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2017.03.14号 [モバイルヘルス&アプリ動向編]患者エクスペリエンス

健康ビジネス問題解決サポートメディアHealthBizWatch
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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2017年3月14日号
            ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
昨年日本で第2回目となるHealth 2.0が開催されました。
HealthBizWatchとしても毎回注目しているのが、Mount Sinai Health System(USA)のYosuke Chikamoto, PhDの講演です。Chikamoto氏は、医師であり、患者のヘルスコミュニケーション、ヘルスプロモーションに関するエキスパートでもあります。
 
今回は、講演でのテーマでもあった「患者エクスペリエンス」にスポットを当て、ヘルスケアサービスにおけるヒントをみつけていきたいと思います。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---「患者エクスペリエンス」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「third realityの追求」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 睡眠カフェ、海外 Walgreens動向など、16本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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テーマ:患者エクスペリエンス
 
モバイルヘルスは、スマートフォンが医師による診断に役立つ、アプリを使えば常時カラダの状態を測定できるようになるなど、今までとは違うアプローチが可能になったこと、またリストバンド型フィットネストラッカーの登場など、物珍しさもあって注目も集めやすかったと言えます。
 
しかし、スマートフォンが登場してからすでに10年も経ったため、アプリを出せば、取りあえず試してもらえるといった時代もすでに終わりを迎えました。
このメルマガでも何度も触れてきましたが、「サービス価値」が今まで以上に重要になってきています。
 
すでに北米の医療現場においては、治療するだけでなく、その成果に対して支払いが決まる「CMS(Center for Medicare & Medicaid)」が導入されています。
今後日本でもサービスに対する対価の払い方は変わってくることでしょう。
今回は「患者エクスペリエンス」の取り組みと収益化について見ていきます。
 
 
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1、患者エクスペリエンス(Patient Experience)とは
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・医療提供者側の都合で治療を行うのではなく、患者を中心に、患者の視点となった医療を行うこと。
 
・患者の経験をベースに、治療期間だけでなく、治療終了後もよりよい満足を得られる仕組み作りをする。
 
・場合によっては根治よりも患者のQOLを高めることが優先される。
 
 
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2、患者エクスペリエンスでの取り組み
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・安心感(施設運営)
 
血の付いたガーゼがいつまでも床に落ちたままになっていると、衛生面に不安を感じる。ナースステーションの書類が散在していると、自分の書類がきちっと管理されているか不安になるなど、素朴な心理面での不安要素を改善する。
 
 
・安心感(コミュニケーション)
 
患者の不安による緊張を和らげるためにスタッフが笑顔で迎える。患者は緊張していると適切なコミュニケーションが取り難いが、落ち着くことで重要な情報を話しやすくなる。
 
患者は辛くなってからナースコールをして待つのではなく、定期的に巡回し、患者にとって助けとなるサポートをしてくれる。1時間おきに来てくれる安心感につながる。
 
 
・選択の自由
 
人は常に何かを自分で選択して生きているが、病院ではすべてが決められてしまいストレスに感じる。例えば、食事だけでも幾つかから選ぶことができるだけでも日常感を取り戻すことができる。
 
 
◇ヘルスケアサービスにおける視点
 
医療現場では医療の効率化を推し進めてきましたが、患者にとっては、見慣れない仰々しい機器の存在、それら機器に目をやり自分を見てくれないスタッフに、自分は何をされるのかと緊張させられる要因となっていました。
 
最新医療を活用するためにも、患者自身ができるだけリラックスして前向きに治療に取り組めるかが重要になってきました。
そのためにも「患者エクスペリエンス」の取り組みが必要とされています。
 
ヘルスケア(予防)サービスで考えた場合も同じことが言えます。モバイルヘルスの導入で日常生活を管理しやすくなった反面、コミュニケーションがなくても、サービスを提供できるようになりました。
 
