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[ヘルスコーチングの視線編]2017年2月28日号
          ≫≫≫Author:里見将史
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この「ヘルスコーチングの視線編」では、ヘルスコーチングのアプローチについて現場の方々の生の声をインタビュー形式でご紹介しています。
 
さて、今号では、オンラインでヘルスコーチングを展開していく上で必要とされるスキルのひとつである、オンライン上でのコミュニケーションのマネジメント方法について「オンライン・コミュニケーションマネジメント講座」を提供している株式会社Be&Do執行役員橋本豊輝さんにインタビューさせていただきました。
 
同社が提供している組織や目的に対するエンゲージメントを高めるツール「Habi*do」や、健康行動の習慣化に向けたコンテンツ「健康100日プロジェクト」、そしてそれらのオンラインのツールの中で相手のやる気や自発的な行動を引き出すコミュニケーションスキルやポイントなどについて、ヘルスコーチングの視点でお聞きしました。
 
インタビューが盛りだくさんになってしまったので少々長いですが、最後までお付き合いください。
 
 
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
---ヘルスコーチングの可能性を探る:「オンライン・コミュニケーションマネジメント」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「面白さの本質」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 顧客満足度指数結果発表、海外 Apple Watch動向など、7本
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
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テーマ:ヘルスコーチングの可能性を探る
「オンライン・コミュニケーションマネジメント」
 
株式会社Be&Do
執行役員 橋本豊輝さん
 
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1、Be&Do社についてお聞かせください。
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(橋本氏)
モチベーションをテクノロジーで支援する手法や仕組みを研究開発しており、同分野のトップランナーを目指しています。
 
 
社名の由来は、存在そのものを認め、実践することや行動を認めるということがモチベーションの源泉であるという想いが込められています。
世界中の人や組織のイキイキに貢献したいです。
 
 
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2、エンゲージメントを高めるツール「Habi*do」についてお聞かせください。
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(橋本氏)
Habi*do(ハビドゥー)は、主に離職・離脱防止やパフォーマンスアップのためにエンゲージメントを高める人材マネジメントツールなんです。
 
自己効力感を高めることで行動変容を促します。その結果としてモチベーションが高まるものです。
自己効力感を高めるための、達成体験、代理体験、言語的説得、生理的情緒的高揚を実現するための仕掛けがWebアプリケーションになっています。
 
チームやグループで活用してこそ真価を発揮するツールです。
ビジネス現場のマネージャーはもちろんのこと、人材育成に携わるコンサルタントやトレーナーの方、健康をサポートするトレーナーの方にもお使いいただいています。
 
お手元で、ご自身の専用Habi*doサイトを作成できるように、2016年10月よりリニューアルしました。お試しください。
 
▼エンゲージメントツールHabi*do
 
 
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3、健康行動を促す専用コンテンツ「健康100日プロジェクト」とはどんなサービス内容ですか。
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(橋本氏)
「健康100日プロジェクト」は、ロート製薬様と一緒に企画開発をしたプログラムです。Habi*doを開発するきっかけとなり、実際に行ったプロジェクトでは、健康面・組織内コミュニケーションアップに大きな成果をあげました。
 
具体的には、
 
1.任意のチームを組む。
2.チーム目標と、個人目標を立てて設定する。
3.目標を達成するために日々実践したい習慣を設定する。
4.日々、実践した習慣や達成した目標を報告する。
5.各自の行動や、チーム内の励ましあいなど活動がポイント化される。
6.健康知識の情報も話題として提供される。
 
という流れで行います。
 
ランキング形式のチーム対抗戦にすると、非常に盛り上がります。
ただ競争を意識させすぎると、疲れてしまうので、きっかけづくりと割り切るのが良いでしょう。
 
きっかけができると、社内には自発的に健康活動をされる雰囲気が醸成されはじめます。
 
Habi*doを導入いただき、健康100日プロジェクトに取り組み、その後も任意のグループをつくり継続的に自発的な健康増進活動が行われている会社もあります。これって、健康経営の本質的なあり方じゃないかと思います。
 
Habi*doの中にサンプルコンテンツを設置しているので、すぐにでもチームを組んでトライしていただけます。
 
あと、健康100日プロジェクトでは、バーチャルガイド・ミカというキャラクターが活動を応援してくれるというオプションがあるのですが、これはかなり好評で、より成果につながりやすいものです。
 
