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[健康サービス・デザイン編]2016年9月6日号
         ≫≫≫Author:大川耕平
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HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
サービスビジネスはリリースを起点にそこから改善チューニングしながら磨いていくスタイルが当たり前になってきています。
健康サービス分野でもこの文脈を共有できるプレイヤーが育ち始めていて、とても嬉しく思います。
 
健康サービス事業は壁にぶつかった瞬間が本格的な進化のスタートです!
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---ヘルスケア・デリバリーの可能性
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「プロとしての成長が生むギャップ」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 Fujisawa SST Wellness SQUARE、海外 新血糖値測定器など、9本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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テーマ:ヘルスケア・デリバリーの可能性
 
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●ヘルスケアはどこまでデリバリーできるか?
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ヘルスケア・プロダクト&サービスはIoT化が拡大していくプロセスでどのようなデリバリースタイルに進化していくのだろうか?
 
今回はベンチャー&中小企業の職域を対象に始まったばかりのリアル中心のヘルスケア・デリバリーサービスを紹介します。
 
「ケアプロおかん」
ケアプロ社とおかん社の二社によるコラボサービス事業です。
 
それぞれの会社概要を整理しておきます。
 
 
◇ケアプロ株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:川添高志)
 
革新的なヘルスケアサービスをプロデュースし、健康的な社会づくりに貢献するというミッションのもと看護師である川添氏が立ち上げた会社。
「セルフ健康チェック」を様々な場(駅・職域・商業施設等)に看護師が出張し生活習慣病の検査を提供しています。同社はこの分野では草分け的存在です。「なかなか健診に行けない3,300万人の健診弱者を救いたい」「満足する最期を迎えられない30万人の看取り難民を救いたい」と活動中。2007年12月設立から既に35万人を超える健康チェック実績を持ちます。
 
 
◇株式会社おかん(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:沢木恵太)
 
「働くヒトのライフスタイルを豊かにする」をミッションとする会社。
人生の中でも大きなウェイトを占める「働く」にまつわるソリューションを創出していくとのこと。
2014年3月から従業員向け福利厚生サービスとして簡易設置型のプチ社食サービス「オフィスおかん」をスタートし、約300社へのデリバリーを展開中。職場に冷蔵庫を設置し、健康的なご飯・惣菜を提供しています。
 
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●サービスターゲットイメージ
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ベンチャー&中小企業の健康づくり課題を持つ社員
 
・自炊時間がない社員が多い
・朝食抜き出勤
・デスクワークが多く運動習慣なし
 
・福利厚生が充実していない
・社員食堂はない
・産業医も雇えない
 
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●マッチングポイント
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ケアプロは「検査」を単発で職域に提供していたが定期的な健康行動支援ができなかった。
おかんは定期的な健康お惣菜提供はできるが生活改善成果が不明確であった。
両社サービスがタッグを組んで「職場での健康づくり」実現をサポートしていくのが「ケアプロおかん」になります。
 
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●サービス内容
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高額な設備投資や日々の管理コストは不要で下記サービスを職場へ提供します。
 
(1)いつでも利用可能なお惣菜(100円から)
専用冷蔵庫を設置し、お惣菜を常備します。主食から主菜・副菜まで幅広く揃えています。
 
(2)月イチ保健室(500円から)
定期的に看護師等が出張し、その場ですぐわかる検査や日々の食生活相談を行います。
 
(3)健康管理サービス
生活習慣を調査し、ワークショップ等を行います。定期的な相談で生活習慣改善を支援します。小学校や中学校の給食と保健室が職場にやってくるというイメージのサービスです。
 
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●サービスシステム
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小おせっかい SSプラン
サービス・システム利用料金:60,000円/月額税別
おかんのお惣菜月間提供品数:100個まで
月イチ保健室月間対応人数:10-15名
 
小規模事業者向けから105-130名、月イチ保健室対応の特大おせっかいLプランまで4パターン用意されている。
 
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●サービス・デザイン分析
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職域に限らず健康づくりには「食」への介入は不可避です。
十分な環境整備に手が回らない中小・ベンチャーの「食で健康づくり」へのアプローチは可能性を感じます。
しかし、決裁者との合意形成の温度を現場にどう持ち込むか?やる気にさせていくか?などカンタンではないことは明らかです。
 
私が感じる可能性の一つ目は
1週間で朝昼晩21食のうち平日5日間のランチは5食になります。
この5食の質がアップする可能性があるということで、1週間分の食の23.8%が変わるということになります。
健康改善に寄与する食事である一定の量の品質向上が可能な点は魅力です。
 
リアルなタッチポイントとして月イチの検査&相談は本サービス成功の鍵を握る肝です。これが二つ目です。
様々な場で検査現場体験を豊富に持つケアプロならではのデリバリー品質に期待したいところです。
 
