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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2019年5月14日号
   ≫≫≫Author:渡辺 武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
1月に掲載した「時代性を捉えたFitbitの動向」、多くの反響をいただきました。
皆さん注目のFitbit、その後の動向をスポルツ的視点で見ていきます。
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---「時代性を捉えたFitbitの動向 2」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「チャレンジの条件」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 個ジム、海外 唾液で血糖値測定など、8本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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<テーマ>時代性を捉えたFitbitの動向 2
 
1月掲載の「時代性を捉えたFitbitの動向」では、導入期、成長期、低迷・チャレンジ期の3つの時代に分けて、そのときにどのような取り組みをしてきたのかを見てきました。
 
低迷・チャレンジ期とした2016年から現在(2018年末)では、フィットネストラッカーからスマートウォッチへの移行、法人市場を拡大するも営業利益は赤字になったこと。その後、巻き返しをはかっていることなどを紹介しました。
今回は第1四半期の報告がありましたので、そこから現状の成果として、スマートウォッチと法人展開について見ていきましょう。
 
 
<参考>
「時代性を捉えたFitbitの動向」
 
 
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Fitbitの第1四半期
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売上高:2億7,190万ドル
粗利益:32.9%
 
市場予想の2億5,970万ドルを上回り、前年同期比10%増、特にスマートウォッチは前年同期比で117%増となり、売上の42%を占めています。
市場としては売上の50%を米国で占めています。
サービスを提供するFitbit Health Solutionsが、前年同期比で70%成長し、このまま推移していけば、年間売上高目標の1億ドルに達する見込みです。
 
 
<参考>
Fitbitの第1四半期決算発表
 
 
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スマートウォッチ展開
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当初、Fitbitはスマートウォッチの展開ではAppleなどに遅れをとっていましたが、スマートウォッチ第2弾で価格を抑えた「Fitbit Versa」が評価され、昨年販売数を伸ばしました。
今年に入り、「Fitbit Versa」よりさらに低価格化した「Fitbit Versa Lite」が販売され、これが大幅に売上を伸ばしたようです。
 
フィットネストラッカーも前年同期比で17%増加し、ウェアラブルは全体的に好調と言えますが、Fitbitも予測するように、毎年平均販売価格は低下しています。
低価格化により新規ユーザー獲得も重要ですが、今後リピーターが重要な収益源になるでしょう。
Fitbitは年数回、コンスタントに新製品(モデルチェンジ含む)を発表していますので、このタイミングで定期的な買い替えに結びつけていく必要があります。
そのためには、当たり前に継続利用してもらえるような機能、サービス体制が重要になります。
 
 
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法人展開
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1月掲載の記事では、法人契約数を1,600社以上と大きく伸ばしてきましたが、法人契約が営業利益減少の要因の1つであると想定しました。
 
そのように想定したのはデバイスの価格です。
新たに導入したスマートウォッチはもちろんですが、既存のフィットネストラッカーはコンシューマ製品のため価格が高めに設定されています。
法人向けではコストオーバーになってしまうため、ボリュームディスカウントが求められ、営業利益にも影響があったと思われます。
 
そこで新たに発売されたフィットネストラッカーが「Fitbit Inspire」、「Fitbit Inspire HR」です。
法人向けとして単価は公開されていませんが、サイトで製品を見る限り、低価格帯で提供できるよう、材質や機能に工夫が見られます。
まだリリースされたばかりですが好評なようです。
 
法人向けとしてもう1つのポイントは、サービスの強化です。
昨年リリースした法人向けサービス「Fitbit care」が評価され、サービス提供者であるFitbit Health Solutionsが伸ばしています。
 
コンシューマ市場では自らお金を払って購入する人なので、利用に対してモチベーションは高いですが、法人市場における会社からの支給となると、そこまでモチベーションが高くない利用者も多いため、利用促進策が重要になります。
 
現在の米国法人向けでは、利用促進のためにヘルスコーチングを組み込んだサービスがポピュラーになっています。
ヘルスコーチングは人的サポートも必要となるため、運用体制の整備も必要になります。
Fitbit Health Solutionsがその役割を担うことで、法人向けの提供体制が充実してきたようです。
 
