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[ヘルスコーチングの視線編]2017年4月25日号
≫≫≫Author:里見将史
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この「ヘルスコーチングの視線」では、ヘルスコーチングのアプローチについて現場の方々の生の声をインタビュー形式でご紹介してきました。
 
これまでのインタビューを振り返ってみて発見したいくつかのキーワードがありますので、今号から少しずつ紹介していきたいと思います。
 
まず今回最初にご紹介するキーワードは、「寄り添い」です。
 
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
---「ヘルスコーチングの可能性を探る:インタビューから見えてくるキーワード『寄り添い』」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「コミュニティ資産」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 フードテックファンド、海外 Fitbit動向など、10本
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
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テーマ:ヘルスコーチングの可能性を探る
インタビューから見えてくるキーワード『寄り添い』
 
 
これまでインタビューさせていただいた専門家の方々は、対象者との直接のコミュニケーションを数多く経験してきています。
 
インタビューを改めて振り返ってみると、領域は異なっていても、それぞれの専門家がポイントとして挙げているのが、専門家・指導者側の「指導レベル、知識レベル」の向上という視点ではなく、対象者を理解することの大切さや対象者とどう接するのかといった部分が重要になってきていると言われています。
 
今回は、これまでのインタビューの中で専門家が「寄り添う」というキーワードに対して、それぞれどんなことを言われていたのか、みなさんにご紹介したいと思います。
 
 
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1、悩んでいたり、心が折れそうなときにトレーナーも一緒に打開策を考える
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(株式会社ボディクエストの代表でボディデザイナーの森俊憲さん)
 
オンラインでのパーソナルトレーニングでこれまでに10,000人以上への個別カウンセリングやパーソナルトレーニング指導を行っている森さんに、コミュニケーションの中でどんな点に特に意識しているかお聞きした時に、以下のようにコメントされています。
 
(森氏)----------
第一に真摯かつ丁寧に対応していくことです。
納得性や共感性を持って気持ちよくトレーニングに向き合っていただくため、ユーザーの期待値や想像を超える返答やアドバイスができるよう心がけています。
お客様が何かに悩んでいたり、心が折れそうになったとき、目標を見失いそうになったときには、トレーナーも一緒に打開策を考えます。
一人で悩むよりも、きっとたくさんのヒントが得られると思います。
 
 
ヘルスコーチングの視点:
「悩みや課題を同じ方向からいっしょに見る」
 
森さんが言われていたのは、顔が見えない分オンラインだからこそ意識すべきポイントとして「真摯かつ丁寧に対応していくこと」を挙げ、そして専門家と対象者といった上下関係ではなく、対象者と同じ立ち位置で、同じ側から悩みや課題などを一緒に見渡すといった、対象者の隣に寄り添うことの大切さをコメントしていました。
 
 
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2、「人」が温かい手でそっと背中を押すような寄り添い感のあるサービスが求められている
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(有限会社クオリティライフサービス代表取締役、食コンディショニングプロデューサー小島美和子さん)
 
食事指導の現場はもちろん管理栄養士への指導や健康商品、サービス等への監修など、食事を中心に幅広い分野で活用されている小島さんへのインタビューの中で、今後の食事指導でのコミュニケーションがどのように変わっていくかお聞きした中で、「寄り添う」スタイルが求められていくことをコメントされています。
 
(小島氏)----------
対象者個々にフィットしているであろうと考えられる情報や知恵が機械的にタイムリーに提供されることと同時に、「人」が温かい手でそっと背中を押すような寄り添い感のあるサービスも求められるようになるのではないでしょうか。
 
 
ヘルスコーチングの視点:
「効果的なアドバイスではなく、主体性を持った取り組みに」
 
食事指導の現場では、やはり結果を出すことが重要で、そのためにはその人に合った効果的な具体策の提案が必要です。
しかし、どんなに効果的で具体的な提案が出来たとしても、対象者が主体性を持って取り組まなければ意味がありません。
その取り組みのきっかけを作り出したり継続をサポートする時には、やはり押し付けではない「寄り添う」サポートがこれからは求めらているとコメントされています。
 