 
今回のリリースは自社サービスの課題を相互に補い合うマッチングのケースとして注目に値すると思います。提供価値全体のプロセスをつなぐことによって創出したケースです。
 
課題としてはICT活用がありますが、当然検討中とも思われます。
職場の健康に向かう空気感をどうデザインしていけるか?が勝負となる楽しみなサービスです。
 
 
※ケアプロ株式会社・株式会社おかん 共催
健康チェック×生活改善指導×食事提供で「職場で健康づくり」をカンタン実現!
業務提携ならびに新サービス「ケアプロおかん」発表会
取材日:2016年8月31日
 
 
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今回のケースは以前からよく知るケアプロ株式会社の川添社長から報道発表会へお声かけ頂いたタイミングと本号テーマ「ヘルスケア・デリバリー」の偶然一致で実現しました。
 
サービス・デザイン分析は個別にも対応していますのぜひ!!
 
 
問い合わせ
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「プロとしての成長が生むギャップ」
 
健康ウェルネスサービス事業者として、その専門性を磨いていくとき注意しなければいけないことは顧客満足に沿っているか否かです。プロとしての成長が顧客意識とのギャップを生まないように注意したいですね!
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]パナソニック、Fujisawa サスティナブル・スマートタウンの多世代共生を支えるウェルネススクエアが開業【PDF】
医療・介護・教育・保育の垣根を越え、一つの拠点で包括的ケア、子育て支援、多世代交流を実現する多機能複合型拠点。参画企業・団体が協業し、ICTや先端技術を活用した、施設間の情報連携、介護入居者への見守り、新学習サービスを実現するとともに、健康・福祉・教育に関するサポートメニューを通じFujisawa SST
のスマートコミュニティを支える。(2016/08/25)
 
[2]インサイツ、健保連愛知連合会のパイロット事業としてインサイツ・avivoが「減量キャンペーン」を開催【PDF】
健保連愛知は、従来から疾病予防・健康増進に対して積極的な取組みを進めている組織。この度、事業内容及び効果検証等の確認を目的として取組む「減量キャンペーン」は、これまで以上に健康に無関心な加入者を取込み、活動及び成果をデータとして把握できる保健事業として位置づけられる。(2016/08/25)
 
[3]ボクシーズなど、BIGLOBEが提供するIoTデバイスとボクシーズのIoT電球を連携させた見守りサービスの実証実験を開始
「つながるライト」は、トイレや風呂の電球をIoT対応電球に置き換えるだけで簡単に実現できる新しいアプローチの見守りサービス。電気の点灯状況をクラウド上に送信し照明が点灯していないことや長時間点灯し続けていることで自然に異常を検知して家族や近所の見守り者にメールを送る。(2016/08/25)
 
[4]SBI 生命保険株、モバイルヘルステクノロジーベンチャーのFiNCとAIを活用した保険加入者専用「FiNC アプリ」の提供で業務提携【PDF】
SBI生命の提供する終身医療保険「も。」の保険加入者に対しFiNCアプリを無料で提供。FiNCアプリは、スマホを利用してライフログの蓄積ができる他、チャットによる栄養士など専門家への健康相談及び自身の健康状態や生活習慣などに合わせた生活習慣改善ソリューションを人工知能を活用し提案する。(2016/08/30)
 
[5]フリービット、EPARKヘルスケアを子会社化
光通信グループとの協業により、全国57,000店を超える規模の調剤薬局のネットワーク化及びヘルスケア領域の新たなプラットフォームの構築を目指す。(2016/08/26)
 
[6]Blue Spark Technologies、子供用貼り付けタイプの体温計『TempTraq』をCVSやWalgreensで販売
「TempTraq」は貼り付けておくことで、専用アプリに24時間体温を送信できる。体温が設定した警告レベルに達すると、保護者にアラートを送ることができる。(2016/08/25)
 
[7]パーソナルトレーナーを探してくれるアプリ『Trainerize』
「Trainerize」は、ユーザーとパーソナルトレーナーが出会う場所を提供してくれるアプリ。特徴の一つは、細かい点まで個人の希望に沿ってカスタマイズできるという点。(2016/08/26)
 
[8]Panasonic Healthcare、FDA認可を得た新血糖値測定器は、新型インスリンポンプへワイヤレス接続可能
「Contour Next Link」は、Medtronicにより発売されたインスリンポンプに接続可能な血糖値測定器として、唯一FDAに認可されたデバイス。(2016/08/29)
 
[9]Apple、指輪やブローチにもなる医療ウェアラブル端末の特許を出願
Appleは、心拍を測定するための心電図機能を備えた新たなウェアラブル端末を投入することで、米国における1480億ドル規模の医療デバイス市場に参入できる可能性がある。(2016/08/30)
 
 
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