▼健康100日プロジェクト
 
 
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4、「オンライン・コミュニケーションマネジメント講座」の概要と特徴をお聞かせください。
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(橋本氏)
最大10名までのグループ学習を約1か月間行います。
テキストを見て学習するだけではなく、受講生同士でディスカッションを通じて学びあいを行います。
 
修了試験はありますが、それまでの活動も加味されるため、主体的に関わることが求められます。
テキストや動画を見て終わり、ではなく、実際にその場で実践をして体験を通じてこそ学びが深まります。
 
ガイドを担当するファシリテーターが受講生の皆さんをサポートします。
 
▼オンライン・コミュニケーションマネジメント講座
 
 
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5、「オンライン・コミュニケーションマネジメント講座」を受講される方はどんな方が多いですか?また、受講されてからどのように活用されていますか?
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(橋本氏)
この講座を受講される方は、オンラインで遠隔でトレーニング指導をされるトレーナーの方はもちろんですが、グループコーチングなどをされるようなコンサルタントや、オンラインでの講座ビジネスを計画されている方、企業内の人材育成担当者といった方が多いです。
 
受講後は、実際にご自身のビジネスに応用されていたり、企業内の人材育成や社内の改善活動に活用されていらっしゃいます。
 
SNSやチャットツールなど、ビジネス現場や生活のあらゆる場面でオンラインを通じたコミュニケーションスキルの重要性が高まっています
働き方改革しかり、今後こういったスキルは誰しも求められてくるのではないでしょうか。
特に現場を支えるマネージャーやリーダーの立場の人ほど重要だと思っているので、受講をおすすめしますね。
 
 
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6、講座のカリキュラムの中に「TREEダイナミクス」というテーマがありますが、簡単に教えてください。
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(橋本氏)
一言でいえば、自己効力感を高めて行動変容を促すメソッドです。
グループで活動をすることを推奨しています。
 
Try(やってみよう)、Refresh(イキイキしよう)、Enjoy(楽しもう)、Encourage(励まし合おう)の頭文字で、「自己効力感を高めることで行動変容を促す手法」です。
 
自律的に目標を立てて行動をステップバイステップで実行すること、自身の成長を実感したり、時には目標を見直すなど主体的に、ポジティブに捉えられるよう楽しみながら、仲間同士で切磋琢磨し励ましあう。
 
ファシリテーター、コーチ、トレーナー、マネージャーは、それを導き支援する役割として、私たちは「ガイド」と呼んでいます。
 
 
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7、対面でのコミュニケーション、マネジメントとオンライン上でのコミュニケーション、マネジメントでは、特に大きく違うのはどんな点だと感じていますか?
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(橋本氏)
コミュニケーションをとること、マネジメントをするうえでは対面で接点を持つことが望ましいと思うのですが、時間や場所の確保が難しかったりします。例えば、同じ場所(職場などを想像してください)にいたとしても、案外すれ違いが多く、じっくりと話をできることが少なかったりします。
 
オンラインの利点は、時間と場所の制約を超えることにあると思います。
それぞれのタイミングでコミュニケーションをとることができるので、ロスが非常に少なくなると思います。(リアルタイムなチャットやテレビ会議ではなく、一般的なSNSや掲示板をイメージしてください)
 
 
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8、オンラインのコミュニケーション、マネジメントで特に意識すること、注意すべきポイントはどんなことでしょうか?
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(橋本氏)
オンラインでは表情や雰囲気が伝わりづらい分、対面以上に情報の受け取り手がその内容を見たときにどのように感じるかという想像力が重要です。
 
同時に、相手がどのような人かわからないままでは、コミュニケーションがとりづらくて仕方ないと思います。ただでさえ目や耳から入る情報が少なすぎるためです。
 
時と場合によるのですが、もしお互いに知らない人が集まってオンラインでコミュニケーションをとる場合は、いかにお互いに自己開示をしてもらうかがマネジメントにおいてとても重要になるでしょう。
 
もう一つあるとすれば、グループでコミュニケーションをとる場合には、特定の人に対する否定的な意見の書き込みなどは炎上のきっかけになることが多いです。ほかの人に見られているという状態であることを意識したコミュニケーションも重要でしょう。
 
