HealthBizWatch Authorの大川耕平です。

暖冬と言っていいのでしょうか?
毎年、早朝に見る霜柱にまだ会えていない気がします。
さて、今回はいよいよ普及拡大している電子マネーについて考えます。

特集:健康サービス・デザイン編

デジタル消費行動のスピードアップの罠とチャンス

デジタルがサービスプロセスのデザインそのものを変えていく力になっていくという考え方に反対の方はほぼいないのではないでしょうか。
特に消費行動の進化スピードは興味深いものばかりです。

そもそも消費行動とは

消費行動とは商品やサービスの購買行動と使用行動を含めた全体を言います。
生活者は自分の生活行動の中で発生するいろいろな課題を解決するために消費行動を行なっているという考え方です。
極端な言い方をすると消費行動=問題解決行動という言い方もできます。
構造的には生活行動全体の枠組みの中に消費行動があり、その中に購買行動があるという入れ子の構造をイメージしていただくと分かりやすいと思います。

いま起こっていること

消費行動プロセスで起こっている最初のイノベーションはネット検索や電子決済でした。
課題解決方法の模索から購買までネットで電子的に行えることは今や当たり前になっています。

そして、最近さらに進んで広がりを見せているのが電子マネー決済です。
日本は諸外国(特に中国やインド)との比較で遅れていると言われていた文化ですが政府のキャッシュバックキャンペーンなどの後押しもあって勢いを感じているのは私だけではないと思われます。

その電子決済機能を活用したモバイルオーダー(ペイ)という新しいサービスが登場し始めており、今後さらに進化していきそうなカテゴリーとして我々は注目しています。
スターバックスやマクドナルドが開始した事前に商品を選んでオーダーでき、店頭ですぐ受け取れるというサービスなどがその代表格です。

・スターバックスのモバイルペイ
https://www.starbucks.co.jp/mobileorder/guide/

・マクドナルドのモバイルペイ
http://www.mcdonalds.co.jp/shop/mobileorder/

生活仕事行動圏の中での移動前や途中であらゆる先行決済が電子的にできるようになっていくのだと思われます。

きっと早い段階で夏祭りの屋台も例えばPay Payなんか当たり前になりそうです。

そして、罠とチャンス、、電子決算差時間?

このように購買プロセスがデジタルによって簡略化・スピード化される便利さ省力化に直結し、それ自体に価値があります。
しかし、便利は時間経過とともに当たり前になっていくでしょうし、容易にリピートできることから対象となる消費行動がタスク化され、より多く消費するということにつながる可能性もあります。
ここがサービス提供側の狙いでもあります。

モバイルペイの場合、連続性があるタッチポイントが発生します。
デジタルからリアルです。そして提供側としても商品提供の準備を今までより早めにスタートできるはずです。
そのことによって生まれるわずかな余裕時間のことを仮に電子決済差時間と呼ぶことにします。
このタイミングをタッチポイントとした新たな価値提案ができないだろうか?というのが我々の最近の関心です。

デジタルを活用することで生まれた何らかの余裕を活かすソリューションがあるかないかがデジタルサービスの価値を決めるようになるのではないか!?
と考えています。さらに、健康&ウェルネスビジネス領域における電子マネー関連ソリューションを模索していこうと思います。

すでに事例をご存知な方やご意見ある方は是非!情報交換しましょう!!!

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健康ビジネスの現場で使えるキーワード

「マネジメントの限界」

マネジメントで漸進的なイノベーションはできても急進的な飛躍のあるイノベーションは生まれない。

今週の注目デジクリップ!