しかし、結果を出すにはそれなりの期間が必要なのに対し、ユーザーはやったことに対し、すぐに何かしらの結果に結びつかないと不安を感じたり、不満を持つようになります。それが続くことでサービスへの興味を失うことにつながります。
サービス提供の工程をユーザー視点(エクスペリエンス)で考えることで、不安や不満を持つポイントを予測し、安心や満足向上に導くことができます。
 
 
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3、患者エクスペリエンスにおける収益化
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・アウト・オブ・ポケット
 
今までサポートしきれかった、患者の日常生活における症状の把握、薬の飲み忘れ防止支援など、モバイルヘルス導入によりできるようになってきた。
しかし患者にとっては、“追加されるサポート”は付加価値であっても、新たにお金を払ってまで取り組みたいと思わせるのは難しい。
 
そこで導入されるのが治療ではなく、結果に対し支払われる「バリューベースドペイメント(Value-based payment)」である。これにより、付加価値があったからこその結果であると納得感を得やすくなる。
 
 
◇ヘルスケアサービスにおける視点
 
モバイルヘルスの多くは“あったら便利だが、お金を払ってまで使わなくても問題ないのでは?”と思われることがあります。それは、ヘルスケアのほとんどが体験型商品、サービスだからです。
 
病気を治したい、痩せたいなど、結果が重要視されます。ユーザーにとっては、過程で起こるであろう課題などが見えないため、評価がしにくいのです。
 
「バリューベースドペイメント」の考え方は、すでに国内でも成立しているのではないでしょうか!?
 
“結果にコミットする”“結果がでなければ返金する”“約束した工程をこなせば割引が受けられる”など、“結果を出すまでの工程は大変だが、満足する結果に結びつけるために、大変な工程(エクスペリエンス)を乗り越えやすくする武器としてモバイルヘルスを活用すればよい”と理解しやすい流れが成立しています。
 
 
 
今回の記事のベースとなった、Chikamoto氏の「患者エクスペリエンス」に関する講演、Mount Sinaiにおけるアプリなどモバイルヘルス活用についてのインタビューも、ぜひ参考にしてサービス設計にご活用ください。
 
mHealth Watch
『Health 2.0 Asia - Japan 2016』レポート&インタビュー
http://mhealthwatch.jp/feature/news20170222
 
 
 
【モバイルヘルスの活用に関する講演】
 
Chikamoto氏へのインタビューで、「アウト・オブ・ポケット」に対するもう1つのアプローチが、個人だけでなくコミュニティー(組織や地域単位)全体の課題を解決することが、個人のQOLを向上させる「ポピュレーション・ヘルス」の考え方です。
 
企業におけるコミュニティー全体で見たとき、率先して健康行動する従業員よりも、参加しない従業員が課題になります。これらの課題について、4月に開催されるヘルスケアITにて、健康経営における従業員を動かす取組みを紹介していきます。
 
 
『これからの健康経営を牽引するモバイルヘルス』
 
4月20日(木)A会場13:00より開催します。
 
13:00-13:30
モバイルヘルスの成功要因(海外事例紹介)
株式会社スポルツ 渡辺武友(mHealth Watch)
 
13:45-14:35
株式会社フジクラの健康経営による効果
株式会社フジクラ 浅野健一郎
 
14:50-16:20
動かない従業員を自ら行動させる!モバイルヘルスによる新たなアプローチ
モデレーター:渡辺武友、浅野健一郎
プレゼンター:ドコモ・ヘルスケア株式会社、帝人株式会社、ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社、キーウェアソリューションズ株式会社、株式会社ウィット
 
 
講演をご聴講されるには事前登録が必要になります。
上記3講演が一連のテーマとなりますので、3講演へのお申込みをお願いします。
来場登録を行い、セミナープログラムページより3講演にチェックを入れて「お申し込み」に進んでください。
 
人数制限がありますので、お早めにお申し込みください。
 
セミナープログラム
https://ubmjapan-group.com/healthcarejapan/seminar/
 
来場事前登録
https://ubmjapan-group.com/healthcarejapan/visitor/
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「third realityの追求」
 
