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2017.05.16号 [モバイルヘルス&アプリ動向編]モバイルヘルスは"エンゲージメントツール"へ

健康ビジネス問題解決サポートメディアHealthBizWatch
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[モバイルヘルス&アプリ動向編]2017年5月16日号
   ≫≫≫Author:渡辺武友
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モバイルヘルス担当の渡辺武友です。
 
米国では遠隔医療が急激に拡大し、すでに利用者数が数百万人規模になったと言われています。日本でも遠隔医療の可能性に改めて注目されはじめています。
 
すでに遠隔医療における課題も見えてきていますが、その解決策のヒントは健康業界の取組みにありました!
 
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
---「モバイルヘルスは“エンゲージメントツール”へ」
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「イノベーションしない方がいい場合」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 チャットで医師に相談、海外 mHealthWatch注目ニュースなど、11本
 
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【1】特集:モバイルヘルス&アプリ動向編
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テーマ:モバイルヘルスは“エンゲージメントツール”へ
 
 
3月のメルマガでも紹介した“患者エクスペリエンス”は、米国医療業界で注目度が高く、多くの医療機関で導入がはじまっています。
 
4月30日-5月2日に「Patient Experience Symposium」がボストンで開催されました。患者エクスペリエンスについて情報を共有する場となり、HealthBizWatchでも注目のシンポジウムです。
 
今回は、Chilmark ResearchのアナリストBrian Eastwood氏の講演を元に、遠隔医療およびモバイルヘルス(※)の継続利用について見ていきたいと思います。
(※遠隔医療にはモバイルヘルスが不可欠との前提で紹介します)
 
 
「Patient Experience Symposium」はこちら
http://www.patientexperience.org.au/ehome/index.php?eventid=210710&
 
3月14日のメルマガで紹介した“患者エクスペリエンス”はこちら
http://www.healthbizwatch.com/mailmagazine/news/080.html
 
 
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1、遠隔医療の課題とソリューション
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---Eastwood氏講演より
「現在病院で普及している唯一の患者エンゲージメント技術は、あくまでEHRをベースとした患者ポータルであり、エンゲージメントツールとしては不十分だ。
 
患者に介入するために医療で使用される技術の多くは、挿話的であるだけでなく、非常に回顧的なものだ。
 
患者ポータルに入ると、病院訪問履歴などの情報が表示されてしまう。これでは患者との関係を構築するのは難しい。
 
さらにこれらのツールの多くは、EHRの機能を活用しているため、現在でもWebベースでありスマートフォンで閲覧すると、患者が望む現在進行中のエンゲージメント体験を与えることができない」
 
患者視点で遠隔医療における課題を整理しています。
さらに、このような課題解決のエンゲージメントツールとしてバーチャルコーチングと疾病管理プログラムについて紹介しました。
 
 
---Eastwood氏講演より
「患者の現状に合わせ寄り添い、体験していけるソリューションにより、システムが単に疾患のリスクが高くならないように管理するだけのものではなく、患者エンゲージメントに貢献する。
 
これにより、大多数の患者を重篤化させず、高コストの医療を受けることなく、費用を節約し、生活の質を向上させる絶好の機会となるのである」
 
 
◇患者エンゲージメント
 
ここで紹介された例は、まさに健康業界におけるモバイルヘルスの活用で経験してきた“課題とソリューション”ではないでしょうか!?
 
ウェアラブルなどを使って収集したデータをきれいに見せる、収集したデータから当たり障りのない(もしくは的外れな)コメントを提供して、興味を失わせる。などなど。
 
このような取組みでは継続促進につながらなかったことを、我々は身をもって体験してきました。
もっとユーザーに寄り添い、ユーザーが実感を得られる“ユーザーエクスペリエンス”を提供することが継続に貢献します。
 
現在の医療、特に遠隔医療においても、優れた“患者エクスペリエンス”が“患者エンゲージメント(継続)”につながることが実証されてきています。
 
 
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2、真の患者エンゲージメントのための3ステップ
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“患者エンゲージメント”を達成するためには、患者が理解し、自分ごと化していくための段階があります。それが“患者エンゲージメント”のための“患者エクスペリエンス”です。
Eastwood氏は、この“患者エクスペリエンス”を“3ステップ”として紹介しています。
 
---Eastwood氏講演より
「真の患者エンゲージメントは3つのステップから成る。
 
第1ステップ“エンゲージメント(愛着心、思い入れ、絆、繋がり)”
第2ステップ“教育”
そして最も重要な第3ステップは“有効化(効き目がある、効力がある)”
 
これらが理解されたとき、初めて成功する。
 
患者がスキルと知識を身に付け、自身の状態をより適切に管理でき、自信を持つことが重要である。
患者が、次にどのような治療を受けるかを全く分からない状態で次のアポイントに漫然と向かうのではなく、自分の意見を持って目標を設定できることが重要なのだ。
 
そして患者がそうしたフェーズを通過することができれば、自分自身の健康を管理することへの責任を実感できるようになる」
 
 
◇エンゲージメントツールのための3ステップ
 
健康業界におけるモバイルヘルスと、遠隔医療の“課題とソリューション”が同一であることがイメージできたかと思います。
 
今後モバイルヘルスにおける“エンゲージメントツール”開発のために、Eastwood氏が提唱した3ステップは、そのまま活用ができるものと言えます。
 
企画段階から、この3ステップで“ユーザーエクスペリエンス”を設計していくことが重要になります。
 
 
最後に、Eastwood氏の講演の締めとして、3ステップを達成するために意識すべきポイントを紹介します。
 
 
---Eastwood氏講演より
 
「目指すべきは受動的なケアを受ける患者ではなく、能動的なケアに参加する患者なのだ」
 
 
参考:mobihealthnews
http://www.mobihealthnews.com/content/bring-digital-patient-engagement-mainstream-commit-value-based-care-patient-activation
 
