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[健康サービス・デザイン編]2017年1月10日号
          ≫≫≫Author:大川耕平
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HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
2017年 あけましておめでとうございます。
 
今年最初のHBWをお届けします。
 
IoTをテーマに今後のデジタルヘルスの行方を解説せよ!
というオーダーがとっても増えており、嬉しい限りですが、
進化スピードと多面性に緊張感を持って進めていくつもりです。
 
今年もよろしくお願いします。
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---「タッチポイントデザインの可能性」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「現場品質は準備力」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 腸内デザイン応援プロジェクト、海外 スマートデバイス動向など、9本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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テーマ:タッチポイントデザインの可能性
 
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1.顧客経験プロセスの考え方
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さて、今回は11月1日号の「デジタルヘルスのサービス・デザイン」に対していただいたコメントをヒントに、より具体的にタッチポイントをどう考えるかをベースに共有していきます。
 
顧客経験プロセスをモデル化してBLA(ブラ)というフレームを我々はよく用います。
 
Befor(前行程)
 
Live(使用行程) 使用開始 使用中
 
After(後行程) 使用後
 
この3つの行程において顧客を理解しながら適切なタッチポイントでの接触を通して貢献し、関係性を高めていく活動がIoT時代・デジタルヘルスのサービス・デザイン&ドライブになります。
 
少し前までは
「モバイル・デバイスから得たビッグデータから新たな価値創造」という文脈だったのですが、最近はここに「IoTとAIで、価値創造提案」という流れになってきています。
 
2010年頃から盛んになったモバイル・デバイスですが、その取り巻く環境はもっと大きな環境の枠組みに存在する工作物全てがインターネットに繋がっていくことによって劇的に進化していきます。この動きは2017年からより加速していくことは間違いなさそうです。
 
 
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2.タッチポイントの創り方
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自社の提供するプロダクトやサービスを顧客経験プロセスの中にプロットしてみてください。
 
Befor(前行程)
Live(使用行程)
After(後行程)
 
ランナー用のGPSウォッチを想定してみましょう。
 
Befor(前行程)
見込み客との接点をつくるマーケティングステージがまず存在します。
 
・GPSをランニングで活用すると何がどう変わるか?どう楽しいか?
・このウォッチを日頃使っている人はどんな人か?どう楽しんでいるか?
 
このプロダクトを使うことがどんな意味を持つか?楽しいか?に共感してもらえて購入したくなるように仕向けることが目標です。
 
想定される接点は既存流通以外にランナーを対象とした
・ウェブサイト
・ブログ
・ソーシャルメディア
・ライブチャット
・ユーザーコミュニティ
・eコマース
・イベント
などがあります。
 
Live(使用行程)
この使用行程のタッチポイントをいかに豊かにしていけるかが今後のあらゆるデジタルヘルス事業者にとっての課題です。
 
使用開始行程から使用継続しているプロセスで顧客が何をどう感じ、どう変化していくのか?その全てがサービス価値アップ提案のヒントとなります。
 
このケースでいうならば、ランナーがGPSウォッチを使い経験していく様々なプロセスやライフスタイルを徹底的に観察・分析して新たな価値を提案して、その反応から学び、提案をさらに磨いていくというイメージです。
 
利用タイプ別に適切な提案コンテンツとタッチポイントタイミングが分かっていきます。このプロセスでの顧客とのタッチポイント・アプローチ経験を試行錯誤で濃く積み上げていくか?が重要です。
 
After(後行程)
このGPSウォッチのケースであれば、この行程はウォッチを使用していない時間帯や使いながら時系列的に進んでいくライフスタイルに対して何を提案していくか?になります。
 
デジタルでの接点が継続していく前提で何を提案していくか?できるか?
まず、ここまでを最初から考えているかですが、実はまだ多くの事業者が未経験のこともあり未開の地とも言えます。
 
しかし、デジタルヘルスは
●価値観を共有できるマーケティング
●顧客視点による価値提案とタッチポイント・リレーション
●一度創った関係性を成長進化させながら新たなマネタイズ及び顧客貢献を継続していく
 
息の長いビジネスになっていくはずです。
 
 
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3.AIが適切なタッチポイント&コミュニケーションを実現
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顧客との関係性で得られるデータ解析を人力で経験的積み上げシステム化していくレベルから、いずれAI(人工知能)がそれを補ってくれる時代がくるはずです。
 
そのような環境に進化した時にどこにポジションしているか?
 
