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●●「睡眠と健康」関連ビジネス(1)
           :「睡眠障害のサポート」サイト
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【米国の「睡眠障害サポート」の現状】

 「睡眠と健康」関連ビジネスは、イビキ・不眠症・睡眠時無呼吸症などの
「睡眠障害のサポート」と、寝具やアロマグッズ提供などの「快眠の実現」
をめざす商品・サービスの2つに大きく分けることができます。
 
 中でも前者の睡眠障害のサポートに関して、米国では、1993年以降、睡眠
障害による交通事故や企業の生産性低下の問題が顕在化、政府が「Wake up
America」と題した研究レポートを発表。専門外来の増設や、睡眠障害の重
大性を広く訴える取組みが進み、オンラインにも数多くの睡眠障害のサポー
トが行われています。

 今回は、米国の睡眠障害サポートサイトの中から、1)知識・管理充実
サイト 2)早期発見に役立つオンライン診断サービスの2つを紹介します。

参考)「Wake up America」の概要
http://www.stanford.edu/~dement/wua.html


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【事例1:Sleep Foundation】睡眠障害の知識・管理充実サイト
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■運営:Sleep Foundation(非営利)
■URL: http://www.sleepfoundation.org

■サービス概要:国民や医療機関に対して、睡眠障害の認知度を高め、睡眠
に関する白書や研究活動を展開している非営利機関。サイトでは、症状別の
解説や各種教育ツール、専門医データベース、ニュースレターなどを提供。

■特徴とヒント
Sleep Foundationの特徴は、医療機関・企業や団体・個人向けの「睡眠障害
の知識・管理の提供」にあります。具体的には、以下のとおりです。

1)Publications:さまざまな世代・生活シーンをカバーするパンフレット
Sleep Foundationがオンライン販売する睡眠パンフレットは、不眠症・睡眠
時無呼吸候群・過眠症などの疾患別のほか、女性と睡眠・老化と睡眠・シフ
ト勤務者と睡眠・夜勤ドライバーと睡眠など、全15種類以上。正しい睡眠の
あり方や、睡眠環境の作り方、睡眠薬の知識、生活習慣とのかかわりなどを
きめ細やかに提供しています。

・パンフレットの一例(変則勤務者向け)
職場や自宅での症状チェック、仮眠の方法なども解説。
http://www.sleepfoundation.org/publications/shiftworker.html

2)Sleep Diary:睡眠日記

1週間分の就寝時間・起床時間・悩みやイビキの症状などを記録できる睡眠
日記です。主に不眠症などに悩む人が、自分の睡眠習慣を把握して、不眠の
原因を探ったり、医師に相談する際の記録情報として活用することができま
す。

・Sleep Diary
http://www.sleepfoundation.org/publications/diary.html

日本では、「食事(栄養)や運動」に関する各種パンフレットやチェックシ
ートなどは、身近に普及しています。しかし、「睡眠」と健康の関わり、睡
眠障害についての情報は、まだ多くありません。

睡眠障害の予防には、自覚症状のない人が、睡眠や睡眠障害の重要性を認識
するステップも必要です。日本でも医療機関はもとより、職場・学校などで
の本格的な睡眠の情報提供が求められます。


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【事例2:SleepQuest】早期発見を促す「オンライン診断サービス」
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■運営:SleepQuest
■URL: http://www.sleepquest.com/

■サービス概要:SleepQuest社は、カリフォルニア州の睡眠専門の医療機関
のひとつです。特に睡眠時無呼吸症候群の在宅ケアも提供。サイトでは、睡
眠障害の知識、コミュニティ、リンク集、在宅治療用の商品販売などのコン
テンツを用意。

■特徴とヒント

SleepQuestの特徴は、無料の「オンライン診断サービス」の提供にあります
。この診断サービスは、イビキをかく・疲労感を感じるなど気になる症状を
もつ人に対して、専門医師がアドバイスを提供するものです。

具体的には、日常の睡眠習慣について21種もの質問にYes/Noを中心に回答。
身長・体重・首回りのサイズを記入して送信。診断メールを受け取るしくみ
です。

・オンライン診断サービス
http://www.sleepquest.com/s_sleepquestionnaire.html

日本の健康サイトでも「不眠症チェック」などの簡単な自己チェックツール
はあります。ただ、睡眠専門の医師からアドバイス提供サービスは、まだ
多くありません。

一般的に、睡眠の「時間」確保の重要性はわかっていても、睡眠の「質」を
振り返る機会はあまりありません。今後は、このように睡眠の質を診断して
くれる専門医師のアドバイスサービスがほしいところです。


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【HBMチームの視点】
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■日本でも、成人の半数が不眠症であり、その3割が自覚症状のない患者で
あるというデータがあります。また、今話題のSAS(睡眠時無呼吸症候群)
の潜在患者は、40~50代男性を中心に、約100万人とも200万人ともいわれて
います。このような睡眠障害をサポートするビジネスは、大きなニーズのあ
る分野といえます。

・日本人の半数不眠 3割が自覚症状ない潜在的不眠症 (毎日新聞)
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200207/06/20020706k0000e040018001c.html

・年齢階級別にみた睡眠に関しての問題(2001年・厚生省)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hftyosa/hftyosa00/kekka8.html

■睡眠障害サポートは、患者本人だけでなく周囲の人の協力もポイントとな
ります。子供・夫婦・シニアなど同居する「家族」の健康管理という視点で
も重要なテーマのひとつとなりそうです。

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