ウェルネスビジネスにとってネット活動の世界とリアルコミュニケーションの世界に加えてICT(AIやIoT、VR)を駆使したコミュニケーションthird realityを追求する時代が来ました。現場発想が極めて重要なテーマです!!
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <16クリップ>
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[1]ネスレ日本、家庭でも職場でも「抹茶」で健康習慣を手軽に始められる新サービス「ネスレ ウェルネス アンバサダー」を開始【PDF】
http://www.nestle.co.jp/media/pressreleases/allpressreleases/documents/20170301_wellnessambassador.pdf
http://www.nestle.co.jp/
ネスレ ウェルネス アンバサダーは、自分に大切な栄養を簡単にチェックした上で、ポリフェノールが豊富に含まれる「抹茶」にビタミンやミネラルなどを加えた専用カプセル「ネスレ ウェルネス抹茶」を毎日手軽に楽しむことができる日本で独自に開発した新しいサービス(2017/03/01)
 
[2]NTTデータ、「AI&IoTビジネス部」を設置
http://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2017/030101.html
IoT社会において必要となるアナリティクス、AI、エッジコンピューティング技術のノウハウを備えた専門組織「AI&IoTビジネス部」は、200名のデータアナリスト、データサイエンティスト、コンサルタントおよび1,500名の組み込み技術開発者を擁した専門部隊。(2017/03/01)
 
[3]フルッタフルッタ、フルッタフルッタ アサイーカフェ 渋谷ヒカリエShinQs店リニューアルOPEN
http://www.frutafruta.com/blog/archives/4016
アサイーの専門店から、同社の原点である「アマゾンの栄養を壊さずに届ける」をコンセプトにフルッタフルッタのアマゾンフルーツ全13種類のジュースを楽しめる日本唯一のアマゾンフルーツ専門店としてリニューアル。(2017/03/01)
 
[4]ネスレ日本とフランスベッド、「ネスカフェ × フランスベッド 睡眠カフェ」を「ネスカフェ 原宿」にオープン【PDF】
http://www.nestle.co.jp/media/pressreleases/allpressreleases/documents/20170303_nescafe.pdf
http://www.nestle.co.jp/
3月18日「睡眠の日」にちなみ、ベッドで眠れる体験型カフェが登場。睡眠前や起床後も含めた良質な睡眠体験を提供することを目的として、3月16日(木)-26日(日)の期間限定でオープンするコラボカフェ。(2017/03/03)
 
[5]ファミリーマート×第一三共ヘルスケア、働き方改革!働き盛りの“アタマ”と“カラダ”をスイッチON!選べる「スイッチリゲイン」シリーズを新発売
http://www.family.co.jp/company/news_releases/2017/20170303_01.html
働き盛りの30-40代に着目した「スイッチリゲイン」シリーズは2種類のドリンク剤。「スイッチリゲインA」はアミノ酸(BCCA・アルギニン)、「スイッチリゲインK」はタウリン2000mgを配合。“アタマ”と“カラダ”それぞれに効果を発揮する。(2017/03/03)
 
[6]日本水産、健康経営への取組みを開始ー「EPA/AA比」による社員の健康増進キャンペーンー
http://www.nissui.co.jp/news/20170303.html
社員の健康管理のための施策として「生活習慣病の予防」「禁煙対策」「女性健診補助」「メンタルヘルス」の4つを実施。このうち「生活習慣病の予防」については、同社の主要事業であるファインケミカル事業の中核をなすEPAを活用して、社員の健康改善に取組む。(2017/03/03)
 
[7]JTB総合研究所、「今シニア」「新シニア」の暮らしとライフスタイル
http://www.tourism.jp/tourism-database/survey/2017/03/second-life-new-senior/
日経新シニアライフデザイン研究会、JTB総合研究所共同調査。現在の生活には若い世代より余裕が感じられるが、景気の見通しには悲観的。将来の不安のトップは健康、など。(2017/03/03)
 