サービス・デザイン志向で顧客を知り、提案し、チューニングし、寄り添い、新たな価値を共に発見し、共有し、さらに心地よい関係性を進めていくことによって初めてAIを使いこなした次世代ヘルスケア・サービスが具現するのだと思います。
 
次回からはBLAをフレームとして今展開中の具体的なサービス事業の魅力を見える化していきますのでご期待ください!!
 
 
●問い合わせメール
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「現場品質は準備力」
 
いつでもそうですが、サービス現場における顧客満足品質を高めるためには準備する力が必須です!
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]メタジェン、腸内から人々の健康を考える「腸内デザイン応援プロジェクト」新たに3社の参画が決定
科学的根拠に基づいて腸内環境をデザインし、疾患予防を目指す取り組みについて、塩水港精糖、キューサイ、ダノンジャパンが新たに参画。2016年度の「腸内デザイン応援企業」は全18社となった。(2016/12/21)
 
[2]ナイキジャパン、「わたしに驚け」をテーマにしたキャンペーンを実施
新しい年を迎え、ずっと諦めていたこと、自分には無理だといつも躊躇してたことに改めて挑戦し、一歩踏み出したいという女性たちを後押しするキャンペーン。女性限定トレーニング&ランニングイベント「NIKEWOMEN TOKYO」の開催など。(2016/12/22)
 
[3]理化学研究所など、体の一日を刻むタイマー機構を発見
今回発見した概日時計の周期長を強力に制御するリン酸化残基を薬物で制御することができれば、周期長を効率的に制御し、概日リズム睡眠障害等の効果的な治療につながると期待できる。(2016/12/23)
 
[4]矢野経済研究所、無料セミナー「健康経営は難しくない!中小企業における健康経営のススメ」
開催日は2月10日(金)。経済産業省 近畿経済産業局主催の健康経営普及開発セミナー。中小企業が健康経営に取り組む際のポイントやノウハウを具体的な事例を交えてわかりやすく紹介する。
 
[5]日本経済新聞社と日経BP社、ヘルスケア&スポーツ 街づくりEXPO 2017
開催日は3月8日(水)-10日(金)。人口減少、超高齢社会、インフラ老朽化といった社会課題に対し、「ヘルスケアとスポーツによる街づくり」という新たな街づくり手法が注目を集めている。日経メッセ 街づくり・店づくり総合展特別企画。
 
[6]野球もスマートに。ピッチング計測ボール『Strike』
Strikeは普通の野球ボールと同等の重さ、表面素材、重心を実現しながら、ボールのスピードと軌道、スピン回数のデータ計測が可能なスマート計測ボール。(2016/12/21)
 
[7]メイクも自撮りも完璧に仕上げるスマートな化粧用ミラー『JUNO』
照明は、ワンタッチでメイク用と自撮り用が選べる。さらに、スマートフォンとBluetoothで連携し、専用アプリからメイク用の照明を太陽光、屋内照明、夜間照明に切り替えられる。(2016/12/22)
 
[8]サイクリングのすべてを可視化するCerevoのスマートデバイス『RIDE-1』
「RIDE-1」は、自転車のダウンチューブにビス2本で取り付けるIoT端末。端末には9軸センサー、温度センサー、GPSなどのセンサーを搭載し、気温、気圧、照度、速度、場所、自転車の姿勢、方位、斜度をトラックする。(2016/12/26)
 
[9]mHealth Watch注目ニュース、Akiliのゲーム アルツハイマーのバイオマーカーを発見できる
ボストンに拠点を置くAkili Interactive LabsとPfizer社は、Akiliのデジタル認知計測プラットフォームが、アルツハイマー病のバイオマークを探知できることを示す合同研究のデータを公表した。(2016/12/26)
 
 
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