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<<今月のテーマ:米国健康サイトにおける提携戦略の整理と今後の展開>>
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●海外健康インターネットビジネス最新ウォッチ
●特集 米国健康サイトにおける提携戦略の整理と今後の展開

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<海外健康インターネットビジネス最新ウォッチ>
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■silverhammerpub.comが健康サイト情報に関するメールマガジンを開始
http://silverhammerpub.com/

Silver hammer Publication社が「HealthESites」という健康関連のサイト
情報を提供するメールマガジンの配信を開始した。

■心臓病に関するポータルサイト、更なる発展をめざす
http://www.cardiocomm.com/

心臓病に関する情報提供企業 CardioComm が、同社Webサイトcardiocomm.comの
制作・運営の更なる発展をめざし、インターネットシステム構築・コンサル
ティング企業 Sierra Systemsと提携した。

■喘息とアレルギーに負けない食生活のオンラインガイド
http://www.cyberdiet.com/modules/aa/outline.html

Mediconsult.comが、喘息とアレルギーに負けない食生活に関するオンライン
ガイドの提供を開始。喘息やアレルギーの患者は年々増加傾向にある。2つの
症状が出やすい春先に関連情報を提供するタイムリーな企画。

■RnetHealth.com Inc.、ハーブに関する情報を新規提供
http://www.RnetHealth.com/

RnetHealth.com Inc.が、医薬品・健康食品としてのハーブの効用を啓蒙する
非営利団体 American Botanical Council(ABC)と提携。同団体から提供さ
れたコンテンツを自社のWebサイトに活かしている。

■Lilly社、糖尿病と鬱病に特化した2つのサイトを同時に開設
http://www.lillydiabetes.com/

Eli Lilly社は、既存の同社サイト"http://www.lilly.com/" とは別に、
糖尿病に関するサイト"http://www.lillydiabetes.com/"と鬱病に関するサイト"http://www.prozac.com/" の2つ
を同時に開設した。分野ごとに専門情報の提供を通し、更なる顧客獲得を
めざす。


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<特集 米国健康サイトにおける提携戦略の整理と今後の展開>
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「海外健康インターネットビジネス動向」では海外の健康サイトをいろいろ
な視点で分析しているが、今回はサイトの提携戦略のポイントをバックナン
バーから抽出するとともに追加情報を加え、インターネットビジネスにおける
「提携」について整理し、今後の展開について予想してみたい。

【提携の分類】

ヘルスビズでは「提携」の目的を「ユーザーの課題解決のために何らかの
形で外部サイトの商品や情報を組み合わせて自社サイトに活かすこと」と
広くとらえ、その種類を「リンク型」、「サイト取り込み型」、「共同運営
型」の3つに分類した。提携のイメージをつかみ易くするため具体例として
米国の健康サイトを掲載したので参考としていただきたい。

(1)「リンク型」

リンク型については「自社リンク集」、「アフェリエートリンク」、「商品
選定リンク」の3つに分けた。

■自社リンク集(※相互リンクも含む)
自社サイトにリンク集をつくることが提携と呼べるかは別として、ユーザー
のニーズに対し自社サイトでは足らない部分を補おうとする心構えは大切で
ある。リンク集は決して数ではなく、「ユーザーにとって必要と思われる
情報カテゴリーの分類」、「サイトの選定」、「適切な情報を抽出した
説明文」、「トップページではなくどれだけ必要な情報にダイレクトに
リンクできるか」が重要なポイントになる。

■アフェリエートリンク
アフェリエートプログラム(リンク経由で注文が入った場合に売上の何パー
セントをバックするプログラムのこと)で使われるリンク。リンクボタンを
押すと商品販売企業のトップページが別ウインドウで現れる形が多い。
(※別ウインドウでなく、小さなウインドウが同じサイト上に開くパターンも
ある。)

・具体例サイト:Sickbay.com(バックナンバー10号)の「Get well soon
(患者を元気づける商品)」
http://sickbay.com/services/getwell.html

■商品選定リンク
アフェリエートリンクと似ているが、リンクボタンを押すと商品販売企業の
トップページではなくユーザーに合いそうな「具体的な商品のページ」に
ダイレクトにとび、アフェリエートプログラムが働いている。