議論をするうえではコンフリクトも時には必要ですが、その際には人を攻撃せず建設的なコミュニケーションを促すためにマネジメントが大事ですね!
ただ、特に必要なければ、オンライン上ではポジティブなコミュニケーションをとることをおすすめしますけど。何かあれば直接電話するなり会って話すなりしたほうがいいと思います(笑)
 
 
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9、講座はグループで学習するスタイルですが、オンラインでのグループ学習は、通常の個人の学習スタイルとどんなポイントが違いますか?
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(橋本氏)
グループで学習することは自己効力感が高まりやすくなります。
自己効力感が高まることで実際の行動に結び付きやすくなります。
 
他者の頑張りを見て、自分も頑張ろうと思えます。自分にもできるだろうと思います。
自分の頑張りを他者がほめてくれたり、励ましてくれたり、共感されるといった承認によりモチベーションも高まります。
 
また、ひとりで学ぶよりも、他者の学びや考え方に触れることで、知識の広がりだけではなく視野も広がります。
グループで活動することの相乗効果をいかに引き出すかが、マネジメントする側に求められますね。
 
 
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10、オンライン上でのコミュニケーションで目標達成に向けた「行動の継続」へのアプローチとして、どんなことが必要だと思いますか?
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(橋本氏)
1つ目に、自分で目標を立ててもらうことです。
2つ目に、小さな行動の実践により、達成体験を積み重ねてもらうことです。
3つ目に、目標や行動をグループで共有し、可視化することです。
4つ目に、短いスパンでフィードバックを繰り返すことです。
5つ目に、目標や行動の見直しを必要に応じて行ってもらうことです。
 
この5つのサイクルをしっかりまわすことです。
マネジメントする側が、これをしっかり支援することだと思います。
 
 
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11、ヘルスケアサービスでは今後「人」の存在が益々注目されていくと思いますが、今後ヘルスケアサービスのコミュニケーション、マネジメントはどのように変わっていくと思いますか?
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(橋本氏)
人工知能によるチャットボットなどが注目されていますが、最終的に本当に人をやる気にさせ、行動を促すという意味ではやはり「人」の存在が益々重要度が増していくと思います。
 
遠隔地の人でも、忙しい人でもヘルスケアサービスを受けられる状況をつくるうえでは、やはりオンラインコミュニケーションもさらに重要になってくると思います。
 
チャットやメッセージのやりとりのようなものだけではなく、VRなども広がってきています。IoTなどを活用してデータも集まると思います。この流れは止まらないと思います。様々なテクノロジーや人工知能を良い補佐役としながら、それらを活用しつつ相手に対して最適なサポートをしていく。
 
そんな世界が広がってくると思っています。
 
 
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12、行動の継続にフォーカスした「ヘルスコーチング」のコミュニケーションについて、「オンライン・コミュニケーションマネジメント」とどう組み合わせるとより「行動」へのアプローチが効果的になると思われますか?
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(橋本氏)
ヘルスコーチングが特に有効なのは、いかに自発的に目標やアクションプランを立ててもらうか(いかに引き出すか)という面だと思います。
 
オンライン・コミュニケーションマネジメントにおいても重要な考え方として、リフレイミングがあります。
 
目標がなかなか達成できない、なかなか行動が続かない、そもそも実践が難しいということに対して、リフレイミングを促すことにもヘルスコーチングのアプローチが効くと思います。
 
そもそもの目的に立ち戻らせたり、違った視点を意識させてみるなど、リフレイミングは行動変容を促すサイクルの中で重要な位置づけです。
 
 
以上が、橋本氏にインタビューさせていただいた内容です。
 
 
 
実は、私もBe&Do社が提供している「オンライン・コミュニケーションマネジメント講座」を受講させていただいて「TREEガイド(初級)」の認定を受けています。
 
橋本氏が上記コメントの中で、オンライン上でのコミュニケーションで目標達成に向けた「行動の継続」へのアプローチで重要なポイントとしてPDCAをしっかり回していく点を挙げていますが、このPDCAサイクルは「ヘルスコーチング」と全く同じアプローチなのです。
 
これからのヘルスケアサービスの中では、オンラインによるコミュニケーションは欠かせない要素です。
 
そのオンラインでのコミュニケーションでは、やはり個人それぞれ異なる「行動」にフォーカスしながらゴール・目標に導くアプローチが必要になってきます。
 
「モチベーション」と「行動」を促すためのコミュニケーションスキル、まさに「ヘルスコーチング」のアプローチの重要度が高まっており、この部分はまだまだ「人」にしかできないコミュニケーションだと感じています。
 
