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[健康サービス・デザイン編]2016年4月5日号
          ≫≫≫Author:大川耕平
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HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
今回より、健康サービスデザイン編では具体的なケースを設定しながらサービスプロセスにある価値創造ポイントや可能性ヒントを考察していきます。
 
大川は数多くの現場を目にしてきましたが、でも全てを見たわけではありません。
かなり独断偏見も入るかと思いますが、HBWとしてのひとつの意見として味わってみてください。
 
今回は職域健康サービスの変革ポイントです。
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---職域対象の健康サービス・デザインIDEA
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「15分集中ソリューション」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 高齢者生活支援IoTプラットフォーム、海外 視覚障害者用デバイスなど、12本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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テーマ:職域対象の健康サービス・デザインIDEA
 
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1.職域健康づくりの再定義
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従来の事業主管轄の労働安全衛生法、保険者(健保など)による特定健診事業、特定保健指導、メンタルヘルスチェック、データヘルス、コラボヘルスといった中央省庁指導による枠組みをゼロクリアしたらどうなるのだろうか?
 
企業という経済活動体として所属メンバーの健康をどう再定義すべきなのだろうか?
 
そもそも論になるけれどそこから始めたい。
 
◆所属メンバーの健康と企業パフォーマンスの一致を目指す!
企業は不健康になるための環境ではない。
でも、必ずしも全ての企業が所属メンバーの健康配慮に手が届いているわけではない。
 
日本の法律による国民皆保険という制度も健康に関して自律的に考える機会を労使両方にとって希薄にさせていたことも確か。なんかあったら医者に行けばいいという思考行動が医療費を圧迫していることも確か。
 
でも、今までの流れをゼロクリアして自分たちにとって望ましい方向は何なのかを徹底的に議論し再定義してみる価値はあるだろう。
 
より健康的な活動と思考が創出するエネルギーが、会社の業績に無関係であるはずがない!!
 
◆競争力の基本原理が変わりつつある
明治昭和の良き時代幻想を捨てよう!!バブル時代の体験を一旦忘れよう!!
 
量的自然拡大基盤に支えられた全てのビジネスがシュリンクしていくという環境が見えないけれど進んでいる。
 
ルールが変わったのです。
 
企業での働き方も基本変わっていきます。そしてそのことと健康は密接に関係するのです。
 
 
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2.スキル教育研修の中に健康教育を織り込んでいく
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健康とビジネスと人生を徹底的に学び刺激し互いに磨き合う場が会社!
 
◆プロセスデザイン力が試される
学びながら技術を磨き、経験を積み、失敗し、そこからさらに学びノウハウを組み上げていくことを優秀なビジネスパーソンはしてきました。
ビジネスと健康を離して考えないことだと思います。
 
ビジネスを行う人と健康状態はイコールであり繋がっている。
 
会社にいる時間、外で顧客と会っている時間、移動時間、プライベートを邪魔しないのは当然として、より健康的にビジネス力を強化するためのタッチポイントを会社が提供するというコンセプトはいかがでしょうか!?
 
まさに会社としてのメンバー活動プロセスデザインです。
 
◆TOEIC点数より食事リテラシーポイント
英語力もとても重要ですが、健康的な生活をし、ビジネスで力を発揮でき、頑張れる能力が大切です!
 
健康をつくるのは食事と運動、休養そして習慣です。この中でも食事は極めて健康に直結しています。自分にあった正しい食事を選択し行動に移す能力を食事リテラシーと呼んでいますが、この実践ポイントをメンバー全体で高めていく活動をドライブしていけば確実に医療費へのインパクトが良い方向に進むはずです。
 
 
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3.今ない答えを、、探していく姿勢!!
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不透明さが蔓延し、出口の見えない閉塞感の伴う気だるい経済政治社会環境のせいにしても全く意味がないです。
今こそ新たな日本企業カルチャーを再構築していくチャンスです。
 
◆コーポレイトヘルス&コミュニティヘルス
組織と健康、地域と健康。
これは日本の近未来の国としての動力源なのです。
 
答えはないです。
 
だからトライ&エラーを繰り返しながらPDCAを回していくしかないのです。だからこそPDCAカルチャーを持つ組織・企業から着手すべきなのです。
 
◆オープンイノベーションへ
誰もが未体験ゾーンに突入していくわけなので、学び共有していくオープンイノベーションスタイルでコーポレイトヘルスを進めていくべきです。
 
本号で語ったキーワードや切り口は、現場で実務に追われている人たちは感じていることが多いはずです。でもそのようにならないし、自分たちにその権限がないというかもしれません。
 
職域健康サービス事業はフリーミアムへシフトしていくはずです。その方が実際的だからです。この流れはIoTの世界観がどんどん進化拡大していく中で明確な道筋になっていくはずです。
 
職域健康サービスは変革期であり、実は社会インパクトも持ちうるチャンスが来ているのです!!
 
