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2018.09.18号 [海外事例にみる企画ヒント編]モノ+サービスで1,000億円を集める急成長ベンチャー

健康ビジネス問題解決サポートメディアHealthBizWatch
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[海外事例にみる企画ヒント編]2018年9月18日号
   ≫≫≫Author:脇本 和洋
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こんにちは。脇本和洋です。
 
[海外事例にみる企画ヒント編]では、米国で健康ベンチャーを数多く紹介していますが、今号では2年連続でチェックしてきた「Peloton」を紹介します。2012年設立後、資金調達額は1,000億円を超え、売上高は440億円に達しています。
 
 
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
---「モノ+サービスで1,000億円を集める急成長ベンチャー」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「組織劣化」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 ヘルスケアポータルサイト「HelC+」、海外 脳の健康測るAI補聴器など、11本
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
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<テーマ>
モノ+サービスで1,000億円を集める急成長ベンチャー
 
 
本メルマガでは注目事例として「Peloton」を、2016年、2017年の2回に渡って紹介しました。
今回は、Pelotonの事業概要(サービス特長)と直近の業績を改めて整理するとともに、最近の動向を紹介します。
 
・バックナンバー
[海外事例にみる企画ヒント編] 「Peloton」の特集(2016年と2017年)
http://www.healthbizwatch.com/mailmagazine/news/029.html
http://www.healthbizwatch.com/mailmagazine/news/482.html
 
 
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事業概要(サービス特長)
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■企業名:Peloton Interactive, Inc
https://www.onepeloton.com/
 
■設立:2012年
 
■資金調達:1,093億円(2018年8月時点)
※1ドル110円換算
 
■推定売上
・47億円(2015年)
・190億円(2016年)
・440億円(2017年)
※1ドル110円換算
 
■事業内容
自宅用エクササイズバイク(Spin Bike)を販売後、クラス受講で継続課金する
(売り切りモデルではない、継続課金モデルです)
 
<主な収益源>
・自宅用エクササイズバイク(Spin Bike)の販売(2,245ドル)
・クラス受講の動画配信(月39ドル)
 
■現サービスの特長
ニューヨークの最先端フィットネススタジオのライブクラスに自宅から参加し、『一体感と臨場感』を感じながら運動できます。
 
つまり、単に「インストラクターの動画をいつでもどこでも見ることができる」というありがちなサービスとは一線を画しています。
 
コーチと参加者が同じバイクを使うことで動きを合わせます。コーチは自宅から参加している人がわかるようになっており、その人の運動状況を把握し、成績上位者の名前を呼ぶなど双方向のやり取りをします。また、参加者同士で順位を競争できます。
 
■イメージ動画(1分音声あり):広告に使われた利用シーン
https://www.youtube.com/watch?v=a_M7NGB4S_k
 
■イメージ動画(1分音声あり):一般の人が公開した実際の利用シーン
https://www.youtube.com/watch?v=EBeolyEIi_o
一体感・臨場感のイメージです
 
 
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最近の動向1:ターゲットに広がりをもたせる
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サービス開始時のターゲットを「第1次ターゲット」、その後広げたターゲットを「第2次ターゲット」とし、整理します。
 
●第1次ターゲット
・Pelotonの初期ターゲットは、運動に対し意識の高い人でした。
・具体的には、「幼い子供がいる30代から50代の男女で、フィットネスクラブに通っていたが、子育てと仕事が忙しく、フィットネスジムに行きたくてもなかなか行けない人」です。
・同社を立ち上げたCEOのJohn Foley氏がモデルになっています。
 
●第2次ターゲット
・Pelotonはここ数年でターゲットを広げています。それは、運動に対して意識はあるものの、行動があまり続いていない人です。
・具体的には、「フィットネスクラブには通ったことがない人で、自宅でグッズや無料アプリを使って運動するもなかなか続かない人」です。
・体型が気になり、最新のフィットネスを体験できるかっこいいブティックフィットネスに行く勇気はありません。
・20万円以上するバイクを購入することにはためらうも、Pelotonの臨場感・一体感があるコンテンツなら、続けられるのではと感じている人です。
 