 
 
ヘルスコーチの手法は、健康経営の取り組みでも活用されています。
ヘルスコーチの手法を取り入れた事例も紹介されるイベントが4月に開催されます。
 
 
『これからの健康経営を牽引するモバイルヘルス』
 
ヘルスケアITにて4月20日(木)A会場13:00より開催します。
 
13:00-13:30
モバイルヘルスの成功要因(海外事例紹介)
株式会社スポルツ 渡辺武友(mHealth Watch)
 
13:45-14:35
株式会社フジクラの健康経営による効果
株式会社フジクラ 浅野健一郎
 
14:50-16:20
動かない従業員を自ら行動させる!モバイルヘルスによる新たなアプローチ
モデレーター:渡辺武友、浅野健一郎
プレゼンター:ドコモ・ヘルスケア株式会社、帝人株式会社、ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社、キーウェアソリューションズ株式会社、株式会社ウィット
 
講演をご聴講されるには事前登録が必要になります。
上記3講演が一連のテーマとなりますので、3講演へのお申込みをお願いします。
来場登録を行い、セミナープログラムページより3講演にチェックを入れて「お申し込み」に進んでください。
 
人数制限がありますので、お早めにお申し込みください。
 
セミナープログラム
 
来場事前登録
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「面白さの本質」
 
競争する面白さ、トレース(なぞる)面白さ、そして非日常的な面白さ、この3つ!
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <7クリップ>
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[1]ソニー、電子お薬手帳サービスharmo(ハルモ)の新システムを開発
スマホ一台で薬の記録と閲覧ができる「スマホ向けライト会員サービス」の提供を開始。利用者は、全国の薬局で薬と共に提供される電子お薬手帳用の二次元コードを撮影することでharmoサービスへの参加が可能となる。(2017/02/20)
 
[2]ハースト婦人画報社、世界的なフィットネス&ライフスタイル・メディアを日本で展開
フィットネスやウェルネスなどのヘルシーなライフスタイル情報を届ける世界的メディアブランド「Women's Health」と「Men's Health」をデジタルメディアとしてローンチする。(2017/02/21)
 
[3]大塚製薬、新ブランド「ボディメンテ(BODYMAINTÉ)」誕生
http://www.otsuka.co.jp/company/release/detail.php?id=3231&date=2017-02-21
アスリートのためのコンディショニング栄養食「ボディメンテ ゼリー」を発売。「乳酸菌B240(独自成分)」「BCAA+アルギニン」「ホエイタンパク」を組み合わせ、過酷なトレーニングによって崩れやすい体調を整える。(2017/02/21)
 
[4]日本生産性本部、2016年度JCSI(日本版顧客満足度指数)第6回調査結果発表【PDF】
第6回調査として5業種(家電量販店、ドラッグストア、サービスステーション、近郊鉄道、フィットネスクラブ)における満足度等を発表。フィットネスクラブは「カーブス」が3年連続の顧客満足1位。(2017/02/21)
 
[5]「みんチャレ」を運営するエーテンラボ、ソニーなどへの総額6600万円の第三者割当増資を実施
習慣化サービス「みんチャレ」はソニーの新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」から生まれたサービス。経営のさらなるスピードアップと外部との連携強化のためエーテンラボ株式会社(A10 Lab Inc.)として独立。(2017/02/20)
 
[6]調査:Apple Watch、2016年もやっぱり強かった!年末の販売本数を調査会社が公開
MacRumorsが掲載したStrategy Analyticsのデータによると、昨年の第4四半期(10月-12月)にApple Watchは520万本出荷されたと推測されている。これによりAppleは、同時期のスマートウォッチ市場で63.4%のシェアを獲得。(2017/02/15)
 
[7]mHealthWatch注目ニュース、LivongoとVoluntis、糖尿病管理プログラムの統合アプリを提供
糖尿病管理アプリ「Voluntis’Insulia」は、基礎インシュリン治療を受けている人のために計画されていて、処方箋が必要な医療機器に分類されている。血糖値計のデータ管理、処方箋が必要な医薬品管理といった基本となる管理ツールだけでなく、データに基づいたコーチングを受けることができる。(2017/02/27)
 
 
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