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[健康サービス・デザイン編]2016年7月5日号
         ≫≫≫Author:大川耕平
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HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
今月で弊社スポルツはお蔭様を持ちまして22期に突入しました。
ひとりの子供が生まれストレートに行けば大学四年生になる時です。
長いような、、、あっという間のような複雑な気持ちです。
 
日本の健康ビジネスを強く、色っぽくするサポートにより励んでいきますので引き続き宜しくお願いいたします!
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---「無関心層へのアプローチHINT」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「成長連続体」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 シルバー30年変化、海外 デバイス動向など、7本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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テーマ:無関心層へのアプローチHINT
 
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1、ボリュームのある無関心層
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健康行動に対しての意識ポジションを示す行動変容理論があります。
健康サービス事業のターゲットとして最もボリュームがあるのが無関心層であり、最も改善パフォーマンスが高いとも言われています。
しかし、無関心なのでなかなか健康行動に乗ってくれない彼ら(彼女ら)に対してどんなアプローチをすべきなのでしょうか?
 
◆行動変容ステージポジション
行動変容ステージを再確認しておきましょう。
・無関心期
→健康に関して全く興味がない
・関心期
→少し健康に興味を持っているが行動の予定はない
・準備期
→興味があり行動への準備もある
・行動期
→健康行動をスタート
・維持期
→健康行動の継続・維持
 
健康改善効果が高いのは無関心期にいる健康リスクが高まっている人です。しかし、この人たちは健康行動に興味がありません。
この構造をなんとか変革できないか?と考えるのが健康ポピュレーションアプローチです。
 
◆なぜ?反応しない!
この無関心層に対して健康アプローチをしても反応しないのは健康行動に興味がないからに他なりません。が、しかし、彼らを健康行動に結果的に導くシナリオや戦略が足りないという言い方もできると思います。
我々は、健康行動への導き方をもっと勉強する必要があるのではないでしょうか!?
 
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2、ヘッドピンを探せ!
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ボーリングは10ピンが並んでいます。レーン中央の先端にあるヘッドピンは1本。次の列は2本、3本、4本と並びます。ヘッドピン付近にあるスポットに当たればその後列のピンが次々と倒れストライクになります。
健康行動はストライクと仮定すると、多くの上手くいっていない健康サービス事業者はスポットを狙わずに、、またはその存在を無視して闇雲にアプローチしているのと同じです。
 
◆ソーシャルマーケティング的アプローチ
「1L for 10L」プログラム
日本でも2007年に展開されたソーシャルマーケティングイベントです。ボルヴィックが1L売れるたびに、アフリカで10Lの安全で清潔な水がつくれるというもので、売上の一部がユニセフ活動支援を通じアフリカでの飲料水確保のための井戸づくりとその維持運営に使われます。
 
20代の若者と小さな子供を持つ30代主婦を中心にヒットし、前年比31%増の好成績を収めました。(※その後苦戦もするが今年2016年で終了を迎える)
 
◆動かすことを目的としたコミュニケーション
先の例で言うとヘッドピンを狙うのはストライクを目的としているからです。つまり、相手に行動変容をもたらす働きかけということになります。
 
ボルヴィックのソーシャルマーケティングイベントの優れたポイントは、生活者がそのテーマに対して自分ゴトとして行動を起こしたことにあります。
「自分のミネラルウォーター選択がアフリカを救う!」
このような流れを誘発するための流れを創出することがポピュレーションアプローチの実績アップに必要になるのだと思います。
 
 
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3、ステップbyステップ
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無関心ボリューム層に対して一発で健康行動に導くことは難しいという前提に立ち、健康行動にリンク可能なテーマ性あるイベントへステップbyステップで行動への導線を引く。その導線へ幾つかのアプローチルートをつくってつなげる。
 
◆自己確認プロセス
無関心層のヘッドピンはいくつかあると言われていますが、その中でも強力なのは自己確認プロセスの提供です。
これは「あなたをしっかりと容認していますよ」というメッセージが有用であることが対面式サポート技術でも分かってきている。
 
認められることで自分ゴト化された健康行動に昇華していくイメージです。つまり感情を刺戟する初期アプローチがヘッドピンなのです。
 
「ボルヴィックをチョイスすることでアフリカに貢献している自分」を感じること。それをその他メディアやソーシャルメディアでも再確認します。
 
◆無関心層アプローチはひとつではない!
無関心層へのアプローチを段階的に行い、どう健康行動につなげるか?
 
