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         米国健康ビジネスのニュートレンド
    ~ 美容業界が仕掛ける「複合型ウエルネスショップ」 ~
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【日米で注目の「複合型ウエルネスショップ」】

最近日本では、化粧品メーカー、自然食品ショップなどが、商品販売機能に
加えて、体験(エステやマッサージ)や食事(レストランやカフェ)、学び
(講座やスクール)など複数のサービスを提供する「複合型ウエルネスショ
ップ」が増えています。

米国でもここ数年、スパ業界を中心としてこのような「複合型ウエルネスシ
ョップ」が注目をあびています。そこで今回は、米国の「複合型ウエルネス
ショップ」の中から、多くの雑誌やメディアで話題となっているデイスパ
Kinara Spaと、グルーミング・ショップGrooming Loungeの2つを紹介します。


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【事例1:Kinara Skincare Clinic, Spa and Cafe】
                 :デイスパが、健康カフェを併設
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■概要
・運営企業:Kinara
・URL: http://www.kinaraspa.com/home.html
・設立:2002年10月
・主な事業:スキンケア商品販売、エステサロン、カフェ、ブティック
※スキンケア専門家のOlga Lorencin氏とL.A.のレストラン運営企業のフラ
ンス人Christine Splichal氏の2人が組んで始めた新しいスパ施設。

・ロケーション:ロサンゼルス

■特徴   自然素材・低脂肪・ローフードの健康メニュー

KinaraSpaの特徴は、スパ&エステサロン、商品販売ショップと併設されて
いる健康カフェ「kinera Cafe」にあります。

ガラス張りのオープンキッチンで提供されるメニューは、美容・栄養の専門
家と、有名フレンチレストラン経営者らが考案した、有機素材を使った低脂
肪メニュー。最近、人気の高まっている栄養素を逃がさない低温加熱「ロー
フード」も多く取り入れています。

・メニュー:朝食・ブランチ・ドリンク・デザートなど。
http://www.kinaraspa.com/kinara_menu.html

kinera Cafeでは、テイクアウトや宅配も可能です。一般にデイスパは、限
られた会員制スペースであることも多いのですが、ここでは、スパを利用し
ない人でも、オフィスや自宅で気軽に健康的なスパ料理を味わうことができ
ます。

KinaraSpaは、女性がスパ&エステのトリートメントを受けたあと、カフェ
でくつろぎ、ブティックでは世界中から集めたおしゃれな雑貨やスパ商品の
ショッピングを楽しむなど、色々なサービスを一箇所で楽しめる複合型施設
です。


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【事例2:Grooming Lounge】 スキンケア商品メーカーが、体験型スペースを提供
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■概要

・運営企業:Grooming Lounge
・URL: http://www.groominglounge.com/
・設立:2002年3月
・主な事業:男性用スキンケア商品販売、サロン運営

・ロケーション:ワシントンD.C.
・店内の様子(写真)
http://www.groominglounge.com/visitourstore.html#

■特徴   各種トリートメントを手軽な値段から体験できる

同社の商品ラインは、主にフェイス・ボディ・ヘアケアの3つ。特徴は、
これらの商品を使った各種トリートメントを体験できるサロン運営にありま
す。

サロンでのサービスの例)

・フェイシャル・トリートメント($30)
・二日酔い解消のアイ・セラピー($30)
・クイック・マッサージ($50)

・ホット・シェービング(髭剃り)($45)
・ヘアカット($50)
・フット・トリートメント($50~)

・フェイシャル・トリートメント($70~)
・ホットストーン・マッサージ($110)

その他に、各種トリートメントを組み合わせて、じっくり贅沢な時間を味わ
えるパッケージも8種類($74~$320)あります。

・サービス一覧
http://www.groominglounge.com/dcstoreservices.html

サロンを利用することで、高額な美容商品を買う前に気軽に試すことが可能
になり、その点がユーザーから支持されているとも考えられます。


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【HBMの視点】 「複合型」による運営側のメリットは?
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■今回は、「複合型ウエルネスショップ」の事例としてスパ企業が有名レス
トラン企業と連携して健康カフェを併設している事例、ボディケア(グルー
ミング)商品販売企業が、自社製品を使ったサロンを併設している事例の2
つを紹介しました。

■「複合型ウエルネスショップ」を運営する側のメリットとしては下記のよ
うな点があります。

・商品販売・食事・学び・体験などの総合的な提案に満足すれば、企業自体
 へのファンができやすい。
・「学び」の場(セミナーなど)の中で、自社の運営コンセプトを説明する
 ことができ、根強い支持者(ファン)を作ることができる。
・「学び」の場(セミナーなど)を開催することで、対象者の知的好奇心を
 刺激し、定期的・継続的な新たな情報発信ができ、来訪が見込める。
・ヘルシーテイスト「カフェ(レストラン)」で間口を広くとることで、顧
 客接点を作りやすい。
・「学び」の場(料理教室など)で、 自社商品と接する機会をもたせるこ
 とができる。

■日本でも「複合型ウエルネスショップ」は、食品メーカー、スパなどが中
心となり展開が広がっています。上記のメリットを活用し、どう「継続的な
顧客接点づくり」に繋げていくかが重要なテーマになっています。

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