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  今回の注目事例:航空業界の健康への取り組み
      ~機内フィットネスプログラム~
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最近、日米ともに航空会社の「健康」を切り口としたアプローチが数多く見
られるようになってきました。

全日空は今年3月、食物アレルギーの子供向けに、小麦やそばなどの5大アレ
ルギー成分を使わない機内食を提供し始め、ユナイテッド航空では、今年7
月からファーストクラスとビジネスクラスの乗客向けにローカーボ(低炭水
化物)の食事オプションが選べるサービス提供を始めています。

一方、ここ数年エコノミークラス症候群が取り沙汰されています。これは、
機内の中で長時間下半身を動かさないでいるために、太股の奥にある静脈に
血栓ができてしまう症状のことです。

深刻だと死に至ることもあり、このエコノミークラス症候群を防ぐためにも
、機内で移動しながら適当に身体を動かすなど、対策が必要となります。

そこで今回は、JetBlue Airways社の"Flying Pilates"プログラム、デルタ
航空の子会社であるSong Airlines社が始めたユニークな"In-FlinghtExerc
ise"(機内エクササイズ)の2つを紹介します。

参考事例)
・全日空「5大アレルギー成分除去ミール」
http://www.ana.co.jp/int_svc/spmeal/index_allergy.html
・ユナイテッド航空食事オプション
http://www.united.com/press/detail/0,6862,52143-1,00.html


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【注目事例1:JetBlue Airways社】:"Flying Pilates"プログラム
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■企業概要
・企業名:JetBlue Airways
・URL:http://www.jetblue.com/
・設立:1999年
・主な航路:シアトル、ラスベガス、ニューヨークなど29都市

JetBlue Airways社は、フィットネスクラブのリーディングカンパニーであ
るCrunch Fitness Internationalと提携し、今年4月より機内でのエクササ
イズプログラム"Flying Pilates"を開始しました。

・プレスリリース
http://www.jetblue.com/learnmore/pressDetail.asp?newsId=243

・Crunch Fitness International社のページ
http://www.crunch.com/

■プログラム概要

"Flying Pilates"は、狭い座席でも行えるように工夫してある機内ピラティ
スプログラムです。各座席の前ポケットにカードが入っており、そこには4
つの姿勢がイラスト付きで説明してあります。

・Flying Pilatesの紹介ページ
http://www.jetblue.com/havefun/pilates.html

・"Flying Pilates"カード(PDF)
http://www.jetblue.com/pdf/pilates_card.pdf

他に"Airplane Yoga"カードがあり、これはその名の通り機内ヨガを推進す
るものです。

・"Airplane Yoga"カード(PDF)
http://www.jetblue.com/pdf/yoga_card.pdf

JetBlue Airways社はこのキャンペーンに伴い、保有する飛行機の65%以上
の足部分のスペースを約5センチ広げました。また、キャンペーンのプロモ
ーションの一環として、JFL空港の顧客専用ラウンジでピラティスのデモン
ストレーションやマッサージを受けられるイベントも行っているようです。


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【注目事例2:Song Airlines社】:"In-Flinght Exercise"プログラム
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■企業概要

・企業名:Song AirlinesInc
・URL:https://www.flysong.com/index.jsp
・設立:2003年
・主な航路:アトランタ、ボストン、ラスベガスなど13都市

Song Airlines社の"In-Flight Exercise"は、米国で有名なフィットネス指
導者であるDavid Barton氏が考案した機内用のエクササイズプログラム。

・ニュースリリースページ
https://www.flysong.com/pr_news/fitness.html

■プログラム概要

8ドルの追加チャージを支払うと、下記のエクササイズツールを受け取るこ
とができ、各自でエクササイズをするような仕組みになっています。

・Squeezable ball(手で握る用のボール)
・Resistance band(ゴムバンド)
・How to manual(インストラクションマニュアル)

これは、アイソメトリックスと呼ばれる基礎代謝量を上げるためのトレーニ
ングと曲げ伸ばし運動を掛け合わせた、David Barton氏が独自に考案した
"Stretchmetrics"を採用した、筋肉を鍛える約15分間のプログラムです。

足、背中、胸、肩など全身のあらゆる筋肉を使用したエクササイズで、機内
という限られた場所でもストレス、疲労の軽減、血流への刺激、緊張を解く
ことができるなどと、とても画期的なプログラムです。


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【HBMの視点】
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■今回は、航空業界の健康への取り組みとして、JetBlue Airways社とSong
Airlines社がそれぞれ提供する機内フィットネスプログラムに注目しました
。アレルギー対応食やベジタリアンメニュー、ローカーボなどの食事のオプ
ションは、色々選べるようになってきているようですが、このようなエクサ
サイズプログラムは、まだ例が少ないような気がします。

■エクササイズは正しい方法で行うことが重要。訓練を受けた客室乗務員な
どによる指導があってもおもしろいのではないでしょうか。

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