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[ヘルスコーチングの視線編]2018年4月24日号
 
   ≫≫≫Author:里見将史
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これまでにも、この「ヘルスコーチングの視線」メルマガで「ティーチング」と「コーチング」の違いについて解説してきました。
 
しかし、ヘルスコーチングにおける「ティーチング」の活用について、まだまだお伝えできていない部分があることに気づいたので、今回は改めて「ティーチング」の捉え方についてお話したいと思います。
 
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
---ヘルスコーチングの可能性を探る:NGな「ティーチング」とは?
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「あるべきではなく、ありたいよね!!」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 タイプ別睡眠メソッド、海外 医薬品業界アプリ活用など、10本
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
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<テーマ>
ヘルスコーチングの可能性を探る:NGな「ティーチング」とは?
 
 
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1.「ティーチング」が必要なケース
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一般的に、「コーチング」では「ティーチング」をしない、してはいけないというイメージを持たれていることが多いようです。
 
しかし、一般的な「コーチング」でも「ティーチング」を取り入れる必要があるケースはあります。
 
例えば、あるプロジェクトで高いゴールを求められている人がいるとします。
しかし、その人は経験も浅く、知識もまだまだ少ない状況の場合、「教えないコーチング」だけの寄り添いが果たして有効でしょうか?
やはり、このようなケースでは、ゴールを達成するために知識や経験を活用した「ティーチング」的な要素は外せない部分になってきます。
 
このように、対象者のケースによっては「コーチング」の中にも正しい知識の提供という「ティーチング」的な要素をしっかりと含んだアプローチが必要です。
 
 
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2.ヘルスコーチングでの「ティーチング」
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では、ヘルスコーチングではどうかというと、ビジネスにおける「コーチング」と同様に、間違ったやり方や選択で目標を手にすることができないどころか、身体にとって悪影響を与えてしまう行動に結びつかないように、しっかりとした導きである「ティーチング」的な要素が必要になってきます。
 
しかし、ここでいう「ティーチング」的要素とは、「教える」「指導する」ということではなく、あくまでも対象者の正しい知識の習得やリテラシーの向上のためのニュートラルな情報提供であって、目標に向けて行動に取り組む際の“選択支援のための情報提供”という位置づけになります。
 
 
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3.現状のヘルスケアサービスにおける「ティーチング」
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ヘルスケアサービスの様々なプログラムや健康専門家のサポート内容を見ていると、健康効果を手に入れるための様々なやり方、メソッド、ノウハウが活用されています。
 
それらのやり方、メソッド、ノウハウはしっかりと取り組めれば確実に効果、成果を手に入れることはできるのですが、どれも「継続」して取り組むことが前提の話です。
 
しかし、効果が高そうなものや理想的なやり方、メソッド、ノウハウほど継続が難しかったり、ライフスタイルに取り入れるにはハードルが高いものが多いのも事実です。
 
にもかかわらず、サービス提供者側や健康専門家は最も難しい「継続」については当たり前の話として、アプローチの中心はやり方、メソッド、ノウハウを教える、指導するサービスが多い印象です。
 
そこには“こんな良いメソッド”“こんな効果が期待できるノウハウ”なんだからといった提供者目線、専門家目線によるメソッド、ノウハウの押し付けというスタンスが私には見えてしまいます。
 
どんなに良いやり方、メソッド、ノウハウであっても、継続できないものやライフスタイルに取り入れることが難しいものは、無理して一時的には効果や成果を得られたとしても、本当の意味での継続できる成果に導くことは難しいのです。
 
 
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4.対象者の主体性を考えない押し付けの「ティーチング」はNG
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「ティーチング」と「コーチング」の大きな違いは、誰が「主体」であるのか、そして「伝え方」だと考えています。
 
ヘルスケアサービスで行われている一般的な「ティーチング」の場合、主体は伝える側である提供者や専門家であって、自分達のメソッドやノウハウを教える、乱暴な言い方をすると対象者の意思や主体性を無視して押し付けるコニュニケーションです。
 
逆に「コーチング」の主体は対象者側であることが基本で、対象者の行動を支えるための情報提供や気づきを与える寄り添い型のコミュニケーションです。
 
そのため、対象者をしっかり理解し、その上で対象者に合わせた知識や情報をカスタマイズして伝え、知識レベルのアップや選択支援のための「ティーチング」的アプローチは、「コーチング」としてもOKなのです。
 
特にヘルスコーチングでは、目標に向けた行動の継続にフォーカスし、自走できるスタイルを見つけていくために継続的なコミュニケーションで寄り添います。
 
「ティーチング」と「コーチング」は相反するように認識されることがありますが、対象者の主体性を認識した上で「ティーチング」と「コーチング」を組み合わせることでより効果が期待できます。
 