・デジタルゲームと健康行動
・B級グルメとダイエット
・スイート三昧とスマートライフ、、、、etc
 
タッチポイントを創ってから健康行動までのステップをどう描き展開するか?この一見とっても面倒なプロセスの工夫をどれだけ愚直にこなしていけるか?ここが健康無関心層(ポピュレーションアプローチ)の健康行動誘引技術開発のキモだと思われます。
 
貴社の事情に即した連関発想で一度ストーリーを考えてみてください。
自社サービスにとって、無関心層のこういったタイプは2ステップで顧客化できる、、というようなひとつでも開発できれば大成功です。
 
手順に迷ったらお声かけください!!
 
 
 
●問い合わせメール
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「成長連続体」
 
成長し続けるためには他者と相互依存しながら協力関係が発展していくことが必須であることをフランクリン・コーヴィー博士は説いています。これってサービス事業者と顧客の関係にも見事に当てはまります。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <7クリップ>
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[1]博報堂生活総合研究所、「シルバー30年変化」調査結果を発表【PDF】
1986年から30年間にわたり60-74歳を対象にほぼ同じ質問内容の調査を実施(1986年、1996年、2006年、2016年の4時点で実査)。1986年→2016年「シルバー30年変化」のポイントとして、欲しいものは「お金」が「幸せ」を上回る、など。(2016/06/24)
 
[2]日立製作所、人工知能を活用し 働く人の幸福感向上に有効なアドバイスを自動作成する技術を開発
人工知能技術を活用し、働く人の幸福感の向上に有効なアドバイスを各個人の行動データから日々自動的に作成する技術を開発。日立グループの営業部門の人財約600人を対象に試行(実証実験)を開始。(2016/06/27)
 
[3]東京農工大学など、いつでもどこでも運動学習能力を測るアプリを開発
本研究は、東京農工大学・瀧山健特任准教授と東京大学・進矢正宏助教の2名の若手研究者で構成される研究チームが実施。従来用いられてきた巨大で高価な実験機器の代わりに、スマートデバイス上で運動学習能力を測定するアプリを開発。(2016/06/27)
 
[4]サントリーウェルネス、「クイズでわかる!予防医学の新常識」をアップ
予防医学の研究者、石川善樹先生が出題するクイズに答えて、最新の予防医学を身につけられるサイト。テーマは、睡眠・食事・肩こり腰痛・ストレス。(2016/06/28)
 
[5]新社会システム総合研究所、健康アライアンス7月勉強会「健康社員・健康企業を目指して」を開催
開催日は7月27日(水)。日本初のチーフヘルスオフィサー(CHO=最高健康責任者)に就任し社内外における健康に関する取組みを推進しているロート製薬のジュネジャ・レカ・ラジュが2002年から始まる健康経営の取組み事例と考えを紹介。
 
[6]装着するだけでストレスの原因を計測し、解決プログラムまで提案するデバイス『WellBe』
ブレスレット型デバイスとアプリのセットで使用する「WellBe」。本品の凄いところは測定だけにあらず。ストレスのトリガーを見つけつつ、それを解放するために様々な手段を提案してくれるところにある。(2016/06/22)
 
[7]『mHealth Watch』注目ニュース:Novartis、慢性じんましんの患者にソーシャルサポートアプリを支援
慢性じんましん患者のためのSNSアプリ「Target My Hives」は、患者同士が繋がることが主要な目的だが、その症状をモニタリングするツール、近くの専門医を見つけるための探索機能もあり、ユーザーを患者支援グループと繋げることができる。(2016/06/27)
 
 
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