 
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3、医療者が患者にとって効果的であると考える目標を提示してしまいがち。しかし、その気持ちを抑えて相手がやりたい、やれそうだと思う具体的な目標を作ってもらうことが必要
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(国立看護大学校 講師、看護師 藤澤雄太さん)
 
医療の現場で患者さんのサポートはもちろん看護師を育成する立場で活躍している藤澤さんのインタビューの中で、患者さんとのコミュニケーションにおける課題として以下2点を挙げています。
 
(藤澤氏)----------
1つ目は、医療者と患者の間に上下関係があることです。これは両者がこの関係性を作り出している可能性もあるのですが、まずは医療者がこの関係性を改善することを意識する必要があると思います。
2つ目は、患者さんの中から行動変容することの意義を引き出すコミュニケーション技術が不十分であるということです。特に看護学の教育の中では、コーチングや動機づけ面接といったコミュニケーション法を学ぶ機会は極めて少ないと言えます。
 
 
その上で、患者さんの生活習慣の改善で「行動の継続、習慣化」に向けたアプローチ、サポート、声がけで必要なポイントとして以下が大切だと言われています。
 
(藤澤氏)----------
どのような考えで行動する必要があると考えているのか、あるいは行動をしているのかを正確に医療者側が患者さんを理解するということです。
そのうえで患者さんから目標行動を引き出し、具体化させることが大切だと思います。
どうしても医療者が患者さんにとって効果的であると考える目標を提示してしまいそうですが、その気持ちを抑えて相手がやりたい、やれそうだと思う具体的な目標を作ってもらうことが必要だと思います
 
 
ヘルスコーチングの視点:
「患者さんと同じ目線」
 
看護師として患者さんとのコミュニケーションを数多く経験してきた中で「こうすべき」という生活指導をしても、行動を変えることができない患者さんが再入院してきてしまうケースを目の当たりにして、患者さんが主体的に取り組むようになるためのコミュニケーションが必要だと感じ、そのためには「教える」のではなく患者さんと同じ目線で出来ること、やりたいと思えることをいっしょに探していくコミュニケーションがポイントになってきているということだと思います。
 
 
上記でご紹介した3人の専門家は、運動、食事そして医療のそれぞれ異なる現場で対象者に日々接しています。
分野は異なりますが、やはりみなさんが口を揃えて言われているのは以下3点です。
 
1、「格好良いアドバイス」は必要なく「どう接するのか」がポイント
2、主体性を持った「取り組み」にフォーカスしたアプローチ
3、「同じ目線」「同じ方向からいっしょに見る、取り組む」
 
「格好良いアドバイス」は伝える側の自己満足であって、聞く側である対象者のことは置き去りにされてしまいます。
対象者の意識が変化し行動が変化するためには、対象者が主役である必要があります。
そのためにも、主役である対象者に専門家側が「寄り添う」スタイルのコミュニケーションがまさにいま必要とされてきているのだと思います。
 
 
 
【『ヘルスコーチング』早わかりガイド】
 
ヘルスコーチングで押さえるべきポイントとして今回ご紹介した「寄り添い」はハズせないキーワードです。
 
ヘルスコーチングには、もっと多くのポイントがあります。
そのポイントをみなさまに広く知っていただくため、ポイント、キーワードを簡単に解説した「『ヘルスコーチング』早わかりガイド」といったステップメールを準備しています。
 
「『ヘルスコーチング』早わかりガイド」のステップメールは、ヘルスコーチングのポイント、キーワードを毎日1通ずつのステップメールで簡単に解説しています。
 
ヘルスコーチングを健康サービスに組み込む際にも活用可能なポイント、キーワードをご紹介していますので、ご興味ある方は、以下より『ヘルスコーチング』早わかりガイド」希望とご連絡ください。
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「コミュニティ資産」
 
