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[海外事例にみる企画ヒント編]2017年12月19日号
   ≫≫≫Author:脇本和洋
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「海外事例にみる企画ヒント編」をお届けしている脇本和洋です。
 
今号は、2017年の「海外事例にみる企画ヒント編」の最終号となります。
クライアント企業様との企画ワークショップの中で気づきが多いと言われたり、メルマガ読者の方から印象に残ったと言われることの多かった事例を3つの切り口で振り返ります。
 
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
---2017年の注目事例を3つの切り口で振り返る
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「健康訴求だけじゃダメ!」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 スポーツエールカンパニー、海外 アプリ×糖尿病など、8本
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
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<テーマ>2017年の注目事例を3つの切り口で振り返る
 
 
1.「価値」を大きく高め、機器を売る
 
2.チームワークを高める「健康経営」支援サービス
 
3.「MCI(軽度認知障害)の人」向けサービス
 
 
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1.「価値」を大きく高め、機器を売る
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低価格の海外商品との競争が激しいこの業界で、改めて「価値」づくりが課題になっています。
 
今年紹介したPeloton、Omada Healthという2つの事例は、「魅力的な価値を作り出すことの大切さ」を感じることができるものです。特に機器業界の人で、読まれていない場合、是非チェックしてください。
 
 
●Peloton(2017年5月、325億円の資金調達に成功)
 
Pelotonは、自宅用エクササイズバイク(スピンバイク)を販売する企業。今までの自宅向けエクササイズバイクは、まじめで単調で続けるのが難しいものでした。
 
そこで、Pelotonは、ニューヨークの最先端スピンバイクスタジオで行われているクラス(11名の個性豊かなインストラクターが生みだす様々なテーマ性のあるエキサイティングなクラス)に、インターネットを通じて「自宅」から毎日ライブで参加できるようにしました。
 
「自宅から、最先端スピンバイクスタジオのクラスに参加し、エキサイティングな体験ができる」という価値が、高く評価されています。
 
>バックナンバー(8月号)
 
 
●Omada Health(2017年に50億円を資金調達)
 
Omada Healthは、糖尿病の予防プログラムを提供する企業。「ワイヤレス体重計+デジタルレッスン+グループコーチング」という3つを組み合わせた、16週間プログラムを提供しています。
 
「無理なく結果の出やすい方法で、糖尿病をコントロールする」という価値をすえ、グループコーチングを活用して、継続支援を行っている点が評価されているポイントです。
 
>バックナンバー(9月号)
 
 
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2.チームワークを高める「健康経営」支援サービス
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健康経営は、健康づくりを経営戦略に結びつけて、経営的アウトカム(利益や売上など)をだそうというものです。
 
米国では、単に健康づくりをするのではなく、健康づくりを通じて「チームワークの向上、目標達成意識の向上」を狙いとする事例があります。その例としてVirgin Pulseを紹介しました。
 
本年は、スポルツとしても、経営的アウトカム(利益や売上など)に結びつけるための「健康経営」に没頭した1年でした。健康づくりを通じて、自信をもったり、チームワークを学んだりと、人材面の課題に役立てるという本質に近づけた1年でもありました。
 
 
●Virgin Pulse
 
健康経営を支援するサービスを展開。IGNITEというサービスでは、チーム主体の様々なチャレンジ・プログラムを行う。企業の部門、文化、価値、歴史などをテーマにチャレンジをカスタマイズできます。
 
サービスの特徴は「面白さ」「チーム同士で競い合えること」「チームワークが芽生えること」「運動につながること」「チームで目標を共有すること」。
 
>バックナンバー(4月号)
 
 
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3.「MCI(軽度認知障害)の人」向けサービス
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MCIとは軽度認知障害のこと。1995年に米国メイヨークリニックグループが定義しました。日本でも「認知症予備軍」として、メディアなどで取り上げられはじめています。MCIの時期に適切な予防をすれば、4割程度が5年後に正常に回復するといった研究もあり、今後注目のテーマです。
 
本メルマガ1月号で「チェック系・ソリューション系」に分けて複数事例を特集しました。
 
<チェック系(自宅でのチェック)で紹介した一例>
 
●CogniSense
米国の大手診断企業であるQuestDiagnosticsが提供する認知機能のアセスメント。スマホアプリで無料。MCIの診断にも対応しています。
 
