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2017.10.17号 [海外事例にみる企画ヒント編]投資家が注目するベンチャー動向(1)

健康ビジネス問題解決サポートメディアHealthBizWatch
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[海外事例にみる企画ヒント編]2017年10月17日号
   ≫≫≫Author:脇本和洋
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「海外事例にみる企画ヒント編」をお届けしている脇本和洋です。
 
我々は海外の先進事例を使って、クライアントのメンバーの一員としてワークショップを企画運営し、魅力的なサービスを作る支援をしています。
 
ワークショップで大切にしていることは、海外や国内の事例を使って、発想を強く刺激するヒントを提示することです。ですので、海外事例(特に資金の集まるベンチャー企業)は常にサーチしています。
 
今回は、我々がサーチしている最近の事例の中から、注目のベンチャー企業をいくつか紹介しましょう。
 
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
---「投資家が注目するベンチャー動向(1)」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「Joint Health」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 日本ディープラーニング協会、海外 Asken Dietなど、9本
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
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<テーマ>投資家が注目するベンチャー動向(1)
 
 
今回紹介するベンチャー企業の切り口は、以下の3つです。
 
1.「シンプルさとトレーサビリティ」に着目するサプリメント
2.ビジネスマン向け「マインドフルネス系」サービス
3.「セラピー&コーチングサービス」
 
 
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1.「シンプルさとトレーサビリティ」に着目するサプリメント
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米国でサプリメントといえば、市場は大きいものの、競争が激しく、参入の余地は少ない業界とも言われます。しかしそこに、ベンチャーが挑む事例です。
 
 
●Ritual(2017年8月に10億円調達)
https://ritual.com/
 
2015年設立で、女性向けマルチビタミン剤を販売しています。創業者のカテリーナ・シュナイダーさんが妊娠していた時期に、体に優しく安全なビタミン剤を見つけるのに苦労したという自らの経験から考案しました。
 
特徴はシンプルさとトレーサビリティ。女性の健康に有効として9つの成分に絞り込み(シンプルさ)、各成分の原産地や製造元、含めた理由や期待できる効果といった詳細な情報をオープンにしています(トレーサビリティ)。
 
 
◇ターゲットは自分、本当に必要なことを考える
 
Ritualのターゲットは、創業者自身であり、その経験を存分に生かしました。「妊娠期」という、多くの女性が食べる素材にこだわる時期に特化し、「トレーサビリティ」と「必要最小限の栄養素」を考えました。
 
“ritual”とは儀式という意味合いであり、調達した資金は「習慣化していくためのコンテンツ」に使われるとのことです。どのような継続支援サービスを提案してくるか、注目です。
 
 
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2.ビジネスマン向け「マインドフルネス系」サービス
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米国では2005年に、グーグルが人材開発の一つとして「マインドフルネス」を取り入れて以来、社員の「心の開発」に向けたサービスが広がっています。
 
 
●HEADSPACE INC.(2017年6月に37億円調達)
https://www.headspace.com/
 
2010年設立で、ビジネスマン向けマインドフルネス(瞑想)アプリを提供しています。TED動画や書籍で「10分間瞑想」を推奨する、元仏僧でイギリスの臨床瞑想コンサルタントの「アンディ・プディコム」がプロデュースしました。
 
アプリではまず無料の基本コースで瞑想の方法について学びます。終了すると有料コースで、生産性や集中力アップといった「パフォーマンス向上」、自己肯定感を伸ばしたり、不安やストレスを軽減したりする「内的健康」など、テーマ別に瞑想トレーニングができます。
 
参考>TED動画
https://www.ted.com/talks/andy_puddicombe_all_it_takes_is_10_mindful_minutes?language=ja
 
 
◇「心の開発」が引き続きキーワードに
 
米国ではこのように、マインドフルネスをテーマに支援するサービス企業が注目されています。マインドフルネスといえば瞑想を思い浮かべることが多いかもしれませんが、本家のグーグルのプログラムは、自己認識・自己制御・モチベーション・共感・コミュニケーションに着目した「心を開発する」プログラムになっています。
 
 
参考>グーグルが開発したマインドフルネスメソッド「Search Inside Yourself(SIY)」
http://mindful-leadership.jp/siy/
 
 
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3.「セラピー&コーチングサービス」
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米国では、数年前から「コーチング」を組み入れたサービスが注目されています。今では、セラピスト(心理学を特に学んだ専門家)や行動変容コーチングなど300名以上の専門家を集め、サービスを提供する企業も出てきています。
 
 
●AbleTo, Inc.(2017年8月に36.6億円調達)
https://www.ableto.com/
 
2008年設立で、ストレスやうつ病に苦しむ人向けのセラピー&コーチングサービスを提供しています。特に心臓病やがんなどの人、介護のストレスを強く受けている人などを対象にしています。
 
セラピストや行動変容コーチと、電話またはビデオ通話形式で、週2回(1回45分間)のセッションを行う8週間のプログラムです。プログラムではストレス対処法、気持ちや考えをポジティブにする方法、治療後の体力回復の仕方といったスキルを学びます。
 
