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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2016年6月14日号
           ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
米国ですっかり定着したフィットネストラッカー。スマートウォッチに統合される動きもありますが、ここにきて新たな形態へと進化がはじまっています。新たなスタンダードモデルになるのか、注目されています。
 
今回は『進化するフィットネストラッカー』について見ていきたいと思います。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---「新しい小型フィットネストラッカー」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「物語としてどうか?」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 ムーヴバンド3利用者調査、海外 尿検査キットなど、8本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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テーマ:新しい小型フィットネストラッカー
 
 
フィットネストラッカーは、2012年辺りからスマートウォッチが登場したことで、スマートウォッチの機能として活動量を計測するもの、逆にリストバンドタイプでメールを通知すると言ったスマートウォッチ機能が取り込まれたものが出てきました。腕につけるウエアラブル(フィットネス機能付)としては、一通り出揃った印象を受けます。
 
しかし、現状のフィットネストラッカーも万能ではないため、課題もあります。例えば、近くにスマートフォンがないとGPSが使えない、通信できない、などが挙げられます。もちろん、高性能モデルになれば全て対応しているものもありますが、値段も高いため、本格的にスポーツに取組んでいる人でないと、なかなか購入はできないのではないでしょうか。
 
そんな中、手軽に使えるものとして最近注目されてきているのが「腕につけないフィットネストラッカー」です。
 
 
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1.Pebble Core
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スマートウォッチで知られるPebbleが、スマートウォッチのニューモデル「Pebble 2」「Time 2」と同時に発表したのが小型ウェアラブル「Core」です。
 
「Core」はクリップ型の非表示(ディスプレイのない)コンピュータで、3G、GPSが備わっているため、スマートフォンを持たずにランニングで距離計測ができます。イヤホンを接続して音楽再生の他、運動時の音声通知、マイクを使ったコントロールもできます。
 
心拍を計測したい、運動中も画面で確認したければ、スマートウォッチをつけて同期することで機能が使えます。
発売は2017年1月以降で99ドルを予定しています。
 
 
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2.Samsung Gear IconX
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メールなどの通知機能も搭載したフィットネストラッカーGear Fitのニューモデル「Gear Fit2」が発売されました。
「Gear Fit2」は、GPS機能が内蔵されたため、スマートウォッチを持って行かなくても距離測定が可能になります。(通知機能はスマートウォッチとの同期が必要)
 
そして「Gear Fit2」と同時に発表されたのがイヤホン型フィットネストラッカー「Gear IconX」です。
「Gear IconX」は、心拍モニター、加速度センサーを内蔵しているため、GPS機能がなくてもよければ、デバイス単体で運動に使うことができます。記載はありませんでしたが、「Gear Fit2」と同期すれば、スマートフォンがなくてもGPS計測は可能になるでしょう。
 
もちろんイヤホンですので、単体での音楽再生機能も搭載されています。
価格はまだ発表されておらず、販売は今年の後半になるようです。
 
 
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3.新しいフィットネストラッカーの特長
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小型の活動量計(歩数計)は以前からありましたが、新たなフィットネストラッカーは、小型のコンピュータと言えるものになってきました。
 
Pebbleの「Core」は単体で活動量、GPSによる距離計測が可能になり、Samsungの「Gear IconX」は、活動量と心拍が測定できます。どちらもスマートウォッチと同期することで、心拍やGPS機能を補うことができます。
 
そして、どちらにも共通する機能が音楽再生です。4GBのストレージを搭載し、約1000曲をストックすることができたり、Spotifyによるストリーミングを利用することもできます。
「Gear IconX」の方が、スポーツ時の音楽プレイヤーに注力していますが、「Core」は他のデバイスを操作できるなど、IoTツールとして汎用性の高いものになっています。
 
 
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4.新しいフィットネストラッカーの可能性
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日本では伸び悩んでいる「腕につけるフィットネストラッカー」。最も大きな要因は、すでに日本では歩数計の文化が成立しているためだと我々は分析しています。そのため米国でのアプローチをそのまま展開しても、歩数計と比べてしまうため、“わざわざ腕につけなければならない”“歩数計に比べて倍以上の金額”など、マイナスイメージが強く、そのマイナスイメージを補うプラスイメージがなかなか見えてきていないのではないでしょうか?
 
