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[健康サービス・デザイン編]2019年7月2日号
   ≫≫≫Author:大川 耕平
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こんにちは HealthBizWatch Authorの大川耕平です。
昨月になりますが、HBW創刊20周年を迎えることができました。多くの読者の皆様のおかげで今があると深く感謝しております。
 
今回は、スマート化について考えてみました。
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
---サービス・デザインとスマート化
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「オフラインが消える」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 ベジチェック、海外 女性向けスマートジュエリーなど、9本
 
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【1】特集:健康サービス・デザイン編
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<テーマ>
サービス・デザインとスマート化
 
昨今のテクノロジードリブン現象の中心にスマート化があります。
今回はサービス・デザインという視点でスマート化を捉えてみて、ヘルスケア分野への可能性や課題を考えていきます。
 
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スマート化とは
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スマート化の意味することはテクノロジーを使ったサービス・デザインによる情報処理を伴う顧客価値づくりであり、それまでの価値の入手プロセスを一気に変えてしまうことでもあります。
 
 
<スマート・デバイス>
 
・Amazon ダッシュボタン
→日用品が無くなったら一瞬で注文が可能です。店舗へわざわざ行く必要も、PCスマホで再オーダーする必要もありません。
 
・スマートフォン
→スマートアイテムの中心的存在です。電話とコンピュータ、カメラ機能の融合プロダクトでありアプリで様々なコミュニケーションやデータ管理が可能です。仕事もスマートフォンで完結することができます。あらゆるスマート化起点となります。
 
・スマートウォッチ
→スマートフォンと連動して、電子決済や心拍や運動強度計測などもでき、オーディオ機能対応など進化に期待が寄せられる分野です。
 
 
<スマート家電・ホーム>
 
・マイクロボット・プッシュ
→家中のスイッチをスマートフォンで操作可能なスイッチのスマート化のことです。
 
・スマートロック
→一般家庭用での利便性はもとより、民泊向けに圧倒的なサービス・デザイン向上に貢献しています。民泊施設にとってゲストへの鍵の受け渡しは手間が省けるだけでなく高いセキュリティーも実現しています。このスマートロックをスマートフォンから開け閉めするわけですが、最新のものは退出時にロックした時点で部屋利用料決済もできてしまうものもあるようです。
 
 
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ヘルスケアにおけるスマート化
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さて、スマート化による劇的変化は素晴らしいですし、新しい体験を生活者に提供することに対する支持によるビジネスボリュームも期待できますが、サービス・デザインという観点からみるとそこが目的ではないことに気づきます。やはり手段なのです。
 
ヘルスケア領域におけるスマート化プロダクトは、個人向けには実は結構広がっている印象を持っています。様々なウェアラブル&デバイスによって生活者の日常的な身体データ推移の記録が可能です。
体重、体脂肪率、心拍数、睡眠時間とその質、食事内容画像(分析と評価)等々これらのデータがスマートフォンで全て管理が可能です。
 
しかし、ここまでのスマート化なのです。データ収集・記録までのスマート化にしかなっていない状況こそが本来的なヘルスケア価値追求における課題ではないでしょうか?
ヘルスケア価値はデータ入手後の行動の結果にあります。ここが今回のポイントです。
 
データが取れ、それを分析し、現状課題を明確にでき、解決行動を継続し、途中経過を分析し、対策を修正調整しながら、目指すアウトカムに達するという一連の流れの中の初期工程のスマート化だけしか個人向けヘルスケア系デバイスではできていないのです。
 
この状況課題へのイノベーションにとても可能性を感じているのは私だけではないはずです。個人情報取り扱いの課題がある世界ですが、対象をある限られた規模に限定して事前パーミッションをきちんととった上でのサービス開発で対象者目標達成サポートは可能だと思います。
 
ヘルスケア領域におけるスマート化は、現状入手可能なデータの流通性を強化すればサービスソリューションは可能であり、今、そこに着手すべきだと思うのです。
 
このテーマに「ピン!」と来た方はぜひブレストしましょう!!
 