 
◇共感した後、行動変容を促す
 
AbleToでは、セラピストと行動変容のコーチがいることが特徴です。がんや心臓病など、「疾患をどう自分なりに受け止めればよいか」「前向きにどう行動していくか」の2つに悩む患者に対し、まず共感し、次に具体的な行動支援を行おうとしています。サービスの詳細まではまだ公開されていませんが、患者の心に寄り添う、注目したい事例です。
 
 
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「海外事例をヒントにするコツ」
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今回は、我々が注目しているベンチャー事例をいくつか紹介しました。
 
実際には、毎月100から200のベンチャー事例を調べています。
その中でも、今回の事例のような、多額の投資を受けている事例には注目したいですね。
 
こうした事例は、日本での健康ビジネスを検討する上で「良質なヒント」を与えてくれます。
 
もちろん、米国と日本では疾患を抱える人口や、ライフスタイル、文化が違います。商品やサービスをそのままもってくると痛い目に合う場合の方が多いです。
 
つまり、「企画のヒント」として、活用することが大切です。
 
例えば今回なら、
 
□ターゲットを自分自身に設定したら、どんな価値が生み出せそうか?
 
□B-B向けサービス販売では、心の開発の一つとして位置づけられないか?
 
□顧客の心にまず寄り添い、次に自分に合った行動を見つけ継続できるよう、演出するとどうか?
 
 
といったことは企画ヒントとして使えるのではないでしょうか。
 
 
【脇本和洋】
 
 
【健康業界の先進事例を活用したワークショップ】
事業(商品・サービス)企画を6ステップで検討するサービスです。
http://hbw-store.com/service/kikaku1606.html
 
【ヘルスコーチングを活用した企画開発サポート】
今回の事例でもあったヘルスコーチングという手法。スポルツではすでに日本でヘルスコーチングのサービスを実施しています。
http://hbw-store.com/service/keizoku1502-137.html
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「Joint Health」
 
Joint Health とは関節の健康のことですが、超高齢化が進む我が日本にとってビッグマーケットです!
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]大正製薬、年齢からくる物忘れを改善する医薬品「メモリーケア」新発売
http://www.taisho.co.jp/company/release/2017/2017100401.html
物忘れの改善の効果が認められた生薬「オンジ」から抽出した「オンジ乾燥エキス散」を1350mg(6錠/1日量)配合した医薬品。(2017/10/04)
 
[2]日本光電、クリニカルアシスタントサービスPrimePartner新発売
http://www.nihonkohden.co.jp/news/17100402.html
院内で測定した心電図や血液などの検査データをクラウド上のサーバに保存し、院内のみならず、院外でも参照可能な診療所向けのサービス。(2017/10/04)
 
[3]FiNC、「日本ディープラーニング協会」設立
https://company.finc.com/news/9200
東京大学大学院工学系研究科 特任准教授 松尾豊氏を理事長としてディープラーニングを事業の核とする企業および研究者により設立された「日本ディープラーニング協会」の理事にFiNC取締役CTO南野充則が就任。(2017/10/04)
 
[4]損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険、健康に関するアンケート結果【PDF】
http://www.himawari-life.co.jp/~/media/himawari/files/company/news/2017/a-01-2017-10-05.pdf
http://www.himawari-life.co.jp/
家族同士で健康について考えるきっかけを作ることを目的として、小学生の子をもつ家族400組を対象に調査を実施。9割以上の子どもは親を健康だと思っており、健康寿命より20歳近く元気に過ごしてほしいと回答。(2017/10/05)
 
[5]花王、皮膚のハリ感を定量的に測定できる技術を開発
http://www.kao.com/jp/corporate/news/2017/20171005-001/
開発した装置を用いて全国47都道府県の20-60代女性を対象に収集した、皮膚の柔軟性と硬さの測定データから加齢による皮膚のハリ感の低下傾向を定量化し、ハリ悩みとの関係性を明らかにした。(2017/10/05)
 
[6]日経デジタルヘルスより、デジタルヘルス・トレンド:これが「VR×ヘルスケア」最前線
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/030200065/100500014/?n_cid=nbptec_ndhml
VRはヘルスケア分野でどう生かされていくのか。疾患体験・治療・医療情報の可視化・介護・フィットネスという5つの領域での現在の活用事例を追った。(2017/10/10)
 
[7]信号を脳に送って体温調整する時計型リモコンデバイス『Aircon Watch』
http://mhealthwatch.jp/global/news20171005
香港のスタートアップが開発した「Aircon Watch」は、手首から信号を脳に送ることで素早く快適な体温にもっていけるという。(2017/10/05)
 
[8]ウィット、『Asken Diet』を米国でリリース
http://mhealthwatch.jp/japan/news20171006
グリーンハウスグループのウィットの子会社Asken Inc.は、昨年11月にカナダ向けに先行リリースしていた健康管理アプリ「Asken Diet」を、アメリカでもリリースした。(2017/10/06)
 
[9]mHealthWatch注目ニュース:健康経営領域でウェアラブルデバイスの活用
http://mhealthwatch.jp/japan/news20171016-2
今回注目するニュースは、健康経営の領域でウェアラブルデバイスの活用に関して。企業の健康経営への関心の高まりから、企業の健康経営に向けた具体的なサービスも拡がっている。(2017/10/16)
 
 
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