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  海外ユニーク事例:
       米国の企業向け健康プログラム(その2)保険会社編

   <注目したい特長>

     ・メンタルアセスメント
     ・医療機関/流通/フィットネス施設と組んだ健康講座
     ・パーソナルナース

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今号では、今年1月に特集した「米国企業向け健康プログラム」の
第2回目として、保険会社の提供する健康プログラムを紹介します。

企業向け健康プログラムには、健康リスクの高い個々人に行う「ディジーズ
マネジメント(DM)プログラム」と、健康な人を含む集団全体に働きかけ、
健康リスクを減らし生活習慣病発症者を増やさない「ウエルネスプログラム」
があります。

両プログラムをあわせた米国での市場規模は約2000億円とも推定され、
保険会社とDMプログラム提供企業が主に提供しています。

今号では米国大手保険会社の健康プログラムの概要とその特長を紹介します。

※参考バックナンバー
米国の企業向け健康プログラム(その1):DMプログラム提供企業編
(2010年1月22日配信)
http://www.healthbizwatch.com/hbw/global/contents/256.html


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事例1:Aetna(エトナ)社
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■企業名:Aetna Inc.
■設立:1853年
■事業概要:健康保険サービスの販売(個人・法人向け)
■売上(企業全体)
・3.5兆円(2009年)
・3.1兆円(2008年)
・2.7兆円(2007年)

■加入者数(医療保険):1,891万人(2009年12月時点)

■健康プログラムの効果(ウエルネスプログラムの効果)
・生産性向上と退職率の低下
・健康に対する意識の向上
・長期的にみた健康コストの低減

■DMプログラム
糖尿病、高血圧、喘息、骨そしょう症、ガンなど含む35以上の疾病管理
プログラム。パーソナルレコードの活用、個人のオプティマルヘルス実現を
サポートする。
http://www.aetna.com/plans-services-health-insurance/detail/health-wellness-plans/disease-management.html

■ウエルネスプログラム
ライフスタイル・コーチング、禁煙プログラム、妊娠・出産プログラム、
正看護士、栄養士による健康相談サービスなど全70種類以上あり。
http://www.aetna.com/plans-services-health-insurance/detail/health-wellness-plans/wellness-programs.html


●プログラムの注目点:Behavioral Health Assessment

多くの健康に影響を及ぼすメンタルの専門アセスメント(評価)。
メンタルを強化して健康度をあげることを狙う。
http://aetnabhra.com/


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事例2:Kaiser Permanente(カイザー・パーマネンテ)社
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■企業名:Kaiser Permanente
■設立:1945年
■事業概要:健康保険サービスの販売(個人・法人向け)
■売上(企業全体)
・3.6兆円(2007年)
・3.8兆円(2008年)
・4兆円(2009年)

■加入者数(医療保険):863万人(2008年12月現在)

■健康プログラムの効果:Total health and productivity
・健康的な職場文化を創ることで、スマート・ビジネスを達成。
・サポートツール(HealthWorks Workbook:ガイドラインを作成)も公開。
https://businessnet.kp.org/health/plans/national/totalhealthandproductivity

■DMプログラム
慢性的な病状の管理プログラム、腰痛などの慢性的な痛みの緩和プログラム、
不眠症、うつ病などの疾病管理プログラムなど様々なプログラムあり。

■ウエルネスプログラム
Total Health Assessment(トータルな健康評価)、減量プログラム、
ストレス予防、緩和プログラム、歩数計とモニタリングサイト利用の
割引価格、会員特別価格でのWeight Watchers利用。
https://businessnet.kp.org/health/plans/national/plans/multistate?contentid=/html/plans/nationalacct/nat_benefits.html


●プログラムの注目点:Healthy Living Classes(健康講座)

