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[モバイルヘルス・アプリ動向編]2017年7月11日号
   ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
今月25日より「ウェルネスフードジャパン」がはじまります。
 
スポルツは25日13:00よりO会場にて
『これからの健康経営を牽引するモバイルヘルス(食改善編)』を開催します。
 
今回のメルマガでは、このイベントに登壇する富士通ゼネラルの佐藤氏に「健康経営導入のポイント」についてお伺いしましたので紹介していきます。
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス・アプリ動向編
---「健康経営導入のポイント」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「ウェルネスサービスのデジタル・イノベーション」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 ワーキングフィットネス、海外 耳式ウェアラブル体温計など、14本
 
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【1】特集:モバイルヘルス・アプリ動向編
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<テーマ>健康経営導入のポイント
 
 
「健康経営をどうはじめるとよいか?」
 
健康経営を行う上で、まず検討されることだと思います。
 
最初に、経営者が健康経営宣言をするところまではすんなり行われますが、その後、なんとなく法人向け健康サービスを選んでいるケースをよく見かけます。
そのサービス終了後に考えやすいのが、
 
「もっと効果的なサービスはないか?」
と、他のサービスや製品を探しはじめるようです。
 
果たしてこの考え方で適切な健康経営になっていくのでしょうか?
 
健康経営の考え方、進め方は、各社違っているのは当然のことですが、健康経営で達成したい目標に対し、方向性を定め、PDCAを回していくことは各社共通であり、もっとも重要だと言えます。
PDCAで見るべきは“カラダの数値”だけではないのです。
 
今回は、この4月より健康経営推進室が立ち上がり、本格的に健康経営をスタートさせた富士通ゼネラルの健康経営推進室 室長である佐藤光弘氏、担当部長の石田貴久氏に行ったインタビューから「健康経営導入のポイント」を紹介したいと思います。
 
 
インタビュー元:mHealth Watch
健康経営キーマンインタビューVol,2
株式会社富士通ゼネラル 佐藤光弘氏、石田貴久氏
 
 
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1.健康経営における考え方
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“人を思い活かす経営”(富士通ゼネラルの健康経営)
 
社長が唱える健康経営を具体化するための戦略を考える。
その際、健康経営だからと、従業員の健康課題解決方法からはじめるのではなく、“人を思い活かす”とは何かを考える。
 
富士通ゼネラルの場合:
ストレスチェックで課題を浮き彫りにし、チーム単位で“人を思い活かす”ための施策を検討している。
普段見ている社内の雰囲気から想定される課題(仮説)に対し、ストレスチェックを主観的データとして活用することで、チームごとの課題と対策を検討する(この段階では無理に健康テーマに紐付けない)。
 
 
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2、従業員に健康行動をさせる仕掛け
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・相談できる場を作る
従業員の全般的(もしくは一部)な健康課題から、解決策となる施策(健康イベントなど)をいきなり展開してしまうと、準備のできていない従業員は困惑する(ストレスを感じる)。
健診データだけでは見えない、個人が持っている健康課題(個人的な悩み)を顕在化する。
 
富士通ゼネラルの場合:
診療所的に患者が来るのを待つのではなく、医療職(産業医や産業保健スタッフ)が出向き、積極的に従業員の声を聞き、適切な情報を与え「ヘルスリテラシー」を高める。
 
 
・コミュニケーションを活用する
グループディスカッションを通じて、お互いを知り、お互いの強みを活かせる関係を養う。
本来、いつも接している仲間こそが、相手の顔色などから体調を知ることができ、フォローし合える関係ができるものだが、現在はパソコンに向かってばかりで、会話もままならない、聞きたいことはメールで聞いて終わらせるような、距離感のある関係になりやすい。お互いを理解するためにも、顔を突き合わせたコミュニケーションが大切になる。
 
富士通ゼネラルの場合:
チーム単位で“人を思い活かす”ため、一緒に考えていくことのできる「グループコミュニティ」を活用する。
チームごとに定期的に開催し、PDCAを回しながら、コミュニケーションを深め、チーム力を高める。
 
 
 
◇ステップを踏んだ健康経営の運用
健康経営は、経営戦略と連動するものであるため、短期ですべてを解決できるような性質のものではありません。
富士通ゼネラルの場合は、今後、従業員と経営陣(健康経営推進室)が一丸となって健康経営に取組めるようになるための第一歩として、「関係(環境)」作りを行っています。
経営戦略と同じく、健康経営も従業員が動いてくれなければ結果に結びつきませんので、従業員が自ら動いてしまうような「関係(環境)」作りに注力しています。
 
 
◇モバイルヘルスの活用
富士通ゼネラルの場合、初期段階では自社内でのコミュニケーションを中心に考え、特に外部からの支援が必要になるフィジカルな取組みは次の段階としています。
初期段階では、モバイルヘルスの特性を活かした健康行動の追跡や記録は必要ではありませんが、大いに活用できる場はあります。
それは「ヘルスリテラシー」を高める手段として用いることです。
 
どんなによい情報でも忙しい時間に送り届けては見向きもされないでしょう。
従業員が自分の健康課題に気づき、何かを知りたいと思ったタイミングに、適切な情報を届けることが求められます。
どのようなときに情報を届けると受け入れやすいのか、従業員の視点に立つことで設計ができます。
 
また、モバイルヘルスなら、そのタイミングが適切であったかも確認でき、チューニングしていくこともできますので、「ヘルスリテラシー」を高めることに貢献できるのです。
このようなアプローチであれば、アプリ開発のノウハウを活かした支援提案も可能になってきます。
 
 
 
