順調に伸びるフィットネストラッカーが、なぜ日本ではブレイクしないのか?など現状を整理し、今後注目したいアプローチを紹介していきます。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「Trade up」
 
選択可能な範囲の中でより良い選択に変えていくという発想がTrade up。
現実性ある行動修正&向上テクニックで様々な場面のウェルネスサポートに応用できます。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <10クリップ>
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[1]ソネット、「ソネット パーソナルトレーニング」を提供開始
BodyQuestメソッドに基づいた専属トレーナーによるオンラインパーソナルトレーニングサービス。4月下旬よりソニーのヘッドホン一体型スポーツデバイス&アプリ“Smart B-Trainer”との連携で、より効率的なトレーニングを提供する。(2016/02/24)
 
[2]ロート製薬、新CI「NEVER SAY NEVER」制定
NEVER SAY NEVER実現に向け、更なる健康経営を目指す「健康経営推進グループ」設立。制約を超えた働き方へ「社外チャレンジワーク」「社内ダブルジョブ」制度制定。(2016/02/24)
 
[3]FiNC、法人向け新ウェルネスサービス「FiNCプラス」の受付を開始
従業員の健康状態から生活習慣改善の為のソリューション提供、ウェルネスメニューの割引特典の充実、健康教育の実施ならびに企業の健康経営銘柄の基準への対応等を従業員1人につきワンコインで実施できるパッケージソリューション。(2016/02/25)
 
[4]大成建設、スマートウェルネスオフィスの実証を開始
今回の実証では、技術センターに建設した「ZEB実証棟」において、建物に導入した多様な空間、照明・空調などの設備機器、執務者の行動パターンなどが健康増進・快適性、知的生産性の向上に与える効果を確認する。(2016/02/29)
 
[5]ミズノ、「ミズノスポーツ保険」を提供開始【PDF】
傷害や用具の破損などスポーツに伴うリスクなどを補償する保険商品。同社の会員組織「CLUB MIZUNO」会員に向けて、「ゴルフコース」「日常生活・自転車コース」「スポーツサポートコース」の補償プランを備える。(2016/02/29)
 
[6]ALSOK、シニア版ALSOK体操「ALSOKあんしん体操」を製作
「ALSOK体操」をシニアの健康増進プログラムへとアレンジし、ALSOK公式YouTubeチャンネルにて動画を公開。介護予防研究を専門とする東京都健康長寿医療センター研究所 大渕修一博士監修。(2016/02/29)
 
[7]グローバルインフォメーション、歩行支援デバイスの世界市場の予測ー2020年:製品タイプ(介助ベルト・ベスト・杖・松葉杖・歩行器・車椅子・電動カート)・地域別
世界の歩行支援デバイスの市場は2015年から2020年にかけて3.9%のCAGR(複合年間成長率)で推移し、2020年には65億7000万米ドルの規模に成長すると予測されている。地域別では北米地域のシェアがもっとも高い。
 
[8]Fitbit、130ドルのカスマイズできるフィットネスバンド『Alta』を発表
AltaはFitbitの一連の通常機能をほぼ搭載しているが、心拍モニタリング機能は付いていない。バンドにはアクティビティ・トラッキング、睡眠トラッキング、運動のリマインダー、時計とスマホの通知機能が付いている。(2016/02/24)
 
[9]『mHealth Watch』注目ニュース:App Annie、2020年モバイルアプリ市場は約11.3兆円
App Annieは、2015年から2020年までの世界のアプリ市場に関する市場予測をまとめた「モバイルアプリ市場レポート」を発表。世界のモバイルアプリストアにおける収益総額は、2015年から2016年の1年間で24%増の509億ドル(約5.7兆円)となった。(2016/02/29)
 
[10]Apple、FBIによるiOSロック解除要求で危険に晒される健康情報
AppleのTim Cook CEOは、もしAppleがユーザーのスマートフォンのロック解除手段の開発に同意すれば、FBIはBackdoorから健康記録へのアクセスに留まらず、多くのプライバシー侵害の罪を犯すだろう、と述べた。(2016/03/01)
 
 
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