HBW 2017~

2017.09.26号 [ヘルスコーチングの視線編]ヘルスコーチングの可能性を探る:ヘルスコーチング×グループコミュニティ

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[ヘルスコーチングの視線編]2017年9月26日号
   ≫≫≫Author:里見将史
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ヘルスコーチングは「健康的な行動変容を支援する」ことが目的のコミュニケーションですが、これは1対1に限ったことではありません。
 
そこで、今号ではヘルスコーチングのグループ、コミュニティでの活用についてご紹介します。
 
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
---ヘルスコーチングの可能性を探る:ヘルスコーチング×グループコミュニティ
 
【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
---「変化とは危機のこと」
 
【3】今週の注目デジクリップ!
---国内 Apple Watch動向、海外 黄疸診断アプリなど、14本
 
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【1】特集:ヘルスコーチングの視線編
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<テーマ>
ヘルスコーチングの可能性を探る:ヘルスコーチング×グループコミュニティ
 
 
ヘルスコーチングは、1対1でしか提供できないのかというとそんなことはなく、複数人を対象としたグループやコミュニティといった形式でも十分提供が可能です。
 
そのため、最近ではグループ、コミュニティを活用したヘルスケアサービスにヘルスコーチングを組み合わせたサービスがアメリカ、日本でも展開され始めています。
 
例えば、先週のメルマガで紹介した米国で慢性疾患に対するオンラインの行動変容プログラムを提供するOmada Healthでは、糖尿病や心疾患患者向けプログラム“Prevent”の中で食事/運動の記録やウェアラブルと連携してグループコーチングを提供しています。
 
Omada Health
https://omadahealth.com
 
Omada Healthの特長として、米政府が推奨する糖尿病プログラムは効果的だが、正しく伝えるだけではなかなか患者が行動できない点にフォーカスし、仲間とのコミュニケーションや、コーチング手法を導入することで、患者の利用率を高めています。
 
このOmada Healthのグループコーチングでは、コーチとグループメンバーとのコミュニケーションに加えてメンバー同士の交流、コミュニケーションも加わることで、気づき、学びも増え生活習慣改善、行動の継続にも作用しています。
具体的には以下のような流れでグループでの取り組みが行われています。
 
1,基礎情報、食事や運動習慣、ソーシャル、ライフスタイル、生活習慣を変化させる意欲のレベルなど、コーチングに役立つ情報をアンケートに従って回答する。
 
2,入力された情報に基づき、共通点の多いユーザーと共にピアグループに入る。
 
3,自動的にデータが専用ページに送信される体重計、活動量計などのツールが郵送される。
 
4,コーチが紹介される。
 
5,体重計や活動量計といったデータをコーチと共有しながら、記録をつける。
 
6,コーチとはメール、電話、ビデオメッセージといった方法でコーチングを受けながら、プログラムを学習し、実践していく。
→コーチとの個別のやり取り
 
7,コーチを中心としたピアグループにより、グループディスカッション、コメントのやり取り、互いの進捗状況を確認するといった方法で励ましあう。
→コーチ、メンバー同士のやり取り
 
※コーチングのテーマ
テーマは4つに分かれており、それぞれを4週間にわたって学び、習慣化させていきます。
 
・テーマ1( 1週目- 4周目)食習慣の改善
・テーマ2( 5週目- 8週目)運動習慣の確立
・テーマ3( 9週目-12週目)挫折を克服する考え方を学ぶ
・テーマ4(13週目-16週目)社会的影響に対応する
 
 
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1.「ヘルスコーチング×グループコミュニティ」の特徴
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グループ、コミュニティスタイルのヘルスコーチングでは、1対1のコミュニケーションよりも個別性はもちろん少なくなります。
 
しかし、コミュニティ内には同じ目的であったり、似たライフスタイルの「仲間」がいるので、1対1のコミュニケーションとは異なり、「共有・共感」「学び」の要素が高まります。
 