 
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Fitbitの今後
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1月掲載の記事では2017年までの決済からの数値を紹介しました。
その後、2018年決算も発表されましたが、まだ売上・営業利益ともにプラスに転じてはいませんでした。
 
しかし、スマートウォッチでの取り組み、法人展開の工夫が実って、この第1四半期で復調の兆しが見えてきました。
 
今後としては、Fitbitならではのスマートウォッチユーザーの楽しみ方(文化作り)が鍵になると思います。
膨大な既存ユーザーのリピート獲得から、その楽しみ方を法人向け用にチューニングして活用することで、利用促進につなげることが求められると思われます。
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「チャレンジの条件」
 
共感できのめり込めるか?成長実感を得ることができるか?自律的な活動ができるか?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <8クリップ>
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[1]養命酒製造、働き盛り世代の「胃腸不調」と「疲れ」に関する調査 2019【PDF】
全国の30歳-49歳のビジネスパーソンを対象に調査。働き盛り世代の2人に1人が「常に疲れを感じる」と回答。何役もこなす女性は“頑張りすぎ”に注意!30代女性の約6割が慢性的な疲れに悩む、など。(2019/04/24)
 
[2]ジェネシスヘルスケア、日本最大の遺伝情報データベースにマーケットプレイス機能 学術研究機関、企業の研究、新規市場創出を支援
設立15周年の記念事業として、個人遺伝情報を共有するための新サービス「GenesisGaia」を開始。世界的に遺伝情報を個別化医療や予防医療に役立てる機運が高まる中で、ジェネシスガイアは日本で遺伝情報にシェアリングエコノミーの概念を導入する先駆的な事例となる。(2019/04/25)
 
[3]ファイザー、「ファイザープログラム 心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援」2019年度(第19回)新規助成の募集を開始
応募期間は、2019年6月3日-17日。このプログラムは「革新的な医薬品を提供する」という同社の本業だけでは解決できないような、ヘルスケアに関する社会的課題についての取組みを支援することによって、より良い社会づくりに少しでも貢献することを目的に、2000年に創設した。(2019/04/25)
 
[4]SPORTS TECH TOKYO(スポーツテック東京)ファイナリスト12社決定
SPORTS TECH TOKYOは、パーティシパント159社の中から、アクセラレーション・プログラムに正式参加いただくファイナリスト12社を決定した。(2019/04/26)
 
[5]東急スポーツオアシス、お一人様専用ブース「個ジム」を「東急スポーツオアシス上大岡」にて初導入
個ジムは、プロジェクター投影の出来るバーチャル空間にバイクやランニングマシンを設置し、レッスンを生配信するサービス「WEBGYM LIVE」や「バーチャルレッスン」などの映像を見ながら臨場感のある非日常空間でのトレーニングが楽しめる。(2019/05/07)
 
[6]SPORTEC実行委員会、「SPORTEC×HEALTH&FITNESS JAPAN」開催
開催日は2019年7月9日(火)から11日(木)。スポーツ設備・機器、フィットネス機器、スポーツ用品、健康器具、介護機器、サプリメント・健康食品、スポーツツーリズムなどが世界中から一堂に出展するスポーツ・健康産業日本最大の展示会。
 
[7]血液を採取する必要なし!1滴の唾液で糖尿病の進行具合を判定するバイオセンサー
ニューカッスル大学有機エレクトロニクスセンターのPaul Dastoor教授は、糖尿病患者のQOLを上げることを目的に、唾液で血糖値を測定するバイオセンサーを開発。(2019/04/25)
 
[8]『mHealth Watch』注目ニュース:RIZAP、『ダイエットIQに関する調査』を実施
今回の「ダイエットIQ全国統一テスト」では、一般の方のダイエットの常識が正しいものか否か、また正しいダイエット方法をどれくらい理解しているかを計ることを目的に公開されています。(2019/05/13)
 
 
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