特にメソッドやノウハウを継続していくことが不可欠なヘルスケアサービスでは、“選択支援のための情報提供”としての「ティーチング」要素を取り入れたヘルスコーチングのコミュニケーションが有効なのです。
 
また、ヘルスコーチングはコミュニケーション技法なので、対象者をゴールに導くための効果的なメソッドやノウハウとの組み合わせは、本来相性が良いはずなのです。
 
これまでにも専門家が持っているメソッドやコンテンツとヘルスコーチングを組み合わせたプログラムの提供や、メソッドと商品を連動させたパターンなど、ヘルスコーチングと組み合わせたプログラム提供を数多く実践してきております。
 
ご興味ある方、是非一度ご相談ください。
 
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「あるべきではなく、ありたいよね!!」
 
あるべき!という正統な姿の強制ではなく、こうありたいよね!という姿への共感に対して人は心を開き、動くのだと思います。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <10クリップ>
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[1]資生堂、肌内部のハリ強度可視化に成功
肌内部のハリ強度を可視化する技術を開発し、30代から始まる肌の老化兆候へのIII型コラーゲンの関与を明らかにした。今回の知見を同社のコラーゲン研究の新たな成果として、アンチエイジングなどのスキンケア製品開発に応用していく。(2018/04/12)
 
[2]フジッコ、「ベジファースト」を超える「大豆ファースト」の有用性を報告「蒸し大豆」で食後血糖値の上昇を抑制【PDF】
食事の最初に「蒸し大豆」を食べる「大豆ファースト」の食後血糖値上昇抑制効果を検証した実験の結果を発表。「大豆ファースト」は「べジファースト」より少量で同等以上の食後血糖値上昇抑制効果を得られる、など。(2017/04/17)
 
[3]ロート製薬×ABC Cooking Studio、女性の健康増進を目指し共同プロジェクトを発足!
将来妊娠を望むうえでも大切なカラダづくりのための正しい知識や食生活について情報発信を行うため、共同プロジェクトを発足。プロジェクトの取り組みとして、2018年5月23日に第1回目のセミナーを大阪にて開催。(2018/04/17)
 
[4]帝人、「Sleep Styles(R) 睡眠力向上プログラム」の提供を開始
健康経営を支援することを目的として、ウェアラブルデバイスや睡眠関連のウェブアプリなど、様々なツールを活用することで睡眠力の向上を図るプログラム。タイプ別の睡眠メソッドで「休み方改革」を支援。(2018/04/17)
 
[5]日経デジタルヘルスより、介護報酬改定で導入された「BI」向けアプリMoff
デジタルヘルスベンチャーのMoffは、2018年度介護報酬改定において導入された通所介護のアウトカム評価の指標「バーセルインデックス(BI:Barthel Index)」を、iPadから入力・記録できる専用アプリ「モフトレBI」の提供を開始。(2018/04/17)
 
[6]日本電熱、忙しい女性向けのアプリで操作するマカロン型EMS機器を新発売
同社初の女性向け製品を企画。女性が持っているだけで嬉しくなるデザインにし、アプリで操作をすることによって自宅だけでなく外でも使用できる“ながらトレーニング機器”。(2018/04/18)
 
[7]日本計画研究所、ヘルスケア産業に今後起こりうる環境変化をズバリ提言「政府のデータヘルス改革加速化に即した事業者のビジネスチャンスの掴み方」
開催日は、2018年5月8日(火)。本講義では、官民それぞれのデジタル化最新動向や今後起こりうる環境変化を解説。
 
[8]日経BP社、テクノロジーNEXT 2018「医療×IT 始動した“第4次医療革命”」デジタル医療 最前線 2018年、GoogleやAppleがFDAの世界へ
2018年6月14日(木)9:30-16:00(セミナー)、16:30-19:30(デジタルヘルスベンチャー祭り)。セミナーでは「医療×テクノロジー」の最前線を知ることで、今起きている変化を一望できるプログラムを用意。「デジタルヘルスベンチャー祭り2018 vol.2」同時開催。
 
[9]「薬より食べ物」の東南アジア 苦戦する医薬品業界、スマホアプリ活用へ
モバイルアプリで東南アジアの医薬品業界を変えようとしているのが、シンガポールに拠点を置くmClinica社。(2018/04/12)
 
[10]mHealthWatch注目ニュース:マインドフルネス瞑想アプリはニセ瞑想アプリと同じ効果だった
今回は、記事だけでは読め解けない部分も踏まえながらではありますが、メンタルへのアプローチについて書いてみたいと思います。キーワードは“気持ちの切り替え”。(2018/4/23)