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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2016年4月12日号
           ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
モバイルヘルスに関する情報をサーチしていると、3ヶ月に1回程度登場するのが「子供(赤ちゃん含む)向けデバイス&アプリ」です。ここでいう子供向けとは、単なる子供のおもちゃではなく、大人が与えることで見守りや子育てに役立つものです。
 
今回は「モバイルヘルスを活用した育児・見守り」を紹介したいと思います。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---モバイルヘルスを活用した育児・見守り
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「・・&ヘルスカフェ」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 市場調査、海外 スマートデバイス動向など、9本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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テーマ:モバイルヘルスを活用した育児・見守り
 
ヘルスケアに関する子供向けモバイル(デバイス、アプリ)は複数あります。今回は「赤ちゃんの見守り」「体温管理」「歯磨き支援」「体を使って遊ばせる」の4つのジャンルで、それぞれどのようなものか見ていきましょう。
 
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1.赤ちゃんの見守り
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オムロン「家族目線」
 
昨年のCEATECにて発表されたオムロンの製品です。カメラで定点観測して、赤ちゃんの「ぐずり」を感知し、スマホに通知するものです。このアプローチは、2011年にiBaby Labが「iBaby Monitor」をクラウドファンディングで発表後に広がり、現在も新しいモデルを販売しています。
 
 
Ancam Tech「Smart Pee Pee」
 
香港の企業Ancam Techが開発し、クラウドファンディングで発表した赤ちゃんのおむつが濡れるとスマホに通知するものです。紙おむつの外側に貼って使います。早期発見で、お尻を濡れたままにしないことにより、おむつかぶれを防止します。
 
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2.体温管理
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Blue Spark Technologies「TempTraq」
 
CES2015で発表された赤ちゃん用の貼る体温計です。柔らかなパット型の体温計を貼ると、最高で24時間体温を計測し、スマホで確認でき、熱が高くなるとアラート通知してくれます。
 
 
Roland and Fillip Gedeon「BUTTERFLY」
 
現在、クラウドファンディングで資金を集めている貼るタイプの体温計です。複数のセンサーを使って、同時に複数の人の体温を測ることができます。センサーは脇の下に貼り、Bluetoothで通信する本体が光り、体温状態を色で表示します。もちろんスマホに通知も可能です。
 
 
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3.歯磨き支援
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Playbrush「Playbrush」
 
今年のCES2016で発表された、歯ブラシに装着するデバイスです。専用のスマホゲームと連動して、内蔵されたモーションセンサーが歯磨きできているかを動きから感知し、ゲームのミッションをクリアしていきます。
このアプローチは、サンスターやP&Gも開発したことを発表していて、今年には商品化するとのことです。サンスターは子供向けアプリを用意していることも公表しています。
 
 
Diney Publishing Worldwide「Disney Magic Timer by Oral-B」
 
ディズニーキャラクターのアプリで、アプリのタイマーに合わせて歯磨きしていくと、デジタルステッカーを収集できます。子供にしっかり磨くことを習慣化させるのに役立てるものです。
この他にも、歯磨き支援のアプリはかなりの数がリリースされています。
 
 
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4.体を使って遊ばせる
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任天堂「ポケウォーカー」
 
子供に人気のゲーム「ポケットモンスター(ポケモン)」用のゲームソフトに付属された歩数計で、ゲーム機DSと赤外線通信することで連動させて遊ぶことができます。ポケウォーカーで連れ歩いたポケモンが歩数に応じレベルアップします。
 
 
モフ「Moff Band」
 
手首に付けるデバイス(腕時計型スマートトイ)で、腕の振りに合わせ連動するアプリから、ギター、ドラム、刀で切るなど、いろいろな音が出せます。子供が遊びの中で想像力を高めていけます。
去年11月、アメリカでは教育メディアPBS KIDSと提携し、知育アプリを共同で開発しました(http://mhealthwatch.jp/global/news20151126-2)。
 
 
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◇子供向けモバイルヘルスの今後のアプローチ方向性
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今回は4つのジャンルからそれぞれ2事例を紹介しました。
 
「赤ちゃんの見守り」「体温管理」は、親が子供の状態をチェックするためのものです。「体温管理」は赤ちゃんだけでなく、子供ではまだ自覚症状がわからない、熱が出ている状態をチェックできます。
現状の見守りデバイスは、機能的にもごく限られたものになるため、赤ちゃんや子供の気づきにくい病気が網羅的にフォローされるわけではありません。また技術的に網羅するのは、まだ時間もかかるでしょう。機能に頼るだけでなく、親が先を予測していくための、子供の成長に合わせて学習していくような仕組みを組み込むことなどが求められるでしょう。
 
 
「歯磨き支援」「体を使って遊ばせる」は、子供が自分のからだのために楽しみながら学んだり、身につけていくものになります。ここでは子供にどう自発的にやりたくさせるかが課題になります。きっかけとして子供の好きなキャラクターを活用するのは有効な手段でしょう。
この発想は大人にも有効です。紹介した「ポケウォーカー」は、ポケモン好きな大人も歩数を稼いでレベルアップに使っていると聞きます。目的がゲームですが、結果、からだを使うことに貢献していることになります。
 