新しい小型のフィットネストラッカーならば、日本市場でも広がる可能性を秘めていると思います。歩数計のように小さく邪魔にならず、スマートフォンと一緒に持ち歩かなくてもスポーツを楽しめる。音楽プレイヤーとして、IoTツールとしても活用できるなど、歩数計からステップアップしたイメージが持ちやすくなります。
さらに緊急時の連絡機能など、常に持っていたい機能を組み合わせることで、必須ツールにすることもできるでしょう。
 
フィットネストラッカーを使った次なる展開に、「新しい小型フィットネストラッカー」の活用を検討していくのは面白いと思います。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「物語としてどうか?」
 
今、あなたが提供しているサービスを利用しているお客様とどのような物語が展開されているのでしょうか?それはもっと続けたい内容ですか?飽きてしまっていませんか?物語を共創している意識がなくても物語は展開されていて、支持されるか否かなんです。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <8クリップ>
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[1]積水化学工業、セントラルスポーツと“健康寿命を延ばすためのリフォーム”で協業
この協業により、人間が本来持っている「立ち座り・歩く・腕を真上に伸ばす・物をつかむ」という日常動作が衰えないようにするための運動プログラムと、それが行いやすい住空間を提案する。(2016/06/02)
 
[2]ドコモ・ヘルスケア、父の日のプレゼントにはウェアラブル活動量計がおすすめ 満足度85%の「ムーヴバンド3」の利用者調査結果を発表
ムーヴバンド3をつけ始めてからの生活変化を聞いたところ、回答者の73%に生活習慣の変化がみられ、特に睡眠・歩数に対する意識が高くなっていた。(2016/06/02)
 
[3]ルネサンスとリンクアンドコミュニケーション、新サービス「カラダかわる Navi」をスタート【PDF】
「カラダかわる Navi」は7,000名を超える管理栄養士&栄養士ネットワークを持つリンクアンドコミュニケーションが開発したアプリ。ルネサンス契約法人の従業員は「カラダかわる NaVi」アプリを無料で利用可能。(2016/06/07)
 
[4]シード・プランニング、市場調査:2016年版 ホーム/パーソナル ヘルスケア 生体センシング・技術開発動向調査
この調査は、今後も拡大・発展が期待されるホーム/パーソナル領域の生体計測技術について、企業や研究機関の技術開発や電子部品などの要素技術の動向を広い視野で整理・俯瞰したもの。
 
[5]「Health 2.0 Japan 2016」のキックオフが開催(日経デジタルヘルスより)
12月6-7日に開催する「Health 2.0 Japan 2016」のキックオフミーティングという位置付けの会合「Health 2.0 Japan Meetup vol.1」が東京都内で開催された。(2016/06/07)
 
[6]GoogleFit、AppleのHealthKitのように健康データ交換機能を追加
Googleのイベント「Gooogle I/O」で、Android Wearソフトウェアの新バージョン「Android Wear 2.0」と、フィットネス関係のアップデートを発表。自動アクティビティートラッキングとGoogle Fitデータ変換用APIの2つ。(2016/06/01)
 
[7]尿一滴で5分で検査完了!スタンフォード大のエンジニアが病気発見キットを開発
スマートフォンを活用した尿検査キット。パッド部分に尿を垂らした後、データへと反映されるのにかかる時間は30秒。その後のスマートフォンへのデータ転送時間を含めても5分以内で検査が完了する。(2016/06/03)
 
[8]Practice Fusionの攻勢、団塊世代のためのウェアラブル心臓モニタリング『iBeat』を開発
Practice Fusion社のCEOを辞任して約1年、Ryan Howard氏はPractice Fusionの元同僚達とともに新しいベンチャーを始めた。iBeatの最初の製品は50-70歳代市場を対象にしたウェアラブル個人向け緊急応答システムデバイス。(2016/06/07)
 
 
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