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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2019年3月12日号
   ≫≫≫Author:渡辺 武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
昨年後半から、フィットネストラッカーからスマートウォッチへの移行が一気に進んでいます。
今回は、モバイルヘルスへの活用も本格化してきたスマートウォッチの現状をみていきます。
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---「スマートウォッチのモバイルヘルス活用(その2)」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「コミュニティの魅力(1)」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 歯周病発見AI、海外 スマートウォッチ動向など、10本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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<テーマ>
スマートウォッチのモバイルヘルス活用(その2)
 
 
昨年9月、10月にスマートウォッチを特集してから、わずか半年で新たに登場したサービスはフィットネストラッカーからスマートウォッチを使うことを前提としたものになってきました。
 
フィットネストラッカーにもスマートウォッチのようなメッセージやカレンダー連携などの機能を取り込んだモデルが出てきていますので、今回はそのようなモデルはスマートウォッチと位置づけ、歩数や睡眠などのバイタル情報だけをスマートフォンやサーバにアップロードできる従来のものをフィットネストラッカーとして見ていきます。
 
 
<参考>
2018.09.11号
スマートウォッチの現状と今後
 
2018.10.09号
スマートウォッチのモバイルヘルス活用
 
 
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スマートウォッチの市場シェア
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Strategy Analyticsがスマートウォッチの2018年第4四半期(10-12月)の出荷台数を発表しました。
 
・第4四半期世界出荷台数1,820万台(前年同期比56%増)
・2018年世界出荷台数4,500万台(前年比54%増)
 
・第4四半期1位企業Apple 920万台(シェア50.7%)
・第4四半期2位企業Samsung 240万台(シェア13.2%)
・第4四半期3位企業Fitbit 230万台(シェア12.7%)
・第4四半期4位企業Garmin 110万台(シェア 6.1%)
 
数字からもスマートウォッチが確実に伸びているのがわかります。
(実は出荷台数の1/3が日本です!)
そしてトップ4社で市場の8割を占めています。
 
過去のフィットネストラッカーの出荷状況もそうでしたが、市場を牽引するのは4社程度に絞られてきました。
例えば、2013年頃はFitbit、Jawbone、Nike、Garminが、2015年頃はFitbit、Apple、Xiaomi、Samsungあたりが上位を占めていました。
フィットネストラッカー時代は圧倒的にFitbitがトップでしたが、スマートウォッチの登場でAppleがシェアトップとなりました。
 
スマートウォッチでは苦戦してきたFitbitですが、昨年発表したスマートウォッチ「Versa」によってこの2年で初めて対前年比プラスとなりました。
最初のモデル「Ionic」はAppleに対抗して高めの価格設定でしたが、「Versa」ではデザインや機能が洗練され「Ionic」より100ドル安い200ドルと価格を抑えたことが売上増につながったようです。
 
 
<参考>
Strategy Analyticsプレスリリース(2019.02.27)
 
 
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モバイルヘルスとしてのスマートウォッチの活用“便利のその先”
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スマートウォッチの代表的な存在となった「Apple Watch」がSeries 4から心電図(ECG)機能を導入したことで、心疾患患者の管理、予防に役立てるようになりました。
また、オムロン ヘルスケアが発表したスマートウォッチ「HeartGuide」は血圧測定機能を搭載したことで、高血圧症患者の管理、予防に役立てることができます。
オムロン ヘルスケアは早くもPhysIQと提携し、遠隔モニタリングプラットフォーム「pinpointIQ」に「HeartGuide」を統合しました。近々医療機関から「HeartGuide」が提供されます。
(どちらも日本未対応)
 
その他にも、OneLife Technologies社の「OnePulse」、Verily社の「Study Watch」など、かなりの数のスマートウォッチを使った医療向け、シニア管理向けサービスの提供が始まっています。
 
ここで考えたいのは、“スマートウォッチであれば、患者や高齢者を適切にサポートできるのか?”についてです。
 
過去、フィーチャーフォンやスマートフォンが出たとき、もちろんフィットネストラッカーが出たときも同じようなサービスは多数登場しました。
しかし、データが一元管理できるだけでは、率先して活用するユーザー以外の多くの人にとって効果的なサービスとまではならなかったのではないでしょうか!?
多くのサービスが終了したことからも想定することができます。
 
