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[健康サービス・デザイン編]2018年10月2日号
   ≫≫≫Author:大川 耕平
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皆さま
 
金木犀の甘い香りに秋を感じるこの頃ですが、何処かへ行楽のご予定はありますか?
 
HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
 
今回はモニタリングについて考えてみました。
ぜひ、ご意見ください!
 
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---「モニタリング・ベネフィット」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「unlearn」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 口臭ケアサポートアプリ、海外 スマートミラーなど、11本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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<テーマ>モニタリング・ベネフィット
 
 
我々は今、モノの機能価値主導型のグッズ・ドミナント・ロジックからシェアエコノミーに代表されるサービス・ドミナント・ロジックが言う使用価値にフォーカスする社会への移行期にいるのだと思います。
 
IoT時代が始まり、健康&ウェルネス事業領域にとってコネクテッドな環境がもたらす恩恵の中でもモニタリング(継続的なデータ記録)の価値発揮はこれからどんどん発展進化していきます。
今回はモニタリング・ベネフィットという視点で整理してみます。
 
 
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モニタリングとは
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モニタリングとは、対象の状態を観察(計測)して記録することです。そしてその観察はセンサーを通して行われます。あらゆるセンサーによるモニタリングが行われていますが、ここでは身近な生活行動を対象としたものとします。
 
・ウェアラブル(身につけるもの)
→アクティブトラッカー
→スマートグラス
→アクセサリ(リング・イヤフォンなど)
→スマートウォッチ
※ウェアラブルでセンシングできる主なもの
-加速度(移動距離・速度)
-皮膚温度
-心拍
-気圧
-歩数
-睡眠
-眼電位
-GPS
 
・健康家電機器&IoT家電設備
→体重体組成計
→血圧計
→体温計
→睡眠計
→温度湿度計(環境センサー)
→風呂
→トイレ
→寝室ベット
→空調
→冷蔵庫
→電子レンジ
 
・モバイル
→スマートフォン
→歩数計
-自動車
-自転車
 
これら全てでセンシングできるデータがIoT化によって自動記録または通信が可能になっていきます。
 
 
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IoT時代の進化ステップ
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2017年9月号にも紹介しましたがIoT進化ステップがあります。
それは3つのステップで進化していくとされています。
 
◆ステップ1 繋げる
-IoTがデータレコーディング(モニタリング)
 
◆ステップ2 スマート化
-モニタリング・データを使った価値創造提案
 
◆ステップ3 自律化
-顧客もパートナーも巻き込んだエコシステムの自律的価値増幅
 
現在の日本は、まさにステップ1であり、IoT化初期と言えます。
 
モニタリングの基本的な目的「変化の察知」です。
・悪化(-)
・維持(=)
・改善(+)
 
体重を例に出すと習慣的な体重計測値をモニタリングすることによって体重のコントロールが可能です。
何を食べればどうなるか?運動したらどうなるか?冬場はどうなるか?など自分流のコンディショニングの仕方を学習できるイメージです。
 
現在の多くのデバイスを使ったモニタリング活動は、このステップ1にいると思って間違いないと思われます。
 
さらに、モニタリングしたデータがビッグデータとして蓄積・解析され、AIなども登場して高度な分析で今まで経験していない価値提案がなされるようになったり、他のモニタリング・データとの組み合わせで新たな価値創造がなされるようになっていくのがステップ2になります。
 
このステップ2の実験は様々な分野で積極的に行われています。近い将来有意義な課題解決の方法が見つかるはずです。
 
そして、このモニタリング活動のユーザーやサービサーがより意義のある使い方を共有したり、他のモニタリングやモニタリング以外の生活行動と連動し、より継続性あるQOL実現に向けて協力しあう繋がりが自律的に発展していくのがステップ3です。
 
健康&ウェルネス生活でのモニタリング・ベネフィットは
「コンディショニング&ウェルビーイング」になると思います。
 
モニタリングは継続することで意義を持ちます。
自動計測環境が広がっていき意識せずともモニタリングできている状態が広がります。
生活者にモニタリング・ベネフィットを長期的に享受してもらえるようになるには、サービサーはコンディショニング&ウェルビーイング価値観を継続的に働きかけていくことが必要になります。
 
それを我々はオンボーディング(on boarding)技術と読んでいます。
サブスクリプションビジネスのLTV施策としての顧客育成(新人教育的)なのですが、モニタリングの価値を使い倒していただけるようなリテラシー育成とも言えます。
 
実は、モニタリングビジネスの成功の鍵は、このオンボーディング技術ノウハウの蓄積の差になると予測しています。
 
まだ始まったばかりのモニタリング・サービスビジネスですが、今後の伸び代は凄いはずです。その成長ドライバーとしてオンボーディングに注目してくださいね!
 