 
1-1ピア&トゥギャザー
 
コミュニティ内では、メンバー同士が同じテーマに取り組む同志というチーム的な一体感が生まれていきます。
 
またメンバー同士がお互いを励ます存在、時にはライバルとしての存在として機能していくため、モチベーションを維持しやすくなります。
 
 
1-2「学びの場」「実践の場」
 
コミュニティ内では、ヘルスコーチとメンバーとの1対1のコミュニケーションの量は少なくなりますが、様々なコミュニケーションや情報交換のやり取りが発生するため、それらの会話一つ一つがメンバーにとって「学び」につながります。
この「学び」には、「共感、共有」というものと「他者との違いを認識する」といったことも含まれます。
 
また、ヘルスコーチングでは「行動」にフォーカスしコミュニケーションをしていくため、「行動」の結果や行動に対する「工夫」の共有など、メンバー同士で一緒に実践して共有するためコミュニケーションを通した「実践の場」としても機能します。
 
 
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2.グループコミュニティでのヘルスコーチの役割
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ヘルスコーチングでの会話の中心は対象者、参加者であることが基本です。
特にコミュニティスタイルでのヘルスコーチングでは、いかにメンバーが発言しやすくするか、また、メンバー自らが率先して発言をするように働きかけていくかがポイントになります。
そのため、ヘルスコーチは会話をファシリテートする必要があります。
ヘルスコーチはあらかじめ事前にファシリテートする会話、テーマ等を設計しておき、コミュニティの流れの状況に合わせて微調整することが求められます。
 
また、コミュニティスタイルでのヘルスコーチングでは、コミュニケーションのポイント、気づきのポイントが複数存在します。
 
(1)ヘルスコーチと自分の会話のケース ⇒ 学ぶ・気づく
(2)ヘルスコーチと他の参加者の会話を見ているケース ⇒ 眺めているだけでも学ぶ・気づく
(3)参加者と自分の会話のケース ⇒ 同じ目的の仲間からの学び・気づき・励み
(4)参加者同士の会話を見ているケース ⇒ 眺めているだけで学ぶ・気づく
 
コミュニティスタイルのヘルスコーチングでは、参加しているメンバーのコミュニティとの距離感は一人一人異なっています。
 
しかし、それぞれの距離感や参加スタイルでもコミュニティ内で「気づき」や「学び」が得られるようにファシリテートすることがヘルスコーチには求められます。
 
 
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3.コミュニティスタイルのヘルスコーチングは設計がポイント
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コミュニティスタイルのヘルスコーチングでは、コミュニケーションをどのように促進していくのかが重要なポイントになります。
コミュニケーションの中に「ヘルスコーチング」のアプローチや要素を組み込むことはもちろん、メンバー同士の「共有」「共感」を促進していくためには、場当たり的なコミュニティ運用では成立しません。
やはり、しっかりとした設計がポイントになってきます。
 
そのために、あらかじめ事前にファシリテートする会話、テーマ等は設計しておき、コミュニティの流れの状況に合わせて微調整することが求められます。
 
また、コミュニティスタイルでのヘルスコーチングでは、1人のコーチが複数のコミュニティやグループを同時に対応することも求められます。
 
そのためにも事前にコミュニケーションの設計、シナリオをしっかりと準備し、効率化することも重要です。
 
コミュニケーションの設計、シナリオの基本的なアプローチは1対1のヘルスコーチングと共通で、参加者、メンバーの「行動の継続」に焦点を当てて、PDCAのサイクルを回して行動の定着化、習慣化をサポートすることになります。
 
そしてそれにプラスしてコミュニケーションの促進という視点が必要な要素になってきます。
 
ヘルスコーチングをベースにしたコミュニティスタイルのアプローチでは、ヘルスコーチとの個別のコミュニケーションの量は少なくなります。
しかし、個別のコミュニケーションが少なくなるのに対して、ヘルスコーチと他のグループメンバーの数だけコミュニケーションや情報と接するボリュームは格段に増します。
 
