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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2016年7月12日号
            ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
アプリは無料、もしくは低額での提供であまり儲からないと思われることも多いですが、アプリを使った高額サービス、低額ながら収益化してきたヘルスケアサービスは複数でてきています。
 
今回は、Health App Labで行ったサービス提供者へのインタビューを元に、どう有料サービスを提供していくと収益化していくのか、そのポイントを見ていきたいと思います。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---「アプリを使った有料サービス」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「やらないことを決める!」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 新サービス、海外 ウェアラブル動向など、8本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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テーマ:アプリを使った有料サービス
 
 
モバイルヘルスに関して「アプリを使って収益があげられるのか?」と質問されることがあります。今だにアプリは無料提供されるものと誤解されることがあります。
 
アプリを使って有料サービスを提供する企業のほとんどが数値的な発表がないため、正確にはわかりませんが、App Annieなどを使うことでビジネスが成立しているサービスが複数でてきたことが見受けられます。もちろん、目指すビジネス規模にもよりますが、「アプリでも収益はあげられる」と言えます。
 
アプリでビジネスをする場合、基本的にはウェブサービスと同じく、オンライン上のサービスになりますので、オンラインでどう接すればお金を払っても良いのか、そのポイントを抑えていくことが重要になります。
 
今年4月にHealth App Labにて、「あすけん」を運営するウィット社の管理栄養士 道江美貴子さん、「CARADA MY栄養コーチ」を運営するMTI社の管理栄養士 川端史紀さんと、有料オンラインサービスの活用法について座談会を行いました。その中から、提供者視点でのポイントは大きく2つあります。
 
 
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1、有料サービスへの誘導(価値化)
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・「あすけん」の場合(低額サービス)
ダイエットは続けるのが難しいので、一番モチベーションが高いときに有料サービスを勧める。
登録した最初の7日間に有料サービスをすべて無料で使えるようにして、モチベーションが高い内に有料サービスの価値を実感してもらい、8日後から有料サービスに申し込んでもらう。
 
・「CARADA MY栄養コーチ」の場合(高額サービス)
栄養士が1対1でコミュニケーションするので、初回カウンセリングを無料で提供し、信頼関係の形成(安心して楽しく続けられそうか)を行って、有料申し込みをしてもらう。
具体的には、検診結果や生活習慣のヒアリングから問題点を抽出し、改善ポイントをその人の人生の価値観にあったアプローチで行う。
 
 
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2、有料サービスの継続
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・「あすけん」の場合(低額サービス)
食事記録からカロリーだけでなく栄養価も踏まえた評価や、昼食までの記録から夜何を食べると良いかの予測まで提示してくれるチェック&ソリューション機能。
ユーザー同士のコミュニケーションが活性化するよう、適切な人をマッチングさせる。
 
・「CARADA MY栄養コーチ」の場合(高額サービス)
ユーザーごとの目的、やり方を明確にして取り組むパーソナライズサポート。
日々のコミュニケーションを大切にし、少しずつ自信や知識がついて、自分の健康に興味が湧くようにする。
 
 
参考>Health App Lab「ヘルスケアアプリ雑談会(全3回)」
 
栄養のプロが教えるオンラインサービス活用法とは?
 
有料の壁も取り払え、楽しく効果的なダイエットへ
 
健康のプロによる、自分なりのアプリの使い方
 
 
「あすけん」についてはこちら
 
「CARADA MY栄養コーチ」についてはこちら
 
 
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3、アプリダイエット有料サービスの共通のポイント
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今回はアプリを使ったダイエットサービスから、低額サービスとして「あすけん」を、高額サービスとして「CARADA MY栄養コーチ」の例を座談会の内容から紹介しました。
 
・導入ポイント「初期に手厚いフォローをする」
有料への“導入”で共通することとして、初期の段階に注力しています。提供者視点では、1ヶ月くらい無料で使ってもらってから、と思いがちですが、一番モチベーションが高いときに、手厚くフォローし、信頼感を得ることで有料申し込みに繋げています。
 
