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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2017年6月13日号
   ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
6月に入り今年も折り返し地点になりました。早いですね!
 
今回は、この半年の振り返りとして、モバイルヘルス専門ニュースサイトmHealth Watchに掲載した「注目ニュース」の中から、改めてチェックしておきたい記事をご紹介します。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---2017年前半、再チェックしたいモバイルヘルス「注目ニュース」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「軌道修正の話」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 ルナルナ新機能、海外 スマート靴下など、15本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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<テーマ>
2017年前半、再チェックしたいモバイルヘルス「注目ニュース」
 
 
mHealth Watchには毎週1回、編集者が解説する「注目ニュース」があります。
今年もすでに22本掲載してきました。
「注目ニュース」では、
 
・今までにない価値は?
・継続利用につながるポイントは?
・マネタイズポイントは?
 
など、ビジネスに役立つ視点で解説するようにしています。
今回、特に注目したい3つのテーマとして<テクノロジー><マネタイズ><健康経営>に着目しました。今年前半の記事の中から再チェックしたいと思います。
 
 
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テーマ1:テクノロジー
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病態悪化につながる患者行動をAIが予測(2月20日掲載)
 
 
NTTが東京大学院医療情報学分野の大江和彦教授らの研究グループと共同で、AIを活用して、患者が「受診中断」をしてしまうタイミングを予測するモデルを、糖尿病患者900名の電子カルテデータから作りました。
従来、性別や年齢レベルでしか傾向をみることができませんでしたが、患者行動に関連する特徴量を分析することで、7割の精度で予測できるようになりました。
この記事から以下のポイントが挙げられます。
 
 
・AIをデータ分析とその予測から患者リスクを予見する
 
ヘルスケアにおけるAIの活用では、コミュニケーションをAIで代用できないか検討したいとのニーズが多いようですが、AIを活用したコミュニケーションは、シンプルなところでは成果もあげていますが、ヘルスケアサービスのコミュニケーションのように、個別性が高いものでの自動化には、まだかなりの情報の蓄積が必要になるでしょう。
 
NTTによるAIの活用では、特定の課題に対し、既存データからAIで予測させることで、ブレの少ない予見を可能にしています。
 
AIを活用するときの課題となるのがデータの蓄積方法です。ユーザーが自ら計測し続けないとならない情報に頼ると、きちっと長期的にデータを取ってもらうこと自体が難しいため、蓄積しやすい医療データをベースにした今回の取組みは、データ収集のハードルを一気に下げてくれます。
 
 
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テーマ2:マネタイズ
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ダイエットシーズン到来!2017年ダイエットの実態を大調査(5月8日掲載)
 
マクロミルによる、夏に向けたダイエットに関する全国15-59歳の男女1,000人を対象とした調査結果です。
2人に1人が“ダイエッター&ダイエット予備軍”、理想の減量kg数は“男性-7.8kg”“女性-6.5kg”、引き締めたい部位は男女共に“お腹・ウエスト”であることがわかりました。
マネタイズ視点から見ると、今年のダイエットの主流は“節約ダイエット”からも、お金を掛けない傾向にあるようです。
この記事から以下のポイントが見えてきます。
 
 
・マネタイズのために価値を上位化する
 
ダイエットは、健康ビジネスにおいて大きくお金が動くテーマになります。
しかし今年のダイエットの主流は“節約ダイエット”です。これはダイエットの理由のトップが“健康”だったためだと思われます。
 
“健康”という目的は、実はかなり曖昧なものと言えます。健診などで定められたBMIより高めだから平均にしよう。くらいの意識ですと、生活習慣を少し気をつけよう、テレビの健康番組をちょっと参考にしよう、程度の行動になりやすいようです。
 
ビジネスとして考えた場合、“健康”がきっかけだったとしても、せっかく取組むなら、もっと自分を自慢したくなる「痩せてきれいになる」「痩せてカッコよくなる」まで持っていってあげる(価値の上位化)と、お金を払いやすくなります。
 