全米で地域別に健康講座が受けられるしくみをつくる。講座は健康テーマ別
と、場所別で検索できる。場所は、Medical office(同社系列の医療機関)、
ドラッグストア、自然食品店、フィットネスクラブでも受けることができる。
https://members.kaiserpermanente.org/kpweb/classes/entrypage.do


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事例3:Humana(ヒューマナ)社
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■企業名:Humana Inc.
■設立:1961年
■事業概要:健康保険サービスの販売(個人・法人向け)
■売上(企業全体)
・2.5兆円(2007年)
・2.9兆円(2008年)
・3.1兆円(2009年)

■加入者数(医療保険):1,100万人

■DMプログラム
糖尿病など特定疾患に関する情報発信、電話ベースの健康相談/担当看護師に
よる健康指導、サポート。

■ウエルネスプログラム
電話ベースの健康相談/担当看護師による健康指導、サポート、健康改善を
目指すカスタマイズされたアクションプランとニュースレターなど。
http://www.humana.com/employers/health/wellness_solutions.asp

●プログラムの注目点:Personal Nurse(パーソナルナース)

健康リスクのある会員に担当看護師が電話で行う健康指導のこと。
特に退院後の人のケアを確実に行い、再発予防に力を入れる。
http://www.humana.com/members/health/personal_nurse.asp


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米国健康プログラムの特長:健康づくり指標の充実
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1月号、今号と米国の健康プログラムを紹介しましたが、
その特長は、普段健康な人に気づき・動機づけを与える1つの手段として
「健康指標」を活用している点です。

・Healthways社
組織のQOL指標「The Corporate Well-Being Index」

・Matria社
組織の生産性指標「Health and Productivity Assessment」

・Healthdialog社
健康総合リスク指標「Whole Person risk scoring」

・Aetna社
個人のメンタル指標「Aetna Behavioral Health Assessment」

・Kaiser Permanente社
個人の健康総合指標「Total Health Assessment」


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スポルツの視点:多くの健康業界で活用可能な「健康指標」
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■米国の企業向け健康プログラムの注目すべきは、「健康指標」を充実させ、
わかりやすく自分自身の健康に関する尺度を見える化していることです。


■健康指標は下記のように分類できます。

・QOL系指標(SF-36やWell-being Indexなど)
・総合系指標(健康年齢、エイジング年齢、健康寿命など)
・からだ系指標(BMI、バランス能力、体組成年齢など)
・食事系指標(1日の食品数、食事力、調理力など)
・運動系指標(体力年齢、柔軟性、持久力など)
・組織系指標(アウトカム、パフォーマンス、プロセスなど)
・都市や社会系の指標(緑被率、栄養成分表示店の数、保育園待機率など)
細かくは70以上の指標が存在しています。


■企業が健康指標を活用するメリットは、下記が考えられます。

・健康食品など効果が見えにくいものでも、効果を間接的に表現できる
・健康機器では、指標の組み合わせで新たな価値が生まれる
・流通現場では、新たな顧客コミュニケーションの場が生まれる
・健康施設でも、体感しにくい効果を間接的に表現できる
・健康プログラム提供企業では、経過の改善度合いが明確に訴求できる


■健康指標の活用ポイントとして、下記3点をあげることができます。

1)本質的欲求に近い指標活用
・年齢より若くありたい(エイジング年齢)などの本質的欲求とからませる
 こと。

2)指標変化の実感
・指標には変化が見えやすい指標と見えにくい指標がある。複数の組み合わせ
 で、指標に変化を感じやすくする
・主観的健康指標の積極活用
・年を重ねるごとに指標は悪化するが、逆に年をとっても獲得できる指標を
 活用すること(食事力、ストレス耐性力など)
・長期的な指標管理による価値化

3)アドバイスとの連動
・指標はあくまでチェックであり、ソリューションとの連動が望まれる


■今回は、米国の保険会社の健康プログラムに注目しました。米国では医療
保険改革により、さらに健康プログラムの市場の拡大が予想されています。
スポルツでは、今後もこの分野に注目していきます。


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