あなたのお客様とのコミュニティに存在する資産は何ですか?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <10クリップ>
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[1]オイシックス、現役東大生が立ち上げた(株)ふらりーとを完全子会社化
日本初のフードテック関連への投資・提携を行う投資部門「フードテックファンド」の第2号案件として、食のシェアリングエコノミー事業に参入。ふらりーととの取組みとして、主婦などの空き時間を活用した家庭料理のシェアリングサービス「ごふぁん」を提供予定。(2017/04/14)
 
[2]日本経営協会、メンタルヘルス不調者を生む要因とその対策に不整合ー対策1位の「残業時間の削減」(69.4%)は、要因6位(23.9%)ー
事業所におけるストレスチェック制度の実施状況やストレスマネジメント全般の状況、今後の課題等を探るために「組織のストレスマネジメント実態調査」を実施。5年前と比較して職場のメンタルヘルスは悪化している。(2017/04/14)
 
[3]セントケア・ホールディングスと産業革新機構、世界初 AIによる自立促進・重度化予防のケアプランを提供する新会社への共同出資に関して【PDF】
2社は、AIによる自立促進・重度化予防のケアプランを提供する新会社、株式会社シーディーアイへ共同出資することに同意。本事業の核となるAIは、過去に介護サービスを受けた要介護者のケアプランを学習し、自立促進などに繋がるケアプランを生成してケアマネジャーに提供する。(2017/04/14)
 
[4]ナリス化粧品、2種類のスーパーフードが入った朝専用の「食べるシェイクPLUS」(全3種)新発売【PDF】
バランスの摂れた朝食を摂ることが体内時計を正常化するということに着目したダイエットサポート食品。2種類のスーパーフード(キヌアパフ&バジルシード)を使用し、腹持ちと食べごたえ感を高めた。(2017/04/18)
 
[5]マクロミル、ダイエットシーズン到来!2017年ダイエットの実態を大調査
全国の15-59歳男女1,000人にアンケート調査を実施。現在ダイエット中の人は27.4%、これから夏に向けてダイエットをする予定の人は20.4%で合計約48%が“ダイエッター&ダイエット予備軍”。ダイエットをする理由は「健康でいたいから」52%が最多。(2017/04/18)
 
[6]矢野経済研究所、これからの医療を予測するーICTが変える CURE / CARE / HEALTHCARE 市場ーを開催
開催日は5月16日(火)。「ICTは医療の参入障壁を破壊する」「医療・ヘルスケア市場へのIoT利活用状況」について。
 
[7]リード エグジビション ジャパン、第1回 AI・人工知能 EXPO
開催日は6月28日(水)から30日(金)の3日間。近年その活用方法に注目の高まるAI・人工知能分野に関する専門展がついに誕生。
 
[8]『Fitbit Alta HR』レビュー:普通の人にとって、今買えるベストの活動量計
米Gizmodoの記者 Christina Warrenさんが実使用をレビュー。Altaと「Alta HR」のハードウェア的な違いは、デバイスの裏側に新しい心拍センサーがついていること、そしてストラップがより簡単に交換できるようになったこと。(2017/04/18)
 
[9]23andMe、パーキンソン病など10種類の遺伝子リスク情報の提供にFDAが許可
米食品医薬品局が23andMeに、一般消費者に対して有料で行った遺伝子テストの結果として、10種類の疾病のリスクは報告してもよいと決定した。その中には、後発性アルツハイマー病とパーキンソン病も含まれる。(2017/04/18)
 
[10]Appleの秘密チームが採血する必要のないグルコースレベル測定製品を研究開発中
Appleは生物医学方面の研究者集団を雇って、センサーを利用して糖尿病患者をモニタする秘密のプロジェクトに取り組んでいる。(2017/04/20)
 
 
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