ICTを活用した提供すべきサービスとして、ユーザーにとって便利になるのは当たり前で、ユーザーが自分ごと化し、率先して改善に取り組めるようになれる支援ができなければ本来の目的は達成されません。
 
「Apple Watch」でも「Wear OS by Google」を搭載したスマートウォッチでも、すでにコミュニケーションをサポートする機能は備わっています。それをどう活かしていけるかが、サービスの差別化になるでしょう。
 
これからスマートウォッチを活用したビジネスを検討するなら、“便利のその先”をぜひ突き詰めてください。
 
 
<参考記事>
Omron『RHeartGuide』、PhysIQのリモート監視プラットフォームの一部として初の市場導入へ
 
『mHealth Watch』注目ニュース:AT&T、OneLifeがLTE-M医療用スマートウォッチ『OnePulse』を発表
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「コミュニティの魅力(1)」
 
コトとモノをつなげる経験の場であり、そこに生まれる熱量が参加者に勇気を与える。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <10クリップ>
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[1]東北大学とNTTドコモ、歯周病発見AIの共同研究を開始
スマートフォンで歯ぐきを撮影するだけで歯周病を発見できるAIを開発する。撮影時の手振れや撮影環境の明るさの違いを考慮しながら、歯ぐきの色情報や歯周病独特の形状などを解析し、歯周病のリスクがあるかどうかを判定。(2019/02/21)
 
[2]ベネフィットワン・ヘルスケア、日立製作所と連携し、健康リスク予測サービス「マイリスク(TM)」の提供を開始【PDF】
本サービスでは、健康診断の結果や体重など日々の測定値から、疾病・入院・死亡リスクなどを予測し、数値やグラフで提示する、など。(2019/02/26)
 
[3]ヤマハ、「仮眠システム」のトライアルを成田国際空港で実施
今回検証する「仮眠システム」は、同社が培った音に関する技術を活用し、快適な入眠や目覚めをサポートするもの。(2019/02/27)
 
[4]JTBベネフィット、「ウェルネスチャレンジ30」の販売を開始
健康経営の取り組みに課題を持つ企業向け、30日間から始められるオンライン型健康経営スタートプログラム。(2019/02/27)
 
[5]ティップネス×蔦屋書店、からだにいいことはじめよう「春のはじめは腸!快適」【PDF】
“カラダへの提案”コラボイベントを、3/17-18に中目黒 蔦屋書店、3/29-30に二子玉川 蔦屋家電にて開催。いずれも腸に関するセミナーと、ティップネスオリジナルの座ったままでできる“腸エクササイズ”の2部構成。(2019/03/01)
 
[6]カゴメ、手のひらを乗せるだけで野菜摂取量の充足度が推定できる機器を開発【PDF】
皮膚のカロテノイドレベルなどを光学的に測定することで、野菜摂取量の充足度が推定できる測定器をドイツのBiozoom services社と共同開発。2019年夏以降、健康経営を推進している企業などに向けて健康増進支援ツールとして提案開始。(2019/03/01)
 
[7]ウェアラブルでも打倒アップル?『Galaxy Watch Active』『Galaxy Buds』が発表目前か
韓国サムスンからの製品投入が噂されるスマートウォッチ「Galaxy Watch Active」やワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds」について、詳細なリーク情報が海外から登場(2019/02/27)
 
[8]スマートウォッチは高齢者の間でユーザーが増加する?米国2019年の予測
米フォーチュン誌は、2019年高齢者の間にスマートウォッチ利用者が広がると予測している。スマートウォッチの所有者は若い世代が中心だが、健康管理機能に優れた最新のデバイスは今後シニア世代にこそ広まると見込まれている。(2019/03/01)
 
[9]VRHealth、AIトレーナー『Luna』を使った実証試験でほてりが50%減少
「Luna」は、ほてりを抑制するヴァーチャルリアリティ製品。研究では、ほてりの軽減に加え患者のストレスも軽減することが判明。さらに、この技術を利用した患者は睡眠の質も向上していることを研究者が発見。(2019/03/01)
 
[10]『mHealth Watch』注目ニュース:CookpadTV、立命館大学の食マネジメント学部と連携協定を締結
今回のニュースによるCookpadTVと立命館大学の連携協定の枠組みでは「ヘルスケア」「健康」という切り口での「食」という捉え方ではなく、「食コンテンツ」といったもっと大きな視点で「食」のスペシャリストを育成するプログラムとしている。(2019/03/12)
 
 
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