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[ヘルスコーチングの視線編]2018年10月23日号
   ≫≫≫Author:里見 将史
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こんにちは、里見です。
 
前回の「ヘルスコーチングの視線編」では、対象者自らが変化に気づいて行動に結びつけていくアプローチの一つ「変化への気づき」のポイントとタイミングについて紹介しました。
 
今回は「変化への気づき」にも関連している「過去・現在・未来」を使ったコミュニケーションを紹介したいと思います。
「過去・現在・未来」のアプローチによって、対象者にどんな変化や気づきが生まれるのか、これまで私がサポートしてきた事例を交えて解説します。
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線
---ヘルスコーチングの可能性を探る:ヘルスコーチングでどう変わるのか?:「過去・現在・未来」のコミュニケーション
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「購入から登録へ」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 脳を計りながら鍛える、海外 尿検査プラットフォームなど、13本
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
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<テーマ>
ヘルスコーチングの可能性を探る:ヘルスコーチングでどう変わるのか?:「過去・現在・未来」のコミュニケーション
 
ヘルスコーチングでは、対象者自らが気づき、そしてその気づきによって次の行動が加速するようにサポートしていきます。
 
ヘルスコーチングでは様々な「気づき」にアプローチしますが、その中でも「変化への気づき」は重要な要素になります。
 
「変化への気づき」の具体的なアプローチについて、前回以下の2つのポイントを紹介しました。
 
・変化に気づく、見つけるには、具体的なアプローチが必要
・変化を見つける、気づくには、タイミングも重要
 
今回は「気づき」の具体的なアプローチの一つにもなる「過去・現在・未来」のコミュニケーションについて、事例を交えて深掘りしてみたいと思います。
 
 
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<事例> 過去と現在のコミュニケーション
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「過去・現在・未来」を使ったコミュニケーションとは、簡単に言うと過去のある時点に立ち戻って現在の自分を客観的に見つめてみたり、未来にタイムトリップして現在の自分を見てみたりといった、時を飛び越えて想像を働かせながらイメージを膨らませるものです。
 
では、この「過去・現在・未来」のそれぞれの時に立って眺めたり振り返ってイメージすることで、どんなことが対象者の中に起きるのでしょうか?
 
普段は現在地点に立っていま起きていることに目を向けているので、なかなか小さな変化や進化を見つけられません。
 
前回もご紹介した通り、対象者自ら小さな変化には気づき難いものです。
客観的に数値で表れるものであれば小さな変化は確認できますが、取り組みを通じた意識や体調などの主観的な小さな変化は見つけ難いもので、通常は見過ごしてしまいます。
 
しかし、目標やゴールに向かって行動を継続するプロセスでは、見過ごしてしまっている小さな主観的な変化が大切で、この変化によって目標やゴールに向かって前進していることや、自身の取り組みを肯定化することができ、さらなる行動の継続へのモチベーションにつながっていくのです。
 
目標やゴールに向かって前進していることを見つける具体的な方法として、過去(開始時)と現在を比較してイメージするアプローチがあります。
 
具体的には、開始時もしくは開始前の過去の地点の自身を思い出し、いまゴールに向かって継続して取り組んでいる現状の自分と比較して、意識面や生活習慣、行動、選択・判断基準、興味の分野、周囲との会話などなど、様々な視点から変化や進化を対象者自らが発見できるようにコミュニケーションしていきます。
 
「現在」に目を向けていると前進している感覚が持てないケースでも、過去と現在を様々な視点で比較してみると小さな変化を見つけることができ、その変化によってゴールに向かって歩みを進めている自分も発見できます。
 
このゴールに向かって前進している自分を自ら発見することが、自己効力を高めて行動の加速へとつながるのです。
 
これまで私がサポートした経験で感じたことは、変化を感じることでゴールに向かって前進している自分を発見できると、行動を継続している自分を再認識することが多く、行動、取り組みの継続への意識がさらに高まります。
 
このように過去に遡っていまの自分を見てみるアプローチは、変化を通してゴールに向かって前進していることへの気づきが多いので、ある程度取り組みを開始してから間もないタイミングで、まだ対象者が変化を感じられないタイミングや停滞しているタイミングで活用するのが効果的です。
 
