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[健康サービス・デザイン編]2018年9月4日号
   ≫≫≫Author:大川 耕平
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皆さま 夏休みは楽しめましたか?
 
HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
わたしは鎌倉アルプスや陣馬山・高尾山トレイルランニングを楽しみました。
さて、今回は食事領域のトレンドを追っていきます。
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---「食事-techの行方」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「ノルマ」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 ストレスの見える化、海外 Google Coachなど、12本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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<テーマ>食事-techの行方
 
 
食事の品質をいかにアップして、楽しく維持し継続していけるかを考え実践していくアプローチのことを食事-techと呼びたいと思います。
この領域では、様々なテクノロジーを使ったイノベーションが次々に起こり始めています。今回は食事-techカテゴリーの整理と注目事例を紹介します。
 
※食領域のテクノロジー進化はB2B領域でも起こっていますが、今回は健康消費生活者にとっての食生活に限定しています。
 
 
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食事-techの3カテゴリー
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●食材・食品・飲料開発
→食べるものをユニークなコンセプトやテクノロジーで新たな価値化
 
栄養のバランスが最初から整っている食事メニューの提案として2つ紹介します。どちらも完全食というコンセプトでプロダクトをデザインしています。
 
・完全食スープ COMP
「必要な栄養素のすべてを、ひとつに。」
 
・完全食パスタ BASE PASTA
「かんたんで、おいしくて、からだにいい。」
 
このカテゴリーは食事-techの中でも、もっともボリュームが大きく可能性だらけの領域です。健康価値の訴求と楽しく継続できる使用価値も組み合わせたサービスデザインが決め手となります。
 
 
●デリバリー&ディスカバリー
→新しい流通や提供の仕方、ユニークな見つけ方やマッチングなど
 
・旬の食べ物をそのまま農家・漁師から。スマホひとつで取り寄せることのできるアプリサービス「ポケットマルシェ」
 
・オフィスに冷蔵庫をおき栄養バランスの整った惣菜を提供するプチ社食「オフィスおかん」
 
・自動車配車アプリでグローバルに拡大中のUBERが運営するフードデリバリーサービス「UBER eats」
 
この領域の特徴は、すでに存在している物事を今までと違った観点でマッチングすることによって新たな価値デザインをすることですが、生活者が気づいていなかった要求と情緒的な喜びとをバランスさせることが鍵となるとみています。
 
 
●食事デザイン管理
→食事の品質管理をスマート化
 
食事記録&メニューアプリで活躍している4つ
 
・管理栄養士監修レシピ7,750品の提案。糖尿病、高血圧、脂質異常症からダイエット志向者まで「おいしい健康」
 
・運動データ連動したカロリー管理支援「カロミル」
 
・AI管理栄養士のダイエット継続支援「カロリーママ」
 
・食べて痩せるダイエットアプリ「あすけん」
 
このカテゴリーは、健康づくりの基本中の基本である食事内容品質を整えていくためのサポートサービスですが、AIも使われ始めていますし、利用者の学びや気づきが起こるようなサービスデザインが決め手となります。
 
 
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シェアエコノミー的アプローチに注目
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食事-techの中にもシェアコンセプトの潮流は確実に押し寄せてきています。我々が注目しているサービスの一つに「Kitch Hike」があります。
 
ー食べることが好きな人をつなぐ「みん食」コミュニティサイトー
みんなでご飯を食べる場、食をきっかけにつながる機会、新しいコミュニケーションの形を提供しています。
https://kitchhike.com/ より引用
 
料理する人COOK(クック)
人が集まるごはん会 Pop-Up(ポップアップ)
食べるひとHIKER(ハイカー)
 
<使い方>
Pop-Upスケジュールから自分が参加したいと思うCOOKを見つけ予約します。料金が明記されており事前に問い合わせも可能。当日はCOOKやHIKERと楽しみながら仲良く食事し、レビューを書きコミュニティの進化に貢献、という流れです。
 
2013年5月よりスタートした「みん食」コミュニティサービスには、累積で1万5千人以上が参加しているとのことです。
 
このサービスの優れた魅力は関わるヒト全てが能動的存在として尊重され、リスペクトされるプロセスをデザインしている点です。
COOKもHIKERも場への貢献マインドがあります。
そして、食でつながるプラットフォーム化に成功していると言えます。
食を通してあらゆるつながりの可能性があるかに挑戦しているようにもみえます。
 
 
<様々なバリエーション展開>
 
▲みんなの食卓
食材宅配サービスのヨシケイの健康的な食事をみんなで一緒に食べるコミュニティ。すでに100回以上開催、リピーターも多数。
 
▲オーストリア政府観光局
オーストリア観光誘致のための食体験コミュニティイベント
 
▲コラボレーション企画
ポケットマルシェ機能(こだわりの食材直接調達)を使ってPop-Upを企画しませんか?というアプローチです。様々なユニーク食材での会が開催されています。
 
食を媒介にした新たな価値あるコミュニケーション(マッチング&クリエイション)の仕組みを創ったKitch Hikeのサービス・デザインの実績と今後から学べることはたくさんありそうです!
 
