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[海外事例にみる企画ヒント編]2019年6月18日号
   ≫≫≫Author:脇本 和洋
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こんにちは。脇本和洋です。
 
今回の[海外事例にみる企画ヒント編]は成功企業のひとつである「Medifast社」の直近の動きを紹介します。
 
Medifast社はダイエット食品の通販企業ですが、2004年頃にヘルスコーチングサービスを導入後、成長を続けています。特にこの1年で200億円の売上増加を達成しました。
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
---ダイエット通販の成功企業Medifast社の直近動向
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「VUCA 時代」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 夏バテ指数、海外 Apple Watch動向など、9本
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
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<テーマ>
ダイエット通販の成功企業Medifast社の直近動向
 
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1.Medifastの事業概要
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■企業名:Medifast, Inc.
 
■設立:1993年
 
■ミッション
体重が早く安全に減るだけでなく、体重維持を一生を通じて可能にする提案を食品とサービスを通じて行う
 
■ターゲット:ダイエットしたい忙しい女性
 
■事業内容
 
・代替食品:栄養バー、ブラウニー、シリアル、シェイク、パンケーキ、スープなど(1か月約300ドル)
 
・サービス:ヘルスコーチングサービス(ヘルスコーチが継続のためのモチベーション維持をサポートする)
 
 
■売上:501億円(2018年)
※2017年の売上は302億円。1年で約200億円の売上伸長
 
 
■売上経歴
 
・成長期(2005-2013年):40億円から324億円に伸びる
 
・停滞期(2013-2016年):324億円から275億円に落ち込む
 
・再成長期(2016-2018年):275億円から501億円に伸びる
 
 
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2.再成長期の取り組み:「ヘルスコーチの育成・質の強化」を行い、AIの導入も行う
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同社IRによると2017年から2018年にかけて売上が302億円から501億円に伸びた最大の理由は、「ヘルスコーチの育成・質の強化」です。具体的には以下の3つがあります。
 
1)コーチになりたいと思えるようにする
 
・ヘルスコーチになる意義を明確に伝えます。それは金銭的なメリットというより、コーチになるとリバウンドできないので行動を継続するモチベーションが高まったり、さらにはいろいろな人との出会いが広がり、心も豊かになっていくというものです。それを同社では、OptimalHealth(最高に充実した人生)と呼んでいます
 
・そのイメージをサクセスストーリーとして動画で用意してイメージを持たせたり、その流れでコーチになった後の手順やツールを公開して安心感を持たせます
 
 
2)コーチが顧客を獲得しやすくする
 
・顧客が短期間(30日間)で無理なく成果をだせるプログラム(OPTAVIA30)を用意します。OPTAVIA30では、ハードルの低い簡単な健康習慣(水を飲む、記録する、カフェインを控える、1日2分多く立つ)を週に1つずつできるようにします
 
・また、新しい顧客の見つけ方の手順(顧客を見つけるときのコツや順序、どういう人たちが顧客になりやすいのかなど)を教えます
 
 
3)コーチの質を高め均一化する(AIの活用)
 
・経験の浅いコーチでも短期間で顧客を成功へ導けるようにするツールを用意します
 
・OPTAVIA learn(学びツール)では、各レベルに必要なスキルが何かわかり、レベル別に合わせた教育コンテンツが豊富にあります
 
・OPTAVIA CONNECT(実践ツール)では、コーチが自分の顧客を管理し、顧客の現状を簡単に把握でき、顧客の月間パフォーマンスが確認できます
 
・また、指導に悩むヘルスコーチをAIがサポートします。具体的には、野菜をとることがうまくできない顧客に対する指導に悩んでいた場合、顧客の好みや体質にあう野菜レシピをAI(gathered table社のものを利用)がコーチに教えます
 
 
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3.これからのMedifast
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2017年から2018年に行ったヘルスコーチの育成・質の強化が成果をあげてきました。特にAIを活用したという点に注目しています。
 