 
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最近の動向2:ターゲットの広がりに合わせた、新サービスを展開
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第2次ターゲットに向けて、新サービスを開始しています。
 
●新サービス:デジタルメンバーシップサービス
https://www.onepeloton.com/digital
 
Pelotonのバイクをもっていなくとも、iOSアプリで1万以上のスタジオレッスンをオンデマンドで視聴できるサービスです(19.49ドル/月)。
 
「Total body workouts」をテーマに、バイククラスだけでなく、トレッドミルを使った運動クラスや筋力強化クラス、ニューヨークスタジオの外を走るアウトドアクラス、ヨガクラスなど、豊富なクラスがあるのが特徴です。
 
既存サービスで培った臨場感と一体感を感じやすいコンテンツになっています。
ただし、臨場感と一体感を特に感じるライブクラス(スタジオとリアルタイムにつながるクラス)もありますが、その数は限られます。
 
バイク代として20万円以上のお金を最初に払わなくても、気軽にPelotonのサービスを利用できます。Pelotonにとっては、この新サービスで数多くの顧客を獲得し収益の柱に育てることを狙っています。
 
参考>Peloton Digital(詳細)
https://itunes.apple.com/app/apple-store/id792750948?mt=8
 
 
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複数サービスでビジネスを拡大させることに着目
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今号では、Pelotonの事業概要(サービス特長)と業績を改めて整理するとともに、最近の動向を紹介しました。急速な売上拡大の背景には様々な要素がありますが、本号でも紹介した、新ターゲットにあわせたサービス拡大が一つの要因としてあります。
 
健康ビジネスは一つのターゲット、ひとつのサービスだけで成長を続けるのは難しいといえるでしょう。
 
同社では、まず第1次ターゲットである「運動に対する意識は高いが忙しくてフィットネスクラブに行けない人」に対して、Spin Bikeとクラス受講の動画配信を展開しました。これで、数多くのメディアにとりあげられ、認知度を大きく上げました。
 
そして次に、第2次ターゲットとして「運動に対する意識はあるものの、自宅で運動しても長く続かない人」に対して、デジタルメンバーシップサービスを展開しています。
 
今回のようなターゲットの広げ方、サービス展開の仕方は参考になるのではないでしょうか。
 
 
【お知らせ:「モノ+サービス」で成功するPelotonをストーリーで理解する】
 
「モノ+サービス」で魅力的価値を創出することを、スポルツは特に意識しています。
 
今回紹介したPelotonは、2012年設立以来、4つのステップを踏みながら、「モノ+サービス」で魅力的価値を実現し、急成長してきました。
 
・ステップ1:着想期
・ステップ2:テスト販売期
・ステップ3:本格サービス準備期
・ステップ4:成長期
 
4つのステップごとに、どのような施策をとり、どう資金調達し、売上をあげてきたかをストーリーで整理することは、フィットネスに限らず「モノ+サービス」で健康ビジネスを創出するヒントになるはずです。
 
4ステップでのPelotonの詳細事例分析に興味のある方に向けて、有料の事例解説(説明+レポート)を用意中です。ご興味のある方はお問い合わせください。
 
https://hbw.heteml.jp/sportz.co.jp/inq/inq.html
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「組織劣化」
 
どんな組織も劣化していきます。だからこそ自分自身を絶えずアップデイトしていく意識と行動が大切です。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <11クリップ>
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[1]デラ、音楽で従業員の健康をサポートする「Sound Supple CARE」と従業員エンゲージメント向上支援クラウド「Employee Tech」と連携
https://www.della.co.jp/press/20180905.html
Sound Supple CAREがEmployee Techと連携することで、エンゲージメント・サーベイの結果をもとに、各従業員に最適な音楽をレコメンドし、労働意欲の向上やメンタルヘルスの課題解決をトータルでサポートする。(2018/09/05)
 
[2]シミックヘルスケア、ヘルスケアポータルサイト「HelC+」を開設
https://www.cmicgroup.com/news/20180906
「healthクリック」を刷新する形で、ヘルスケアポータルサイト「HelC+」を開設。医師無料相談やがん病院検索、がん治験参加支援機能を実装し、さまざまな角度から患者ニーズに応えられるのが特徴。(2018/09/06)
 