[8]ファミリーマートとRIZAP、「RIZAP くるみロール」など3種類を新発売
http://www.family.co.jp/company/news_releases/2017/20170306_01.html
「RIZAP くるみロール」を新たなラインナップに加えるとともに、発売中の共同開発商品「RIZAP ハムチーズロール」「RIZAP チーズケーキ」も、おいしさを追求しつつ糖質をさらにおさえて同時発売する。(2017/03/06)
 
[9]インサイツとavivo、「kickake みんなで減量キャンペーン 2016・秋」の成果報告【PDF】
http://insights.jp/services/info/release_17030802.pdf
http://insights.jp/
健保連愛知連合会パイロット事業において、参加者の74%が減量に成功し、89%が食習慣改善に着手したという回答を得た。健保連愛知では、本キャンペーンで十分な成果を確認できたことから、平成29年度も同様のキャンペーンを開催予定。(2017/03/07)
 
[10]ヘルスグリッド、経済産業省主催「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト 2017」優秀賞受賞【PDF】
http://www.healthgrid.jp/pdf/jhec_20170308.pdf
http://www.healthgrid.jp/index.cgi
今回のコンテストを契機に、ヘルスグリッドが目指す、健康スコアリング技術を活用することによる、健康意識の改善や健康施策の効果検証の推進を加速していく。(2017/03/07)
 
[11]FiNC、「キレイになれる」新アプリ「FiNC」が本サービス開始
https://finc.com/news/8335
FiNCアプリはこれまでのヘルスケア・ダイエットアプリとは一線を画す、パーソナルコーチAI・テクノロジー(人工知能)を内蔵した新アプリ。様々な栄養及び運動プログラムを内蔵したパーソナルコーチAIがユーザーひとり一人の興味や悩みにあったメニューを厳選して届ける。(2017/03/07)
 
[12]シード・プランニング、遺伝子治療薬の市場規模予測
http://www.seedplanning.co.jp/press/2017/2017030301.html
2012年10月に先進国で最初の遺伝子治療薬となる「Glybera」が欧州で販売承認。これを皮切りに「IMLYGIC」「Strimvelis」「Zalmoxis」の販売が欧米で承認され、遺伝子治療薬の市場が芽生えつつある。日本と米国、欧州の3地域における遺伝子治療薬の市場規模は、2020年に738億円に達すると予測。
 
[13]法研、へるすあっぷ21 2017年3月号
http://www.sociohealth.co.jp/magazines/healthup21.html
特集は、このままでいいの?若年層の健康づくり。最新の国民健康・栄養調査結果から改めて若年層の健康課題を整理するとともに、若年層をターゲットとした健康づくりや企業・健康保険組合の取組み事例を紹介。
 
[14]座っているだけで汗だく高負荷トレーニングガジェット『BionicGym』
http://mhealthwatch.jp/global/news20170301
クラウドファンディングINDIEGOGOで出資を募っている「BionicGym」は、太ももに巻くタイプのトレーニングガジェット。装着しているだけで、最終的に心拍数が約180BPMほど上昇していく。(2017/03/01)
 
[15]Himss 17:Walgreens、インセンティブに基づいた活動と、薬剤服用順守プログラムの価値を共有
http://mhealthwatch.jp/global/news20170307
Balance Rewards for Healthy Choicesは、薬剤服用順守、インセンティブに基づいた活動、予防接種を向上させるために計画されたWeb、アプリ、テキストに基づく一連のプログラム。患者がもっと自己認識を高め、Balance Rewardsとのやり取りを増やせば、Walgreensは自社の顧客についてより多くのことが判ることになる。(2017/03/07)
 
[16]mHealthWatch注目ニュース:Fitbit、睡眠を解析しアドバイスを行う『Sleep Insights』
http://mhealthwatch.jp/global/news20170313
Fitbitから、早くもニューモデルが登場。同時に睡眠に関する新たなアプローチについても発表。注目は、睡眠記録に基づき睡眠の質や健康全般の改善に役立つ実用的なアドバイスを行なう「Sleep Insights」。(2017/03/13)
 
 
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