・具体例サイト:Nutrio.com(バックナンバー15号)の「Shopping(ショッピ
ング)」
http://www.nutrio.com/servlet/nutrio?page=52&cat=0
※例えば上記のサイト中でAmazon.comをクリックするとAmazon.comのダイエッ
トに関わる本が表示された特定のページに移るようになっている。

(2)「サイト取り込み型」

ある特定の外部サイト自体をそっくりそのまま自社サイトに取り込む形。

・具体例サイト:GenerationA(シニア向けポータルサイト)の「Shopping
Pharmacy」
http://www.generationa.mimrx.com/generationa/default.asp?mscssid=99134553042
※上記ページはMIMRx.com社がそっくりそのまま提供している。ちなみに
オリジナルとなっているMIMRx.com社のページは以下のとおり。
http://www.mimrx.com/

(3)「共同運営型」

特定の健康課題を解決するために、企業が数社集まりサイトのコンテンツを
部分的に提供しサイトを立ち上げる。

・具体例サイト:WholeHealthMD.com(バックナンバー11号)では「代替医療
の専門家ネットワークサイト:American WholeHealth」、「代替医療の食品
販売流通を専門とするサイト:WholeFoods Market」、「代替医療に関する
出版社:Rebus Inc」が集まりサイトを立ち上げている。
http://www.WholeHealthMD.com/


【提携の分類ごとの今後】

以上の提携の分類はインターネット技術の進化やビジネスモデルの発展に
より日々変化するものであり固定的なものではない。従って、今後の展開を
予想し、先に手を打っておくことが重要になる。

(1)「リンク型」の今後

サイト数が莫大に増え、検索エンジンを使っても求める情報と関係ない
ページが多数表示され、検索に時間がかかるようになっていることをうけて
か、「検索ノウハウ」的なことが書かれている雑誌には必ずといってよい程、
検索のキーワードを選ぶ際、「検索したいテーマ+リンク集」と入力して
みようとアドイスがある。

つまり、これからはユーザーが検索時に「リンク集」という単語を入力する
場合が増えてくると予想され、ユーザーにとって有益なリンク集を作成し、
ドメインを別にとり、単独のリンク集として存在させるとプロモーション的に
も効果的であると言える。(もちろんそのリンク集の中に自社のサイトも
紹介しておく)

「アフェリエートリンク」と「商品選定リンク」についてユーザーの視点で
考えてみると、「紹介される企業・商品がどの程度信頼がおけるか、どのよう
にしてこの企業や商品は選ばれてきたのか」に疑問をもつことが予想される。
従って、「第3者機関による客観的評価」、「その商品を購入したことのある
消費者の評価」、「専門家の評価」などを記載して信頼性を高めておくこと
がポイントとなる。

(2)「サイト取り込み型」の今後

今後は、自社のコンテンツ自体を売りたい企業とコンテンツを買いたい企業
を結びつけるようなマッチングサイトができてもおかしくはない。また、
自社のコンテンツが充実している自信があるならば、アクセスの特に多い
サイトに対してコンテンツ自体を無料で提供し、そこからのアクセスを期待
する方法もある。

(3)「共同運営型」の今後

サイト運営者のプロモーション視点から見れば、一つのサイトに対し多額
のプロモーション費をかけるよりも、自社のターゲットのニーズを解決する
情報・商品を集めたサイトをそのテーマと関連する企業数社がコンテンツを
持ち寄って作り、そのサイトからのアクセスを期待した方が費用対効果は
よくなる可能性もある。


以上インターネットビジネスにおける「提携」について整理し、今後の展開
について予想してみたが、サイト構築においてはユーザーの課題を自社サイト
ですべて解決できない場合がほとんどであり、外部企業と上記のいずれか
もしくは新しい形の「提携」を行い、「情報」と「商品」を組み合わせて
ユーザーのニーズを解決しユーザーの望むライフスタイルを達成させるサイト
作りが必要になる。

今後も「海外健康インターネットビジネス動向」では「提携」のトレンドを
定期的にウォッチしていく。

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