 
 
【モバイルヘルスの活用に関する講演】
 
4月20日にヘルスケアITにて開催しました
『これからの健康経営を牽引するモバイルヘルス』
 
3講演共に満席となり盛況の内に講演を終えることができました。
ご参加ありがとうございました。
ご高評いただきました同テーマの第2弾を開催することが決まりましたので報告します。
 
第2回ウェルネスフードジャパン(7月25日-27日、東京ビックサイト)にて、25日13:00より
 
『これからの健康経営を牽引するモバイルヘルス(食改善編)』
 
を開催します。
詳細情報については6月より発表いたします。
今回も事前登録制になります。
定員制限がありますので、早めにスケジュールをご調整ください!
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「イノベーションしない方がいい場合」
 
お客様の進化に対応すべき自らが変革するのだという強い危機感がない場合、イノベーションに着手すべきではないです。
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <11クリップ>
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[1]東京海上日動火災保険など、生活習慣病の発症率予測サービスを開発【PDF】
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/170427_01.pdf
http://www.tokiomarine-nichido.co.jp/
国立研究開発法人国立がん研究センターの研究成果を活用し、個人の生活習慣から導かれる10年後の生活習慣病の発症率を予測可能なWebサービス。予測結果に応じて生活習慣を改善するためのアドバイス表示機能なども搭載。(2017/04/27)
 
[2]NECとFiNC、ヘルスケア領域で協業を開始
https://finc.com/news/8618
NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」とFiNCの法人向けウェルネスサービス「FiNC for Business」とAI技術を組み合わせ、新たな企業向けウェルネス・ソリューションを共同開発。(2017/04/28)
 
[3]MEDTEC Japan 2017:バイタルデータの“銀行”を担う、健康情報通帳「miParu」(日経デジタルヘルスより)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/event/15/040600115/042800015/?ST=health
miParuは、健康情報を安全に取得・蓄積し、配信するプラットフォーム。2018年春にサービスとして提供を開始することを目指している。(2017/05/01)
 
[4]日本外食リサーチ&PR協会、医師たちが提案する外食の新しいスタイル「医学会キッチン オーソモレキュラー」オープン
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000022849.html
約12名のドクター(医師・薬剤師・管理栄養士)たちが、各々の研究に基づき健康寿命長寿、ダイエット、アンチエイジングなどの効果を訴求したメニューを作成。(2017/05/01)
 
[5]メドピア、Mediplatオンライン健康相談サービス「first call」にチャットで医師に相談できるサービスを開始
https://medpeer.co.jp/press/3890.html
身近なコミュニケーションスタイルである「チャット形式」を取り入れ、かつ毎回料金を気にすることなく相談できるように「月額固定制サービス」を導入し、本格的にサービス展開を開始。(2017/05/02)
 
[6]ウォール街の社員健康増進プログラムに思わぬ効果-顧客忠誠心高める(ブルームバーグより)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-05-01/OP9AMW6KLVR501
金融機関INGは、健康な従業員は病気になりにくいだけでなく、業務でより良い結果を残せると考えている。(2017/05/02)
 
[7]「Googleマップ」など人気アプリ、「Apple Watch」のサポートを次々と終了(CNET Japanより)
https://japan.cnet.com/article/35100647/
複数の人気アプリがApple Watchアプリの提供を終了した模様。それにはAmazonやeBay、Googleマップなどが含まれる。これに最初に気付いたApple Insiderによると、Googleマップなど一部は数週間前に削除された可能性があるという。(2017/05/02)
 
[8]ウエルネスデータ、月額会員制ヘルスケアサービス「JouleLife CLUB」を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000020371.html
JouleLife CLUBでは、アプリとスマートウォッチで得たより詳細なライフログデータを基に、専門家による、一人ひとりのライフスタイルに寄り添い個人に最適化された健康改善アドバイスを提供する。(2017/05/12)
 
[9]テクノロジーが視覚をサポートする時代に!海外で大注目の「低下した視力を補う最先端ツール」3選
http://mhealthwatch.jp/global/news20170428
有機ELが視野の欠損を補ってくれるゴーグル「eSight」、人工網膜から情報を脳に伝達するサングラス「The Argus(R)II」、小型化&実用化に向けて研究中のゴーグル「Oxford smart specs」。(2017/04/28)
 
[10]英国国民健康サービス(NHS)、開発者用ツールキットとともに健康アプリライブラリをリニューアル
http://mhealthwatch.jp/global/news20170509-2
新たにNHSは、Health Apps Libraryを改良した「Digital Apps Library」の立ち上げ予定を発表。この新しいライブラリには、様々な種類の慢性疾患に関するアプリも導入される。(2017/05/09)
 
[11]mHealthWatch注目ニュース、皮膚に貼り付けて体内情報を収集&分析できるパッチを開発
http://mhealthwatch.jp/global/news20170515-2
ユニークなデバイスが開発された。取得した汗から健康状態を観察していくというものだが、この製品の興味深い点は2つ。1つは電気を使わないウェアラブルであること。もう1つが使い捨てタイプであること。(2017/05/15)
 
 
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