こんにちは、里見です。

前回のこの[ヘルスコーチングの視線編]でご案内した「ヘルスコーチング オンライン講座」には、オンライン講座ならではということもあって関西地方からもご参加いただきました。

その中であらためて感じたのが、「オンラインにおけるヘルスコーチング」「オンラインコミュニケーション」に関して、みなさんの関心が集まっているということです。

そこで、今回もヘルスコーチングを活用したオンラインコミュニケーションについて、解説したいと思います。

特集:ヘルスコーチングの視線編

ヘルスコーチングの可能性を探る:
ヘルスコーチングにおけるオンラインコミュニケーション

1、継続、双方コミュニケーション

ヘルスコーチングのコミュニケーションの基本は、以下のような点になります。

  • 会話の主役は対象者
  • 気づきを与える会話
  • PDCAサイクル
  • 質問型のコミュニケーション
  • 言語化する会話

など

ヘルスコーチングの会話の特長は、継続的なコミュニケーションを実施して、双方向のコミュニケーションを行うということになります。

2、オンラインコミュニケーションとの距離感

ヘルスコーチングでは、双方向のコミュニケーションであっても、人それぞれ会話のペースはもちろん異なるため、やはりパーソナライズして会話を進めてていくのが基本になります。

特に、オンラインのコミュニケーションでは、人によってオンラインとの距離感やコミュニケーションのスタイルが異なってきます。

例えば、

  • SNS、チャットに慣れている人
  • 返信コメントにあまり慣れていない人
  • 短文のコメントのみで反応する人

など

対面でのコミュニケーションであれば、対象者の表情や話している姿、会話の流れなどで、対象者の状況を把握し対象者に合わせて変化させていきますが、オンラインにおけるコミュニケーション、特にテキストのみによるコミュニケーションでは、対象者の表情はもちろん状況をリアルタイムに把握することは難しいです。

しかし、ヘルスコーチングを使ったオンラインのコミュニケーションでは、双方向のスムーズな会話、コミュニケーションのキャッチボールが成立することが一番重要だと、少し勘違いされることがあります。

3、スムーズな会話だけではなく、ヘルスコーチングのアプローチが大切

ヘルスコーチングは、対象者とのコミュニケーションによって効果を発揮します。
また、対象者との信頼関係を築くためにも双方向のスムーズなコミュケーションが必要なことも間違いではありません。

しかし、そもそもヘルスコーチングでは対象者の気づきに働きかけることが必要で、単なる双方向の会話が成立することだけが、本来の目的ではありません。
行動に着目し、行動を継続しながら、対象者のゴールや目的に近づけることが本当の目的です。 

そのため、オンラインで双方向の会話が成立していたとしても、そもそも対象者がゴールを見据えて行動と向き合っていなければ、オンライン上でスムーズな会話が成立していたとしても、それは単なる会話であって、ヘルスコーチングとしては効果を発揮していないことになります。

やはり、オンラインのコミュニケーションの向こう側にある、本来のヘルスコーチングのアプローチ、寄り添い方をしっかりと抑えた上でコミュニケーションを行う必要があるのです。

4、ゴールを見据え行動と向き合うためのアプローチ

私がオンラインでヘルスコーチングを行ってきた中で、それほど活発なコミュニケーションが成立していなかった人がしっかりと成果を手にしていたり、逆に活発な会話が成立していたのに、残念ながら思うように成果に結びついていなかったりということが起こっています。

この2人のケースでは、会話量の違いとは別に、やはり会話を通したそれぞれの行動への向き合い方の違いが大きく影響していたと考えています。

ゴールをしっかりと見据え行動と向き合い自分ごととして捉えてPDCAサイクルを回していけた人と、会話は成立していたとしても、行動そのものに自分ごととして向き合えていなかった人の違いです。

会話が成立している人でも成果に結びついていないケースでは、やはり気づきやモチベーション、また自分ごと化という点で、ヘルスコーチング的な視点、アプローチがまだまだ弱かった、作用していなかったと言えます。

このように、オンラインに限ったことではないですが、コミュニケーションを成立させることは取り組みを継続させるためには重要なことであるのは事実です。

しかし、会話だけではなく、やはり対象者の気づきやモチベーションにしっかりと作用させるためのアプローチ、寄り添うことの方が、対象者のゴールや目的に導くためには重要なポイントになります。

オンラインのコミュニケーション、特にテキストを通したコミュニケーションをサービスの中に取り入れていく上では、会話をしやすくする工夫はもちろん、答えやすいような仕掛けを取り入れるなど対象者の会話への負荷を少なくすることが必要です。

その上で、コミュニケーションを通して、ゴールをしっかりと見据え行動と向き合い、自分ごととして捉えていくためのヘルスコーチングとしてのアプローチをしっかりと投げかけていくことが大切です。

そのため、オンラインにおけるヘルスコーチングの活用では、行動に着目し、行動を継続しながら、対象者のゴールや目的に近づけるためのアプローチをしっかりと入れたコミュニケーションの設計が必要なのです。

オンラインを活用したヘルスケアサービスでは、これまで以上にコミュニケーションの要素は重要になってきています。
しかし、オンラインのコミュニケーションでは、対面とは異なるポイントや配慮が必要になってきます。

オンラインのコミュニケーションにヘルスコーチングの要素を展開する場合、「人」が関わるコミュニケーション以外にも、「仕組み」「システム」を活用して効率的に展開が可能です。

そのヘルスコーチングの要素を含めてヘルスコーチングのアプローチの基本をオンラインで解説する講座を今回も開催したいと思います。

詳細は以下の通りです。

●ヘルスコーチングオンライン講座

日 時:2020年6月17日(水)18:00-19:00
募 集:8名(先着順)
参加費:無料
※Zoomによるウェブ会議となります。アプリのご用意は各自でお願いします。

●お申し込み方法

以下のURLより、「ヘルスコーチング オンライン講座参加希望」とご連絡ください。
オンライン講座の詳細は、折返しご連絡させていただきます。

お申込みはこちら
https://healthbizwatch.com/contact

健康ビジネスの現場で使えるキーワード

「NEW ECONOMYの法則」

give&takeはgive giveと続けるその量と質によってtakeが決まるようになります。まず与え喜んでもらうことが重要。

今週の注目デジクリップ!

