こんにちは、里見です。

ヘルスケアサービスでは、「データ」がサービスの出発点、中心に据えられていることがあります。そのため「データ」を記録する部分についてICTを利用して自動化したりといった、継続しやすい工夫や負荷を減らす仕組みが提供されてきています。

そこで今回と次回の2回に分けて、このデータを記録する意味について、ヘルスコーチング的な視点で考えてみたいと思います。

特集:ヘルスコーチングの視線編

ヘルスコーチングの可能性を探る:ヘルスコーチングとしての「記録」する意味

「データの記録」について、ヘルスコーチングの視点で考えると、以下の4つのポイントが挙げられます。

  1. 記録の継続はハードルが高い
  2. 記録する=振り返りのタイミング
  3. 記録する=小さな変化
  4. 記録の自分ごと化

上記の4つのポイントの中から、まず今回は「1.記録の継続はハードルが高い」「2.記録する=振り返りのタイミング」について、お話したいと思います。

1.記録の継続はハードルが高い

ヘルスケアサービスでは、サービス自体の「継続」の難しさはもちろんですが、利用者自身が目的に向かって取り組む行動そのものの継続も、とてもハードルが高いです。

それに輪をかけてハードルを高くしているのが、「記録」の存在です。

健康分野では、健康行動自体が重要です。
「記録」とは、その健康行動やその行動の詳細な内容やデータがどうだったかを記録することになります。 

しかし、ヘルスケアサービスの多くは「データ」がサービスの出発点、中心になっているため、「記録」しないとサービス自体が成立しないようになっていたりします。

その結果、「記録」そのものが目的化してしまって、本来の記録することの意味がしっかりと伝わっていないことが多いです。
「記録」自体の継続を難しくさせている一つの要因は、「記録」することの意味がしっかりと伝えられていないことだと、ヘルスケアサービスを見ていて強く感じます。

2.記録する=振り返りのタイミング

健康的な行動を継続するという視点では、この「記録」するというアクションは、非常に効果が高いと言われています。

そのため健康行動の継続に効果的な「記録」するというアクションは、健康行動を継続することに密接に関係しているため、目標、目的の達成=行動の継続=記録とも言えなくはないのです。

例えば、レコーディングダイエットと言われているサービスがあります。

このレコーディングダイエットでは、食事の内容の記録であったり、体重の数値の記録であったり、歩数の記録であったり、運動の記録であったり、生活習慣・行動の記録であったり様々な記録を行います。

このレコーディングダイエットですが、記録をすること自体にはダイエット効果がないことは誰もが知っています。 

「記録」=「ダイエット」という方式は成立しません。

では、なぜレコーディングダイエットが成立するのでしょうか?

それは、記録することがメインではなく、やはりそこにはダイエットに向けて「行動」が存在していて、その行動を記録する時に、行動自体を振り返ってみたり、自ら行動に関しての対策や工夫を考えてみたりと「記録」する行為を通して、自ら振り返り、PDCAのサイクルを回しているのです。

あくまでも「行動」が中心で、「記録」はその「行動」を目標、目的の達成に向けて継続する、効果を高めるための「振り返り」のための位置づけになっています。

「データ」がサービスの出発点、中心に据えられてヘルスケアサービスで、しっかりと「記録」を振り返りの機会にするような提案や活用方法を示しているところは少なく、ほとんどは「記録」することのみを伝えるだけであって、「記録」の意味や活用方法は利用者に委ねてしまっています。

この部分をもう少し丁寧にサポートして「記録」することの意味付けを伝えるだけでも、「記録」の継続率は高まりますし、サービス自体の継続率も高まります。

「データの記録」に関するヘルスコーチングの視点の4つのポイントの中から、2つについてお話しました。

残りの以下の2つのポイントに関しては、次回また詳しくご説明したいと思います。

3.記録する=小さな変化
4.記録の自分ごと化

次回の[ヘルスコーチングの視線編]、楽しみにお待ちください!

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今週の注目デジクリップ!

[1]サノフィとナビタイムジャパン、「RDD Support Run & Walk Project 2020」実施【PDF】
https://www.sanofi.co.jp/-/media/Project/One-Sanofi-Web/Websites/Asia-Pacific/Sanofi-JP/Home/press-releases/PDF/2020/2020115-01.pdf?la=jahttps://www.sanofi.co.jp/
より多くの方にRDD(世界希少・難治性疾患の日)について知っていただくため、日本全国すべての方を参加対象者としたチャリティラン&ウォークプロジェクト。ウォーキングアプリ「ALKOO by NAVITIME」を使用して、全国各地から誰でも参加できる。(2020/01/15)

[2]RIZAP、RIZAP WOMANがボディメイクサロンをOPEN!
https://www.rizapgroup.com/news/information/20200115-2/
女性専用ボディメイクサロン「RIZAP WOMAN池袋西口店」をオープン。女性の艶やかな美ボディにコミットするというコンセプトのもと、今回オープンする池袋西口店においては、セルフエステマシンを新たに導入し更なる女性の美を追求。(2020/01/15)

[3]MTG、スリープテック市場に向けた新たなブランド「NEWPEACE」をスタート
https://www.mtg.gr.jp/news/detail/2020/01/article_1822.html
第一弾の製品として「NEWPEACE AI Motion Mattress」を一般発売。東京・銀座に『NEWPEACE』予約制の体験スペースが2月にオープン。まるで雲海の中で寝ているような極上の睡眠体験ができる。(2020/01/16)

[4]朝風呂ニーズ上昇中 需要つかむスーパー銭湯(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/c-case-200117-4
健康ブームや働き方改革も相まって人々の関心は夜時間よりも朝時間の充実へ移り、朝時間を楽しむのにうってつけの朝風呂は人気が右肩上がりのようだ。この需要をつかみ、朝風呂を提供するスーパー銭湯も続々登場。(2020/01/17)

[5]パナソニック、国立循環器病研究センターと軽度認知障害(MCI)の早期発見に関する共同研究を開始
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/01/jn200121-1/jn200121-1.html
サービス付き高齢者向け住宅において、居室のテレビやトイレなどにセンサーを搭載し、いつ使用しているかや、どのようにリモコンを操作しているかなどを把握。日常生活習慣の特徴と認知機能の変化の相関性について分析する。(2020/01/21)

[6]アシックス、走行効率を高めたランニングシューズのシリーズから軽量タイプの「EVORIDE」を発売
https://corp.asics.com/jp/press/article/2020-01-22
ランナーの走行時のエネルギー消費を抑えながら、足を前に運ぶ“走行効率”を高める機能構造を有したランニングシューズのシリーズ。今回発売する商品は、靴底前部にカーブを設けた「ガイドソール」を採用することで、少ないエネルギーで足を前に運べるようにしたのが特徴。(2020/01/22)

[7]CES2020:血圧測定と同時に心電図も記録できるオムロンの心電計付き血圧計『Complete』
http://mhealthwatch.jp/global/news20200115-2
『Complete』は、医療機器認証取得の心電計付き血圧計。日常生活の中で血圧測定時に心電図を記録することによって、心房細動などの心疾患の早期発見に役立つという新たな価値を生み出した革新的なデバイス。(2020/01/15)

[8]『mHealth Watch』注目ニュース:Fitbit、既存のスマートウォッチに血中酸素濃度計測機能を追加
http://mhealthwatch.jp/global/news20200127
今まで、アプリなどのサービス面が追加されることはありましたが、モデルチェンジ以外で、既存端末に機能が追加されたことはありませんでした。長年、このような端末を使ってきたユーザーには、かなりセンセーショナルな出来事になるのではないでしょうか!?(2020/01/27)