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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2016年8月9日号
           ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
今週から来週にかけて、夏休みを取る方が最も多いタイミングだと思いますが、この夏休み中、たくさん見かけることになりそうなのは、“虫取り”ならぬ、“モンスター取り”をするトレーナーの方々ですね!
 
今回は、いろいろな意味で話題の「ポケモンGO」をHBWらしい角度で取り上げます。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---ヘルスケア視点でみる「ポケモンGO」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「readability」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 IoT自動販売機、海外 スマートウォッチ出荷台数など、9本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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テーマ:ヘルスケア視点でみる「ポケモンGO」
 
 
「ポケモンGO」がかなり話題になったため、ポケモンに興味がなかったのに、試しにやってみたらハマったという方も多いのではないでしょうか?
今回は「ポケモンGO」をヘルスケア視点で、効果、活用方法、注意点などを見ていきます。
 
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1.「ポケモンGO」とは?
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ポケモンことポケットモンスターは、1996年にゲームボーイソフトとして発表されて以来、ゲームソフト、アニメ、カードゲームと展開してきた人気シリーズです。
 
ポケモンゲームは、ゲームごとに設定された世界で、ポケモンを捕まえて、トレーナー(ポケモンをする人)同士でバトルをしたり、ポケモンを交換し合ってコミュニケーションを取りながら楽しんでいくものです。
 
今回発表された「ポケモンGO」は、ポケモン社と位置情報ゲーム「Ingress」で有名なNIANTIC社の2社が共同開発したスマートフォン用のポケモンゲームです。
スマホアプリになったことで、GPSと連動して、自分たちが住む世界にポケモンが現れる、より身近でリアルにポケモンを感じられるようになったのが特長です。
今までの有料ソフトウェアと違い、無料ではじめられるため、一気にトレーナーが増加しました。
 
 
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2.「ポケモンGO」による健康効果
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すでに「Ingress」でも話題になりました“ゲームを楽しんでいたらたくさん歩いて痩せた。健康的になった”など、健康無関心層に健康行動をさせることができた、ゲーミフィケーションによる健康効果の成功例と言えます。
「Ingress」はあくまで位置情報ゲームであり、ゲームをすれば健康になるなどとは謳っていません。そこが健康無関心層を巻き込んだポイントになります。
 
「ポケモンGO」でも、「Ingress」が培った環境を活用しています。「Ingress」の“ポータル”と呼ばれるスポットがそのまま“ポケストップ”として利用されることで、全国にポケストップが点在しています。トレーナーはレアなポケモンを求めて、近隣だけでなく、いろいろな場所を歩いて探すことになります。
 
ポケモンを全て集めることが楽しみの1つです。「ポケモンGO」では現在142種類のポケモンがいます。
ちなみに約1週間で全て捕まえた(コンプリートした)方のデータ例を紹介します。
 
レベル24
歩いた距離174km
捕まえたポケモン1848匹
たまご130匹
 
歩いた距離が“174km”です!ゲームに夢中になるとこんなにも歩けてしまうのですね(本当に歩きだけか?はありますが)。
もちろん、ゲームとしてはコンプリートして終わりではありませんので、さらに距離数を伸ばすことになります。
またポケモンは700種類以上いると言われていますので、今後「ポケモンGO」にもポケモンがさらに追加される可能性があり、増々歩く距離を伸ばすことになるでしょう。
 
 
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3.「ポケモンGO」の健康ビジネス活用
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米国ではすでに健康増進活動に「ポケモンGO」を活用する動きがでてきています。
自分の健康行動にお金をベットして達成したら収益を得られる、失敗すると賭金が取られるサービスを提供するHealthWage社は、「ポケモンGO」を活用して歩数に応じて報酬が得られる「Summertime Stepping!」と呼ばれるプログラムをはじめることを発表しました。
 
まだ詳細はわかりませんが、「Summertime Stepping!」に参加するとNBCのTV番組「The Biggest Loser」の元出場者たちからモチベーションを高めてくれるサポートが得られるようです。
 
今後もオフィシャル、アンオフィシャル問わず、「ポケモンGO」を活用した健康増進プログラムが登場すると思われます。
 
 
HealthyWage、『ポケモンGO』で賞金を得る“Summertime Stepping.”を発表
 
 
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4.「ポケモンGO」健康増進プロジェクト活用の備え
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「ポケモンGO」を活用できないか、すでに考えている企業担当者も多いでしょう。しかし、日々話題となる「ポケモンGO」による事故などが弊害となり、踏み出せないのではないでしょうか?
 
