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2019.11.19号 [海外事例にみる企画ヒント編]潮目が変わってきたMCIビジネス

健康ビジネス問題解決サポートメディアHealthBizWatch
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[海外事例にみる企画ヒント編]2019年11月19日号
   ≫≫≫Author:脇本 和洋
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こんにちは。脇本和洋です。
 
今回の[海外事例にみる企画ヒント編]は、MCI(軽度認知障害)というビジネステーマをとりあげます。
 
・一歩先の健康テーマで、売上を高めるネタはないか
・次の事業の柱をたてるため、中長期的なテーマで研究・開発を進めておきたい
 
そんな読者の方は是非お読みください!
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
---「潮目が変わってきたMCIビジネス」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「投資」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 口腔内検査システム、海外 Mirrorなど、10本
 
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【1】特集:海外事例にみる企画ヒント編
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<テーマ>潮目が変わってきたMCIビジネス
 
今号では、
 
・認知症予防に大きく舵を切った政府動向
・MCI向けビジネスの現況と課題、海外のヒント事例
 
を紹介します。
 
 
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政府が認知症大綱で、「予防」「MCI」を組み込む
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MCIは「軽度認知障害」のことで、日本に約553万人いると予想されています。
 
認知症の前段階(まだ認知症ではない)とされ、診断された時点で、本人(家族)には相当な解決欲求が生まれます。
 
この時期に適切な対策をとれば、認知症に進行しない可能性があります。
特に、運動、脳トレなどの生活習慣の改善が有効とされています。
 
認知症による医療費増大に危機感を示す政府は、6月18日に認知症大綱を発表、冒頭で「MCI」について触れるとともに、「予防」という概念を大きく取り入れました。
予防は、認知症にならないという意味でなく、「認知症になるのを遅らせる」という意味合いに定義しました。
 
そして、予防のロードマップの中に、新しく「MCIの時期」を組み入れました。
 
今後は、
 
・予防に役立つエビデンスの整理と活用の手引きづくり
・予防を支援する商品・サービスの認証づくり
 
という2つの活動を、2020年から2025年にわたって実施する決定をしました。
 
米国では国の認知症施策の第一に予防が位置づけられていますが、日本も遅れながら予防の重要性を感じ、取り入れた形になりました。
 
※参考>認知症大綱
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000076236_00002.html
 
 
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MCI向けビジネスを手掛ける企業が、増えつつある
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現在、日本ではMCIの人向けのビジネスはまだ開花していません。
 
「なぜ開花しないのでしょうか?」
 
・MCIという言葉が定着していないこと
・予防に関するエビデンスが整理できていないこと
・血液検査など簡易にMCIをチェックするサービス費用が高く、気軽に実施できないこと
 
などが主な理由です。
 
ただ、開花していない市場にもかかわらず、この1年でチェック系企業、食品会社、保険会社、トレーニング企業、脳トレ提案企業など、MCIの人の認知機能によい影響があるというデータも独自で実証し、商品やサービスをリリースする会社が増えてきました。
 
「では、どうしてこのような企業が増えているのでしょうか?」
 
これらの会社は、先行投資をかけているのです。
政府が本腰を入れ(MCIという言葉の普及、エビデンスを整理)、血液検査などのチェックが低価格化し、開花しない理由がなくなった時、大きな市場が生まれる。
 
その時になって開発していては遅い。
将来を考え、布石を打つ企業が今は中心で動いています。
 
ただ、それらの企業を見ていると物足りなさ(課題)を感じずにはいられません。
 
 
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3つの課題とヒントとなる海外事例
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●課題1:継続支援が不十分
 
MCIの人向けで効果を出すには、今のところ、運動+食事+脳トレに、社会性(人)を組み合わせることが有効とされています。
 
ですから、脳機能をあげる機能性表示食品だけ売ったり、自宅でできる脳トレだけを提供してもうまくいくものではありません。社会性(人)を感じる取り組みを絡ませ、それが継続することで、はじめて効果を示します。
 
・海外ヒント事例>Brain U
社会性を重視した脳トレオンラインプログラム。友人や家族など特定の人と共に学ぶ「グループ方式」で継続を支援する。
 
 
●課題2:MCI段階での家族支援の視点が少ない
 
MCIというのは、患者個人だけの問題ではないです。家族としてMCIの状態をどう捉えるか?家族の接し方はどうしたらよいか?見通しはどうか?など、不安を抱える家族視点での支援が必要になります。
 
・海外ヒント事例>Ceresti Health
認知症患者を介護する家族のためのケア・コーチング&サポートプログラムを提供。週の最初の3日間は動画でその週のテーマについて学び、4日目、5日目で振り返りや復習を行います。
 
 
●課題3:認知症に移行した場合の支援が不十分
 
MCIの間に適切な対策をしても、ある一定割合は認知症に移行します。仮に移行した場合、どんなアプローチを本人や家族にするか?つなぎをよくする必要があります。
 
・海外ヒント事例>Life in the moment
認知症の初期、中期、後期それぞれのステージに合わせて家族が必要な情報と、介護支援用のツールキットなどを提供しています。
 
 
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今後のMCI市場を正しく見極めるために
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市場開花を待ちながらも、先行投資する企業が増えているMCI市場。
 
政府が「予防」を認知症施策の柱の一つに据え、MCIを明確に記載したことで、MCI市場には、追い風が吹いています。潮目が変わったと言ってよいでしょう。
 
市場が開花する条件がすべて出そろってからでは遅いと考え、先行投資を行う企業がいる一方、中長期テーマだからまず状況を正しく見極めたいと考える場合もあるでしょう。
 
確かに、現時点では
 
・市場が開花するための環境がどの程度整ってきているのか?
・先行するプレイヤーの動向はどうなっているか?
 
