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【先進事例分析】
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          健康記録、大航海時代の到来

       ー 新たな展開事例「keas(キーアス)」 ー

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本メルマガでは、健康行動を継続させる一つの方法として「健康記録」に注目
し、今まで様々なサイトやサービスを紹介してきました。

健康記録は下記の3つのステップがあります。

1)記録する
2)保管する
3)記録した結果を次の行動に活かす


それぞれ課題が考えられます。

1の課題)記録の手間(いちいち記録が面倒・・・)

2の課題)記録の一元管理(データが個別にばらばらで困る・・・)

3の課題)記録の価値(記録しただけで、解決に結びつかない・・・)

日本では1、2の課題はモニタリング機器・携帯電話が解決に貢献しており、
今後は、3の課題「記録の価値」が大きなテーマになると考えます。

そこで今回は、記録の価値という課題に対して、「記録データから個別プログ
ラムを提供する」というアプローチを行う「keas(キーアス)」というサイト
に注目します。


※関連バックナンバー
・健康サイトにおける個人記録データの活用法(2009年9月16日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/249.html
・継続ドライバ「ビジュアルモニタリング」事例(2009年5月22日)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/242.html


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「keas(キーアス)」の概要
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■企業名:Keas Inc.

■サイト名:keas(キーアス).com
https://www.keas.com/

■概要:個人の健康データを元に適切な健康プログラムを提供する。
    個人の健康データを最大に生かした価値提供を行う。
    (記録から行動へ強く促す)

・健康データを生かした健康プログラムを提供
・健康診断結果の見方をアドバイス
・体験者コミュニティの運営

■サイト開始:2009年10月

■運営:グーグルヘルスの開発責任者だった「アダム・ボズワース」氏が開始

■会費:無料

■収益源:現在のところなし
(将来的には有料プログラムによる課金を検討)

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提供プログラム例
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自分の健康記録をヘルスボルト、グーグルヘルスなどに保管している場合、
そのデータを「keas」に連携させ、「keas」に取り込んだデータから自分の
健康記録に合う最適な健康プログラムが数種類提示されます。

※ヘルスボルト、グーグルヘルスにデータを保管してない場合、
 手入力でデータを保管することもできます。


●自分の健康データにあわせて提示されるプログラムの種類

・キーアス独自のプログラム
High Cholesterol Control Plan
Men's Preventive Health Plan
Blood Pressure News and Tips
Healthy Weight News and Tips
Healthy Weight Habits Plan
High Blood Pressure Control Plan
Women's Preventive Health Plan
など17種類


・ヘルスワイズ社との提携プログラム
Depression Management Plan
Headache Management Plan
Healthy Weight Plan
Low Back Pain Management Plan
Prediabetes Management Plan
Type 2 Diabetes Management Plan
など8種類


・MinuteClinicとの提携プログラム
MinuteClinic Bronchitis Recovery Plan
MinuteClinic Cold Recovery Plan
MinuteClinic Flu Recovery Plan
など5種類


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提供プログラムの詳細例
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実際のプログラムですが、内容は1週間ごとに学び、さらに実行結果を評価
しながら行うプログラムが中心です。


●「Keas Men's Preventive Health Plan」の場合

第1週:自分のボディサイズ、BMI、ウエストサイズを知る(10分)

第2週:心臓の健康について学ぶ(25分)
     禁煙、血圧、コレステロール、心臓リスクチェック他

第3週:がん予防について学ぶ(45分)

第4週:セックスと健康について学ぶ(10分)
     HIVテスト

第5週:メンタルヘルスについて学ぶ(10分)
     うつ度チェックとその解決法

第6週:今後の健康診断の受け方のアドバイス(10分)



●「Healthwise Healthy Weight Plan」の場合

第1週:ヘルシーウエイトの定義を知り、プログラムスタート方法を学ぶ
     ゴール(目標)、実行内容を決める

毎月末:マンスリーニュースが届く(減量に関する最新トピック)

7ー9週間かけて:自分で立てたゴールに対する実行内容がどうであったかを
振り返りながら進める

※このプランで学べること
・ヘルシーウエイトの定義
・実行における障害の克服方法
・健康的に食べるためのすぐできるコツ
・日常生活の中で活動量を増やすコツ
・体重を適正にすることのメリット
・体重をキープするコツ


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スポルツの視点
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■今回は「記録した結果を行動に活かすこと」に対応した、新たな展開事例と
して今月リリースしたばかりの「keas」を紹介しました。

■米国では、ヘルスボルト、グーグルヘルスといった健康記録を一元管理でき
るサイトが成長し、多くの会員を集めています。「keas」はそれらのデータと
連携でき、自分に合った健康プログラムを実践できるというものです。

■日本では、健康記録をサービスとして付加する事例が増えています。
また、データの保管としてのPHR(パーソナルヘルスレコード)はさらに進化
すると予想されています。今後は記録したデータの価値化(記録した結果を
次の行動に活かすこと)をいかに行えるかが最大のポイントになるはずです。


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