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【先進事例分析】
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ロハス層からコンシャスメディア層へ広げる「ガイアム社」の最新動向

     ー 株式公開10年を向かえ、新たなステージへ ー

      「ライフスタイルメディアカンパニーへの進化」

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近年の環境意識の高まりを受け、健康ビジネスと環境ビジネスの接点が
広がっています。この分野の先駆けは米国のロハス提案企業である
「ガイアム社」です。

本メルマガでは2003年にガイアム社の概要を紹介しました。その後6年が
過ぎ、売上は2003年の102億円から2008年には257億円に達して
います。

今回は、同社のサービスの全体を改めて俯瞰するとともに、どのように
ビジネスを発展させていったのかを探ります。

※バックナンバー:
・ロハスビジネスの成功企業「ガイアム社」(2003年6月)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/110.html


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1)事業概要
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■企業名:Gaiam, Inc
http://www.gaiam.com/

■設立:1988年(1999年株式公開)

■売上推移:
・98億円(2001年)
・111億円(2002年)
・102億円(2003年)
・96億円(2004年)
・142億円(2005年)
・219億円(2006年)
・262億円(2007年)
・257億円(2008年)

■売上成長の要因

同社の売上をみると2004年で一度頭打ちになり、その後急速な拡大をして
います。2004年までの同社は、単にロハス関連の商品を集め販売する企業
であり、核をもたず商品構成が複雑化し、限界にあったといえるでしょう。

しかし、その後同社はメディアを核と据え、「実践のきっかけ」を提供する
ことに集中し、企業コンセプトも「ライフスタイルカンパニー」から、
「ライフスタイルメディアカンパニー」に変更しました。

その点が支持され、売上拡大に成功しています。現在米国のDVD市場では
第6位に位置づけられています。(1位はディスニー、2位はワーナー)


■営業利益率
・3%(2006-2007年平均)

■世界展開
・ブラジル、アルゼンチン、チリ、メキシコ
・イギリス、ベルギー、カナダ、イタリア、ドイツ
・日本(テレビ通販のオークローンマーケティング社が契約)

■収益源
・ロハス関連商品の販売

■売上構成(流通別)
・Sales to Business(小売店への販売):35%
・Direct to Consumer(直販):50%
・Solar Segments(ソーラー関連商品):15%

■企業の主なヒストリー
・2001年:ソーラー関連企業Real Goods社を買収
・2001年:Whole Foods社とネット通販Whole People.comを立ち上げ
・2005年:Good Time Entertainment(DVD販売企業)買収
・2006年:Gaiam lifeというロハスライフスタイルを提案するサイトを開始
・2007年:Zaadz社(ロハスコミュニティ)を買収し、Gaia Communityという
     サイトを運営開始


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2)事業コンセプト
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■ターゲット
・ロハス層(年収840万以上の高学歴者が中心)
・コンシャスメディア層
(子供や家族向けのエディテイメントや教育的な要素の強いドキュメンタリー
を好み、心に残る感動や自己啓発を好む人たち)

■ニーズ
・ロハスライフを様々な商品情報を通じて楽しみたい

■ベネフィット(価値)
・ロハスライフの楽しさ・喜び

■提供商品・サービス
・LOHAS5つのマーケットに対応する商品とライフスタイル提案

■LOHAS5つのマーケットと商品
ロハス市場は下記の5つのマーケットに分かれるとされており、
ガイアム社はこの5つの分野についてすべて商品を提供しています。

1)サステナブルエコノミー(太陽光発電や風力発電機器など)
http://www.realgoods.com/

2)ヘルシーライフスタイル(オーガニックアパレルなど)
http://www.gaiam.com/category/apparel.do

3)オルタナティブヘルスケア(マッサージ、睡眠関連など)
http://www.gaiam.com/category/wellness-clinic/alternative-therapy.do

4)パーソナルディベロプメント(ヨガ、フィットネス、自己啓発など)
http://www.gaiam.com/category/wellness-clinic/meditation-energy-practice.do

5)エコロジカルライフスタイル(省エネ家電、エコロジカルツアーなど)
http://www.gaiam.com/category/eco-home-outdoor.do


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3)ライフスタイル提案
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同社は近年、単に商品を提供するだけでなく、「ライフスタイルの提案」にも
力を入れています。その代表が、2006年から2007年に立ち上げた2つ
のライフスタイルサイトです。

■ガイアムライフ
http://life.gaiam.com/
マインドボディ、ヘルス&ウエルネス、グリーンリビング、パソナルグロウス
という4つのカテゴリーでロハスライフの楽しみ方を提案。各カテゴリーで
展開されているコンテンツは、専門家レポート、動画(DVDの一部)、
専門家ブログ(参加者がコメントをつけることが可能)です。

■ガイアコミュニティ
http://www.gaia.com/
テーマ別コミュニティ。サイトの使い方に関するコミュニティもあります。
ガイアム社の9名の社員がコミュニティに積極参加している点が特長です。

コミュニティは集客、リピート購入の両方に貢献するだけでなく、「ライフ
スタイルメディアカンパニー」である同社の基本的なサービスの考え方を
提示する骨格をなすものになっています。


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4)スポルツの視点
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今回はガイアム社の事業概要・コンセプト・サービスについて紹介しました。

ロハスに着目し、商品アイテムをボリューム化していた第一ステージから発展
し、ライフスタイル提案をメディアを核に複合化しているのが、第二ステージ
(現ステージ)といえるでしょう。

では、次はどのようなステージ(第三ステージ)に向かうのでしょうか。
最近の同社の動向からその方向を考えたいと思います。


■新しいターゲットの開拓

同社はロハス層だけでなく、コンシャスメディア層を新しいターゲットに
し始めています。コンシャスメディアマーケットは、以下の5つに分かれると
され、社会的な健康、スピリチュアルな健康をより重視するマーケットです。

・Children's(子供向けエディテイメント)
・Family Entertainment(ファミリーエンターテイメント)
・Documentaries(ドキュメンタリー)
・Inspirational Entertainment(感動ストーリー)
・Personal Development(自己啓発)


■コンシャスメディア層に向けた新しい商品開発

同社が近年特に力を入れているのが、上記のコンシャスメディア層に向けた
新しい商品開発です。その代表が、感動のドキュメンタリーDVDの定期的に
届ける「スピリチュアルシネマサークル」という有料サービス(月21ドル)
です。

1か月に4つのフィルム入りのDVDが送られ、シネマごとの情報交換ができ
るウェブコミュニティがついています。生きる勇気、将来への希望を感じさせ
るドキュメンタリー短編映画を見ることができます。(1本10分程度~
100分程度まである)

・サービスの紹介(クリックしてみてください。動画で紹介があります)
http://www.spiritualcinemacircle.com/scc/ecs/public/main/howItWorks.html

同社は健康づくりを、単に身体やストレスだけでなく、生きる勇気や将来の
希望を感じさせるスピリチュアルな内容にまで広がりをもたせ、次の飛躍を
狙うという意欲が読み取れます。

健康のための健康でなく、生きる勇気や将来の希望を健康づくりを通じて
学んでいくというスタイルがどこまで支持されていくかが気になるところ
ですが、このように健康を広く捉える考え方は、日本の健康ビジネスの
企画開発のヒントにもなり得るはずです。


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