を正しく理解することがまずは大切です。
 
スポルツは、2018年にシード・プラニング社と共同でMCI市場の現状把握を目的に、レポートを発刊しています。
 
※MCI(軽度認知障害)関連サービスの市場予測
https://www.seedplanning.co.jp/press/2018/2018051501.html
 
そして、急速に市場環境に変化がおきているため、2020年春、第2弾を発刊することが決まりました。第2弾では特にキーマンへのヒアリングを行う予定です。
 
でも、「それまで待てない!早く現況を知りたい」という方には、社内セミナーを行っていますので、お問い合わせください。
 
・お問い合わせ
https://hbw.heteml.jp/healthbizwatch.com/inq/inq.html
 
 
【参考バックナンバー】
・認知症予備軍(MCI)向けサービス<2018.02.20号>
http://www.healthbizwatch.com/mailmagazine/news/505.html
 
・米国で注目されているMCI(軽度認知障害)向けサービス<2017.01.24号>
http://www.healthbizwatch.com/mailmagazine/news/073.html
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「投資」
 
投資とは未来を切り開くために行うこと。お金はその投資からのリターンの一つでしかない。信頼やノウハウというリターンを求めた自己投資をしているか否か!?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <10クリップ>
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[1]国立がん研究センター、がん患者さんの食事の悩みを解消するレシピ検索サイト「CHEER(チアー)!」が本格始動
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2019/1106/
登録レシピは、がん治療に伴う症状別料理教室「柏の葉料理教室」で紹介した1,000品以上のレシピの中から人気のあった100の料理。「症状別」「材料別」「料理区分別」「フリーワード」で検索が可能。(2019/11/06)
 
[2]Welby、スズケンとの資本業務提携に関するお知らせ【PDF】
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03741/503d736e/7fa4/49b2/a098/ce98d1a51fda/140120191029414607.pdf
https://welby.jp/
製薬企業や医療機関、保険薬局、患者さんへの新たな価値を創造するために、両社の相互の信頼関係を基盤とし、革新的なサービスや情報ビジネスの推進を目的に資本参加を含む業務提携を行うことについて合意した。(2019/11/06)
 
[3]フィリップス、睡眠領域の新たなソリューションを日本市場で開始
https://www.philips.co.jp/a-w/about/news/archive/standard/about/news/press/2019/20191107-pr-philips-smartsleep-headband-src.html
第一弾として、深い睡眠の質を高めることを目的に開発した睡眠用ウェアラブルヘッドバンド「SmartSleep ディープスリープ ヘッドバンド」を発売予定。(2019/11/07)
 
[4]クロスヘルス EXPO 2019:デジタル技術で「治療」目指す研究会が発足、メンバーが未来の医療を議論(日経デジタルヘルスより)
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/event/18/00083/00014/?ST=ch_digitalhealth
治療用アプリなどデジタル治療を推進する7社が「日本デジタルセラピューティクス推進研究会」を立ち上げた。研究会に参画するのはアイリス、アステラス製薬、サスメド、塩野義製薬、田辺三菱製薬、帝人ファーマ、デジタルガレージ。(2019/11/07)
 
[5]弘前大学とライオン、唾液検査等を活用した新たな歯科健診プログラム「口腔内検査システム」の実証実験結果について【PDF】
https://lion-corp.s3.amazonaws.com/uploads/tmg_block_page_image/file/6633/20191108.pdf
https://www.lion.co.jp/ja/
「口腔内検査システム」とは、多項目唾液検査システム、質問紙調査、口腔内カメラを活用した新たな歯科健診プログラム。実証実験では、本健診の受診者の行動が変化し、その結果として口腔状態が改善されることを確認した。(2019/11/08)
 
[6]東北大学、国内の失業率1%上昇するごとに、77万人超の腰痛有訴者が増える可能性
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2019/11/press20191111-02-yotu.html
失業率は個人の腰痛有訴との有意な関連が認められ、特に女性において、男性と比べて失業率上昇による腰痛有訴への影響は1.02倍増大することがわかった。(2019/11/11)
 
[7]キーウェアソリューションズ、「健康からだコンパス LifeRoute」が業界初、iPhone単体によるNFC対応健康機器のデータ読み込みに対応
https://www.keyware.co.jp/news/191112.html
「健康からだコンパス LifeRoute」は、体重などの健康情報や歩数などの運動記録に加えて、食事や日常生活の記録をメモや写真で登録・管理することで、日々の健康管理に役立てることができるスマートフォン連動型健康管理サポートサービス。(2019/11/12)
 
[8]2020年のライフサイエンス・ヘルスケア業界 予測レポート(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/trend-191112-4
デロイトトーマツコンサルティングによるレポート。同レポートでは2020年の予測として「2020年の患者像」「2020年の医療システム」「2020年のウエアラブル・遠隔医療アプリ」など10キーワードを挙げている。(2019/11/12)
 
[9]家庭用フィットネスプラットフォームMirror、3,400万ドルを追加調達
http://mhealthwatch.jp/global/news20191107-2
Mirror社のプラットフォームの中核は大判のLCDパネルで、これを通してワークアウトビデオや音楽をストリーミング配信し、一方、ストリーミングに使用していない時には全身鏡としても使用することができる。(2019/11/07)
 
[10]『mHealth Watch』注目ニュース:デンタルフロスの習慣を手助けする『Strand』
http://mhealthwatch.jp/global/news20191118
今回注目するのは、電動歯ブラシの発売から事業を開始したデンタルスタートアップのQuipが、詰め替え可能なキャニスター(容器)つきのデンタルフロスを発売したというニュース。(2019/11/18)
 
 
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