[1]SOMPOひまわり生命保険とニューロトラック、「ニューロトラック 脳ケア」アプリの提供開始【PDF】
https://www.himawari-life.co.jp/~/media/himawari/files/company/news/2019/a-01-2020-01-22.pdfhttps://www.himawari-life.co.jp/
認知機能低下リスクを早期発見し、認知機能改善・維持の支援をトータルで行うアプリ。目の動きから認知機能の状態を把握するテストを含む複数の臨床研究に基づいた認知機能チェックテストを行うなど。(2020/01/22)

[2]フォーデイズ、「シニアの食と健康に関する調査」を公開
https://food.fordays.jp/%e3%80%8c%e3%82%b7%e3%83%8b%e3%82%a2%e3%81%ae%e9%a3%9f%e3%81%a8%e5%81%a5%e5%ba%b7%e3%81%ab%e9%96%a2%e3%81%99%e3%82%8b%e8%aa%bf%e6%9f%bb%e3%80%8d%e3%82%92%e5%85%ac%e9%96%8b%e3%81%97%e3%81%be%e3%81%97/
アクティブシニアと非アクティブシニアを比較し、健康面と食生活の実態を把握することが目的。調査結果は「アクティブシニア層・非アクティブシニア層ともに1日3食が主流だが、アクティブシニア層のほうが「3回」食べている割合がやや多い」など。(2020/01/24)

[3]経済産業省、「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト(JHeC)2020」グランプリが決定
https://www.meti.go.jp/press/2019/01/20200127001/20200127001.html?from=mj
次世代のヘルスケア産業の担い手を発掘・育成するため、新たなビジネス創造にチャレンジする企業を表彰するビジネスコンテスト。アイデアコンテスト部門においては、カイテク株式会社が、ビジネスコンテスト部門においては、CI Inc.がグランプリに選定された。(2020/01/27)

[4]バックテック、健康経営ソリューション「ポケットセラピスト」をJR東日本グループ会社に導入
https://www.backtech.co.jp/jreast_servicre_200128_pokethera_release/
「ポケットセラピスト」は企業の生産性向上を目的とした肩こり・腰痛対策アプリ。肩こり・腰痛タイプ判定アルゴリズムをもとにした最適な対策提案や、理学療法士とのチャット相談を通して、二人三脚で肩こり・腰痛に関わる課題の解決を目指す。(2020/01/28)

[5]離れて住む親には週1度は電話を、AI解析で分かった認知症早期発見の「鍵」(日経デジタルヘルスより)
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00138/012500466/?ST=ch_digitalhealth
日本IBMによると、AIによる解析で、認知症についても様々なことが分かってきている。「1回の会話の中で同じことを繰り返し言うより」も、「異なる日の会話で同じことを繰り返し言う」ほうが認知症との相関が高いことが分かったという。(2020/01/28)

[6]UBMジャパン、健康博覧会2020
https://www.this.ne.jp/
開催日は3月17日(火)から3月19日(木)。「健康」に特化した国内最大規模のビジネストレードショーとして38年の開催実績を誇る。みどころは「Sleep +」「ヘルスチェック」「かるしお(R)プロジェクト」「体調改善機器」など。

[7]眠りを誘う瞑想を促すヘッドバンド『Muse S』
http://mhealthwatch.jp/global/news20200123-2
2019年のCESに出展された「Muse Softband」が、1年間の沈黙の後、リブランドされた『Muse S』の発売準備が整った。『Muse S』アプリと組み合わせて使用可能で、アプリには眠りを誘う瞑想を促す「Go-to-Sleep Journey」(眠りへの旅)という機能が備わっている。(2020/01/23)

[8]CES2020:LEOMO、シリアスアスリート向けスポーツパフォーマンスコンピューター『TYPE-S』
http://mhealthwatch.jp/global/news20200124-2
『TYPE-S』は最先端の情報や技術を取り入れて自分のパーフォマンスを向上させたいシリアスなアスリートが、トレーニングやレースにおいてモーション解析の力を有効活用できるように開発された。(2020/01/24)

[9]『mHealth Watch』注目ニュース:パナソニック、軽度認知障害(MCI)の早期発見に関する共同研究を開始
http://mhealthwatch.jp/japan/news20200203
今回の共同研究では、IoT機器を活用し、テレビやトイレなどでのセンシングやドアの開閉や電力使用などのデータなど、高齢者はこれまでの生活を変えることなく、普段の生活、行動からデータが収集されるため負担が少なくて済むのが特長で、パナソニックらしいアプローチとも言えます。(2020/02/03)