食事-tech領域はまだまだ可能性がいっぱいあると考えています。
お声掛けください!ブレストしましょう!
 
 
●問い合わせ
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「ノルマ」
 
ノルマを達成できない人の多くは、ノルマを目標にしている。
あなたはどうですか?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <12クリップ>
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[1]ジャックス、最長70歳まで働ける雇用制度を新設ー社員がいきいきと、長く元気に働ける環境の構築ー【PDF】
65歳で雇用満了を迎えるシニア社員・契約社員のうち、一定条件を満たした場合に最長70歳までの勤務を可能とする雇用制度「エルダー社員制度」(65歳超の雇用延長制度)を新設。(2018/08/22)
 
[2]Google、Google Fit が新しくなりました
Googleは、アメリカ心臓協会および世界保健機関と協力し、ユーザーが健康維持に最適な運動量を満たすことができるようにフィットネスを科学的に分析。新しいGoogle Fitは「通常の運動」と「ハートポイント(強めの運動)」を中心に構成。(2018/08/22)
 
[3]JA共済総合研究所、共済総研レポート No.158(2018.8):「健康分野」における最近の政府・関係省庁の取組みと生命保険会社の動向【PDF】
最近の政府・関係省庁による「健康・医療・介護のビッグデータ利活用」や国民健康保険制度改革等と、生命保険会社の「健康増進」への取組みとの関連性について整理。(2018/08/23)
 
[4]リコー、ストレスの見える化で健康にー画像技術で疲労大国に挑むー
世界で初めて医学的なデータに基づいてカメラで疲労度が分かる技術を確立。ポイントは非接触で疲労度を測れるということ。疲労の測定には汎用のカメラを使い顔を撮影、画像の色を解析すると脈拍の間隔を高精度で計測できることが分かった。(2018/08/24)
 
[5]博報堂、いまどきママの新常識調査:いまどきママは「監督」より「サポーター」
調査結果からは、ママが主となり全てを監督する子育てスタイルより、子どもの意思を尊重しながら、ママだけでなく、夫や周りの大人と一緒に子どもの成長を応援する「サポーター的子育て」を志向する実態がみえてきた。(2018/08/24)
 
[6]ランサーズ、フリーランス向け健康診断サービス・ヘルスケアの専門家相談サービスを開始
iCARE、KDDI、ハルメク・ベンチャーズなどのヘルスケア企業と連携し、フリーランスのヘルスケア・健康診断サポートを開始。第一弾として、ストレスチェックや医療系の相談窓口を設置する他、健康診断や人間ドックの予約・実施をサポート。(2018/08/27)
 
[7]花王、健康経営に取り組む花王のノウハウを紹介する「KaoみんなのGENKIプロジェクト」において「歩いてGENKIになる」の情報を公開
ポイントは、自分の“歩く”特徴を科学的に解析して数値化(=見える化)することによって、一人ひとりに応じたよりよい歩き方を支援・提案して“動けるからだづくり”をサポートすること。同社は、測ることから始める健康づくりの取組みとして“歩く”を科学的に解析する2つのシステムを開発している。(2018/08/27)
 
[8]日本健康会議、「健康なまち・職場づくり宣言2020」2018年の達成状況が公表されました!
活動3年目となる本年、多くの取り組みが推進されている。詳細はデータマッピングを参照。宣言1:予防・健康づくりについて一般住民を対象としたインセンティブを推進する自治体を800市町村以上とする、では目標達成率71%。(2018/08/27)
 
[9]新社会システム総合研究所、健康アライアンス勉強会 スポーツ・健康づくり推進会議2018ー医療と産業界が連携し、健康寿命延伸を実現するー
開催日は9月28日(金)。基調講演「健康長寿社会を実現するための、スポーツ・健康づくり」、テーマ別報告「人生100年。未病、そして健検」など。
 
[10]健康のためのウェアラブル向けAIアシスタント『Google Coach』開発か
「Google Coach」は単なるエクササイズのトラッキングだけでなく、AIとユーザーから得たデータを使って、お勧めトレーニングメニューの提供や、健康的な食事のアイデアなど、健康な生活を送るための方法を提案してくれる。(2018/08/22)
 
[11]Best Buy、高齢者向けデジタルヘルスを提供するGreatCallを8億ドルで買収
GreatCallは以前、非公開の金額で2017年に投資会社GTCRによって買収された。この度GTCRは、約100万人の有料会員を誇るGreatCallをBest Buyに売却した。(2018/08/24)
 
[12]mHealthWatch注目ニュース:デジタルヘルスが増加する中、ウェアラブルや遠隔医療は低迷
Rock Healthによるデジタルヘルスに関する利用状況の調査結果について。全体をみての印象としては「5年以上大きな変化はない」といったところ。何年も変化がないことからも、デジタルの活用で市場を変えるようなものは生まれていないと言えるでしょう。(2018//09/03)
 
 
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