『これからの健康経営を牽引するモバイルヘルス(食改善編)』
 
7月25日(火)O会場 13:00より開催します。
入場は無料です。
 
13:00-15:30
モバイルヘルスを活用した継続利用促進事例紹介
株式会社スポルツ 渡辺武友
 
職場の活性化に向けて
株式会社富士通ゼネラル 佐藤光弘
 
食から改善するモバイルヘルスによる新たなアプローチ<パネルディスカッション>
モデレーター:渡辺武友、佐藤光弘
プレゼンター:株式会社ウィット 天辰次郎、Noom Japan 濱嵜有理、ドコモ・ヘルスケア株式会社 戸田伸一
 
人数制限がありますので、講演をご聴講される方は事前登録をおすすめします。事前登録は7月16日(日)までとなります(以降は当日会場申込み)。
 
ウェルネスフードジャパン
 
セミナー申込み
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「ウェルネスサービスのデジタル・イノベーション」
 
どのようなウェルネスサービスであろうと自社の強みとAIを掛け合わせて新たな価値提案ができるかがデジタル・イノベーションへの唯一のルートである。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <14クリップ>
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[1]三菱地所、働き方改革と健康経営のソリューションサービス「クルソグ」誕生
今年度は、クルソグのトライアル期間と位置付け、4ヵ月間、14社・約2万人を対象にサービスを提供。アプリ等のICTとエリアコンテンツが連動するサービスは、日本初の試み。(2017/06/27)
 
[2]資生堂、東京都主催「時差Biz」に参加
7月3日(月)から9月29日(金)までの間、朝食提供による朝型勤務の推奨やサテライトオフィスの導入、在宅勤務の推進など、多様な働き方の実現を通じて社員一人ひとりの生産性向上を目指す。(2017/06/28)
 
[3]博報堂と竹中工務店、IoTでオフィスの階段利用を促進する新技術開発に着手
IoTを活用し階段を利用しているオフィスワーカーに「階段を昇ることがつい楽しくなる映像」を投影する技術「ta-tta-tta(タッタッタ)」。実験により従業員の階段利用が26%増加。(2017/06/29)
 
[4]RIZAP、「ボディマネジメントプログラム」を開始【PDF】
ボディメイクプログラム実施後の“カラダを維持し続けることに特化”した新サービス。また、業界初となる「リバウンド保険」も導入し、リバウンド防止にコミット。(2017/06/30)
 
[5]日本医療データセンター、カラダの年齢をあらわす「健康年齢(R)」をオリエンタルクリニックの人間ドック検査成績表でお知らせ【PDF】
オリエンタルクリニックで人間ドックの受診者に新たに通知される「健康年齢」は、日本医療データセンターが全国160万人の健診データ、レセプトデータを用いて開発した統計モデルから算出される健康度をあらわす指標。(2017/06/30)
 
[6]ソフトバンク、「成長ログサービス」を岡山県新見市で提供開始
乳幼児期から生涯にわたり健康情報を記録・管理することができるWEBサービス。ICT活用による次世代育成と、多様性を生かす社会環境づくりを目指す。(2017/06/30)
 
[7]富士経済、H・Bフーズ市場を総括分析ー2016年見込(2015年比)ー
2016年は、プロバイオティクス配合商品や特定保健用食品(トクホ)飲料など大型ブランドの伸長が続いた。H・Bフーズ国内市場は2兆2,329億円、2017年も引き続き市場は拡大が予測される。(2017/06/30)
 
[8]オークローンマーケティング、デキる男は仕事中も鍛えている「スレンダートーン コネクト」新発売
“働きながら鍛える”新習慣「ワーキングフィットネス」を提唱。スマホアプリと連動させることで、運動習慣とモチベーションに合わせたプログラム提供やトレーニング状況を確認できる。(2017/07/03)
 
[9]ソニー、お気に入りの腕時計をスマートウォッチに「wena wrist leather」新発売
「wena wrist」ステンレスバンドには、ライフスタイルを便利にする機能(電子マネー、スマートフォンの通知受取、歩数などの活動ログ)を独自技術で内蔵。(2017/07/03)
 
[10]メドピア、オンライン健康相談サービス「first call」が「Karada Manager」と連携
「Karada Manager」の会員向けにチャットやテレビ電話でいつでも医師に相談できるサービス「first call for Karada Manager」を提供。(2017/07/03)
 
[11]きりんカルテシステム、クリニック予約アプリ「診察予約ZERO」提供開始【PDF】
業界初、“電子カルテ”と“AI”の連携で、診察の待ち時間ゼロを目指すクリニック予約アプリ。クリニック向けの予約システムは、完全無料クラウド型電子カルテ「カルテZERO」から無料で利用可能。(2017/07/03)
 
[12]日経デジタルヘルス、デジタルヘルス・レポート:Watson活用やウエアラブル×介護、歯科VRまで
グリーベンチャーズ主催、ベンチャー4社競演「Digital Health Meetup Vol.8」レポート。ピッチセッションにはアンター、Ubie、Moff、BiPSEEのベンチャー企業が登壇。(2017/07/03)
 
[13]子どもを24時間見守る耳式ウェアラブル体温計『degree°』 急な高熱を警告
クラウドファンディングサービスIndiegogoに登場した「degree°」は、耳介に引っかけ、イヤホンのイヤーピースに似た形の接触型センサ部分を耳の穴に入れて使うウェアラブル方式の体温計。(2017/07/04)
 
[14]mHealthWatch注目ニュース:内科医が推奨する『FoodTherapyMD』
内科医が立ち上げたオンラインコミュニティー「FoodTherapyMD」は、エビデンスに基き、疾患に合わせた療法として提供しているサービス。何となく民間療法を取り入れることより、効果に貢献する可能性は遥かに高いと言えます。(2017/07/10)
 
 
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