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【今回の注目事例】:米国健康情報サイトの「セルフチェックコンテンツ」
         ~ 病院に行くべきか悩んだ時に役立つ! ~
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【セルフチェックコンテンツとは】

生活環境の変化や加齢に伴い、全く新しい体調の異変(今まで経験のない体
の症状)に気づくことがあります。そうした時、「病院に行けばいいのはわ
かるけど、仕事は忙しいし、多分放っておけば大丈夫だろう」と考える人も
多いはず。

確かに年齢が若ければ大したことのない確率の方が高いでしょうが、中高年
になると「実は早めの処置が必要だった」ということも十分あり得ます。

こうした時、病院に行くべきかの意思決定に役立つ情報がインターネット上
にあれば便利と言えないでしょうか。

米国の健康情報サイトでは、「セルフチェックコンテンツ」がその課題を解
決しています。セルフチェックコンテンツとは、身体の気になる症状から、
幅広く病気の可能性の有無を探ることができるものです。

今回は、米国の数ある「セルフチェックコンテンツ」の中から、健康サイト
の評価機関WWW Health AwardのGold受賞も受けている「eCure.com」のセル
フチェックコンテンツに注目します。

※WWW Health Award
非営利機関Health Information Resource Center (HIRC)が主催。
年2回、健康サイトの評価結果を発表している。
http://www.healthawards.com


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【eCure.comについて】
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eCure.comは、カリフォルニア州の医師グループが運営する健康サイト。
WWW Health Awardでは、「従業員50名以下の部門」で受賞しており、小規模
ながら、ユニークなサービスを展開しています。

■サイト概要
・運営:eCureMe
・URL: http://www.ecureme.com/
・収益源:オンライン相談手数料、広告費、コンテンツ販売


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【具体的な「セルフチェックコンテンツ」は?】
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eCureMeのセルフチェックコンテンツは、「Self-Diagnosis Game」とされて
います。「Self-Diagnosis Game」とは、身体のちょっと気にかかる症状か
ら、幅広く病気の可能性を探ることのできる「医師によって作成された」ネ
ット上のone-to-oneコンテンツです。

具体的な流れは以下のとおりです。

(1)3Dイラスト(前後左右に身体モデルを方向転換できる)から気になる
 症状を有している体の部位をクリック。
 ↓
(2)自覚症状についての質問10~15個に回答。Yes/No/Unknownを選択。
 ↓
(3)例えば、「腰の痛み」で試した場合の診断結果は、4つ。
 ・捻挫→可能性大(Very Likely)
 ・すい臓の疾患→可能性中(Likely)
 ・消化器系胃腸疾患→少し可能性あり(More Likely)
 ・神経性帯状疱疹→少し可能性あり(More Likely)
 ↓
(4)上記から、気になる疾患をクリックすると、さらに詳しく症状につい
  て10~25位の質問があり、最終診断結果が出る。
 ↓
(5)最終診断結果は、病気の解説・イラスト解説・医師への相談コーナー
  のコンテンツにリンクしている。

・Self-Diagnosis Game(無料の会員登録が必要)
http://www.ecureme.com/emyhealth/symptoms/fm_front.asp


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【HBMチームの視点】
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■「Self-Diagnosis Game」の特徴は、3Dイラストを使ったわかりやすさ以
外に、消化器系・整形外科系などの「診療科をこえた」さまざまな疾患の可
能性を知ることができる点にあります。

(日本でのセルフチェックコンテンツは、予め気になる症状を診療科別など
のカテゴリー選択をしなければ先に進めないものが多いのが現状です)

■全く新しい体調の異変(今まで経験のない体の症状)に気づいた時、人は
誰しも不安なものです。その時に適切な意思決定のガイダンスをもらえれば
、人はその情報源に対しかなりの信頼を寄せるに違いありません。

■そうした観点では、セルフチェックコンテンツは、企業にとって「顧客生
涯価値を上げる(企業の固定ファンを作る)」重要なコンテンツになってい
くと言えるでしょう。

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