取れているデータをどうすれば価値化できるか?です!
 
 
●問い合わせ
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「オフラインが消える」
 
IoT時代では通信であらゆるものがつながっていることが常態化します。つまりデジタルが空気になるイメージです。その時、「オフライン」は消えています。
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <9クリップ>
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[1]経済産業省、「2nd Well Aging Society Summit Asia-Japan」を開催
開催日は2019年10月16日(水)-10月17日(木)。有識者等による基調講演やパネルディスカッション、国内外から審査を通過したベンチャー企業等によるピッチコンテストを行う、など。(2019/06/19)
 
[2]NTTドコモとソニーネットワークコミュニケーションズ、肌解析を通して健康づくりを支援するサービス「FACE LOG」を提供開始
「FACE LOG」は、専用の機器を使うことなく、スマートフォンのカメラで顔全体を撮影するだけで、「肌年齢」「しみ」「しわ」「くま」「毛穴」「肌の色み」の6項目の状態を知ることができるサービス。(2019/06/20)
 
[3]NTTデータ経営研究所、平成の研究成果から学ぶ、令和の健康経営推進方策ー行動経済学的な視点での「ネクスト・ポピュレーションアプローチ」の可能性ー
今回は、従業員に対する提供プログラムに着目して、効果的なプログラム提供のための工夫点や仕掛けにフォーカスし、健康経営の推進に寄与する行動経済学的な要素を含む新しい視点でのポピュレーションアプローチの可能性を示したい。(2019/06/20)
 
[4]JTBグループ、日本初“ヘルスツーリズム認証”取得プログラムを旅行商品としてシリーズ化「旅to健康(たびとけんこう)」新発売
本商品は、JTB総合研究所内にある業界初のヘルスツーリズム研究機関である「ヘルスツーリズム研究所」監修のもと、「ヘルスツーリズム認証」を取得したプログラムをベースに各地の健康資源を生かしたコース。(2019/06/21)
 
[5]富士フイルム、尿酸値を下げる機能性表示食品「アンセリン」新発売
一日の摂取目安量3粒あたりに機能性関与成分「アンセリン」を50mg配合。尿酸値が高め(尿酸値5.5-7.0mg/dL)の方の尿酸値を下げる機能がある。(2019/06/24)
 
[6]カゴメ、手のひらをセンサーに当てるだけで野菜摂取の充足度を表示「ベジチェック」のレンタル・リースを開始【PDF】
本機器は、皮膚のカロテノイド量を測定することで、野菜摂取の充足度を120段階(0.1-12.0)で表示するとともに、野菜摂取量の推定値(g)を表示。LEDを搭載したセンサーに手のひらを当て、数十秒で測定が完了する。(2019/06/25)
 
[7]博報堂、博報堂生活総合研究所、「消費1万人調査」調査結果を発表
全国の15-69歳の男女1万人に、買い物・消費に関する価値観や行動について聴取。第一弾は、「平成の消費観・消費行動に影響を与えたもの」。(2019/06/25)
 
[8]消費カロリーから月経周期まで算出できるヘルストラッキングジュエリー『Leaf Urban』
Leaf Urbanは、既存のスマートウォッチに備わっている機能もカバーするが、何よりも女性特有の悩みに接した設計で、各国のテクノロジーメディアから注目されている。(2019/06/20)
 
[9]『mHealth Watch』注目ニュース:睡眠パターンを学習し、悪夢を阻害するスマートウォッチ向けアプリ『NightWare』
NightWareは、闇雲に睡眠を計測するのではなく、とても目的が明確で、PTSD患者の悪夢を解決するための計測を行う。データを10日間計測することで悪夢を見る状況を検出し、装着者を起こさないようにしながら悪夢だけ中断できるような振動を与えてくれる。(2019/07/01)
 
 
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