現在のところAIは、レシピ提案の際に使われていると公開されていますが、実際のところ、他の場面でも使われていると推測しています。
 
例えば、蓄積したデータ(ダイエット成果、食事内容、運動内容、声掛け内容)から、次に指導する内容のヒントをAIがコーチに教えるというものです。
 
Medifastはヘルスコーチの育成ノウハウを大幅に強化し、再成長期に入っています。
引き続き同社には注目していきます。
 
 
【脇本和洋】
 
 
・参考バックナンバー>低迷期を乗り越えようとする3社に学ぶ【2018年】
Medifast含むダイエット大手3社の取り組みを紹介
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「VUCA 時代」
 
Volatility(変動性) Uncertainty(不確実性) Complexity(複雑性) Ambiguity(曖昧性)の頭文字の造語ですが、このVUCA が表している世界観で「絶対的な答えが存在していない」「誰もが未経験な世界の存在」「今までのノウハウが通用しない」という状態に置かれています。
あなたはどう生きますか?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]日本能率協会総合研究所、「家事スタイルに関する調査2019」結果の報告
20-70代の主婦(既婚女性)を対象に調査。キッチンはじめ住宅設備は最新化が進むが、家事の負担軽減や分担の実感は伴わず、時短欲求が強まる。(2019/06/05)
 
[2]ウェザーニュース、「夏バテ予報」をウェザーニュースLiVEにて公開
夏バテのリスクに備える新指数「夏バテ指数」を開発。花王のメントール(清涼成分)in炭酸浴ができる入浴剤「バブクール」「バブエクストラクール」の「TRY!ヒエポカバブキャンペーン」とタイアップした「夏バテ予報」をウェザーニュースLiVEにて配信。(2019/06/07)
 
[3]ニッセイ基礎研究所より、意識したい「座り過ぎ」の問題ー健康リスクを下げて、生産性を上げる
座るという行為は、半ば無意識的な行動であるため、飲酒や喫煙のように普段から危険性を感じている人は少ない。しかし、最近の研究では「座り過ぎ」に飲酒や喫煙と同じくらい健康を損なうリスクがあると報告されている。(2019/06/07)
 
[4]東京大学、アンチエイジングの最強ナッツ生産に協力
「ピーカンナッツ」はクルミより甘みが強く感じられ、米国ではアーモンドより人気があるといわれている。注目すべきはその抗酸化力。アンチエイジング効果はクルミ以上といわれ、日本でも女性を中心にファンが急増中。(2019/06/10)
 
[5]厚生労働省、「ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット2019」の開催と出展者の募集について
会期は、令和元年10月9日(水)から11日(金)。医薬品、医療機器、再生医療等製品の研究開発を行うベンチャーの振興を図るため、昨年度に引き続きパシフィコ横浜にて開催。(2019/06/10)
 
[6]ウーマンズラボより、自分の健康をサポートをしてくれる人は誰か?TOP7
日本薬剤師会が行った「健康サポートと薬剤師に関する意識調査」によると、既婚者は「配偶者(夫、妻)」が62.8%で最も高く、未婚者では「母親」が37.8%で最も高かかった。(2019/06/11)
 
[7]ウーマンズラボより、おすすめの簡単ダイエット 女性のニーズはどう変わった?
これまでにさまざまなダイエット法が話題を集めてきたが、近年は、人気ダイエットの傾向に変化が起きている。ダイエットをする女性のニーズはどう変わったのか。女性の意識変化とあわせ、女性の間で人気の簡単ダイエットの方法を紹介。(2019/06/11)
 
[8]Apple、『watchOS 6』を発表 - 健康管理とフィットネス機能をさらに強化
健康とフィットネスにフォーカスした機能としては、女性の月経周期に関する重要な情報を記録する「Cycle Tracking」アプリなどが追加された。(2019/06/11)
 
[9]『mHealth Watch』注目ニュース:花王、身体活動量計を用いて、生活リズムとメンタルヘルスの関係を解明
メンタルヘルス不調やストレスの軽減に運動が効果があることは、以前から言われていますが、健康ビジネスに携わる方でも知らない人は意外と多い印象です。今回の研究発表のようなことが定期的に行われると認知が広まるのではないかと期待したいところです。(2019/06/17)
 
 
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