 
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<事例> 現在と未来のコミュニケーション
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「未来」のイメージを使ったアプローチでは、対象者が設定した「ゴール」への意識をさらに高めたり、ゴールまでのプロセスを具体化するなど、現在とゴールとの「間(あいだ)」にフォーカスしていきます。
 
具体的な例として、対象者が設定して「ゴール」と現在の状況を比較し「ゴール」と現在の間の距離感を把握したり、「ゴール」と現時点との間に存在する「足りないもの」を具体的にイメージしてみたりといった感じです。
 
「ゴール」と現在の間の距離感を具体的にイメージしてみると、漠然としていた「ゴール」がより身近な存在になってきたりします。
 
また、その距離感を埋めるために必要なことを具体的にイメージし、行動や取り組みに活かしていくことで、行動や取り組みが「ゴール」と一直線に並ぶためゴールに向かっている感覚がさらに高まります。
 
この「未来」へのアプローチでは、ゴール地点から現在の自分を見つめてみることで、ゴールに向かっているという感覚が得られるので、現在の行動、取り組みの自信にもつながっていきます。
 
私がサポートしてきた中で、この「未来」を使ったアプローチで、ゴールに理想の人をイメージして、その理想の人と自分との違いを具体的に挙げながら、ゴールに向けて取り組みに優先順位を付けて反映していった人もいました。
 
このように、「過去・現在・未来」の「時」を使ったアプローチ、コミュニケーションを行うことは、対象者自身に見えていなかったものを自ら見つける「気づき」につながるのです。
 
 
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●「過去・現在・未来のコミュニケーション」のポイント
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上記で紹介した「過去と現在」そして「現在と未来」のコミュニケーションは、視点や見る方向の違いによって発見できること、気づきのポイントも異なってきます。
そして、その見えてくるものの違いによって、アプローチするタイミングもヘルスコーチングでは異なってきます。
 
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【過去←→現在】
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■視点の向け方
・現状を起点に過去を見つめる→変化、進化
・過去から現状を見つめる→出来ていることの発見
 
■気づきのポイント
・変化の気づき
・前進している感覚
 
■アプローチのポイント
・自己効力を高める
 
■タイミング
・取り組み間もない時期
・停滞期
・変化が感じられない、見えていないタイミング
 
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【現在←→未来】
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■視点の向け方
・現状からゴールを見つめる→ゴールの明確化
・ゴールから現状を見つめる→具体的な取り組み
 
■気づきのポイント
・ゴールとの距離感
・ゴールに向けた具体策
 
■アプローチのポイント
・ゴールへの意識を高める
 
■タイミング
・変化を実感できている時期
・自己効力が高まっているタイミング
 
 
自らの気づきによって実感できた「出来る」という感覚が自信につながり、自己効力を高めていきます。
 
そしてゴールに向けて自己効力を高めていくことが、ゴールに向かうプロセスでは重要なのです。
 
しかし、なかなか一人では様々な気づきを得ることは難しいものです。
 
だからこそ、ヘルスコーチングのコミュニケーションで、対象者自身では見えていない部分に働きかけて、自らの発見、気づきにアプローチすることが必要なのです。
 
 
今回ご紹介した「過去・現在・未来のコミュニケーション」は、「時」を行ったり来たりして想像を働かせながらイメージを膨らませるものなので、少々分かりづらい部分があるかもしれません。
 
もし、ご不明な点などあれば、お気軽にご質問ください。
お問い合わせはこちら
 
 
 
また「過去・現在・未来のコミュニケーション」は、前回お話した「変化への気づき」と組み合わせてアプローチすることが多いです。
ヘルスコーチングでは、たくさんの要素を組み合わせてアプローチしていきます。
 
そのヘルスコーチングの要素の一部を28個のキーワードにして毎日お送りする「『ヘルスコーチング』早わかりガイド」もご用意しております。
 
この「『ヘルスコーチング』早わかりガイド」は、「ヘルスコーチング」をみなさまに広く知っていただくため、ヘルスコーチングの特長的なキーワードだけを抽出し、簡単に解説したステップメールです。
 
もちろん、無料でご提供しておりますので、ご興味ある方は、以下より「『ヘルスコーチング』早わかりガイド」希望とご連絡ください。
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「購入から登録へ」
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <13クリップ>
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[1]東芝デジタルソリューションズ、先進自治体の品川区から介護サービスの質の可視化などのデータ分析業務を受託
品川区が地域包括ケアシステムの「地域マネジメント」で目指している「自立支援・重度化防止」の実現に向け、介護サービスに関連する多様なデータの多角的な分析により、サービスの質の可視化や地域別のサービス需給分析による介護サービス基盤の最適化などを実施する。(2018/10/10)
 