 
その他にも病気と戦う子供たちのためにHope Lab社のRe-Missionなどがあります。これらゲームサービスには保険会社、製薬メーカー、医療機関などがスポンサードを行い収益化しています。
子供向けのヘルスケアアプローチでは、モバイルやIoTを活用することで貢献できることはまだまだたくさんあると言えるでしょう。
また、子供が自ら取り組むものをヒントに、大人、高齢者向けのモバイルサービスを作っていけると思います。
 
 
新たな健康ビジネスを検討していくとき、薬機法やグレーゾーンを考慮する必要があります。企画段階で十分に検討しておかないと、商品化の段階で問題を発見し、企画に後戻りすることになりかねません。
 
 
今月19日(火)に新社会システム総合研究所にて開催する
「モバイルヘルスのビジネスモデルと法務」
では、企画段階から法律を踏まえて効果的なビジネスプランを作成する方法、注意点を解説していきます。
 
今回は法務に関する時間を拡張し、企画段階の注意点からパートナーリングにおける契約法務まで、細かく解説していく貴重な内容になっています。
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お申し込みの際、「ご意見・ご要望」欄に、「ヘルスビズウォッチから申し込み」とご記入ください。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「・・&ヘルスカフェ」
 
あなたの事業にヘルスカフェを併設したとしたら、ヘルスケアサービスのどんなメニューでお客様に喜んでもらいますか?このメニューの広がりが貴社のポテンシャルです!!
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]森永乳業、「PREMiL カラダしっかり」ミルクで初!エムスリー社“AskDoctors評価サービス”において「AskDoctors 医師の確認済み商品」マーク取得【PDF】
「PREMiL」シリーズは未来の健康なカラダづくりを応援する牛乳の栄養にこだわった低脂肪タイプのミルクシリーズ。本商品は実際に商品を飲用した医師へのアンケート調査の結果、80%が自身で「飲み続けたい」、また89%が周囲の人に「勧めたい」と回答。(2016/03/29)
 
[2]ネスレ日本、女性の“キレイ”を応援するキャンペーン「コントレックス 7days チャレンジ」開始【PDF】
「コントレックス」は、カルシウムやマグネシウムを豊富に含むナチュラルミネラルウォーター。7日間の継続飲用を楽しく続けるためのサポートとして、毎日の食事や運動、体調などを記録することができる「レコーディングブック」を用意。(2016/03/31)
 
[3]損保ジャパン日本興亜総合研究所、米国ヘルスケア改革の進展と健康保険者の役割ー問題解決の取組、イノベーションおよび新しい事業モデルの構築ー【PDF】
2010年立法のヘルスケア改革法は、数年の準備を経て、主要項目は2014年に本格的に実施された。本稿は、本格的に実施され一年経過後どのような進展があったかを取り上げる。(2016/03/31)
 
[4]矢野経済研究所、ビッグデータ市場に関する調査結果 2016
2015年度の国内のビッグデータ関連投資規模は535億円と推計。現在注目されている「IoT」「AI」といった新たな領域はビッグデータの活用そのものであり、大量のデータがこれらの技術の進展に寄与している。今後もビッグデータはIoT、AIの技術基盤という位置付けで進展していくと予想する。(2016/03/31)
 
[5]メタジェン、腸内から人々の健康を考える「腸内デザイン応援プロジェクト」を発足
腸内デザイン応援プロジェクトは、科学的根拠に基づいた確かな商品・サービスを開発し、腸内環境改善による健康維持・セルフメディケーションを提案していくプロジェクト。2016年度の腸内デザイン応援企業12社が決定。(2016/04/05)
 
[6]シード・プランニング、市場調査レポート:2016年版 世界のウェアラブル市場の普及と展望
本調査では、国内外のウェアラブル市場の現状と製品動向、参入事業者動向、消費者動向をとりまとめ、2025年までの世界のウェアラブル市場規模予測と、市場の課題・今後の成長性を展望。
 
[7]体温を24時間測り続けるスマートデバイス『Butterfly』
Butterflyは、脇の下に貼り付けておく小さな温度センサがBluetoothで通信し、テーブルなどに置いておく本体から体温を確認できるシステム。24時間継続的に測れるので、体温の変化を捉えやすい。(2016/04/01)
 
[8]『mHealth Watch』注目ニュース:「計るだけ」ダイエットの先をいく(?)、「自撮りする」ダイエット
「Progress」は、毎日自撮り写真を撮って15日間記録すると、それまでの写真を組み合わせて、身体の変化具合を示す短いビデオを作ってくれる。その中でカラダの変化、成果が確認できるというもの。(2016/04/04)
 
[9]自宅で血液検査!科学的に健康状態を分析する『Cor』は元Apple幹部が開発
自宅で血液検査をしてアプリで健康管理のアドバイスが受けられる「Cor」は、手軽さに加え、元Apple幹部、Bob Messerschmidt氏が開発を手がけている点でも注目を集めている。(2016/04/05)
 
 
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