[1]バックテック、パソナとベネフィット・ワンと連携し、テレワーク実施者(海外駐在者含む)の肩こり・腰痛対策支援プログラムとして期間限定特典を提供開始!
https://www.backtech.co.jp/pasona-benefitone_wfh_200521/
本プログラムでは、「肩こり・腰痛対策WEBエクササイズ(無償)」「エビデンスに基づく肩こり・腰痛等に関する健康情報の配信(無償)」「肩こり・腰痛対策支援ツール”ポケットセラピスト”(先着30社に限り初期導入費無料)」を期間限定で提供。(2020/05/21)

[2]慶應義塾大学とCureApp、禁煙治療用スマホアプリの長期有効性を世界で初めて発表
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2020/5/21/28-69863/
ニコチン依存症に対する治療用アプリの大規模多施設ランダム化比較対照試験の結果を発表し、禁煙外来での長期的な禁煙継続率が改善したことを明らかにした。本治験は、病気の治療を目的とするアプリの治験として国内で初めて計画されたもの。(2020/05/21)

[3]ライオン、外出自粛下の“目の疲れ・不調”に関する実態調査【PDF】
https://lion-corp.s3.amazonaws.com/uploads/tmg_block_page_image/file/7181/20200522.pdf
https://www.lion.co.jp/ja/
外出自粛で約3人に2人が目の疲れを実感!しかし、目の不調があってもケアをしている人は約半数。今回の調査では、外出自粛による生活スタイルの変化によって目が酷使され目の疲れ・不調を招いている実態と、その反面十分な目のケアができていない状況が示唆された。(2020/05/22)

[4]ベースフード、「#おうちで給食」キャンペーン開催
https://basefood.co.jp/news/327
新型コロナウイルスの影響による臨時休校の長期化に伴い、給食に代わるランチをつくる保護者をサポートするために、「#おうちで給食」キャンペーンを実施。子どもたちに人気の給食メニューをアレンジした、完全栄養の主食「BASE FOOD」アレンジレシピを公開。(2020/05/22) 

[5]東京都健康長寿医療センター研究所と慶應義塾大学、在宅での高齢者の健康づくりに活用可能なスマートフォン用LINE BOTアプリ「運動カウンター」、「食べポン」を公開
https://www.tmghig.jp/research/release/2020/0525.html
「運動カウンター」では、スマートフォンアプリLINEのトークルームを利用して、自宅でできる8種類の簡単な運動の動画を見ることができ、食習慣チェック用LINE BOT「食べポン」では、10の食品群のうち、1日に摂取した食品群を記録することができる。(2020/05/25)

[6]GMOインターネットグループ、withコロナ時代における「新しいビジネス様式 by GMO」へ移行
https://www.gmo.jp/news/article/6797/
GMOインターネットグループでは、在宅勤務を継続しながら出社勤務を再開する体制へと移行。これに合わせ、政府が提言する「新しい生活様式」を実践するためのオフィス環境の整備と、パートナー(従業員)向けの行動ガイドラインを策定。(2020/05/25)

[7]生活者が求める健康情報は「病院や大企業発信のものではなく…」(ウーマンズラボより)
https://womanslabo.com/trend-200526-4
患者はどんな情報を求めるのかといえば「同じ疾患で治療中の他患者の体験談」が書かれたブログなどだ。製薬企業や病院、研究機関などが発信する情報は確かに正しいが、生活者たちは必ずしも“正論”だけを求めているわけではない。(2020/05/26)

[8]Livongo(糖尿病・高血圧患者のコーチングサービス)は規制変更とコロナ拡大の影響で会員が倍増
http://mhealthwatch.jp/global/news20200520-2
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴い、デジタルツールを使用する患者が増え、遠隔の患者監視サービスの勢いが増している。3月31日に終了する四半期のLivongoの登録会員数は、前年の2倍の328,000人となった。(2020/05/20)

[9]世界スマートウォッチ市場、新型コロナの逆風でも20%超拡大-健康志向の高まりが影響
http://mhealthwatch.jp/global/news20200522
Strategy Analyticsは、世界スマートウォッチ市場に関する調査結果を発表した。それによると、2020年第1四半期の出荷台数は1,370万台で、前年同期の1,140万台から20.2%増えた。(2020/05/22)

[10]『mHealth Watch』注目ニュース:『ウーマンズラボ』 実はさほど増えていない?コロナ禍での運動実践者
http://mhealthwatch.jp/japan/news20200601
コロナ禍で運動する人が増えたように見えていたのは、全く運動をしていなかった人が運動を始めたのではなく、これまでも運動習慣があった人、意識が高い人が、活動量、運動不足解消のために別の運動にもチャレンジしているから、増えているように見えていたということです。(2020/06/01)