組織で健康を真面目に考え様々な向上策を模索し磨き、業績もバンバン伸ばしていく新しいプロセスデザインを展開する企業がきっと現れるはずです!!!
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「15分集中ソリューション」
 
職域において上司が許容できる部下の健康行動時間は15分だという。
同領域で活動してるプレイヤーは、ソリューションを15分で集中的に完結させるデザインをしているだろうか?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <12クリップ>
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[1]インフィック、高齢者生活支援IoTプラットフォーム「CareEye(ケアアイ)」の今春サービスインを発表
高齢者が住み慣れた自宅で自立した生活を継続することを支援すること、物理的または時間的に離れて生活を送る家族に安心を提供すること、を念頭に介護事業者の視点でIoT機器とクラウドサービス・マシンラーニングを活用したサービス。(2016/03/16)
 
[2]キヤノン、東芝メディカルシステムズ株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ
キヤノンは、東芝メディカルシステムズの株式を東芝から取得し、東芝メディカルシステムズの子会社化を行うことを決定。双方の経営リソースを最大限組み合わせることで世界に貢献できるヘルスケア事業基盤を強固なものにしていきたいと考えている。(2016/03/17)
 
[3]昭和西川など4社、睡眠で世の中を変えるプロジェクト「世界睡眠会議」設立
昭和西川、ダイキン工業、ライオン、ルネサンスの4社が参画。WEBサイトを新設し健康づくりのための睡眠ケアに関する情報開発の発信や、WEBサイトでの情報発信と連動した各種イベントを実施する。(2016/03/18)
 
[4]Apple、ヘルスケアアプリケーションをさらに進化させるCareKitを発表
デベロッパがお客様自身による健康状態の積極的な管理を実現するために設計された、新たなソフトウェアフレームワーク。(2016/03/22)
 
[5]三菱総合研究所、女性の健康を支援する新サービス「メールde健康エール」「職場de健康エール」試行提供開始
「メールde健康エール」「職場de健康エール」では、健康保険の被扶養者や企業で働く女性に対して、健康行動を促すインセンティブや情報を提供するとともに、アンケートにより生活習慣や就労環境の実態を把握することで、健保組合、企業向けの計画策定の支援を行う。(2016/03/24)
 
[6]矢野経済研究所、ミネラルウォーター市場に関する調査結果 2015【PDF】
2014年度のミネラルウォーター市場規模は前年度比101.8%の2,668億円と成長維持、2015年度も同107.2%の2,860億円と大幅増を見込む。(2016/03/29)
 
[7]新社会システム総合研究所、ビッグデータとIoT時代のデジタルヘルスケア:生体情報センシングの未来予想図
開催日は5月19日(木)。講師はアスタミューゼ株式会社 テクノロジーインテリジェンス部長 薬学博士 川口伸明氏。「診断データを活用するデータヘルス計画の概要と活用法」など。
 
[8]トヨタ、視覚障害者用デバイス『Project BLAID』を開発
「Project BLAID」は首の枕のような形で、肩に装着して使用する。カメラが装着されており、トイレ・階段・ドアなどを認識。補助犬と併用するデバイスとして使われ、音声や震えでナビゲーションを行ってくれる機能が付いている。(2016/03/17)
 
[9]禁煙アプリメーカー2Morrow、GSKとニコチンパッチ提供に関する提携
デジタル禁煙支援企業2Morrow社は、NicodermパッチのメーカーGlaxoSmithKline社と提携し、2morrowの禁煙プログラムに「Nicoderm CQ」パッチの提供を受けることになった。(2016/03/17)
 
[10]鳩が飛び回って大気汚染を観測!『Pigeon Air Patrol』
大気汚染を測定する場合、観測地点を決めて継続的にデータを取るといった方法が一般的だが、Plume Labs社が鳩の背中に端末を装着し、飛び回る鳩が空気の汚染状態を測定するサービスをロンドンの一部地域で開始した。(2016/03/23)
 
[11]『mHealth Watch』注目ニュース:誰がウェアラブルデバイスを使っているのか?
IDCが発表した調査結果によると、ウェアラブルデバイスを活用している米国の消費者像とは「テクノロジーに精通する人」「社交的な人」「スタイリッシュな人」。89%の回答者がテクノロジーを快適だと答え、69%の人々が自分の生活の大きな部分を占めるとしている。(2016/03/28)
 
[12]Misfitを買収したFossil、Android Wear端末とフィットネスバンドの新作を発表
GoogleのウェアラブルOS「Android Wear」を搭載する時計とブレスレットを含む「Fossil Q」シリーズの新作。米国で夏から秋にかけて発売する。(2016/03/29)
 
 
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