このように、ヘルスコーチは1対1のコミュニケーションと比べグループメンバーとの様々なコミュニケーションを有効活用して、効率よく「気づき」や「学び」を提供しながら、1対1では得ることができない「共感、共有」「励まし、刺激」に結びつけていくのです。
 
 
今回は「ヘルスコーチング×グループコミュニティ」のアプローチ、展開について解説しました。
 
今回ご紹介したコミュニティスタイルのヘルスコーチングについては、最近お話しさせていただく機会、ご相談いただくケースが増えてきております。
 
商品を活用したパターン等も展開可能ですので、もしご興味ある方は、一度ご相談ください。
 
●ご相談はこちらから
https://hbw.heteml.jp/healthbizwatch.com/inq/inq.html
 
 
 
【コミュニティスタイルのヘルスコーチングのサポート】
 
オンラインを活用したヘルスコーチングプログラムはもちろん、コミュニティスタイルのヘルスコーチングは、まだ日本でのサービス事例は私が知る限りでは、弊社がサポートした事例のみだと思います。
その理由は「ヘルスコーチング」をヘルスケアサービスの視点で捉えてオンライン上で設計できる専門家が存在していないからです。
 
私はコーチングの資格を取得し、健康ビジネスの領域に応用できないかと検討してきた中から、ヘルスケアサービスのポイントとコーチングのコミュニケーション技法の中からオンランでのヘルスコーチングとしての要素を整理し確立しています。ヘルスケアサービス領域を熟知し、且つヘルスコーチングの要素を整理している唯一の専門家として、オンラインでのヘルスケアサービスにヘルスコーチングを組み込むための企画、設計はもちろん運用を数多く実施しています。
 
今回ご紹介したコミュニティスタイルのヘルスコーチングも、これまでに数多くサポートしてきておりますので、ご興味ある方は是非ご覧ください。
 
http://hbw-store.com/service/keizoku1502-137.html
 
 
 
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【2】健康ビジネスの現場で使えるキーワード
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≫≫≫「変化とは危機のこと」
 
激変の時代と言われて久しいが、変化とは危機のこと。そして危機には危険と機会の側面があります。あなたはどちらにフォーカスしますか?
 
 
 
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【3】今週の注目デジクリップ! <14クリップ>
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[1]ジンズ、“集中”をテーマにしたワークスペース「Think Lab」オープン
https://www.jins.com/jp/news/2017/09/post-78.html
仕事の生産性を追求する新プロジェクトを発足。「Think Lab」を通して、世界一集中できる環境の研究を開始予定。(2017/09/13)
 
[2]アップル、Apple Watch Series 3は携帯電話通信機能を内蔵し、健康とフィットネスのためのパワフルな新機能を搭載
https://www.apple.com/jp/newsroom/2017/09/apple-watch-series-3-features-built-in-cellular-and-more/
watchOS 4を搭載。watchOS 4では心拍数アプリケーションが新しくなり、安静時、ワークアウト時、ワークアウト後の回復時、ウォーキング時、呼吸セッション時など、心拍数をより詳しく把握できる。(2017/09/13)
 
[3]タニタ、「タニタコーヒー カフェインレスモカブレンド」新発売
http://www.tanita.co.jp/topic/detail/2017/0913/
ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸を多く含む「タニタコーヒー」の特徴はそのままに、カフェインを97%以上カット。カフェインレスでありながら、クロロゲン酸は一般的なドリップコーヒーの約1.5倍含まれている。(2017/09/13)
 
[4]九州大学など、脳の時計は右半球にある!時間知覚判断の注意と意思決定システムを解明
http://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/167
理化学研究所情報基盤センター計算工学応用開発ユニット・竹市博臣専任技師と共同で、聴覚の錯覚を用いて時間知覚・判断に対応するヒト脳内での神経活動を明らかにし、ネットワークモデルを提唱した。(2017/09/13)
 