<ソリューション系(自宅でのチェック)で紹介した一例>
 
●NeuroGrow
本格的なチェックと、認知機能予防のプログラムを提供する施設型サービスです。基本は、Fotuhi博士が考えた記憶力トレーニングとストレス緩和、健康全般の改善により、記憶力・認知力の向上を目指すというもの。チェックとともに「ブレインコーチングなどのプログラム」があります。
 
>バックナンバー(1月号)
 
>参考:MCI(軽度認知障害)関連サービスの現状と将来展望 2018
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2018年に向けて
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2017年の、[海外事例にみる企画ヒント編]いかがでしたでしょうか。
 
2018年も、ベンチャー事例、シニア事例、生活習慣病事例を中心に、日本で健康ビジネスを運営拡大していくためのヒント事例を紹介していきます。
 
特に、人を感じる継続支援の方法として、電話、メール、郵送物、リアルの場、バーチャルの場、グループでの取り組みなど、様々な組み合わせ方法がでてきていますので、そのあたりの切り口でも紹介していきます。
 
【脇本和洋】
 
 
 
【健康業界の先進事例を活用したワークショップ】
事業(商品・サービス)企画を6ステップで検討するサービスです。
 
【ヘルスコーチングを活用した企画開発サポート】
今回の事例でもあったヘルスコーチングという手法。スポルツではすでに日本でヘルスコーチングのサービスを実施しています。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「健康訴求だけじゃダメ!」
 
健康だけを訴求するビジネスはブレイクしない。ライフスタイル課題との掛け合わせに今後可能性ありです。例えば「時短×健康」をコンセプトにしたオイシックス社が提供する20分で主菜と副菜が調理できるレシピ食材セット KitOisixのように。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <8クリップ>
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[1]リクルートライフスタイル、旅行業界における2018年のトレンドを発表
キーワードは「へるしい旅」。旅行の目的は「疲れを癒すこと」から「旅先で健康になること」へと変わり、旅行者が自ら「へるしい」になるための滞在へと変化しつつある。(2017/12/06)
 
[2]三菱ケミカル・クリンスイ、国内浄水器メーカーとして初IoT浄水器「クリンスイ CSP801i」新発売【PDF】
蛇口直結型浄水器の新製品。IoTを活用した専用アプリを使用し「浄水使用残量」や「カートリッジの交換予想日」などの情報を表示。(2017/12/06)
 
[3]日経デジタルヘルスより、デジタルヘルス事例:フィリップスが怒涛の異業種連携、堤社長が狙い語る
予防から診断、治療、ホームケアまでの一連のヘルスケアプロセスを全体最適化するソリューションの構築に向けて、異業種を含めたエコシステムづくりを加速させる。(2017/12/06)
 
[4]ソニー、「wena wrist pro」と「wena wrist active」を新発売
腕時計のバンド部に必要な機能を内蔵したハイブリッド型のスマートウォッチwena wristの新商品。wena wristシリーズ初の機械式、およびソーラー式のヘッド部2機種も発売。(2017/12/07)
 
[5]日経デジタルヘルスより、デジタルヘルス・レポート:「2018年、AppleやGoogleが“FDAの世界”へ」
米Frost & Sullivan社は「AppleやGoogle、Samsung、Fitbit、Amazon.comといった大手テクノロジー企業のうちのいずれかが、ウェルネスやフィットネスではなく、FDAの規制対象となるような臨床の領域へ参入する」と予測。(2017/12/11)
 
[6]スポーツ庁、「スポーツエールカンパニー」を初めて認定
社員の健康増進のためスポーツの実施に向けた積極的な取組を行っている企業を認定する制度を創設。この度、平成29年度「スポーツエールカンパニー」として217社を認定。(2017/12/12)
 
[7]研究:ヘルスケアアプリをダウンロードした後の糖尿病患者の健康改善
15ヵ月以上にわたり糖尿病患者からのユニークな反応を分析した結果、モバイルヘルスプラットフォームを採用した患者は、経時的に平均2,000%以上のグルコースレベルの低下が見られた。(2017/12/07)
 
[8]mHealthWatch注目ニュース:Accenture、高齢者の孤独を助ける最新のAIプラットフォーム
今回の実証実験は、AIによって高齢者の生活に密着し課題を見つけ出し無意識の諦めをなくすためのサポートや、孤独から抜け出させるようなアプローチを行なう。本来、人が介入しないとできなかった部分をテクノロジーによって補おうとの試み。(2017/12/18)
 
 
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