[2]プラス、介護従事者の事務作業負担を軽減する文具を開発
介護市場に向けて、新たな製品ブランド「たすけあ」を立ち上げ、第1弾となるファイル製品を2019年春に発売。「たすけあ」ブランドは、ほしかった機能を“たす”ことで介護する人も介護される人も“たすけ”たい。みんながお互いに“たすけあ”える社会を目指す。(2018/10/10)
 
[3]アシックス、低酸素環境下トレーニング施設の運営事業について
2019年9月に東京都江東区の豊洲にオープン予定の複合施設内に、大規模な都市型低酸素環境下トレーニング施設を開業予定。総面積は約5,000平方メートルで、2階および3階の2フロアに入居。(2018/10/11)
 
[4]ウーマンズラボより、女性が大きな病気への備えを考え始める年齢は3つの時期
女性が「がん」などの大きな病気への備えを考え始める年齢は平均で40.5歳であることが「auのほけん」を提供するKDDIの調査でわかった。若い時は大病に対する意識は低い。(2018/10/11)
 
[5]NeU、家庭で“脳を計りながら鍛える”新サービス「Active Brain CLUB」を開始
同社取締役、兼CTO川島隆太(東北大学加齢医学研究所長)監修のもと、超小型脳活動計測装置「XB-01」を活用しながら脳を可視化し、脳を鍛えるアプリケーション「ExBrain」を提供予定。(2018/10/15)
 
[6]ウェルビーとドコモ、ヘルスケア領域での業務提携に向けて基本合意
ウェルビーが提供する糖尿病/高血圧症管理PHRアプリ「Welbyマイカルテ」とひまわりの会とドコモが提供する「母子健康手帳アプリ」を連携。妊婦向け疾患管理デジタルサービスとしての価値を向上。(2018/10/15)
 
[7]ニッセイ基礎研究所、ストレスチェック制度は、どこまで浸透したか、今後どこまで浸透するのか
本稿では、企業におけるメンタルヘルス不調者数の状況とストレスチェック制度の実施状況を確認し、今後のストレスチェック制度活用について検討する。(2018/10/15)
 
[8]東京商工会議所、健康経営エキスパートアドバイザー研修をスタート
「健康経営」に取り組む中小企業に対して、課題抽出・改善提案・計画策定等の実践支援を担う専門人材を養成する研修を新設。受講申込み(2018年度)の期間は、10月15日(月)から11月30日(金)。(2018/10/15)
 
[9]ワコールHDとデサント、相互のブランド商品を直営店で販売開始
デサントストア目白で、ワコールのコンディショニングウェアブランド「CW-X」の一部商品の販売を始める。これを皮切りに、11月以降両社の直営店において相互のブランド商品の取り扱いを開始し「美しくありたい、健康でありたい」と願うお客さまへの利便性とサービスを高めていく。(2018/10/16)
 
[10]TSOインターナショナル、「SPORTEC WEST」を開催
西日本最大級のスポーツ・フィットネス・健康産業総合展示会。開催日は、2018年11月14日(水)から16日(金)。「ウエルネスライフ EXPO」「第1回スポーティーライフ EXPO」「第1回関西ウエルネスフードジャパン」同時開催。
 
[11]調査:Big HealthのCBTアプリが不眠症の症状を改善
注目すべき点は、『Sleepio』を使ったグループに選ばれた853人のうち80.3%が少なくとも1回のセッションにログオンし、48.4%がdCBTの全6セッションを完了したこと。(2018/10/10)
 
[12]元Scanaduのinui Health、FDAで承認された尿検査プラットフォームを発表
inui Health社は、スマートフォン対応の家庭用尿検査プラットフォームがFDA認可を受け、5つの共通テストを実施することを発表。(2018/10/16)
 
[13]『mHealth Watch』注目ニュース:Amazon、声の調子に応じて「咳止めドロップ」を勧める特許取得
米国ではスマートスピーカーが順調に浸透しています。今回は、Amazonから『Alexa』を活用した新しいアイデアに注目します。(2018/10/22)
 
 
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