闇雲に位置情報ゲームは危険と捉えるのではなく、ゲームの仕組みをよく理解することも大切です。
 
「ポケモンGO」自体には歩きスマホを防止する工夫が設けられています。歩いているときに画面を見なくて良いよう、ポケモンが出現したら通知機能で知らせてくれたり、ポケモンを捕まえるとき、歩きながらではモンスターボールが狙ったところに投げられないように設計されています。
ポケモンが出現したら、安全を確認して邪魔にならない場所に止まってから、ポケモンを捕まえることを教えていけば良いでしょう。
 
また今後サポートツールが登場してきます。「ポケモンGO Plus」(9月発売)は腕に付けるウェアラブルで、ポケモンが出現したり、ポケストップの近くを通ると通知してくれますので、常にスマホを手に持っている必要がなくなります。
 
NTTドコモが先日の決算発表の際、「ポケモンGO」の流行、歩きスマホの増加を踏まえ、現在開発中のグラス型端末「インテリジェントグラス」の研究開発をこれまで以上に進めるとも伝えています。
 
このようなハードも活用しつつ、安全にプレイできる仕組み作りと、絶対守りたくなる楽しいルール設定がポイントになっていきます。
 
 
 
【参加したくなるヘルスケアならではの企画作り】
 
「ポケモンGO」のように利用率の高いサービスを企画したい方、短期間で企画のポイントを体験するワークショップはいかがでしょうか?
 
成功する健康ビジネスは、どう継続させるかを重要視しています。スポルツが1999年より国内外の事例300以上を分析し、その成功パターンを解明してきました。そして、そのパターンを実際に使って、現在多くの国内企業の企画支援を行っています。
その企画支援を短時間で体感いただくワークショップを8月24日(水)に開催します。3名限定ですので、しっかり身に付けることができます。9月からの新規企画スタート前に、ぜひご体験ください。
 
「健康ビジネスの成功パターンを活用した新規事業企画サポート」ワークショップ
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「readability」
 
思わず引き込まれるような読みやすさのことをリーダビリティといいます。健康ウェルネスサービスの現場にもこのリーダビリティが重要です。そしてそれは改善の繰り返しによって磨かれるものだと思います。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]ドコモ・ヘルスケアとDeNAライフサイエンス、歩いてdポイントを貯めるアプリ「歩いておトク」の利用者アンケート発表
自身の歩数に対する意識の変化では、「今まで意識していなかったが、意識するようになった」が約5割、「今までも意識していたが、更に意識するようになった」が約3割で、合わせて約8割の方において歩数意識が向上していることがわかった。(2016/07/19)
 
[2]サントリー食品インターナショナル、IoT自動販売機「サントリー GREEN+(グリーンプラス)」を開発
業界初、企業の「健康経営」をサポートする自動販売機とスマートフォンを連動させたポイントサービス。オフィス・事業所内の専用自動販売機で飲料を購入するとアプリ内にポイントが貯まり、貯まったポイントでサントリーの“トクホ飲料”に交換できる。(2016/07/26)
 
[3]アイ・ティ・アール、国内ストレスチェックシステム市場規模推移および予測を発表
ストレスチェックシステム市場の2015年度売上金額は17億9,000万円、前年度比61.2%増。労働安全衛生法の改正によるストレスチェックの実施義務化に伴い、2015年度以降新規参入するベンダーが急増し市場は急激に活発化している。(2016/07/27)
 
[4]ユニエムとスプラウト、「Sportare(スポルタル)」をApp Storeでリリース
直感的な操作で近くにあるジムや公園、体育館などを簡単に探せる無料アプリ。サービス名には「Sports」+「Portal」=「スポーツ総合サイト」という意味が込められている。(2016/08/01)
 
[5]順天堂大学、太っていなくても生活習慣病になりやすい人の特徴が明らかにー筋肉の質の低下が原因である可能性ー【PDF】
我が国をはじめアジア人に極めて多い、太っていなくても生活習慣病(代謝異常)になる人の原因として、骨格筋の質の低下(インスリン抵抗性)が重要である可能性を世界で初めて明らかにした。(2016/08/01)
 
[6]ソニーネットワークコミュニケーションズ、「ソネット パーソナルトレーニング」を企業や自治体向けの健康支援ツールとして展開
BodyQuestメソッドをベースとしている「ソネトレ」は、リバウンドしやすいと言われている食事制限ではなく、自宅で出来る楽しい運動で「太りにくいカラダ作り」を目指せるため、無理なく続けられ効果が出やすいのが特徴。(2016/08/01)
 
[7]Noom Japan、94%が減量に成功!世界No.1のヘルスケアアプリ「Noom」リクルートライフスタイルと業務提携
2016年8月8日から株式会社リクルートライフスタイルと業務提携を行い、従業員の健康のサポートを目的とした行動変容プログラムの提供を開始する。(2016/08/08)
 
[8]第2四半期のスマートウォッチ出荷台数は32%減ーAppleは55%減
IDCが集計したデータによると第2四半期のスマートウォッチ出荷台数は前年同期に比べ32%減の350万台。最大の減少幅を示したのはAppleで55%減。IDCは、同部門で首位となるAppleの出荷台数は160万台だったと発表した。(2016/07/29)
 
[9]Akili Interactive Labs、認知健康ゲームで新たに1190万ドルを調達
デジタル医療会社Akili Interactive Labsは、近年のシリーズBラウンドの資金として新たに 1,190万ドルを投入すると発表した。投資ラウンドに新たな出資者を呼び込み、合計投資額は4,240万ドルに上った。(2016/08/02)
 
 
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