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【今回の注目事例】:女性専用フィットネスクラブ

 ~ コンパクトな施設サイズ、女性向けプログラムで差別化 ~
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【ダイエットしたいのにフィットネスクラブに通わない理由】

最近日本のフィットネスクラブは、ヨガや武道などプログラムの種類も豊富
で、バブルの頃より会費も随分手ごろになっている感があります。

日頃から運動不足でダイエットの必要性を感じている私も先日、近所の大手
フィットネスクラブに見学に行ってみました。

そこには、スマートなインストラクター、黙々とトレーニングに熱中する真
剣な会員の皆さん・・。独特のムードにひけめを感じてしまい、「もうちょ
っと努力し痩せてから、クラブ通いをしてみよう」とあきらめてしまいまし
た。。。

女性がフィットネスクラブに通わない理由のひとつにはこのような、「周囲
の視線が気になる」といった心理要因もあるのではないでしょうか。

女性の肥満人口も多い米国では、そうした点を解決する「コンパクトサイズ
(施設自体が小さく、1施設当たりの会員数もあまり多くない)」の「女性
専用」フィットネスクラブが増えています。プールやサウナなどの設備のあ
るところは少ないですが、特色あるサービスを提供しています。

今回は、女性向けフィットネスクラブの中から、大手Curves for Women社を
はじめとして、米国の人気クラブのサービスを紹介します。


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【事例紹介:Curves for Women】  「プログラム時間」にこだわる
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Curves for Womenは、米国、カナダ、メキシコのほかヨーロッパなど11カ国世界7,000クラブ以上を展開する女性専用フィットネスクラブ。ビジネス誌Entrepreneur Magazine主催の急成長フランチャイズ企業の第2位にランクインしています(2003年度)。

■企業概要
運営:Curves International社
URL: http://www.curvesinternational.com/
設立:1992年

■特徴:シンプルで無理のない「30分サーキット・トレーニング」

Curves for Womenのプログラムの最大の特徴は、「30分サーキット・トレーニング」にあります。

「30分間トレーニング」は、負荷の少ない水圧式マシンを使ったトレーニング。フロアに8台~13台を円型に配置して、女性会員がインストラクターを囲みながら、和気あいあいとトレーニングをすすめていくスタイルが主流です。月会費:29ドル(約3,200円)~

このプログラムは、「育児・仕事・家事などで時間的に制約のある女性」や
「体力に自信がない女性」などが、女性同士で気軽に参加できるプログラム
といえます。

・トレーニングの様子(写真)
http://www.curvesinternational.com/whatiscurves

また同社の施設は、コンパクトサイズ(110平方m前後)でショッピングモ
ールなど女性が立ち寄りやすい場所へ出店されており、1クラスの参加人数
もそれほど多くないため、周囲の目を気にしなくてもよい点は人気要因のひ
とつと言えるでしょう。


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【女性専用クラブが会員を惹きつける理由は?】
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米国には、Curves for Womenのほかにも多くの女性専用フィットネスクラブ
があります。ここでは、3つのクラブの注目サービスを紹介します。

1)SweatShop Health Club:ピラティスなど女性向けプログラム
(設立:1982年 ミネソタ州)

コンセプトは、『Fitness A La Carte(アラカルト)』。Curvesと同様の
30分トレーニングのほか、ピラティス、エアロ、ダンベル、トレーナーの両
方の資格をもつスタッフによる栄養コーチなどの豊富なプログラムを用意し
ています。

特に、女性が無理なく鍛えれる「ピラティス」プログラムに力をいれていま
す。ピラティスクラスは、初級・中級とも各週4日開設しているほか、指導
者資格のとれる上級クラスもあります。

・SweatShop Health Clubの概要
http://www.sweatshopfitness.com/index.html

2)Healthy Inspirations:ダイエット+美容に特化したクラブ
(設立:1992年 米国、カナダなど61クラブ)

既存のフィットネスクラブに通う女性の8割がダイエット目的とも言われい
る中、ダイエットしたい30~50代女性をターゲットにしたフィットネスクラ
ブ。特徴は、「徹底した個別カウンセリングの提供」と「女性向けリラクゼ
ーションサービス」にあります。

週3日×10分間の個別カウンセリング受講を義務付けているほか、マッサー
ジやエステルームを完備。ダイエット中のストレスを改善できる女性向けリ
ラクゼーションサービスを提供しています。

・サービス概要
http://www.healthyinspirations.us/main/communities/community.asp?UserID=2&CommunityID=212


3)Women's Wellness & Fitness Center:体重計から開放されて楽しめる
(設立:1991年 ニューヨーク)

このクラブのモットーは、運動を楽しむこと。施設内には、ダイエットに欠
かせない体重もサイズ測定をするスペースもありません。月1回程度の個別
カウンセリングでは、サイズダウンにこだわりがちな女性達が、見た目のみ
にこだわらず正しい健康管理ができるように支援しています。

クラスの種類は、ジャザサイズ、マシントレーニング、エアロビクス、ヨガ
など。特に、エアロビクスよりも比較的楽に楽しめるジャザサイズのクラス
が人気です。クラブ内には、無料の託児施設を完備しており、子供連れの女
性も安心して参加できます。

・プログラム概要
http://www.showcase.realpages.com/basic/categories/sites/womenswellness/index.html

これら3つの事例のサービスのひとつひとつは、決して珍しいものではあり
ません。ただ、「コンパクトサイズ」の施設に、女性がリラックスできる雰
囲気、安心して楽しめるサービスを加えることで、女性が継続して通いつづ
けやすいクラブとなっています。


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【HBMの視点】
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■今回紹介した事例の経営者は、いずれも女性となっています。女性企業家
が、既存フィットネスクラブに対する女性の不満を解決するため、「コンパ
クトサイズ」で地域性に配慮して、必要なサービスを提供しています。日本
でも「周囲の視線が気になる」といったニーズは考えられ、同様のサービス
展開の可能性はあるとはいえないでしょうか。

■また、米国ではコンパクトサイズの施設でも周りの目が気になる(もしく
はフィットネスクラブに行く時間がない)といった女性向けに、電話で個人
の体力や目標にあった運動指導をしてくれるサービスもあります。

・Association of Fitness by Phone Coaches :電話でフィットネス指導
http://www.phonefitnesscoach.com/

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