 
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テーマ3:健康経営
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調査:企業従業員の健康とエンゲージメントにおける優先事項(1月30日掲載)
 
 
企業に向けて健康プログラムを提供するVirgin Pulseが、人事・総務の管理職600人を対象に行なった調査です。
78%が“健康はビジネス戦略における重要な要素”であると考え、87%が“従業員エンゲージメント戦略の一環として、従業員の健康に投資している(検討中含む)”、そして97%が“健康が従業員エンゲージメントを向上させる”と考えています。
この記事から以下のポイントが見えてきます。
 
 
・従業員の健康がどう生産性に貢献するかを見える化する
 
米国で注目される法人向け健康プログラムの目的は、医療費削減による経費(保険料)削減から、従業員の健康が向上することで生産性を上げることにシフトしています。
そのため、従業員の健康に対しても「身体的」な部分だけを見るのではなく、「精神的」「財政的」「感情的」な側面まで踏まえることが重要と捉えています。
 
提供されるプログラムも、単に健康行動をさせるだけでなく、職場文化(精神的、感情的側面)によい影響をもたらす仕掛けが考慮され、その行動の結果、自身の主観で生産性が上がったと意識でき、それが組織全体の生産性に貢献する(財政的側面)との好循環にしていくストーリーを描いています。
 
 
 
今回は3つのテーマ<テクノロジー><マネタイズ><健康経営>で、参考になる記事を紹介しました。
それ以外にも複数の視点で記事を洞察していく「注目ニュース」を、ぜひご活用ください!
 
 
 
【モバイルヘルスの活用に関する講演】
 
4月にヘルスケアITにて開催しました
『これからの健康経営を牽引するモバイルヘルス』
 
に続き、第2弾となるセミナーを7月25日に開催することが決まりました。
 
第2回ウェルネスフードジャパン(7月25日-27日、東京ビックサイト)のイベント内セミナーとして開催します。
 
 
『これからの健康経営を牽引するモバイルヘルス(食改善編)』
 7月25日13:00-15:30
 
富士通株式会社の健康推進本部にて長年従業員の健康に携わり、昨年、株式会社富士通ゼネラルに移籍し、今年4月より健康経営推進室をスタートした佐藤光弘氏をモデレーターに、食をテーマにした企業向け健康プログラムを提供する株式会社ウィットから天辰次郎氏、Noom Japanから濱嵜有理氏、ドコモ・ヘルスケア株式会社から戸田伸一氏の3名をパネラーにお迎えし、パネルディスカッションを開催いたします。
 
詳細情報については近日ウェルネスフードジャパンの公式サイトにて公開いたします。
今回も事前登録制になります(登録受付も近日スタート)。
定員制限がありますので、早めにスケジュールをご調整ください!
 
ウェルネスフードジャパン
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「軌道修正の話」
 
年間を通して追求する目標行動の軌道修正を月に一回だと1÷12=8.3%で週一回だと1÷52=1.9%で毎日なら1÷365=0.3%となる。これの意味することは修正タイミングをこまめにすればより少ない負荷で修正が可能であるということ。
結局、コツコツが勝つ!(OKノートより)
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <15クリップ>
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[1]エムティーアイ、医師と女性をつなぐサポートツール「ルナルナ メディコ」提供開始!
患者が「ルナルナ」で記録した月経周期や基礎体温などのデータを医師専用のタブレット端末にて簡単にわかりやすく提示できる機能を追加。(2017/05/31)
 
[2]ウェルビー、日本糖尿病学会年次学術集会にて「PHRを用いた糖尿病患者の動機づけ・意識変容・行動変容に一定の効果があった」と発表
同社PHR活用による糖尿病患者の生活改善効果の調査結果を発表。医療機関と情報を共有することで“見られている”という意識が働き、モチベーションの向上に役立ったと思われる。(2017/05/31)
 