モニタリング・ベネフィットを考え始めたのが約20年前ある歩数計に出会ってからですが、今からが面白くなると思っています。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「unlearn」
 
unlearnとは学ぶの反対語になりますが、学ばないという意味ではなく、一度学んだことをリセットするという意味を持ちます。不確実性が高まるこれからの時代のビジネス&ライフスキルとして重要になります。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <11クリップ>
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[1]タニタ、セガとコラボレーション「メガドライブ体組成計」「ドリームキャスト体組成計」を新発売
本商品は30-40代のメガドライブ・ドリームキャストファンがターゲット。健康を気にしつつも、なかなか手をつけられずにいるこの世代に向け、ノスタルジーに浸りながら楽しく「はかる」といった健康習慣のきっかけづくりを提案。(2018/09/19)
 
[2]エアウィーヴ、眠りの質を極限まで追求したエアウィーヴ新商品を販売開始
「眠りの世界に品質を」をスローガンに、睡眠研究と商品開発を11年追求してきた結果、誕生した商品。お布団派に嬉しい「FUTONシリーズ」3種類と、マットレス派に嬉しい「ベッドマットレスシリーズ」5種類、計8種類。(2018/09/19)
 
[3]Hugmo、IoTを活用した見守りサービス「hugsafety」を提供開始
「hugsafety」は、スマートフォンやタブレットなどで園児の午睡(昼寝)中の呼吸や心拍の状態の異変をリアルタイムに検知するIoTを活用した見守りサービス。園児の午睡の安全対策強化と保育士の心理的負担を軽減することを目指す。(2018/09/19)
 
[4]FiNC、約55億円強の第三者割当増資 創業より累計100億円強の資金調達へ
ディープラーニング、機械学習をはじめ、運動、栄養、睡眠領域における行動変容のためのAI開発や、マーケティング、海外進出、ハードウェアの開発やM&Aを加速させるべく、新たに資金調達を実施。(2018/09/20)
 
[5]エムティーアイ、ライオンの口臭ケアサポートアプリの開発・実用化を支援
本アプリは、ユーザーがスマートフォンにて自分の舌を撮影するだけで、その時点の口臭リスクレベルを判定しケア方法をアドバイスするアプリ。口臭に対する不安を軽減しオーラルケアに関する意識の向上が期待できる。(2018/09/20)
 
[6]大和リース、作業員向け熱中症予防システムの実証実験を開始【PDF】
建設現場や工場の作業員が安全に働ける環境整備を目指し、ウェアラブルセンサや通信機器、クラウドシステムを活用した作業員向け熱中症予防システムの有用性を実証するため、約1ヶ月の期間で実験。(2018/09/20)
 
[7]first call、ジョブカンと連携して「ジョブカン医療相談 by first call」を
企業向けに提供
3万社が導入するバックオフィス支援システム「ジョブカン」と連携し、企業の健康経営をサポート。新たに「ジョブカン医療相談 by first call」が加わることで、導入企業の従業員は、自身や家族の健康上の疑問や悩みについてチャットやテレビ電話を通じて医師に相談できるようになる。(2018/09/25)
 
[8]ユーグレナ、生命データプラットフォーム「ユーグレナ・マイヘルス」より「塩分バランスチェック」を新発売
「塩分バランスチェック」は、1日あたりの推定食塩摂取量を測定する尿検査サービス。検査完了後は専用のWebページにて、算出された推定食塩摂取量の値や性別・年齢ごとの塩分摂取量の目標値が分かる、など。(2018/09/25)
 
[9]自宅がスタジオに!フィットネスクラスを受講できるスマートミラー『Mirror』
スマートミラー『Mirror』は、ディスプレーとなる鏡を通してヨガやボクシングなどのクラスがリアルタイムで受けられる。(2018/09/21)
 
[10]スマホで血圧測定!指先でiPhoneにタッチするだけのアプリを米大学が開発中
スマホを使った血圧測定を研究しているミシガン州立大学の研究チームが、iPhoneで簡単に測定できるアプリを開発。2019年の早い段階でのリリースを目指している。(2018/09/25)
 
[11]『mHealth Watch』注目ニュース:「血糖トレンド」把握の時代へ
今回注目するのは、血糖トレンドの把握に関するニュース。変動を常に確認でき、行動による変化もリアルタイムで確認できるセンサーや機器は、特に自覚症状が出にくい生活習慣病予備軍向けの「自分ごと」「教育」「理解」という面では、一般的な病気を理解するプロセスよりも効果があるように感じます。(2018/10/01)
 
 
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