[3]ライオン、女性を美しい笑顔へと導く新美容機器「VISOURIRE」の開発・事業化
https://www.lion.co.jp/ja/company/press/2018/2650
新美容機器「VISOURIRE」の開発・事業化にあたっては、同社の新しい取組みとして、国内最大のクラウドファンディングサービスである「Makuake」を活用し、2019年の商品化を目指す。(2018/09/06)
 
[4]日本ユニシスグループ、働き方改革を支援するサービス「Connected Work(TM)」を提供開始【PDF】
http://www.unisys.co.jp/news/nr_180906_ConnectedWork.pdf
http://www.unisys.co.jp/
日本ユニシスグループは、オフィスワークを中心とした働き方改革から、現場で働く人の新たな働き方を提案するサービスまでを「Connected Work」として体系化。AI、RPAなどを活用し最適な働き方を支援する。(2018/09/06)
 
[5]ウーマンズラボより、中高年層の健康情報の測定・管理方法、デジタルよりも簡便な測定器
https://womanslabo.com/marketing-20180906-2
平成30年版高齢社会白書によると、50代後半以上で歩数や血圧、体重など自分の健康情報を管理・測定している割合は男女ともに約60%ほどいるが、スマートフォンやパソコンなどを使って測定・管理しているのは男女ともに4%以下。(2018/09/06)
 
[6]エムティーアイ、ビッグデータ解析で特定疾患の罹患リスク推定への貢献を目指す
https://www.mti.co.jp/?p=22953
国立研究開発法人理化学研究所の受託試験制度を利用し、特定の疾患に罹患するリスクを推定するための研究を行うにあたり、健康管理アプリ「CARADA」を通して得られた健康診断データの匿名加工情報を理研が解析する。(2018/09/07)
 
[7]ニッセイ基礎研究所、「健康経営」で企業価値はどうしたら向上するのかーコーポレートファイナンスの観点からー
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=59559?site=nli
「健康経営」の考え方は至極真っ当で、実現できれば素晴らしいものである。多くの企業の創意工夫により「健康経営」が推進され、企業価値の向上が実現できればと思う。しかし、実際にどのような「健康経営」推進の具体策が企業価値を向上させるのかとなると案外難しい。(2018/09/07)
 
[8]明治と武蔵野赤十字病院、口腔から咽頭の摩擦と潤滑を考慮した新しい計測装置「F-bology Analyzer(R)」を開発
https://www.meiji.co.jp/corporate/pressrelease/2018/detail/20180910_01.html
「F-bology Analyzer(R)」の活用により、食品の飲み込みやすさなどを指標化するとともに、より付加価値が高い食品の設計と開発などをしていく予定。(2018/09/10)
 
[9]日経デジタルヘルスより、デジタルヘルス事例:「血糖トレンド」把握の時代へ
https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/327441/090700555/?n_cid=nbpnxt_mled_ndh
近年、FreeStyle リブレなどの持続血糖測定用デバイスが登場。日々の血糖変動を測定し、血糖値スパイクや寝ている間の低血糖(夜間低血糖)、運動の血糖値への影響などを患者自らが把握できるようになってきた。(2018/09/10)
 
[10]脳の健康測るAI補聴器『Livio AI』発表
http://mhealthwatch.jp/global/news20180906
『Livio AI』の最大の特徴であるヘルストラッカー機能が測定するのは、心拍や血圧のようなものでなく「脳の健康状態」。ユーザーの日常生活における認識機能の様子から脳の健康状態を判定する。(2018/09/06)
 
[11]Skagen、心拍計や決済機能を新たに搭載したスマートウォッチ『Falster2』
http://mhealthwatch.jp/global/news20180907-2
『Falster2』は、水泳に耐えうる防水機能を持ち合わせ、心拍計、Google FitとGPSが搭載されている。海外では275ドル(約3万円)で販売される。(2018/09/07)
 
 
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