[5]日経デジタルヘルス、デジタルヘルス事例:「スマホだけ」の特定保健指導、そのメリットは…Noom Japanが愛媛県で始動したケースに見る
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/327441/091200240/?n_cid=nbptec_ndhml
Noomコーチを活用した特定保健指導を愛媛県の職員を対象に2017年2月に開始。17週経過時点での対象者の継続率は80%と高い数値を維持しているという。同時点の継続者の減量成功率は94.1%で、5%以上の減量成功率も全体の35.3%。(2017/09/13)
 
[6]アシックス、オニツカタイガーブランドから世界初のNIPPON MADE専門店「オニツカタイガー 表参道 NIPPON MADE」をオープン
http://corp.asics.com/jp/press/article/2017-09-14-1
NIPPON MADEシリーズは、日本生まれのブランドであるオニツカタイガーが細部にまで日本製にこだわったシリーズで、2008年から展開。(2017/09/14)
 
[7]デサント、「NEC 立ち姿勢判別システム」を用いたサービスを開始
http://www.descente.co.jp/jp/press_releases/post-44043.html
NECソリューションイノベータが開発した3秒で身体の歪みを測定し見える化できる「NEC 立ち姿勢判別システム」を使い、デサントが販売するアイテムで解決策を提案するサービスを展開。(2017/09/15)
 
[8]デロイトトーマツ、デロイト・レポート:2030年には世界の65歳以上人口の“60%”をアジアが占め、これが新たなビジネス機会を創出する
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20170919-2.html
デロイトの「Voice of Asia」シリーズ第3弾。あらゆる国の経済成長の原動力である“人口動態”がアジアのパワー・バランスを変えつつあることが「Voice of Asia」シリーズで明らかに。(2017/09/19)
 
[9]デロイト トーマツ コンサルティング、日本企業の“働き方改革”を進める健康経営アプリケーション「WellMe」の提供を開始
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20170919.html
「WellMe」は、経営者向けダッシュボードと従業員向けスマートフォンアプリの併用で、リアルタイムな健康KPIの可視化と職場コミュニケーションを通じた健康施策の促進を支援。(2017/09/19)
 
[10]経済産業省、IoT分野の国内最大展示会CEATEC JAPAN 2017の展示会場でIoT推進ラボの関連イベントを開催
http://www.meti.go.jp/press/2017/09/20170919006/20170919006.html
10月3日-6日に開催されるCEATEC JAPAN 2017において、IoT推進ラボの関連イベントを開催。IoT推進コンソーシアムの第3回総会のほか、IoTの活用を推進する地域・国内外の企業による展示・プレゼンテーション等を実施予定。(2017/09/19)
 
[11]日経デジタルヘルス、久保田博南の「医療機器トレンド・ウオッチ」:動き出した“IoMT”ーネット社会と医療が融合する時代に
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/327412/091800028/?n_cid=nbptec_ndhml
今回のコラムでは、IoTの医療特化版ともいうべき「ネット社会と医療をつなぐ動き」、すなわち“IoMT”(Internet of Medical Things)について追跡。(2017/09/19)
 
[12]自撮りで膵臓がんを発見するアプリ『BiliScreen』発表
http://mhealthwatch.jp/global/news20170914
黄疸診断アプリ「BiliScreen」は、スマートフォンの自撮りカメラで自分の目を映すと、白目の部分のカラーを判定して黄疸の原因になるビリルビン値を推測することができる。(2017/09/14)
 
[13]23andMe、研究開発拡大のため2億ドルを調達
http://mhealthwatch.jp/global/news20170919
新たに得られたキャッシュによって、23andMeはIPOのプレッシャーからも当面自由になり、研究部門の拡大と新製品開発に邁進できるようになる。(2017/09/19)
 
[14]mHealthWatch注目ニュース:NeuroPlusのEEG制御ビデオゲームで、子供たちがADHDを管理
http://mhealthwatch.jp/global/news20170925-2
今回紹介するNeuroPlusが特長的な点は、ゲームの操作方法にある。集中力をゲーム操作と連動させることで、持続的な集中力を養うことができる。もう1点注目したいのが、FDAの認可を得る前に一般市場向けに展開していること。(2017/09/25)
 
 
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