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  男性向けダイエットのヒント(その1)「Abs Diet(腹筋ダイエット)」
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■2007年は男性向けダイエットが本格化する年

2006年はメタボリックシンドロームという言葉がキーワードとなり、2008年の
改定健康保険法(健康保険組合に生活習慣病の保健指導と数値目標の達成
が義務付けられる法律)の実施を前に、2007年は男性向けダイエットビジネス
が本格化する年になると予想します。

米国のダイエットプログラムには様々なものがありますが、その中で代表的な
もの(ローファットダイエット、アトキンスダイエットなど約12種類が存在)の中
で、男性をターゲットにしているのが今回紹介する「Abs Diet(腹筋ダイエット)」。


きびしい食事制限によるダイエットをあえて「ネガティブな(我慢の多い)ダイエ
ット」とすると、Abs Dietは、筋力アップしながら積極的に食べることを推奨する、

「ポジティブな(我慢の少ない)ダイエット」

である点が最大の特長です。


※参考:グローバルインフォメーション、ビジネスレポート
米国におけるダイエットのトレンドDiet Trends - US - July 2006
http://www.infoshop-japan.com/study/mt42810-us-diet.html
第5章に米国の代表的なダイエットプログラム12種類が紹介されている。


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事例の概要
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■企業概要

・運営企業:Rodale Inc.
http://www.rodale.com/
同社は多数の健康雑誌(Men's Health、Prevention、Women's Healthなど)や
書籍を発行する米国最大級の健康系出版社。

・運営企業の売上:$500 million (約550億円)

・「Abs Diet(腹筋ダイエット)」プログラム
書籍及びウェブサイト「Abs Diet Online」で提供されている。

※書籍「The Abs Diet」(2004年10月発刊)
http://www.amazon.co.jp/Abs-Diet-Six-Week-Flatten-Stomach/dp/1579549985/sr=1-5/qid=1170250238/ref=sr_1_5/250-2226558-7931446?ie=UTF8&s=english-books
2007年5月には、女性向け「The Abs Diet for Women」を出版予定。

※ウェブサイト「Abs Diet Online」
http://www.absdietonline.com/
1ヶ月$16.95(約1900円)で、個人のプロフィール(身長、体重、
ウエスト、ヒップサイズ)、日々の運動レベル、目標体重などを入力すると具
体的な運動と食事のプランが提案される。またサイトでは、記録、コミュニテ
ィ、動画での運動紹介などがされている。


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プログラムの特長:「男らしい筋肉づくり」がダイエットにつながる
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同プログラムの特長は、腹筋を鍛えて魅力的な体を作り、それが最終的にはダ
イエットにつながるという点です。食事制限を強制してのダイエットではなく、よく
動き、よく食べて、男らしい体を作りながらダイエットすることを狙いにしています。


具体的には下記の工夫をしています。


■運動:腹筋にこだわった55種類のトレーニングバリエーション

同プログラムでは、腹筋周辺を鍛える運動を下記の5種類にわけ、合計で55
種類の運動を紹介。また、ウェブサイト「Abs Diet Online」では、トレーニングの
様子が動画で紹介されています。

・Upper Abs(上部腹筋)
・Lower Abs(下部腹筋)
・Obliques(腹側筋)
・Transverse Abdominis(腹横筋)
・Lower Back(背中の筋肉)


例)上部腹筋(Upper Abs)トレーニングメニュー
traditional crunch(腹直筋)、standing crunch(立位腹筋)、modified
raised-feet crunch(半おこし腹筋)、lying cable crunch(背もたれを使っ
た腹筋)、weighted crunch(重りを使った腹筋)など10種類あり。


■食事:12のパワーフードと食事制限なしのガイドライン

同プログラムでは、推奨する食材(12種のパワーフード)と、1日6食、カ
ロリー制限なしの食生活指針(6つのガイドライン)が基本となっています。

・12種の「Power Food(パワーフード)」

A:アーモンド、その他のナッツ類
B:豆とその他豆類
S:ほうれん草、その他の青野菜
D:牛乳(無脂肪または低脂肪)、乳製品
I:インスタントのオートミール
E:卵
T:七面鳥、その他の無脂肪の肉や野菜
P:ピーナッツバター、無添加、無糖
O:オリーブオイル
W:全粒粉パンや穀類
E:特別なタンパク質(ホエイ:乳清)のシェイク
R:ラズベリー、その他ベリー類


・6つのガイドライン

1)1日6食のバランスよい食事。3食+3間食
2)12のパワーフードを食べる
3)1日1杯スムージーを取り入れる
  (スムージーのレシピはオリジナルで5種類のパワーフードを含むもの
4)カロリー計算をしない。カロリー制限より食習慣を改善する
5)アルコールは控えめにする
6)1週間に1食、好きなものを食べてOK


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スポルツの視点
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Abs Dietのプログラムは、同社の代表的男性向け健康雑誌である「Mens Health
」の編集部が中心になり作成されている関係で、ターゲットは筋力運動が元々
好きな人(体育会系でストイックな運動もあまり苦に思わない人)が中心。

ですので、日本の一般的な肥満男性に対しそのまま応用することは難しいでし
ょうが、いくつかのヒントとなるキーワードをあげてみます。


■ポジティブな(我慢しない)ダイエット

正しい栄養バランスで適切な量を食べる(食事制限を行う)というアプローチ
が多い中、Abs Dietは筋力運動をしっかり行い、積極的に食べることを推奨す
る、「ポジティブな(我慢の少ない)ダイエット」です。これは日本の男性向けダ
イエットでも有効ではないかと考えます。


■ダイエットは最終目的ではない

同プログラムの名前にはDietという文字が含まれていますが、同プログラムで
は「男らしい体になること」、さらには筋力運動による「前向きな気持ちへの
変化」「若返り」「快眠」「異性に対する魅力の向上」といったことも多く訴求して
います。

女性と違い、ダイエットの動機づけが難しい男性にとってこうした複合的な動
機を用意しダイエットを最終目的として表現しすぎない点は参考になります。


■飽きさせないバリエーション

筋力運動は飽きやすいものです。同プログラムでは、腹筋だけで55種類のバ
リエーションを用意、動画を使うなど配信方法にも工夫しています。

バリエーションでいえば、例えば特に基礎代謝アップにつながる「人体の太い
筋肉部位に特化した数多くのバリエーション」を用意したり、「家にあるもの
を使った筋力運動バリエーション」や、「家族とともにできる筋力運動バリエ
ーション」の提案が考えられます。

また、配信方法でいえば、動画で流すことも一つの方法ですが、例えば毎週お
勧めの筋力トレーニング法がファックスで届くといったサービスも、プログラム
参加のリレーション意識を高めるといったメリットがあるでしょう。


■食品販売との連携

筋力運動をベースとしたダイエットでは、良質で吸収力のある高たんぱく、低
脂肪の食品(間食)が必須となります。同プログラムではレシピ提供のみとな
っていますが、そのような食品の販売企業との連携も必要になるはずです。

今号では、男性向けダイエットビジネスのヒントとして「プログラム」に注目
し、事例を紹介しました。2007年の本メルマガ「ヘルスビズウォッチ(海
外ユニーク事例編)」では、特に男性のダイエットビジネスの参考となる様々
な事例を紹介していきますので、ご期待ください。

 

 

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