・継続ポイント「コミュニケーション」
有料での“継続”に共通しているのがコミュニケーションです。一人で続けていると挫けてしまいそうなところを、人に気にかけてもらう、見守ってもらうことで、継続のための動機付けとしています。
 
今回はテーマがダイエットでした。その他テーマ(睡眠、疲れ、ストレスなど)によってポイントは変わってきますが、有料で使ってもよい、有料で使い続けてもよい、と思ってもらう点では共通することも多いと言えるでしょう。
 
 
 
【モバイルヘルスの活用サポート】
新たにヘルスケアアプリを検討したい、商品を絡めて継続率の高いサービスを開発したい、すでにあるアプリやサービスを活用して価値化したい、などのご要望に、スポルツがストックする事例を活用し、スピーディーにプランニングするサポートを行っています。
まずは気軽な情報交換からいかがでしょうか?
 
 
お問合せはこちら
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「やらないことを決める!」
 
サービス現場での行動指針を策定するとき、あるべき行動の姿を定義することもとても重要ですが、同時に「やらないことを決める」とさらに強固な指針になります。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <8クリップ>
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[1]損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険、「Linkx(リンククロス)」の立ち上げ【PDF】
「Linkx」とは、お客さまに心地よく、楽しく、健康を維持していただくことをコンセプトとして、健康を軸とした革新的な商品やアプリを中心とした健康関連サービスを展開していく健康サービスブランド。(2016/07/01)
 
[2]ミニストップ、MINISTOP Loppi新サービス「タニタ歩数計・活動量計データ送信サービス」を開始
タニタと連携し、ミニストップ店頭のマルチメディア端末「MINISTOP Loppi」で、タニタのFeliCa搭載歩数計・活動量計のデータ送信を行うことができる「タニタ歩数計・活動量計データ送信サービス」を開始。(2016/07/01)
 
[3]伊藤忠商事、「RIZAP」ブランドのマスターライセンス権取得について
健康コーポレーション株式会社と「RIZAP(ライザップ)」ブランドのアパレル・雑貨分野におけるマスターライセンス権に関する契約を締結。(2016/06/30)
 
[4]FiNC、企業の人事・労務向けウェルネスデータ分析マネジメントツール「FiNCインサイト」を提供開始【PDF】
従業員の心身の健康状態を見える化・数値化できるウェルネスデータ分析マネジメントツール「FiNC インサイト」を活用することによって、早期に具体的な対策を講じることが可能になる。(2016/07/01)
 
[5]日本総研、【創発Eyes】「見えないものを見る」技術への期待(ヘルスケア)
健康状態や最適な健康管理は、個人によって異なり、一つとして同じものはない。ただ一方で、効果的に健康を実現する方法や仕組みを考えるには、個別性を捨て、同じ知識や意識を共有する必要は依然として残る。(2016/06/28)
 
[6]疲れを可視化!ウェアラブル睡眠モニター『Sleepman』
睡眠の質や時間を計測して分析するだけでなく、最も目覚めが良くなる時間に起こしたり、眠気などで不注意運転しそうになったら警告を発したりするなど多機能なガジェット。(2016/06/30)
 
[7]着るだけで消費カロリーを増やす冷却ベスト『Thin Ice Vest 2.0』
Thin Ice Vestは、着ると体を冷やすベスト。冷えた体は体温を維持しようと脂肪を多く燃焼させ、消費カロリーが増える。開発チームは、着るだけで500kcalから1000kcalのエネルギーを余分に消費できるとしている。(2016/06/30)
 
[8]腕時計のような活動量計『Withings Activite Steel』魅力は見た目と価格のバランス
腕時計を使う感覚で身につけていれば、歩数、移動距離、消費カロリーといった活動量や睡眠サイクルを自動的に記録。また、歩行、ランニング、スイミングといった活動の違いも自動的に認識できる活動量計。(2016/07/03)
 
 
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