[3]アフラック、株式会社メディカルノートとの業務提携について【PDF】
健康増進・ヘルスケア領域において、業務提携契約を締結。「健康アプリ」(仮称)の共同企画や、新しい保険商品・サービスの共同研究など。(2017/05/31)
 
[4]厚生労働省、ヘルスケア産業の海外事業展開に関する経営方針・ニーズ調査及び課題に関する環境分析業務報告書
医療機器メーカー、医薬品メーカー、ジェネリックメーカー計59社に対してアンケートを実施。調査によって抽出された課題について、特に重点的に調べる必要がある項目について調査及び分析を行いまとめた報告書。(2017/05/31)
 
[5]オムロンと理化学研究所、「理研BSI-オムロン連携センター」の設置と「包括連携に向けた協力」の合意
理研BSI-オムロン連携センターでは、「人と機械が共に社会の中で進化するための脳科学とAIの融合研究」を開始。(2017/06/01)
 
[6]ティップネス、ティップネス健康経営宣言【PDF】
健康経営実践に向けた主な取組みは、健康診断受診率100%達成(身体の健康)、従業員のメンタルヘルス対策の強化(心の健康)、過重労働の防止(ワークライフバランス)。(2017/06/01)
 
[7]ウーマンズラボ、日本のヘルスケア企業の未来:世界をリードする可能性3つのポイント
「健康寿命の延伸・QOLを最大化する医療・生涯現役社会」これらを実現できれば、それは世界の課題解決をも意味し、ひいては日本の経済成長にも繋がる。(2017/06/01)
 
[8]明治、「フードバレーとかち推進協議会」と包括連携協定
互いの資源等を活用し、連携しながらそれぞれの機能を効果的に発揮することにより、乳の価値向上の推進に寄与することを目的とした包括連携協定を締結。(2017/06/02)
 
[9]メドピア、「HealthTech+」(ヘルステックプラス)をオープン
ヘルスケアの未来をプラスに変えるための新しい発見とアイデアの種を届けるメディア。同社主催のヘルステックイベントと連携したイベントレポートや、独自で企画する対談・インタビュー記事などを配信。(2017/06/05)
 
[10]ビジネスライフ、ビジネスパーソンのための疲労回復専用ジム「ZERO GYM」がオープン
ビジネスパーソンの頭と体の疲労をリセットすることを目的としたフィットネスジム。ZERO GYMが目指すのは「最高の脱力」による頭と体の疲労のリセット。(2017/06/06)
 
[11]綜合ユニコム、VR[バーチャル・リアリティ]活用&事業創造研究講座
開催日は7月6日(木)。VR施設体験、基調講演「VRを巡る最新動向」、パネルディスカッション「VRの活用をレジャー・サービス産業はどう進めていくか」。
 
[12]SPORTEC実行委員会、「SPORTEC2017」開催
開催日は7月25日(火)から27日(木)。日本最大級のスポーツ・健康産業総合展示会。同時開催「ウェルネスフードジャパン」「リハビリ・介護予防サービス展」など。
 
[13]インフォグラフィックス:Tech Trends 2017 - ウェアラブル
ウェアラブルの使用状況としては、ウェルネスのためが55%と最も高い。(2017/05/31)
 
[14]赤ちゃんの健康状態を計測するスマート靴下『Owlet Smart sock』
睡眠中の赤ちゃんに履かせておくだけで心拍数や血中酸素濃度をモニタリングしてくれる。データは蓄積され、スマホのアプリから確認することができる。(2017/06/02)
 
[15]mHealthWatch注目ニュース:富士通エフサス、残業抑止ソフト『IDリンク・マネージャー』をSaaS化
FUJITSU Software IDリンク・マネージャー 長時間残業抑止 SaaSは、残業申請がなければ自動的にPCが利用できなくなるというもの。管理者視点としては、ルールが決まれば一括管理でき便利な機能と言える。問題は従業員の視点。(2017/06/12)
 
 
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